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2008年12月07日
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カテゴリ: クラシック
 東京オペラシティコンサートホール  15:00~
 3階右側

 G.F.ヘンデル:オラトリオ「ユダス・マカベウス」

 ユダス・マカベウス:櫻田亮
 イスラエルの女:柏原奈穂
 イスラエルの男:マリアンネ・ベアーテ・キーラント
 シモン:荻原潤
 バッハ・コレギウム・ジャパン
 指揮:鈴木雅明


 面白い公演ではありました。ただ、なんというか、皮肉と言おうか.....

 思うに、バッハ・コレギウム・ジャパンは、やはりバッハの宗教曲をやるより、こうした非宗教曲をやる方が合ってるような気がするのですね。
 このオラトリオ、勿論題材は旧約聖書に採っているのではありますが、内容は決して宗教曲ではない。典礼劇ですらない。勿論随所に神を称える言葉が散りばめられてはいるし(元ネタが聖書ですからね)、最後はハレルヤ、アーメンですけれど、全く典礼とは関係無い。むしろ生臭音楽(笑)ヴェルディのレクイエムの方が、音楽そのものは派手でも、神への畏れ、祈りを描いているという意味ではよほど宗教的。
 いや、"ヘンデルのオラトリオ「ユダス・マカベウス」"としてはそれでいいんですよ、勿論。ただ、そっちの方がBCJの演奏としてはいいなぁ、と思ってしまうのは、どうなんだ、と....(苦笑)

 演奏そのものとしては、そういうわけで、良かったと思います。ただ、合唱も含めて声楽陣はやや生硬な趣であったのではないかと。悪いとは申しませんが、どうかなぁ。BCJの演奏はいつもいいということになっているようだけれど、個人的には、存外ムラがあるように感じます。勿論、演奏曲目によって柔軟に編成を変えているし、主たる活動であるバッハのカンタータの定期演奏会は1度か2度しか聞けていないのだけれど、その時々で結構良かったり悪かったり、という気がします。
 勿論一概に言って、比較的高い水準は保てているのだろうと思うけれど、何かがもう一つだったりするのですよね、思うに。焦点が定まらないというか....
 今日の演奏は、そういう意味ではいい方だったと思います。特に管弦楽。皮肉なようですが、活き活きとした演奏で、むしろバッハの演奏よりも気持ちが入っていたというか、時にこの団体の演奏で感じる裏表の乖離、とでもいうようなものが感じられなかった。自然体、とでも言うんでしょうか。

 一方、声楽陣の方は、前述の通り、やや生硬な感じが。合唱陣は、まぁ悪くはないんだけれど、十数人という人数で、それはそれでポリシーとして悪くないけれど、少々力不足なのを補おうというような感じだったのか、少々硬く感じてしまった気がします。団体としてのポリシーはあるかも知れないけれど、このホールでやるなら、各パートもう1~2名増やして臨んでもいいのではないかと思います。このオペラシティは風呂桶ホールなので、確かに人数を増やすと音は濁りやすくなりますが、デュナミークの取り方を考えれば、余裕を持たせた方がいいのではないかと思います。このホールでやる以上、どちらのリスクを取るか、ということではあるのだけれど。
 独唱陣も、全般に硬い。「いい」と思えたのはソプラノの柏原奈穂。ただ、若さが出てしまったというか、声は綺麗なのだけれど、深みがもう一つ欲しかった。他はまぁ及第点。全般に若い人を起用した公演、という感じだったし、若さをいうのはまぁ厳しいかも知れませんが。

 プログラムで「ジャコバイトの乱」に絡めてこの作品を「自由と平和」のメッセージ、としていたけれど、それは果たして如何なものか。基本的にプロ・スコッティッシュな私としましては、カロデン・ムーアの戦は悲劇だし、ロンドン政府はその後もスコットランドを抑圧し続けたじゃないの、と思うのだけど。
 まぁ、そうした個人的な感情は脇に置くとしても、旧約聖書から構成された物語は極めて好戦的だし、音楽だってとても「自由と平和を愛する」というものとは思えないのですが。うーーーん。







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最終更新日  2008年12月07日 23時17分19秒
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