未完成のブログ

未完成のブログ

Feb 3, 2013
XML
カテゴリ: オリジナル
木城二郎




速水恭一

速水恭一:パンの中では肉が入ってるものが好き。


白峰吹雪

白峰吹雪:中に色々入ってないシンプルなパンが好き。


奥寺舞子

奥寺舞子:有名チェーン店のドーナツが好き。週に一度は食べに行く。



VAMPIREEYE 第十話「沖田実満」

二郎は校舎に手をかざして集中し結界の源を探る。明命館学園の裏門側に魔力の流れを

感じた。

「あっちだ!裏門の近くだ!」

「じゃあとっとと結界とやらを破壊しに行くか!!」



だ。その様子を見ていた奥寺は窓から飛び降り軽い身のこなしで着地、吹雪の横に立つ。

「へぇ…木城君解るんだ。あの感じだとあなたが『カブリ』とやって従徒にした訳じゃな

いのねぇどういう事なのかしら?」

「…知らない、木城くんはいつの間にか力を手に入れていた」

「あっそ、まあいいわ。で、行くんでしょ?吸血鬼に会いに」

「ええ」

「挑発されてるのは私だから私も行くけど」

「好きにすればいい。邪魔するのならあなたも斬るだけよ」

「邪魔…ね。そっちこそ私の邪魔しないでよね」

火花が飛び散るほどのにらみ合いをしたあと吹雪と奥寺は校舎北側に向かって走り出す。

この方向には生徒会室、校長室、職員室、図書室などがある。二人が向かったのは校長室



一般生徒はまず用事がない。職員室に入ったことはあっても校長室には3年間入ったこと

がないという生徒も少なくない。実際奥寺と吹雪も校長室に行くのは初めてだった。

「オオオオオオオ…」

「モゴゴゴゴゴゴ…」

顔色の悪い教員が二人吹雪と奥寺の前に立ちふさがった。



「……」

構える二人、生きる屍と化した教員が襲いかかってきた。

「オオオ!」

「モボボ!」

奥寺の手のひらからネットが飛び出し屍人の一人を捉える。

「邪魔よ」

拘束した屍人を蹴る。強烈な蹴りは屍人の頭部を砕き、そのまま窓の外へ飛んでいった。

「やぁっ!」

横では吹雪の抜き打ちで首から上を飛ばされた屍人が倒れていた。

両開きの扉をあけると正面に大きな木製の机が見えた。そこに座っていたのは校長ではな

かった。副校長の沖田実満であった。初老で白髪交じり、痩せ過ぎではないかというほど

の体格であった彼は変わっていた。輝く銀髪に輝く真紅の目、筋骨隆々の体になっていた。

「おや?うちの生徒にノックするということすらできないものがいるとは…私は悲し

い!」

沖田実満は強い口調でそう言った。「私は悲しい」が彼の口癖であり全校集会での挨拶でも

度々口にしている。生徒の間でも沖田実満のモノマネをする時は「私は悲しい」と言う。

「副校長…あなたがあの結界を仕掛けたのよね?」

「あなたは奥寺舞子君、そしてそちらは白峰吹雪君。用件はなにかね?」

椅子に座ったまま余裕の表情を浮かべる沖田実満。奥寺が前に出る。

「こんな派手な騒ぎを起こしてどうするつもりなのよ。吸血鬼側からのメッセージなのか

しら?」

「これはこれは…教師に対する口の利き方がなってないようだね奥寺君。まぁそれは置い

ておいて…吸血鬼側からのメッセージと言ったね?その通りだよ。だから私はこの力を手

に入れた。この学校の生徒全員を吸血鬼の下僕にする役割を与えられてね。これは戦線布

告なのですよ。教会にも化け物にも媚びるつもりはない、吸血鬼こそがこの世界の頂点と

なる存在。吸血鬼クイーンの居るこの京都、吸血鬼の首都にふさわしい!準備は整ったの

です」

「ふん、派手にやらかして自滅しなきゃいいわね」

「こう見えて私は派手好きでね。奥寺君、あなたには死んでもらいます。強力な化け物は

一人でも減らしておいたほうが優位ですからね。…それと白峰吹雪君。あなたは本来こちら

側の存在のはず。クイーンの開放は我々の悲願です、あなたもそれを望んでるのでは?」

「……開放は望んでいない。ただ平穏に暮らせればそれでいい」

「クイーンは人間との共存を選んだ結果、封じ込められいいように利用されているという

のにですか。教会のテクノロジーの一部はクイーンの力があって生まれたものだと知っ

てますか?」

「知ってる。それでも…わたしは教会の執行人として人間の味方をするわ」

「白峰家の人間がそのような…だがあなたのお姉さんは違った考えのようですがね」

「………」

「今は無理でも結構、我々はいつでもこちら側に来ることを歓迎しますよ。さて今から奥

寺君を始末しなくていけないのでそこで見ていてください」

ゆっくりと立ち上がる沖田実満。赤いオーラが体に纏われる。

「行きますよ!奥寺君!主から授かったこの力、土蜘蛛といえど遅れは取るまいぞ」

「吸血鬼に成り立ての奴に私が負けるとでも?こっちは人間15年だけど化け物は1000年

以上やってるのよ」

二人が戦闘態勢に入る。吹雪も太刀を構える。

「手出ししなくてもいいわよ!」

「そういうわけには行かない。早くしないと皆が危ない」

「巻き込んでも知らないからね」

それをみた沖田実満は首を振る。

「私は悲しい!白峰家の人間とも戦わねばならんとは!!仕方がありません少々痛い思い

をして大人しく貰いましょうか」

「はぁ?二対一で勝てるとでも?」

奥寺が腹立たしげに言う。

「私は一向に構いませんけどね」

沖田の右腕が水平に振られると赤い波動が迸った。しゃがんで回避する二人。

「ほう、うまく避けましたね、それならば!」

跳躍する沖田、奥寺に接近する。

「この距離ならどうですかね!」

右掌に赤いオーラを纏わせて振りかぶる沖田、奥寺は体を反らして躱しそのまま足で沖田

を蹴り上げた。

「ノロいわ!」

奥寺は両手で瞬時に糸を固めボーリングの玉ほどの大きさのものを作り上げる。そして体

勢の崩れた沖田に目掛けて思い切り投げつける。

「てやぁっ!」

「ムオオオオオッ!!」

机を砕き壁に叩きつけられる沖田。奥寺は糸を伸ばして玉を引き戻す。

「なんという力…これが土蜘蛛ですか」

「まだまだっ!」

再び玉を投げつける奥寺、今度は沖田にガードされる。ガードされた瞬間糸を引き戻す。

そしてまた玉を投げつける。ヨーヨーの要領で連続攻撃を仕掛ける奥寺。その破壊力は校

長室全体を揺るがす。

「ほらほらほらぁ!私の糸は自由自在、粘性のあるものから無いものまで。鋼鉄のように

硬いものからゴムのように伸びるものまでね」

「…ムウウウウウン!」

糸の玉を両手で掴む沖田、体が赤く輝き奥寺に受けた傷が瞬時に回復した。

「なっ!?」

「ふふふ…私の授かった能力に『エナジードレイン』があります。吸血鬼なら誰しも持っ

ているものですが私はそれに特化してるようです。この明命館の生徒たちのエナジーが私

を瞬時に回復させたのですよ」

「ちっ…あの結界ね」

「そうです。何の準備もなくあなたのような強力な存在に挑むとでも?」

「でも再生をする暇もなく潰せば…あるいは脳か心臓を一瞬で破壊すればいけそうね」

「ふふふ…そんな事ができますかねぇ?」

ゆっくりと立ち上がる沖田。玉を引き戻す奥寺、糸でトゲ状の物を玉に付けていく。モー

ニングスターを思わせる形に作り上げた。

「はあああ~」

頭上で糸の玉を振り回す奥寺。速度が上がっていく。回転の風で校長室の塵が舞う。

「ぶっ潰れろっ!」

大砲のような勢いで投げ込まれるトゲ糸の玉、沖田の頭部目掛けて一直線に飛ぶ。

腕を交差させて受ける沖田、衝撃で左腕がひしゃげた、そのままガードをこじ開け頭部に

命中…かと思われたがその寸前でわずかに体を傾け頭部への命中を避けた。トゲ糸の玉は

そのまま校長室の壁を突き破った。

「くっ…」

慌てて糸を引く奥寺、しかし沖田の間合いを詰める速度の方が速かった。沖田は残った右

腕に赤いオーラを纏わせ上から斜めに振り下ろした。奥寺の体に命中すると帯状となり沖

田と繋がる。

「ふふふ…これでチェックメイトです。あなたの魔力がドンドン流れ込んできますよ!ほ

ら、左腕も一瞬で元に!!」

「こんなものっ!」

引き剥がそうとする奥寺、しかし帯状のオーラは掴めない。

「無駄です。私が解除しない限りそれはあなたについたままです」

「このおっ!」

両手から投網のような糸を放つ奥寺、沖田を拘束する。

「心臓えぐり出してやる!」

「おっと!」

帯状のオーラが太くなり奥寺は膝をついた。

「ふふふ…力が抜けていくでしょう?もはや先程のような力は出せませんよ。逆に私はあ

なたの魔力を吸収して力が漲っています。…あなたは先ほど1000年化け物をやっていると

いいましたが人間としては所詮15年。私は人間として55年やってきたのでね。その差が

出たのでしょう。人間の体の経験ってやつです」

「くそぅ……」

「結界を張り生徒からエナジーを貰いながら太陽の光が届かないこの部屋での戦闘。そし

て吸血鬼になりたてという事で油断を誘う。全ては勝つための手段。さようなら奥寺君、

君のような成績優秀な生徒を失う事になるとは…私は悲しい!」

「はっ!」

白刃が走った。吹雪の太刀が沖田の喉をかすめる。

「おっと…どうしましたか?奥寺君が死のうともあなたには関係ないはずですが?」

「…そうね。でもあなたを倒さないと明命館の生徒は救えない」

「ふむ、なるほど…ではこうしましょう。明命館の生徒を助ける代わりに奥寺君の首を刎

ね我々の同胞になると言うのはどうですか?」

「断るわ」

吹雪は制服の内ポケットから親指ほどの瓶を取り出し中身の液体を飲み干す。みるみるう

ちに髪は銀色と代わり目は真紅に輝く。

沖田は両腕を拘束していた奥寺の糸の網を引きちぎる。喉の傷は一瞬で消えた。

「いいでしょう、白峰家の吸血鬼の力見せてもらいましょう」

続く





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Feb 4, 2013 12:17:20 AM
コメントを書く
[オリジナル] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Free Space

Profile

長月(ながつき)

長月(ながつき)

Calendar

Archives

Oct , 2026
Sep , 2026
Aug , 2026
Jul , 2026
Jun , 2026
May , 2026
Apr , 2026
Mar , 2026
Feb , 2026
Jan , 2026

Comments

長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
長月(ながつき) @ Re[1]:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年も…
久 遠@ Re:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年…
長月(ながつき) @ Re[1]:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) こちらもFO4までに終わらせるつもりです!…
くおん@ Re:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) やあ( ´ ▽ ` )ノ EDーEとの意思疎通方法、…

Favorite Blog

まだ登録されていません

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: