未完成のブログ

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Jun 15, 2024
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カテゴリ: DHHU
DHHUその17

『あの女……滅茶苦茶やりやがって。だが盛り上げ上手だな』

 砂埃が収まるとクレーターの中心には元のレオタードスカート姿の華月、それと肉片となった大男の姿が見えた。

『キマッタアアアアアアアッ!! チーム月光ジャイアントキリング終了!! そして本日のイベントはこれにて全ての闘技終了となります!! 集計結果はしばしお待ちを!!』

***

 チーム月光控室。

「我は満足したぞ、久しぶりに本来の姿で戦闘できた」

「しかと目に焼きつけました。闘技場へのダメージも最小限にそして観客に配慮した近接のみでの戦闘。あの大男の強さを考えるとあれが最適解でしたね」

 ジークベルトが言った。



 斎藤が言った。

「結局あの大男何だったんでしょうかね?」

「あれは……魔力で魂の形を再現したもの……」

 ジークベルトが顎に手を当てる。

「……勇者ケンの召喚術に似てましたね。真邪王も同じような力を持つのではないでしょうか?」

「仙丈隼磨が何か知ってそうな感じでしたな碓井貞光とか言ったような?」

 斎藤が言った。

「なるほど、酒呑童子に因縁のある者を召喚したのでしょうね」

「碓井貞光となれば英霊か」「あるいはそれを模したもの」

 そこで控室の電話が鳴った。

「どなたですかな?」ジークベルトが出る。



「わざわざどうも、星熊さんに影響された結果ですよこちらこそ良いものを見せて頂きました」

「ハッ!じゃあなまたいつか来いよチーム月光!」

 電話が切れる。

「気持ちのいい方ですね星熊童子さんは。流石チャンピオンで人気ナンバーワンです」

 受話器を置くジークベルト。



 ――勇者Ks控室。

 ケンは頭を抱えたまま机に突っ伏していた。

「俺のせいで三人を死なせた……どうすればいいんだ……」

 財団に連絡する決心がつかずにいた。

 控室の壁に黒い渦が発生しそこからチーム月光の全員が入ってきた。

「勇者ケンよ」

 華月が言った。

「財団へ連絡したのか? まだであろう? 我が説明してやるセイに繋げろ」

「そんな! 何言ってんだ!!」

「泣きっ面でその様子ではまともな報告は出来んだろう。お前と仲間がこの闘技場に参加することになったのは我の言葉も影響しておる」

「そ、そうだ! 華月お前と鬼が闘技場の話なんて持ってこなければ!!」

「仲間は死なずにすんだか? クレメンタインは強力な妖だったことは理解しておる、しかし異空間結界に挑んだとしても同じ危険はあったはずだ」

「それは……」

「それにだ、我も仙丈もこのままあの真邪王を放置という訳には行かなくなった。だから全面的に協力してやる」

「え……」

「前衛、後衛、回復役が必要なのだろう?であれば、我とジークベルト、もう一人は仙丈が用意する。それでお前の新たな党を組めばよい。お前が党首でよいぞ勇者ケン」

「ま、ま、待て……そんないきなり決められても……!」

「ならば、財団と繋ぎセイと話をさせろ。いいな?」

***

―――翌日。財団のギルド。

 心労と体のダメージからケンは療養ポッドに入ったまま目を覚まさない。
 会議室にはセイ、財団の男女。勇者ユウ、才賀、ハオラン、ドウェイン。
 向かい側に華月、ジークベルト、袈裟を着た異常なまでに色白の僧。

「真邪王は既に意志を持ちジンガの手に余り始めている可能性があるか……」

 セイが言った。

「ジンガはダンジョンを複数作り多くのエネルギーを集めています。それが真邪王の覚醒を早めたのでは?」

 財団の男が言った。

「財団としてはダンジョンを全て潰しジンガを捕らえ邪眼を封印しなくてはならない。想定よりも事態は早く進行している。早急な対策をしなくては」

 財団の女が言った。

「ダンジョン攻略にあまり時間はかけられない……そこで追加の戦力なのだが」

 セイは華月たちを見つめる。

「退魔組織エクレシアは静観の構え。だがセンジョーは徹底抗戦に望むとの事。そこでここに居る彼女らが財団の作戦に参加することになった」

「ミイラとりがミイラになる可能性は?」

 財団の男が言った。

「あり得ませんね、このジークベルト、あの邪眼の力に対処できます」

「ほう?大きく出ましたね」

「実際に目の当たりにしましたからね。私たちならば勇者ケンを守り真邪王の野望を打ち砕けますよ」

「戦力としてはとても頼もしい限りです。しかし財団と連携を取らなくては【凶】の真邪王の野望を阻止することはできません。それを理解していただきたい、あなた方はこちらの雇う戦力であって作戦指揮には従って頂きたい」

「いいでしょう、出過ぎた真似はしないように?ですね」

「ご理解いただけたのなら幸いです」

 財団の女がセイに何か耳打ちをした。

「……まさか!? だが東京は……」

「どうかしたのか?」

 華月が言った。

「東京の新宿区で【凶】のダンジョンが確認されたと財団の調査員から連絡を受けました。残党狩りや事後処理にあたってた所発見したとの事」

「ほう」

「【凶】にはジンガしかもうダンジョンを作れる者はいないはず……今朝見つかったという事は……」

「ジンガは東京に移動した?」

「まさか……いや、あり得る。昨夜の抗争で真邪王はある程度力を得た、より力を集めるために人口の多い東京に密かに移動したと」

「財団は昨夜忙しかったようだからな。だが攪乱かもしれんぞ? 真邪王は邪眼で人、妖を操れるのであれば力を渡して東京でダンジョン作成の活動させた可能性もある」

「確かにそれも考えられる……どちらにしろダンジョンは全て潰さなくてはならない。それにしてもダンジョンの増え方が異常過ぎる。いくらジンガの呪力が桁外れと言っても数日でこんなに多くの設置が出来るはずがない」

「協力者がいるな」

「東京にジンガの協力者か……財団の者だけではダンジョンの発見ができても攻略まではましてや協力者がいるとなると戦力も足りない。ジンガは何を考えているこのようなやり方では【凶】側もついていけないだろうに」

「短期決戦を狙っている……か? 異空間結界を乱立し勇者と財団を疲弊させ一気に真邪王復活まで進めるつもりなのか」

「邪眼だけの完全復活までならそれもありでしょう。しかし財団に封印された残りの邪体を確保するにはこんなやり方では破綻するのが目に見えている。【凶】は本来闇に紛れじっくりと邪体を覚醒させていく組織だった。気が付けばその時にはもう――と」

「邪眼さえ完全復活すればどうにでもなる……真邪王がジンガにそう吹き込んだか」

「ジンガも馬鹿ではないのでそんな簡単に言いなりには――だが本人も気がつかないうちに邪眼の支配に飲み込まれているのなら無計画にダンジョン作成を行うかも」

「それならどうする? 異空間結界攻略は人数を揃えればまかなえるが邪眼の封印は勇者の力が必要なのだろ? どこに奴が潜んでいるか分からぬなら難しいぞ」

「ふむ……」

 セイは腕を組んで目を閉じる。財団の男と女が小声で意見を出しあっている。

「東京と京都にユウとケンを分けて配置するしかないな。出来るだけ戦力をかき集めダンジョンを攻略し、ジンガを見つけ次第移動手段に優れる財団のメンバーに集合させる。瞬間移動の異能持ちや魔法使いの類……これらは貴重な人材だ」

「それなら……京都でジンガを見つけた場合勇者の移動は私にお任せください」

 ジークベルトが言った。

「私の魔法なら京都市内の範囲程度ゲートでカバーできます」

「おお、そうか。ならばジークベルト貴方にお任せしよう。必要なら補助の魔術師も着けよう。東京は……財団の最高峰の魔術師を派遣しよう。念のためにTMI(異能者特務機関)にも要請しておくか」

 セイの指示で動く財団の男女。

「ユウのパーティーは東京に向かってくれるか? あちらのギルドは人員も多くサポートもその分充実している。私は京都に残るが大丈夫だろう?」

「うん、東京に行って来る」

 ユウはケンの寝ている部屋をチラと見る。

「ケンなら大丈夫だ。父さんと、ここにいるみんながいるからな」

「うん……」

 ユウは華月の顔を見る。

「何だ少年?」

「あの……ケンの事、よろしくお願いします! アイツは頭が良くて俺よりも器用で……だけどツイてなくて……」

「解っておる、我はこの目であの少年を見た。見捨てなどしない任せておけ」

「はい!」

***

 ――東京に移動する途中の新幹線車内。

 才賀桜桃色は携帯電話に超高速タイピングをしていた。

「サイガ、メッセージしてんの?」

「うん、久しぶりに娘と会えそうだからメッセをね~いや~東京なんて何年ぶりかな」

「ドウェインは?」

「東京での仕事が多いのでなメインといってもいいくらいだ」

「そうなんだ、ハオランは?」

「しょっちゅう行ってるが姉貴の使いとかなんで同じ場所ばっかり行き来してるだけだな。全然詳しくねえぞ」

「東京に財団が臨時に雇った凄い人たちがギルドに居るって聞いたけど楽しみだなぁ」

 ユウは端末を操作して資料を見ながら言った。
 ユウ達は緊張する様子もなくメンバー同士で雑談をしながら東京へ到着。

 出迎えに着たのは黒いワゴン車だった。

「ユウ・シーアさんと御一行様ですね?」

 ワゴン車の窓が開き美形の青年が声をかけてきた。

「あ、はい」

 ワゴン車の窓が閉まったと思った次の瞬間、青年が目の前にいた。

「TMIの哿 希世美(かなりきよみ)です。車へどうぞ」

 ユウの持つ端末にカードを近づける哿。ID照合が完了する。

「え! あ、あの……哿さん、今のって瞬間移動?」

「はいそうです」

 そう言った次の瞬間ユウはワゴン車の助手席に乗っていた。そして次々にハオラン、才賀、ドウェインが瞬間移動でワゴン車に移動する。運転席には哿。

「は?」「え?」「む?」

「これがTMIエージェントの力……」

「本来ならこのような異能を見せびらかす事はしないのですが説明するよりも早いと思いまして。残りのエージェント二人と合流した後すぐに作戦開始しましょう」

 ワゴン車は新宿のホテルの地下駐車場に停車。エレベーターで最上階に向かう。

「さぁ着きました。ここが財団の用意したギルド(仮)です」

 最上階のフロアーは1室のスウィートルーム。そこに二人の女性の姿が見えた。

 一人は金髪の髪を三つ編みに二つくくり。机の上には大きな丼が100程度置かれていた。  
 もう一人は黒髪のショートカット。机の上に重火器が並び手入れをしている。

「う……」

 全身から汗が噴き出すハオラン。金髪の女性に見られたことによって体が硬直している。

「やべぇぞユウ……なんだアレ……」

「??」

 ユウには何も感じない。ハオランの様子を見て訳が分からないと言った表情。

「失礼しました」

 立ち上がる金髪の女性。すると重火器を触っていた黒髪の女性も立ち上がる。

 ゆっくりと歩を進める金髪と黒髪の女性。

「TMIエージェントの終夜アリナです」「フローレンス・フランシスです」

「ユウ・シーアです」「あーしは才賀桜桃色(サイガピンクピーチ)」「ドウェインです」

 アリナが自己紹介をした後一歩前に出るとハオランはバックステップで飛びのいた。

「ハオラン?」

「すまねえユウ、これは本能的な反射ってやつさ」

 それを聞いてアリナはほんの少し頷く。

「ハイエナ獣人で武術家の貴方の反応は正しい。その性から貴方は出会った時にわたし達の隙を伺った。なのでわたしは対抗した、他意はありません。ダンジョン攻略共に頑張りましょう」

「マジ圧が半端ねぇよ……え、これってアンタの異能とかじゃねえよな?」

「わたしは普段異能を発動していません。素の状態ですよ」

「味方で凄く頼もしいぜ……正直敵だったら絶望しかねえわ」

 その様子を嬉しそうに眺めるフローレンス。ユウは不思議そうにそれを見ている。


 ユウ達はテーブルに着いて財団の司令部に繋がるモニターを広げダンジョン攻略の流れを説明する。

「……我々には財団の用意した人物がつくのですね?」

 フローレンスが画面の向こうにいるセイに言った。

『ああ、財団のメンバーとのやり取りやダンジョン発見の手助けになる。君たちの邪魔はしないサポート役に徹してもらう』

『はいはーい!それウチの事でーす!!』

 モニターの左上に出たワイプからピンク髪に日焼けした若い女性が映し出される。

『才賀愛来薔薇(さいがめぐるーじゅ)! ヨロシクおねがいしまーす後30分くらいでそっちに着きます』

続く





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Last updated  Jun 15, 2024 08:31:34 PM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
長月(ながつき) @ Re[1]:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年も…
久 遠@ Re:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年…
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