未完成のブログ

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Jan 31, 2015
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カテゴリ: オリジナル
木城二郎2




VAMPIREEYE 52 「絆」

「ったくよぉー…無茶し過ぎにも程があんぜ。飛行機に飛びつくなんてな」

速水は二郎のベッドの小さな椅子に座って言った。

「そうよ木城くん。あそこで逃がしてもそれで終わりってわけじゃないのだから」

吹雪は腕を組んだままそう言った。

「自分でもなんであんなことしたのか分かんないよ。実際危なかったし…ところで教会の人達はなんて?」

二郎はゆっくりと体を起こして聞く。

「データは集まったと長門さんは言ってたわ」



「俺もあの人が何をしてるのかいまいち分からないのが嫌だなぁ…田口さんのように裏方ってわけじゃないし」

「教会の幹部・長門顕彰さんは派手な動きはしないけれど実績は多く残してる人よ。それに現場の戦闘員としても優秀。現時点では間違いなくあの人のほうが上の存在」

「あの人は…人間なの?義手の反応じゃわからなくて…」

「大天狗よ。東邪馬高校を張っていたサングラスの男達は烏天狗。教会でも長門さんの長門組はかなりの発言権を持ってるわ。お母さんの事、碁盤の目町の事に関する会議も幹部じゃなければ参加できない。木城くんのお父さんの紫蓮さんやわたしのお父さんのように」

吹雪は窓の外に視線を移す。

「わたしのお父さんはヨーロッパへ。紫蓮さんはさんは関東へ…教会で何が起こってそんな風になったのかはわたしにはわからない」

「確かに…親父が関東へ行くってのも突然の事だったみたいだしね」

「よくわかんねえけど、木城の親父さんと白峰ちゃんの親父さんが京都に居られたら困る奴が教会にいるんじゃねーの?」

「わたしのお父さんは吸血鬼ハンター。紫蓮さんは結界術の専門…」

「んん~…何か引っかかるんだよね。ほら、源藤高雅って吸血鬼ハンターが人が白峰さんのお姉さんを襲って兄貴が巻き込まれて吸血鬼になった事件。もし白峰さんのお父さんがいればすぐに兄貴は捕まえれてたかもしれない。後は…倉庫街の事件も俺の親父がいれば結界術であそこまで大きな被害は出さなかったと思うんだ」

「………それはわたしも考えたわ。だけど添えはただの憶測で本当に偶然が重なっただけかもしれない。教会の誰かがそう仕向けたとしても今のわたしには探るすべはないわ」



「姉さんが学校を卒業までにわたしは上に行かなくてはならないの。そうしなければ姉さんは白峰家の当主を継ぎ、碁盤の目町に軟禁される。お母さんが解放されてもそれじゃ意味がない。お父さんはわたし達とお母さんを守るために下手に行動はできない。だからわたしが…」

「白峰さん、君は一人じゃないさ。俺もいる!」

二郎は左手で握りこぶしを作って言った。

「お、俺もいるぜ!乗りかかった船だしな。それにこんな退屈しねえ仕事他にはないだろうし行けるところまで付き合ってやんぜ」

速水が言った。



吹雪は目が潤んだの隠すようにベッドに背を向けた。

「白峰さんの家族を救う為、俺の兄貴を戻す為、教会の体制を変える為に頑張ろう!」

「おう!」

「本当に…ありがとう…」

吹雪は両手で顔を覆った。
しばらく泣くのをこらえていたが二郎の兄、木城蓮也が人間に戻れるタイムリミットが迫っていることを思い出した。

「…二郎くん、蓮也さんが人間に戻れるリミットは迫っているわ。」

吹雪の二郎の呼び方が変わった。

「ああ…なんとしても兄貴を捕まえないとな…吹雪さん。な?恭一!」

「おう、やろうぜ二郎!吹雪ちゃん!」

二郎と恭一の呼び方も変わった。三人の絆が強くなった証拠とも言えた。



―伏見桃山城近くにあるマンションの一室。

「よい、許す」

「ははっ…」

豪華な彫刻が施された椅子に座り足を組む白峰華月。その前には谷川克政が膝をついて頭を下げていた。

「鬼どもの戦力、教会の動き、吹雪の力。得るものは少なくなかった。次、勝てば良い。谷川、期待しておるぞ」

「ははーっ!」

「では次の一手だな…克政のおかげでこちらも動きやすくなった。鬼どもが人間社会での盤上の勝負を挑むのならこちらも考えがある。近藤、斎藤、お前たちは警察の力を持って鬼と教会を締め上げよ」

「ははっ!」

「御意!」

スーツを着た体格の良い二人が言った。

「河上は蓮也を連れて下僕集めをせよ。抵抗する者、邪魔をする者は排除。我の家族は半殺しにしてでも一人連れてこい」

「承知いたしました」

「ふん…」

長髪の河上は45度の角度で頭を下げ、蓮也は壁に持たれたまま答えた。

「木戸と佐久間は引き続き計画の下準備を頼む」

「はいっ!」

「へいっ!」

小太りの木戸と猫背の佐久間は声を張り上げて言った。

「勝田は谷川とこれまで通り機械、設備面を。勝田はそれに加えて教会の情報を頼む、谷川はこれからも下僕の調教を」

「オッケーです!かづたあああああああああああああん!」

「全力でお答えします」

指示を受けた近藤、斎藤、河上、蓮也、木戸、佐久間、勝田、谷川は部屋を出ていく。残されたのは黒谷ジークベルトだけであった。

「お見事です華月様。それでこそ我が主」

「ふふ…」

足を組み替える華月、黒谷は華月をじっと見つめ華月の小柄な体を抱き上げた。

「やはりあなたは完璧な存在だ…」

黒谷はそのまま華月を抱き上げたまま歩き、天幕のついたベッドに寝かせる。

「また撮るのか?」

「ええ、華月様。前回とは違うお召し物をされているので。このお姿も記録しなければ」

「ふふ…本当に動画撮影好きよの。鏡に映らぬお前もそれなら映るのだろう?」

「はい。それがきっかけで撮影が趣味になりましたから」

黒谷はビデオカメラを三脚にセット。華月の撮影をはじめる。

「またこうして適当に寝そべっておればいいのか?」

「はい。そのまま自然体で結構です」

5分きっかりビデオカメラを回す黒谷。撮影終了の声を聞き華月は体を起こした。

「で、この後は湯浴みだろう?」

「はい、お流しします」



―センジョーグループ系列のホテル最上階の一室。

「なるほどなぁ…面白いことになってんじゃねえか。金熊(金河)は悔しがってるだろうが再戦はしばらくお預けだな」

酒呑童子・仙丈隼磨は葉巻を咥えながら横に控える茨木童子の真柴樹里に言った。

「おい真柴、ドンドン妖(あやかし)をスカウトしろ。職を持ってる奴も構わず引き抜け。吸血鬼どもには取らせねえぞ」

「では、そのように」

真柴は淡々と答えた。

「もう一方の教会の馬鹿どもは面倒な連中だが人材を集めるのは下手だからな。連中が手出しできねえ範囲でやれ。ただし、強引な手を使ってきやがったら思い知らせてやれ。熊と星熊と虎熊にも人員を増やせと伝えとけ」

「はい」

「ふはははは…戦はいつの時代も心が踊る」

仙丈隼磨はゆっくりと葉巻の煙をくゆらせる。

「妖狐、土蜘蛛、牛鬼、鉄鼠にはどのように伝えましょうか?最近大蝦蟇も取り込んだようですが」

「いいじゃねえか!奴らはそのまま仕事を与えて泳がせておけ、それだけで十分役に立つ」

「ではそのように」


―京都市内にある高級マンションの一室。

「ちょっと!萌絵!妃羅莉!」

奥寺舞子はソファの上で下着姿で転がっている野村萌絵と山根妃羅莉に向かって叫んだ。
テーブル、床には菓子、ジュース類のゴミが散乱している。

「なあに~?舞子ちゃん?」

「う~ん?朝ごはん?」

「あのね!この部屋はみんなで泊まるように私が用意したんだけど、あなたたちだけの部屋じゃないのよ!服着て片付けてよね!!」

「いやぁん舞子ちゃん怒らないで~」

「も~何怒ってるの?」

「いい?片付けないとベランダで寝てもらうわよ!」

奥寺舞子は指先から糸を出し、二人にゴミ袋を投げつける。

「はぁ~い」

「お外は暑いしやだよー…片付けるよー」

「まったく…燿子を見習いなさいよ」

玄関の鍵が開く音がした。向かいの大型スーパーに行っていた緋川燿子が帰ってきた。

「お漬物買うて来ましたよ。おかゆ作りますさかい皆さん顔を洗って来てね」

「おかえり燿子、私も手伝うわ」

朝食の支度を始める緋川燿子と奥寺舞子。しばらくして携帯電話が鳴った。

「周防からだ」

『おはようございます舞子さま!昨日はありがとうごさいました!早速選んでいただいた洋服でそちらにお伺いさせてもよろしいですか…』

「いいわよ、今日は夕方まで用事無いし」

『ありがとうございます!』

「じゃ、待ってるから着いたらまた電話して」

通話を終了する奥寺舞子、すぐに着信音が鳴る。

「今度は誰?………あ、木城君から」

奥寺舞子は以前、宇治で女郎蜘蛛の知り合いを助けた時に二郎に電話をかけたことがあった。二郎はその時の着信履歴を登録していた。

『もしもし、奥寺か?』

「そうよ、どうしたの?」

『その…ありがとな。助かったよ』

「は?何の事?小蜘蛛なんて私は知らないわよ」

『はは…やっぱり奥寺だ。今度ドーナツでもおごるよ』

「ちょ、ちょっと!」

『じゃあな、吸血鬼に気をつけろよ』

「…うん」

奥寺舞子は携帯電話を机の上に戻した。

続く





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Last updated  Jan 31, 2015 10:28:17 PM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
長月(ながつき) @ Re[1]:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年も…
久 遠@ Re:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年…
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