未完成のブログ

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Feb 23, 2024
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カテゴリ: DHHU
DHHUその5

 ――大学の講堂

「よーしよしよし順調に集まって来てやがるな」

 壇上で胡坐をかき、パー券呪符で操られ集まり始める若者をみて笑みを浮かべるジンガ。

「――お?」

 呪符の一つがボロボロと崩れて灰になる。

「あの怨霊怪獣が倒されたか。まぁいい、自爆を仕込んでんだ最悪巻き添えで怨霊怪獣ヤッた奴もろとも死んでくれればOKOK。まだ手札はあるしな」

 ジンガは新たな呪符を取り出し講堂に集まり全裸で交わり出す若者に目を向ける。

「次はどいつにするか……筋肉大男は当たりだったが次も辺りになるか解んねえしなぁ……コンプレックスの塊で世の中全てを憎んでいるようなねじ曲がった馬鹿が一番良いんだがそんな奴は引きこもりでこんなパーティに来ねえか」



「いいのが居るじゃねえか……こういう奴が邪念が大きくて強い怨霊怪獣を生むんだ……邪眼の素材にしてもいいな……迷うぜ。だがここは……」

 数秒迷った挙句ジンガは呪符をやせこけた男に投げつける。

「ヒグウウウウウッ!」

 メキメキと音を立て肉体を変化させていく男。頭頂部、こめかみからカタツムリめいた大触角に目、口は長く伸びたホース状に、全身は赤くカニの甲羅のように硬質化した。

「ヒゴゴゴゴゴゴゴー!」

「ギャハハハ! いいぞお前はここで待機だ邪眼の儀式を邪魔する奴が来たらぶち殺せ」

「ヒゴゴゴゴゴー!」

***

「今の音なに!?」「アパートの方だな」

 ユウとハオランは大学に向かう坂の途中爆発音で振り返った。ケンが倒した怨霊怪獣の爆発である。

「【凶】が動き出したか……」



「ユウの弟が【凶】とやり合ってんのかもな」

「じゃああっちに首領の息子が?」

「そうとも限らんぞ、大学からも嫌な気配する。それにゾロゾロと様子のおかしい連中が集まっていったろ?」

「うん、みんな夢遊病のようだった」

「ひとまずあっちはお前の弟にまかせて俺たちは自分らの事をやろうぜ」



 カードを二枚取り出すユウ、【狼の銃士】を着装する。ハオランには毒無効、魔術軽減効果のある【黄金の鎧】を着せる。

「俺が体術で前衛を努めてユウが援護する、これであのラーメン野郎とも戦えるはずだ」

「黄金の鎧をパージすればあの男の掴みからも逃れられるしね」

 坂を駆けあがる2人、途中監視カメラの存在に気が付いたがそのまま大学構内へと進む。

「ここからはさらに警戒しねえとな」「うん」

 ヌンチャクを取り出すハオラン。ユウは2丁の拳銃を持つ。

「オイオイオイ……次に来れば遠慮はしないと忠告したはずだが?」

 丼を片手に持った大池が階段から降りてきた。

「行くぞユウ!」「オッケー!」

 ヌンチャクを構えたハオランが突進、ユウは2丁拳銃で牽制する。
 大池は射線を見切り銃弾を丼で受け止めヌンチャクをスウェイで回避。

「ヌン!」

 大池の横蹴りがハオランの脇腹を襲う。膝を上げてガードするハオランはたたらを踏む。

「ほう、良い鎧だな。これなら浸透勁打撃の方が良かったか」

「ラーメンのオッサンよぉオメー只者じゃねえよな、【凶】ってバレバレだぜ」

「今更隠す必要もないか。そう、俺は【凶】の殺し屋だ。普段は流行らないラーメン屋台の店主だ」

「この状況、2体1で余裕なんだな」

「余裕とかそういうものではない。敵が2人いればその戦い方をするまで」

 大池は静かにしかし素早く歩いて常にユウの射線上にハオランを置く動きをしている。

「ヌン!」

 矢の如く飛び出す大池、呼び動作の無い動きに一瞬反応が遅れるハオラン。大池は丼を押し付けその上から拳を叩き込んだ。

「がはぁっ!」

 丼はヒビ一つなく、ハオランはくの字に体を曲げて後方に吹き飛んだ。ユウは慌ててハオランを受け止める。

「ふん、自ら後ろに飛んで衝撃をやわらげたか。浸透打撃の経験があるようだな」

「がはぁ……ああ、知ってるぜ。姉様たちに散々叩き込まれてっからよ。踏ん張って耐えてたら今頃内蔵はオシャカになってんぜ」

「はっ! 俺はお前を見くびっていたようだな。では全力で相手しよう」

 懐から麺の束を取り出す大池。両手で麺を振り回して演武を行う。連続で聞こえる破裂音、麺の速度が音速を超えソニックブームを起こしている事が分かる。

「さぁどうする?」

 麺を担いで左手で手招きする大池。

「うおおおおおっ!」

 ユウは拳銃を12連射。銃弾は全て麺の束に阻まれる。

「銃弾がいかに速かろうと起こりの【機】を読めばこの程度造作もない事」

「そんな……」

「ユウ、剣とか出せるか?」

「うん、色々出せるよ? どんなのがいい?」

「軽くてよく切れるのがいいな」

「わかった」

 ユウは【陰陽の双剣】を召喚する。装飾が落ち着いた黒と白の直剣。

「奴の麺の先端は音速を超えているが手元はそうじゃねぇ。奴の動きを読んで動作の戻りの隙に懐に入って斬りつける。ユウは合わせて攻撃してくれ」

「わかった」

 ハイエナ獣人化したハオランが双剣を持って突進。麺の間合いで独楽の如く回転を始める。

「考えたな、だがこれならどうかな?」

 麺の束を振るう大池、双剣で切断され宙を舞う。宙を舞った麺は一斉にハオランに襲い掛かった。

「なにっ!?」

 ハリセンボンになりかけた所を辛うじて双剣で払いのける。数本の麺が鎧の肩と膝に突き刺さっている。切断された麺は全て大池が束で回収した。

「千本通し投げ麺&音速鞭麺の合わせ技、お前たちに打つ手はあるか?」

「こっちの狙いはお見通しって訳か」

 ハオランの様子を見てユウは考える。

「(中距離も近距離もこちらが不利……じゃあ遠距離範囲攻撃を仕掛けるしかない……【スイカ爆弾】と【キョンシー(飛僵)】で自爆攻撃……」

「(自爆!?)」

 アイコンタクトを送るユウ。大池から見えない角度で【獅子王】のカードを見せる。

「(なるほど……そう言う事か)」ハオランは小さく頷いた。

 ユウは爆弾を持たせたキョンシーを飛ばす。ハオランは投げつけられる麺を双剣で弾きキョンシーの被弾を防ぐ。

「自爆覚悟の吶喊か! 直前でスイッチする気だろうがそうはいかんぞ!」

 麺の束がハオランを襲う。音速を超えた麺先が双剣と衝突し大きな金属音を響かせる。

「くっ重い……」

「千本通麺!」

 ハオランの足に千本麺が突き刺さる。

「黄金鎧が無けりゃ足はとっくにいかれてるぜ」

「堅え鎧だな……」

「やれ!ユウ!!」

 ハオランを飛び越える爆弾持ちキョンシー、麺の束を構える大池。

「こんな浅い策に掛かるか!」

 ユウは素早く【獅子王】のカードを取り出し着装。

「ウオオオオオオオッ! くらえ凄剣イクスバーン!!」

 獅子王のエネルギーを剣に込め飛び掛かるユウ。キョンシーとの同時攻撃に一瞬迷いを見せる大池。

「チィ!」

 麺の束を振るいユウを狙う。麺の束を全て使い切りユウの必殺剣イクスバーンを止める。接近するキョンシーには麺千本針を投げつけ地面に縫い付ける。

「俺もいるんだよなぁ!」

 体を大きくひねって接近したハオランは遠心力とバネのように引き絞った筋肉から繰り出される回し蹴りを大池の脇腹に命中させた。

「ぐはぁ……」

「手ごたえありだぜ!」

 後方に転がっていく大池、壁に激突して止まる。

「必殺の大技をおとりに使うとはな……ガキどものくせにやるじゃないか」

「今の一撃であばらを何本か折ったはずだもう満足に動けねぇだろ?」

「……まぁこの程度の怪我今まで何度も経験してる。もっと危機的状況もな」

 大池は壁にもたれたままの姿勢で丼と液体の入った袋を取り出す。

「させねえぜ!」「遅いわ!」

 袋を破り液体を丼に投入する大池、丼を返して液体をぶちまける。

「おっと」

 踏みとどまるハオラン。大池の前方扇型に液体が広がっている。

「この臭い……油か」

「秘伝の油は摂取してヨシ、ぶちまけてヨシ、燃やしてヨシだ」

「火事でも起こす気かよ」

「それは最後の手段だな」

 大池は腹ばいの姿勢で丼に乗り油で疾走する。油を纏わせた短い麺を振りハオランを狙う。

「速い……まだこんなに体力残ってるのかよ」体を反らせて回避する。

「ハオラン!」

 ユウが大池の前に立ちふさがる。その声にあわせてハオランは踏み出すが――。

「うおっと!」

 油で滑るハオラン。気が付けば床一面に油が広がっている。

「さぁどうする?このまま退散してくるとありがたいが?」

「クソ、マジでこいつ戦い慣れしてやがるぜ……ユウ! ここは俺に任せて他のルートから行け!! この男はもう満足に動けないお前を追う事は出来ない」

「でも……」

「なあにコイツを足止めするくらい訳ねえさ、お前はターゲットが逃げる前に辿りつけ」

「じゃあ……これ渡しておくよ」

 ユウは【破岩トンファー】のカードをハオランに投げ渡す。

「いいねぇ!」

 あばらを負傷している大池はその間に呼吸を整え膝立ちで丼の上に乗り麺の剣を構えている。

「若者よこれより先は死合いとなるぞ」

「覚悟はできてんぜ」

***

 ユウは大階段を迂回し東廊下から非常階段を上がる。まずは2階の探索をする事にした。

「うっ」

 扉を開けると2階はむせかえるような生臭い臭い、廊下、壁はヌメヌメとした粘液で覆われている。

「これは……【異空間結界(ダンジョン)】……!?」

 座学で学んではいたが始めて見る【異空間結界(ダンジョン)】
 【凶(マガツ)】の幹部や首領が得意とする高等結界術であり自身の作り上げた異空間を展開する。入るのは容易く出るのは難しい。正に迷宮の如き結界。

「……」

 後方の扉は閉じドアノブは消えていた。

「ヒゴゴゴゴゴゴゴゴゴー!」

「なんだこの気持ち悪い声は!」

 目の前の壁の穴が広がりそこから怪獣が現れた。頭部三つの触手の先に目、ホースのように伸びた口。

「ヒゴゴゴゴゴゴー!」

 両手を前に突進してくる怪獣に対しユウは黄金に輝く剣を突き出す。

「ヤァ!」「ヒゴゴゴゴー!」

 黄金剣とホース口が接触、透明の粘液をまき散らす。

「うっ!」

 獅子王に変身しているユウの体に粘液の飛沫が付着、煙を上げて硬化を始める。

「硬質化!? それともこれは石化……!?」

 黄金剣で手、腕についた粘液を削ぎ取るユウ。怪獣はホース口の傷を押さえている。

「ヒゴゴゴゴー!」

 両手を合わせて突き出す怪獣、掌から火炎放射。

「くう……」

 黄金剣でガードしながら下がるユウ。

「この怪獣……ただの怨霊じゃない……きっと【凶】の生み出した【怨獣】だ」

 ユウは知っている。【凶】の生み出した怨獣の正体を。生きた人間と怨霊を無理やり合体させて作った存在。人間を戻すことも霊を成仏させることも出来ない邪悪な術である。

「一刻も早く息の根を止めてやることが人にとっても霊にとっても救い……」

 黄金剣でラッシュを仕掛けるユウ、火炎弾で迎え撃つ【怨獣】

「うおおおおおおっ!」「ヒゴゴゴゴゴゴ!」

 火炎弾に混ざって粘液弾を飛ばす怨獣、ユウは集中して全て黄金剣で弾く。

「ヒゴゴゴゴー!」

 怨獣は後ろに下がってぬめりのある壁の中に吸い込まれていく。

「待て!」

 黄金剣を突くユウ。手ごたえはあったがそのまま怨獣は壁の中へと消えていった。

「くそー」

 このまま敵にペースを握らせるのを避けたかったユウ。獅子王の姿は体力の消耗が大きく、解除した場合再使用までの時間も長い。ここで違う姿に変えたくはなかった。

 水場でもあるこの場所では【鮫の闘士】もしくは【鰐王】を使いたい。鮫の闘士は攻撃力素早さは高いが防御力は低く、鰐王は再使用までの時間はそれほど長くなく、獅子王に匹敵する強さではあるが、暴力衝動が大きく膨らむ為暴走しやすく使いにくい。

「さてどうしようか……」

続く





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Last updated  Feb 23, 2024 07:45:38 PM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
長月(ながつき) @ Re[1]:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年も…
久 遠@ Re:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年…
長月(ながつき) @ Re[1]:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) こちらもFO4までに終わらせるつもりです!…
くおん@ Re:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) やあ( ´ ▽ ` )ノ EDーEとの意思疎通方法、…

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