未完成のブログ

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Jan 5, 2021
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カテゴリ: オリジナル

VAMPIREEYE90「隔壁と結界」

「やぁ来たね、それじゃあいこうか。このゲスト用 ID カードを首から下げてね。そっちの大きいお兄さん(須原)はロビーにあるラウンジで待っててもらおうかな?」

 勝田は全員に ID カードを渡して言った。

「分かりました、吹雪お嬢様お気をつけて」

「仕方ないわね、須原は教会の者ではないもの……技術部には入れられない」

「じゃ三人は付いてきて」

 勝田に付いていく一行。ラウンジに須原を残し社員用エレベーターで 28 階に向かう。

「僕の部署の他は入らないでね?一応守秘義務があるんだ都メタルの社員としてね」

 廊下を進んでいく一行。途中何度もセキュリティゲートを超えていく。

「さぁこっちだ、入って」

 通されたのは飾り気のないコンクリート撃ちっぱなしの工房。いくつものパーテーションやクリーンルーム、大型加工機が見えた。

「安心していいよ、ここのスタッフは皆僕と水元君の事情を知ってる」

「すげぇ機械ばっかりだ……」「驚いたなぁ」「……」

「ここの端末と碁盤の目町の物は専用サーバーで繋がっていてね、ここで作業している僕のスタッフが封鎖解除を何とかしようと頑張ってるんだけどセキュリティプログラムとの小競り合いが続いてる。せめて封鎖された時に僕か、水元君があっちに居ればよかったんだけど……その事で喧嘩してね」

「それで勝田さん、わたし達に出来る事とは?」

「おお、白峰吹雪ちゃんは話が早くて助かるね~。攻勢プログラムを撃退して欲しいんだ。碁盤の目町の囲っているのは交互に設置された 24 の結界と隔壁だ。隔壁を開けた状態でないと結界に干渉できない。隔壁はセキュリティプログラムで守られててハッキングしようとする相手を攻撃してくるのさ。文字通りこっちの端末を破壊してくる」

「プログラムのできない俺たちが何とか出来るんですか?」

 二郎が言った。

「えっとねぇ……今ウチのスタッフ達とやってるのはジグソーパズルを解きながら玉乗りしているような感じでね。それをひっくり返そうとする敵にも対処しないといけない状態なんだ。だから君たちにそのひっくり返そうとしてくる攻勢プログラムを抑えてもらいたい、電脳世界に入ってドカーンという感じでね」

「そんな事可能なんですか?」

「これがあるからね」

VR ヘッドギアを取り出す勝田。

「これは巷で流行っている HKF (ハイパーキングファイター)ってゲームでつかうヘッドギア、を僕が改造したものだ。これを装着してサーバーに侵入、アバターを動かして攻勢プログラムに対処して欲しい。君たちのバックアップは僕がするよ」

「俺やったことないんですけど」「わたしも」「俺は何度か……」

「心配しなくていいよまずはテストサーバーで練習しよう。上手くできなくても気にしなくていい、慣れてもらう事が大事なんだ。本番は隔壁を開けたその後の結界解除なんだけどね~苦労しそうだよ。一流の魔法使い、魔女、魔術師、陰陽師、何てのがいればなぁ」

 勝田は VR ヘッドギアの設定を超高速タイピングでやりながら言った。

「手順は……スタッフが隔壁にハッキング→攻勢プログラムから守る→隔壁を解除→結界を解除→次の隔壁にハッキングを繰り返す。碁盤の目町に僕か水元君が居れば良かったてのは外と内から同時攻撃できるからなんだよね。不幸中の幸いとしては向こうには僕たちのハッキングに対処できるほどの者が居ないことだね」

 調整された VR ヘッドギアを持って車の座席のようなシートに座る二郎、吹雪、恭一。

「スキャニング OK 。アバターは間に合わせで僕が作っておいたものだけど顔はキャプチャーできるからそれで行くよ?まずは習うよりも慣れろだ、 GO !!」

VR 画面が白い光で包まれる。

 徐々に光が収まり目の前に現れた光景は……ジャングルジム大の城と壁と門だった。

『その城に見えるのが壊されたら終わりだよ、門が開いたら敵性プログラムが入って来るから撃退してよ』

 二郎は自身と吹雪と恭一の格好を見て驚いた。吹雪はスクール水着、二郎と恭一はレスラーパンツであった。

「勝田さんこの格好……」

『それしかアバターの衣装用意できなかったんだよごめんね。武器は手に持っている如何にもゲーム出て来そうな剣だけど頼むよ』

 いつの間にか持っていた西洋剣を眺める三人。

『敵性プログラム来るよ!』

 門が開くと箱を組み合わせてつくった日本鎧のような兵士たちが向かって来た。

「あれか」「やるしかねぇ!」「……いくわ」

「 UOOOOOOO !」

 二郎たち三人に対し敵性プログラムは 30 体ほどであった。

「一人 10 体か!」「きっつ!」「わたしが前に出る!」

 突進してくる敵性プログラムに吹雪はカウンターで首筋を斬っていく。5体連続で斬り捨てた所で敵性プログラムに横を抜けられた。

「ウラアアアアッ!」

 連続突きで倒していく恭一。 4 体倒したところで抜けられる。

「烈風連撃!」

 脇構えから連続で 5 連撃を繰り出す二郎。 5 体を倒した。

「まだまだ来る!」

 吹雪が戦闘で散らし、恭一と二郎が残りを倒す。順調に 26 体までは倒せたが 4 体がジャングルジム大の城に取りついた。

「まだ間に合う!?」

 風のような突進で城に取りついた敵性プログラムを倒していく吹雪。全て倒し終えると視界は光に包まれる。

『ヘッドギアを取って次のフェイズまで休憩したまえ』

 勝田の声を聞き三人はヘッドギアを取り外す。

「これは中々大変だね」「正直舐めてた……きっつ」「現実と違って能力が使えないのがもどかしいわ」

 端末の画面を見ると勝田とスタッフは織物のように編まれた赤い光の結界をじっと眺め慎重にキーボードを叩いていく。

「結界の解除作業、これが実に厄介でね。もつれにもつれた電気配線を解きながら一つも間違えずに繋ぎ直す作業なんだ。どこでどう繋がってどう解くのか見極めないと。こういうのは僕の専門じゃないんだよな、レヴィが得意なんだが……」

「レヴィ?とは誰です?」

 二郎が聞く。

「魔女レヴィの事さ……世界 7 大天才チーム、ジーニアスレイジの一人で、魔法の術式を解いたり自分で組んだり、その場で新しい魔法を作ったり、別のアプローチの魔術同士を使って違う系統の魔法を完成させたり。そういうことが出来る魔女なのさ」

「凄そうな人ですね」

「ま、彼女の作り出す魔法は彼女しか使えないってのが唯一の欠点かな。一応形にして他者にも発動できる魔法道具もあるみたいだが……ああ、レヴィに頼んで作ってもらうのもアリか……」

「連絡はとれそうなのですか?」

「今どこにいるか分からないねぇ……ジーニアスレイジはお互いの研究成果を電子世界で見せ合いはするけど現実の交流はほとんどないからね……う~ん」

 勝田とスタッフの手が止まる。結界のほころびが徐々に変化していくのを目の当たりにしたからである。

「……厄介だなぁ時間でパターンを変えてくるタイプか……流石この国で一番の陰陽師・葛野忍が作った結界だけはあるよ。せっかく開けた隔壁も数分で閉じるからね……そうなったらまた最初から二郎君たち頼むよ」

「はい」

「なるほどなぁ……こんだけのセキュリティに守られてるからこっちに攻撃してくる様子はないのか…… 24 枚の結界と 24 の隔壁……本番はこれを 24 回も繰り返すのか……」

 肩を竦めて言う恭一。

「これって勝田さん、隔壁放っておいたら閉じるから VR 要員も常にスタンバイしてなきゃ駄目なんじゃ?本番は 24 全部開ける間は前で待機になるんですかね?」

「そうだねぇ全部開けようってんだからそうなるかな。普段通る時は前の結界を通り抜けたら後ろは閉じてたけどね。侵入者をすぐに閉じ込められるようになってるんだ」

「嫌になるくらい厳重ですね」

「ま、だから碁盤の目町に妖を沢山閉じ込めて置けるんだよね。物理的にも核爆弾に耐えるし。ああそうそう、 23 番目の結界を開けられた時点で突入準備をしないといけないんだ。僕か水元君、もしくは強力な術者。もう一つ言うならとても強い護衛かな」

「無理やり中に入るんですから当然迎え撃つ者がいる」

 吹雪が言った。

「うん。一方的に封鎖して何の説明も無いから向こうが強く出ることは無いと思いたい。でもそんな事をするぐらいだから平気で攻撃してくるともいえる……よし、完了。だけど時間オーバーだね。これじゃあ本番だと隔壁の方が閉じてしまう」

 テストサーバーの結界の解除に成功した勝田とスタッフは一斉にため息をついた。

「今まで最初の隔壁と結界を破るところまで出来た者ははこれまではいた。でもそこで終わりだ。 2 番目の隔壁と結界に触った途端教会の執行人どこからともなくウジャウジャ出てきてあっちゅうまに制圧するからね」

「突入組はともかく、勝田さんらは大丈夫なんですか?」

「このビルは僕がセキュリティを担当してるんだよ?言っちゃあなんだけど兵器の開発の腕を買われてジーニアスレイジに勧誘されたんだ。この都メタルビルは世界最強の攻撃的なセキュリティを装備しているビルごと攻撃されても平気さ」

「そんな……完全に教会と敵対してしまったら……」

「襲撃は来るだろうけどまずは警告程度かな?ここに戦力を注ぐような真似はしないと思うね、あちらも色々忙しいはずだから」

「??」

 吹雪は含みのある勝田の発言に首を傾げた。

「そろそろ VR の準備してくれるかい?」

「はい!」「おう!」「はい」

「これを突破したら今日はこれまでにしようか」

 勝田は再びテストサーバーの隔壁と結界をセットした。

***

― 大北山松鴎山町

 大熊我們のいる寺の周囲に特殊部隊よろしく重武装をした人に化けた妖が配置されていた。寺の敷地内には茨木童子の真柴樹里。金阿童子の 金河潤美 。奥寺舞子、緋川燿子、野村萌絵、山根妃羅莉のヴァルキリーの四人も居た。

「ミュージックビデオの撮影と襲撃があった場合の戦力って訳ですか」

 妖狐・緋川燿子は扇子を閉じて言った。

「この衣装暑くない?」

 鉄鼠・山根妃羅莉が言った。

「超々大型台風発生した影響かジメジメしてやあだ、早く終わらせて帰りたいっ」

 牛鬼・野村萌絵が言った。

「この衣装のボディスーツ確かに暑いわね……燿子が平気な顔してるの信じられない」

 奥寺舞子が言った。

「襲撃は来るのかな?妃羅莉、ネズミちゃんたちは何か言ってる?」

「北の林に動きがあるってさー舞子」

 山根妃羅莉は1万匹の魔力鼠に半径1㎞を探らせていた。

 それを聞いていた部隊を指揮する金熊童子・ 金河潤美 が合図する。

「来るよ!」

 妃羅莉が叫ぶ。林から灰色の集団が飛び出したのが見える。

「南からも!」

 南の道路から走って来る4WD車両が見える。猛スピードで突っ込んでくる。それを見た金熊童子は車止めを発動、鋭いスパイクと鉄柱が道路上に現れた。

「あれは!」

 4WD車両の荷台の人物がロケットランチャーを構えてるのが見えた。

「こんな場所であんなものを使う!?」

 ロケットランチャーが放たれる。特殊部隊は大型盾を構える。しかし着弾はしなかった。空中で弾は止まっている。

「こんなもの返すわ!」

 奥寺舞子が後ろから言った。あらかじめ透明の糸のネット張って飛翔物に備えていた。奥寺舞子が指で糸を引くと張力で弾は押し返され4WDに向かって飛んで行く。

「GAAAAAA!?」

 弾が命中した4WDは転倒して岩肌に突っ込んで爆発炎上。

 北から迫って来る灰色の軍勢はアサルトライフルを装備している。

「何でこんなに武器を揃えている!?」

 金熊童子は驚きを隠せない。

「やるしかないんだったら、やっちゃうゾ!」

 建築資材の丸太を抱えて持ってきた野村萌絵は棒きれでも投げるように灰色の軍勢に投げつける。高速回転して飛んで行く丸太は灰色の軍勢を十人ほど巻き込んで打ち抱いた。

 そして特殊部隊の大型盾を二つ持って突進する。

「クソ……」

 灰色の軍勢を率いてきた巳島は作戦開始から1分も経たないうちに戦力の3割を失ったことに愕然とした。

「しかも突撃してくるのは……レディース『魅留鬼伊』の伝説、鬼姫じゃねえかっ!」

 アサルトライフルの掃射を弾きながら灰色の軍勢に突っ込む萌絵、盾で次々と殴り飛ばして進んでいく。

「鬼姫とかやめてくださ~い!二十歳になってレディースとか辞めたんですぅ~!!」

「テメェらは突撃しろ!鬼姫・舌(ぜつ)萌絵は俺が相手する!!」

 両端がプラズマで輝く六角棍を構える巳島。

「だからぁ!鬼姫って呼ぶんじゃあねえぞこの三下がぁッ!」

 瞬時に角を生やし全身を黒い体毛で包まれた牛鬼モードに変身する萌絵。巳島と萌絵を置いて灰色の軍勢は寺へと進撃する。

「撃て撃て撃てぇー!!」

 金熊童子の合図で特殊部隊は銃を撃つ。中には銃にひるまず突撃してくる大型の灰色屍人がいる。

「通しまへんよ」

 緋川燿子の腰から生えた魔力の尾から青白い閃光が放たれ大型屍人に穴を空けた。

「あらあら、なんておぞましい……アレは合成魔蟲の寄生体ですねぇ」

「燿子知ってるの?」

 舞子は糸弾で特殊部隊の援護をしながら言った。

「陰陽師や道摩法師が行う術のひとつかと。見覚えがあります、人や妖を蟲に寄生させて意のままに操るもの。生気を食い尽くしたら次の宿主を探すのです。取り除く方法は自分の意志で拒絶するか手遅れになる前に取り除くかしか無い厄介な術です」

「それって簡単には……」

「宿主に一番心地よい夢と快楽を与えるので中々難しいかと。肉体が朽ちてからも魂が消える時まで貪り続けられるのです」

「あの襲ってきている連中は気持ちの良い夢を見ながら蟲に良いように操られてゴミのように使い捨てられてるって事なのね」

「ええ、そうです」

「殺す方法は?」

「屍人を殺せば大体一緒に死にます、すぐ近くに弱った知性生物が居なければ移れません」

「おっけー」

 指から糸弾丸を連射する舞子。灰色屍人の頭部に全て命中させる。

「あたしもいくよ!CCSM!チュチューコメットシュートマグナム!!いや、マウス!!」

 妃羅莉が魔力鼠ボールを蹴りだす。ボーリングピンめいて屍人をなぎ倒していく。それを見た燿子は扇子を広げて口元を隠す。

「……(山根さん最高に面白いです)」

 普段からふざけたりギャグを飛ばす妃羅莉に冷めた対応の舞子と萌絵。燿子だけがウケてそれを隠している。

「ふふ……圧倒的ですね。ヴァルキリー投入は過剰戦力だったかもしれません」

 寺の堂に待機しているマネージャー茨木童子・真柴樹里がつぶやいた。

続く 






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Last updated  Jan 5, 2021 12:41:56 AM コメントを書く
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
長月(ながつき) @ Re[1]:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年も…
久 遠@ Re:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年…
長月(ながつき) @ Re[1]:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) こちらもFO4までに終わらせるつもりです!…
くおん@ Re:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) やあ( ´ ▽ ` )ノ EDーEとの意思疎通方法、…

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