未完成のブログ

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Oct 27, 2024
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カテゴリ: DHHU
DHHUその29

 ユウの額に汗がにじむ。

「くそ、くそ……どうすればいいんだ……」

「ギャハハハハ! 苦しめ苦しめ!!」

 蜘蛛ジンガは黒粘糸を車両に着けスイング、窓を蹴破って車内に飛び込む。

「おらおら! クソ雑魚共無駄死にしな!!」

 蜘蛛ジンガの姿に驚く車内の人々、避ける暇もなく黒粘糸を浴びせかけられて捕らえられる。

「ほらよっ!」

 力を込めて一気に引く蜘蛛ジンガ二人の男女が割れた窓から投げ出された。



 車両の天井居たユウが声を上げる。投げ出された男女に気が付いたが間に合わない漆黒の地面に消えていった。

「これで二人死んだな! ダンジョンの外に放り出されてホテルビルから落下死だ!」

「ジンガあああああああっ!」

 獅子王の鎧と凄剣イクスバーンを装備したユウが割れた窓から車内に飛び込む。

「ククク、さぁこい! 来いよ!」

 黒粘糸を網状に広げて車内の人々を捕らえている蜘蛛ジンガ。

「やめろ!」

「止めて見せろよ勇者!もたもたしてっと先頭車両から俺のモンスターがコイツらを殺しまくるぜ」

 黒粘糸を連続で飛ばす蜘蛛ジンガ、ユウはイクスバーンで受け止める。

「使えば使うほど馴染んでくるぜこの適合者の体とコピー能力……」

 狭い車内の為突き攻撃を仕掛けるユウに対しバック転で回避しながら黒粘糸で牽制する。



 いつの間にか床に仕掛けられた黒粘糸に足を取られるユウ。

「不注意だぜ勇者!」

 目の前で網に包まれた子供3人を窓を破って外に放り投げる蜘蛛ジンガ。

「やめろおおおおおおおおおおおっ!」

 投げ捨てられた子供は間一髪、車両の上にいた桜桃色の骨武者の手によってキャッチ。



 骨武者が車内に入って来る。

「俺もいるぜ」

 気配を消して近づいたハオランが蜘蛛ジンガに直剣で斬りつける。咄嗟の反応で避けられたが刃は肩を掠めた。

「ふん……ならば……」

 割れた窓から飛び出し再び車両の屋根にあがる。そして連結部に向かって走り出す。

「待て!」「待ちやがれ!」

 ユウとハオランが追いかける。

「連結部の接続を解除してやるぜ。そうすればどうなるか解るか?」

「そんな事をしたら……」

 円周の線路上を走っているダンジョン列車、ここで車両の接続を解除されると置いて行かれた車両に先頭車両が激突する事になる。

「させるかー!」

 ペガサスナイトを召喚するユウ、飛び乗って蜘蛛ジンガに仕掛ける。過去に干渉できる魔眼を上手く使えば激突を防げるかもしれないと考えたが無駄使いは出来ない。タイミングを見極めてジンガが車両を切り離す直前を狙わなければならない。

「(回避不可能な必殺の一撃をここぞという時に当てなければ駄目なんだ)」

 大きな隙を狙って魔眼で過去の幻影を浮かび上げ凄剣イクスバーンを叩き込みたいユウ。

「(ケンなら……魔眼で未来予測をして不死鳥の剣士を使って炎の範囲攻撃で決められるはず……黒粘糸も焼き払えるだろうし)」

 ペガサスナイトは蜘蛛ジンガに向かって突進、ユウは凄剣イクスバーンを構える。すれ違いざまに剣で狙うが回避される。Uターンしたユウは蜘蛛ジンガを見失った。

「何処だ!?」

「ここだぜ」

 ペガサスナイトの腹に張り付いていた蜘蛛ジンガは胴体を伝って逆立ち蹴りをユウに放つ。兜の側面を蹴られたユウは大きく仰け反った。

「ギャハハハハ!このまま車両の間に落ちて礫死しなー!」

 連続蹴りを撃ち込む蜘蛛ジンガ、ユウはペガサスナイトからずり落ちて手綱でぶら下がった状態となった。

「ぐう……」

「そらあっ!このまま墜落だぁ!」

 ペガサスナイトはダンジョン車両に向かって墜落を始める。

「負けて……たまるかぁっ!」

 車両に激突寸前にペガサスナイトを解除して屋根の上を転げていくユウ。蜘蛛ジンガは片手をついて音もなく屋根に着地した。

「ククククク……魔王と勇者が対等だと思っていたか? そんな訳ねえよな、魔王側は常に不利なんだぜ? 俺がお前を圧倒してるのは俺自身を理解し、お前の嫌がる事を理解しているからだ。もう一人の勇者ならこんな展開にはなってなかったという事だ」

「はぁはぁ……」

「武器、防具、魔力、戦力の数、どれもお前の方が上だ。だがお前は俺には勝てない、俺の方が理解力に優れているからだ」

 再び降りて車両の中に戻る蜘蛛ジンガ。

「連携もとらせない、人質は最大限利用する。お前にできるのは俺を追って空振りするだけだ」

 車内の椅子で頭を抱えていた青白い顔をした学生を黒粘糸で捕らえ外に投げる。

「うわぁぁぁぁ……」

 叫び声は車両の走行音と漆黒の地面に吸い込まれ消えていった。

「また一人死んだぞ?」

「うおおおおおおっ!」

 屋根を切り裂き飛び込んでくるユウ、蜘蛛ジンガは横に居た中年女性を盾にしてユウの剣を止まらせた。

「く……卑怯な……」

「卑怯でもなんでもいいんだよ! こっちは魔王だからな!」

蜘蛛ジンガの右腕が女性を貫く、鮮血がユウの視界を遮る。蜘蛛ジンガは指先から黒粘糸を飛ばしてユウの鎧に着け貫いた女性をそのまま蹴って押し付けた。

「そのままそいつが死んでいくのを間近で見とけよ!」

 ユウの鎧に縫い付けられた女性の眼の光が消えていく。

「うわああああああっ! 獅子王解除! 樹の神官召喚!」

 獅子王はカードに戻り癒し手の樹の神官が召喚される。

「ハ! 馬鹿が!」

 接近した蜘蛛ジンガはユウを殴りつける。

「こうなりゃ只のガキだな! ボロクズになるまで痛めつけてやるぜ」

 蜘蛛ジンガのうしろでは樹の神官が女性に手をかざし傷を塞いでいく。馬乗りになって殴りかかってくる蜘蛛ジンガに対しユウは無言でゴリラボクサーを召喚して蜘蛛ジンガの腕を掴ませた。

「簡単にはやられないってか」

 ゴリラボクサーのパンチが蜘蛛ジンガを捉える。右ストレート、右フック、右アッパーでフィニッシュ、車両の廊下を滑っていく。

「許さない! 許さないぞジンガああああああああっ!」

「今のは効いたぜ……だがお前に更なる絶望を与えてやるぞ。このダンジョンで俺様を倒せたとしても後2回は蘇る……ここで負けても更に卑劣で残虐で強くなり財団に挑むぞ」

「なん……だと!?」

「やれよ勇者!必殺の一撃で車両ごと吹き飛ばせばこのダンジョンは一瞬で消えるぜ?」

「何やってんだユウ!」

 二人の居る車両に飛び込んで来たハオラン。

「こんな奴の話を聞く必要なんてねぇ!」

「ハオラン……」

「サイガは先頭車両に向かってったぜ、運転席について出入口のあるトンネル内で停車させるんだと。その間コイツを自由にさせなきゃいいんだ」

 ハイエナ獣人に変身するハオラン。

「倒せなくたっていい、今は時間稼ぎだぜユウ!」

「わかった……」

 蛇の暗殺者を着装するユウ。

「チッ! 目の輝きが戻りやがったか……どうやら勇者よりも先にパーティーメンバーを始末した方が良さそうだな」

 体当たりを仕掛けるハオラン、体で刀身を隠して肉迫。

「馬鹿が!」

 黒粘糸を指から発射すべくハオランに向ける。ハオランは手を払い体で隠していた直剣で斬りつける。狙いは蜘蛛ジンガ本体ではなく手首。

「ぐっ」

 払いのけられ上がった蜘蛛ジンガ右手はハオランの直剣によって深い傷を負った。

「ちっ! 切断まではいかなかったか」

「テメェ……」

 蜘蛛ジンガは割れた窓の縁に飛び乗って距離を取る。そのまま屋根へ。

「行けユウ! 車内は俺に任せろ!」

「わかった!」

 追いかけるユウ、屋根では蜘蛛ジンガが黒粘糸で右腕の出血を止めていた。

「やってくれたなあの獣人……だが片手のハンデがあっても俺の優位は変わらない。お前は人質を見捨てることはできない。その気になれば俺はこの列車を脱線させて全員ダンジョンから放りだすこともできるんだ」

 列車は出入口のあるトンネルへ突入する。

「さぁさぁさぁ……列車は止まるか? 止まらなければまた1周走る間に人質を殺すぜ」

「余裕がないのはお前もだジンガ!」

「なんだと?」

「もう惑わされない、俺はハオランとサイガを信じる! お前を止める!」

「やってみろよ勇者ァ!」

 陰陽の双剣を装備した蛇の暗殺者フォームのユウ、トンネルの中で暗く揺れて不安定な列車の屋根でも難なくバランスを取り連続攻撃を繰り出す。

「動きが違う……!」

「この装備の選択が正しかったんだ、お前に挑発されて俺は獅子王とイクスバーンを装備してしまった。こんな場所で戦うの向いてないのに!」

 ユウは勝利の絵を頭で描いていた。魔眼を使い過去の幻影のジンガの左腕を切り完全に黒粘糸の能力を封じる。

「(あとは大きな隙をつくらせれば……!)」

「コイツ……急に動きが良くなった」

 黒粘糸を固めた棒を右手に取り付け振り回して双剣を凌いでいる蜘蛛ジンガ、真邪王のコピー元である土蜘蛛は手の指からだけではなく様々な場所から糸を出せるのだがジンガにはまだ無理であった。

「(先頭車両の蜘蛛怪人は何をしている……)」

 ジンガが放った蜘蛛怪人は既に才賀桜桃色の手によって無力化され骨で固められていた。桜桃色は列車の操作が解からず頭をひねっていた。

「これがブレーキだとして……」

 列車の速度が落ちていく。

「サイガ! やってくれた!」

「クソガアアアアアアッ!」

 屋根を駆けだす蜘蛛ジンガ、先頭車両に向かう。それを追いかけるユウ。

「車両を爆破するしかねぇ」

「何だと!?」

 呪符を取り出す蜘蛛ジンガ、それを見たユウは魔眼を発動。過去の幻影を浮かび上がらせる。

「(呪符を取り出す少し前のジンガの幻影を斬る!)」

 陰陽の双剣の4連撃が幻影の背中、肩、両腕を切り裂く。少し前を行く蜘蛛ジンガ本体に斬撃が浮かび上がる。

「ぐわあああああああああっ!クソがああああああああっ!」

 呪符は発動することなく列車から落ちていく。

「やったか」

「ちくしょうおおおお……黒粘糸をもっと有効活用すべきだったぜ……やはり慣らし運転はしとくべきだったな」

「おわりだジンガ!」

「ククク……これで終わりじゃねえぞ」

 うつ伏せに倒れているジンガは僅かに体を起こしてユウを睨みつける。

「何をする気だ!」

「ククククク……」

 体を起こしたジンガは腹に手を当てる。すると仕込んでいた呪符が光を放つ。

「今から盛大に自爆してやるよ! 次の俺様は負けねーからな」

 魔眼はまだ使用できない。ここで自爆されればトンネルが崩落する危険がある。

「だったらここは……!」

 鰐王を召喚。蜘蛛ジンガを頭からかぶりつき上半身を飲み込む。

「そのまま列車から飛び降りろ!」

「グラアアアアアアアアアッ!」

 落下する鰐王と蜘蛛ジンガ、漆黒の地面に吸い込まれダンジョンから放り出される。

「グラアアアアアアアアッ!」

 ホテルビルの最上階の高さに転送、空中で鰐王は顎に力を入れ蜘蛛ジンガを噛み砕く。

「……」

 空中で呪符が発動し鰐王と蜘蛛ジンガは爆発四散。衝撃でホテルビルのガラスが割れていく。

『あと少しと言う所で負けたのです……次はもっとジンガ君に良いコピーとダンジョンを用意するのです』

 真邪王の声がする。

「絶対に負けないぞ……真邪王!」

『アハハハハハ! いいですねぇ~それでこそ勇者潰しがいがあるのです! 次からは一切の出し惜しみも無く全力全開で行くのです覚悟しておくのですよ』

 真邪王の声が消える。同時にダンジョンも薄れていく。列車は消えユウ達はホテルビルの廊下に出現した。

「無事か!」

 ドウェインが駆け寄って来る。

「なんとか……でも犠牲が出ちゃったんだ……」

「くやしいな……」「めちゃくちゃ疲れたよ」

 ホテルの部屋からハオランと桜桃色が出て来た。

続く





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Last updated  Oct 27, 2024 09:32:05 PM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
長月(ながつき) @ Re[1]:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年も…
久 遠@ Re:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年…
長月(ながつき) @ Re[1]:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) こちらもFO4までに終わらせるつもりです!…
くおん@ Re:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) やあ( ´ ▽ ` )ノ EDーEとの意思疎通方法、…

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