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このシリーズも3回目となりましたが、今日だけで580のヒットがあり、過去の最高を軽く超えました。東京在住のお母様方を中心に、関心が高まっていることが分かります。訪問者を覗いてみると、午前中には「文部科学省」のドメインがありましたから、庶民の受け止め方がここから幾分でも伝われば喜ばしいことです。思い返せば、30数年前までは、東京の受験勢力図は日比谷高校を頂点に、西・戸山・新宿・小石川・両国・上野・立川、etc。といった都立高校が中心でした。勿論、麻布・開成・武蔵の私立御三家や、教育大付属・同駒場・学芸大付属といった国立も有名でしたが、一般的には都立に進んだものです。ところが、僕が高校に進学した昭和42年から学校群制に変わり、都立の凋落が始まりました。この改編は小尾教育長(当時)の強い意志が働いていた模様で、「公立高校が受験競争の場になり、学校本来の使命が歪められている」という視点から改革(悪?)が始まった訳です。現実論者の視点からは全くの愚行であり、受験競争がなくならない以上、舞台が別の場所に移動するのは当然で、学費が嵩む私立が台頭するのは明らかだったのです。僕の頃には、都立の滑り止めに過ぎなかった高校が、今では毎年東大に数10名合格させているのですから、何をか言わんやです。要するに、かなり高額な学費を6年(乃至3年)間負担出来る家庭でないと、大学進学においてハンディが顕在化し、庶民から進学のチャンスが奪われつつあったのです。このような状況の中で、先ず学区と学校群が解体され、都内在住者は好きな都立高校に進学が可能になりました。この流れの中で、かっての都立名門校が復活しつつあります。これは非常に喜ばしいことです。そして、今回の都立中高一貫校の発足は、これにも勝る東京都(石原知事?)の英断だったと思います。教育の効果は環境設定も重要であると同時に、優秀な生徒が集まり、互いに切磋琢磨する風土がなければ「相乗効果」が生れません。つまり、知的能力に優れ、問題意識を持ち、且つしっかりした判断力や自律心のあるお子さんでないと、中学・高校の勉強にはついて行かれず、お互いに支え合って成長して行けないのです。かっては、都立高校がそのような場でしたが、今ではお金と引き換えでないと、能力があっても「相乗効果」の恩恵に浴せなかったのです。こんな不公平が罷り通る社会に、漸くメスが入った訳ですから、かっての「進歩的文化人」の罪は限りなく大きいのです。このような経緯を経て、一貫校の募集が始まりましたが、桜修館の女子を筆頭に全体で1000人以上のお子さんが書類選考を通過出来ませんでした。受験料(5000円)を払い、担任の先生にお願いして内申書を書いて貰ったり、本人や父兄も願書等にかなりの労力を費やした訳ですから、スタートラインにも立てないとは、何とも可哀想であり、新たな不公平が顕在化したと思われます。受験料(の一部でも)が返還されるという話も聞きませんし、検査会場の収容能力で「足切り」したというならば、余りにも酷な気がします。その一方で、幾つかの掲示板では内申書の不正疑惑が取り上げられています。内申書の「水増し」があったと囁かれており、その陰には「裏金」や「担任への色仕掛け工作」というようなスキャンダラスなものまであります。担任が女の先生の場合は、親父が登場したのかも知れませんが、まあ、何れにせよ真面目に取り上げるべき噂ではないでしょう。タカが都立一貫校の入試くらいで、「そこまでやるか」という感じです。とはいえ、これだけ注目が集まったという事実の余禄でしょうね。
January 30, 2006
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前回は「応募状況」を書きましたが、今回は書類審査の選考結果が各校共に発表されましたので、それを纏めてみました。学校名男女別応募者数通過者数通過率募集数白鴎男360360100.0%72女541541100.0%72小石川男96182886.2%80女94681986.6%80桜修館男64150678.9%80女90353058.7%80両国男60848078.9%60女68748069.9%60どこまで厳格に「足切り」するのか、予断を許しませんでしたが、白鴎以外は略予定どおりのラインで適性検査の受検者を絞り込んでおりました。白鴎の女子は予定数を上回っていましたが、都教委との協議にて全員通過させた模様です。やはり、桜修館の女子が一番厳しい「足切り」に遭いました。白鴎を除けば、小石川が男女共に高い通過率(約86%)でした。書類選考の背景としては、受験会場の収容能力がネックになっている模様です。1/28付毎日新聞の記事から一部を引用します。応募状況では、ほとんどが10倍前後の高い人気。試験会場の収容力の都合で、九段を除く4校が、小学校の通知表の内申点を中心にした「報告書」による書類審査を行っている。 都教委高校教育課の萩原聡統括指導主事は「できるだけ多くの人が受けられる方向で調整している。受験人数は決めているが、最終的に何人に絞るかは各校の判断」と話す。審査結果は28日に通知されるが、桜修館では応募者の約3分の1、両国では約4分の1が適性検査を受けられない見通し。白鴎の昨年入試でも、2054人の応募者のうち筆記を受けられたのは720人だった。 都教委は、書類審査だけで筆記の受験者を制限する理由について、「抽選では志願者の入学意欲が無になり、保護者の理解も得にくい」と説明するものの、異例の措置。小石川に出願した男子の母親(43)は「息子の努力に報いるためにも、せめて筆記は受けさせたい」と話す。 書類審査のカギの「報告書」にも、保護者らの不安は尽きない。小学校の通知表は「絶対評価」のため、担任によって内申点に大差がつくと見られるからだ。都内6カ所に公立一貫校コースの教室を持つ大手進学塾「早稲田アカデミー」の大矢純・城南ブロック長は「小学校の先生に、一貫校入試についての指示が行き渡っていない感じ。受験生の親が担任に『報告書の書き方を教えて』と言われた、という笑えない話もある」と話す。 東京以外の首都圏各県でも公立一貫校は増えているが、今のところ書類審査だけで1次選抜をする学校はない。03年開校の埼玉県立伊奈学園中は今年、1352人の応募に対し抽選で筆記受験者を160人に絞った。「受験競争の低年齢化を防ぐため」と同市教委。08年度に県立千葉高校が中高一貫校になる千葉県教委でも、北田昌史・県立学校改革推進課副主幹が「応募者は殺到すると思うが、書類審査を行う場合はどんな書類を使うか吟味が必要で、もう少し議論を重ねたい」。 中学受験に詳しい教育コンサルタント、森上展安さんは「小学校の担任が絶対評価でつける内申書中心の書類審査は、ルールが不明確。本当にその学校に行きたい受験生には心もとない。先生と合わない、個性的な子は不利で、改善の必要を感じる」と指摘する。現場なりの事情はあるでしょうが、公立の学校である以上、せめて応募者にはスタートラインに立つ権利だけは認めてやりたいですね。
January 29, 2006
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いよいよ、今年から都立の中高一貫校が本格的に開校します。去年は「白鴎」一校でしたが、「小石川」「桜修館」「両国」の3校が加わり、また千代田区立ではありますが、「九段」がこれに加わります。各校で応募状況が発表されていますので、下記に整理しました。------------------<東京都立白鴎高等学校附属中学校>募集区分 募集人員(A) 応募人員(B) 最終募集倍率(B/A) 男 女 計 男 女 計 計 特別枠募集 (男女を問わず) 16 48 35 83 5.19 一般枠募集 - - 144 360 541 901 6.26 ※一般枠募集の男女別募集人員は、男子、女子各80名から、特別枠募集での入学手続人員を、男女別に差し引いた数となる。 <東京都立小石川中等教育学校>募集区分 募集人員 応募人員 男 女 計 男 女 計 特別枠募集 (男女を問わず) 5 4 1 5 一般枠募集 - - 155 961 946 1,907 <東京都立桜修館中等教育学校>募集区分 募集人員 応募人員 男 女 計 男 女 計 一般枠募集 80 80 160 641 903 1,544 <都立両国高等学校附属中学校>募集区分 募集人員 応募人員 男 女 計 男 女 計 一般枠募集 60 60 120 608 687 1,295 ------------------各校で共通点、相違点がありますので、簡単に整理してみましょう。1.付属中学校と中等教育学校白鴎と両国は高校の付属中学校、小石川と桜修館は中等教育学校です。違いは、前者が「併設型」といい、高校からも募集するのに対し、後者は高校での募集がなく6年間同じメンバーで学ぶ点です。2.特別枠白鴎と小石川にありますが、募集人数は白鴎の16名に対し、小石川は5名と少数です。3.倍率(一般枠のみ言及)白鴎と桜修館は女子の応募が多いですが、小石川と両国は男女であまり差がないようです。一応、各校とも男女別の倍率を比較してみました。但し、白鴎の母数は特別枠を男女各8名として各72名(=144/2)とし、小石川は特別枠を無視して各80名としました。 ・白鴎 男 360/72=5.00 女 541/72=7.51 ・小石川 961/80=12.01 946/80=11.83 ・桜修館 641/80=8.01 903/80=11.29 ・両国 608/60=10.13 687/60=11.45こう見ると、白鴎と桜修館の男子を除き倍率は10~12倍であり、女子は三校とも11.5倍付近に集中しているようです。男子は桜修館・両国・小石川で、8倍・10倍・12倍という具合に等間隔で並びました。4.書類審査(一般枠のみ言及)これは少々可哀想ですが、白鴎男子を除き書類審査による足切りがあるようです。(応募者-所定数>0の場合実施) ・白鴎 男 360-400<0 女 541-400>0 ・小石川 男女 1,907-1,600>0 ・桜修館 641-500>0 903-500>0 ・両国 608-480>0 687-480>0どうも、桜修館の書類審査が一番厳しいようです。特に女子の場合は、書類審査の通過率が約55%であり、半分弱がスタートラインに付けないことになります。何れにせよ、書類審査を通過出来ないお子さんが出る訳ですが、せめて横並びくらいにしても宜しいのでは。(注:両国は男女各60名募集に対し、他の3校は各80名である。特別枠を含む。)以上、客観的な比較のみ行いました。また、全国の公立中高一貫校はこちらを御覧下さい。
January 26, 2006
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昨日はホリエモン逮捕後のことを書くつもりでしたが、結局書けませんでした。事件の全貌が明かされないので、書きたくても書けない状況です。「弁解録取書」など、調書への署名を頑なに拒否している模様ですが、逮捕された側近三名はあっさり不正を認めたそうなので、「落ちる」のは時間の問題だと思います。一方、国会では野党が一斉にライブドア問題に絡んで、小泉首相や自民党の攻撃に入りましたが、全く次元が低い泥試合にならんとしています。衆院選の時点で、検察は内定を進めていた模様ですが、そういう情報が首相に届いていたとは思えず、また知っていればホリエモンの応援はしなかったと思います。確かに、結果論的には「不明の至り」ですが、それがどれ程の大問題なのか、大いに疑問です。公認も推薦もしていないのですから。僕の身の回りにも、ライブドア株を買っていた人がおり、少額ではありますが紙屑同然になりました。とはいえ、これこそ「自己責任」であり、個人は無闇に株など買えないという、実に厳しい現実を目の当たりにした訳です。一時は東証の日経平均株価も急落しましたが、経済全般は堅調であり、年末に向けて20000円を超えるのではないでしょうか。勿論、途中には浮き沈みが伴いますが。これから先、検察は「粉飾決算」を立証して行くことでしょう。今回初めて知りましたが、「粉飾決算」は罪が重く、有罪になれば執行猶予は付かず、即刑務所行きだそうです。カネボウの歴代経営陣にも、過酷な運命が待っているようです。同時に、関係した公認会計士も資格剥奪の上、厳罰が加わるそうです。経済活動における規制緩和は、経済を活性化しますが、悪い奴は法の隙間を突いて不当な利益を企みますから、厳罰は当然です。耐震偽装に粉飾決算、風説の流布に偽計と、このところ耳慣れない言葉が飛び交っていますが、一旦こういうことが発生すると、思わぬところで影響があります。僕の知る限りでも、監督官庁の許認可審査が厳しくなり、迷惑を被りました。「正直者が損をする」ようなシステムは見直して欲しいですね。
January 25, 2006
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今日は午前中に東京で打ち合わせを済ませ、昼過ぎの新幹線で名古屋に戻りました。東京の降雪から、名古屋は一面雪の原かと思いましたが、全く予想に反しておりました。夕方帰宅してTVを点けたら、「ホリエモン逮捕」のニュースが飛び込んで来ました。事情聴取は知っていましたが、こんなに早く逮捕されるとは意外でした。まあ、先週中に証拠固めは終わっていたのでしょう。先程まで、「報道ステイション」にて、女子アナとの電話での遣り取りが再現されていましたが、子供じみた「自己正当化」に終始しており、こんな奴が何千億ものビジネスを牛耳っていたのかと思うと複雑でした。今は東京拘置所に収監され、遅い夕食を取ってから寒い独房で就寝中の模様です。ゲストの元検事の方に言わせると「今夜は一睡も出来ないだろう」ということでした。普通の人間ならそうだろうと思います。今夜は多くを語れませんが、時代の寵児と持てはやされた人物が、ここまで急速に落ち目になるとは、人生の「儚さ」を感じずにはいられません。同時に、「地に足の着いた生き方」が改めて見直されるきっかけになるのではないでしょうか。続きは明日書きます。
January 23, 2006
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「やはり」という事態が起きてしまいました。今回の粉飾決算が発覚したから書く訳ではないのですが、堀江氏に関しては旧「近鉄バッファローズ」の買収に手を上げ、一躍有名人になった頃から「危うさ」を感じていたのです。彼が極めて有能で、如何に「金儲け」に長けているかは、今更言うに及びませんが、彼には人間として肝心なものが欠落しているような感じが払拭出来なかったのです。これは僕という凡庸な人間が、それでも50年以上生きて来て身に付けた「勘」のようなものです。「胡散臭い」と言えば一番当っているかも知れません。同じネットビジネスのトップでも、楽天の三木谷社長とは異質なのです。別に、「楽天ブログ」を無料で使わせて戴いているから言う訳ではありません。プロ野球でも、楽天がチームを持てた訳で、ライブドアが目的を果たせなかったのも、堀江氏の「胡散臭さ」が災いしたのかも知れません。あの当時、ナベツネが「何処の誰とも分からん奴に、プロ野球への参入は許さん」というようなことを言ってましたが、その当時は反発を覚えたものの、今にして思えば一つの「見識」だったのかなと思いました。ライブドアは、株式分割のカラクリを駆使した「張子の虎」だったのでしょう。次々と色々な企業を買収して大きくなって行きますが、結局被買収企業の社員だった方々は辞めて行かれるそうで、業務はライブドアの社員に引き継がれるものの、知らない業務を突然「やれ」と言われても現実には非常に困難であり、皆立ち往生しているとか。知人に聞きましたが、ライブドアという会社は、普通の人では2年持たないとか。皆辞めて行くそうです。残る人は堀江氏に認められた、ある意味で優秀な人達なのでしょうが、結局非合法な領域に引き摺り込まれ、今回自殺に追い込まれた野口氏のような最期を遂げるのではないでしょうか。今回は堀江氏本人にも司直の手が届き、結局彼は裁きを受けることとなるでしょう。ヒルズ族というと時代の寵児であり、羨望の的かも知れませんが、内情は「ヤバイ」ケースが結構あるようにも思います。勿論、真っ当なビジネスを天賦の才能で成功させた人も少なからずいらっしゃる筈ですが、我々凡人は地道に生きる人生を選ぶべきでしょう。「幸福」は凡人の特権なのですから。さて、明日から東京に「里帰り」します。名古屋には月曜に戻りますので、暫しお暇致します。おやすみなさい。
January 19, 2006
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「男たちの大和/YAMATO」を観て来ました。僕自身は、旧帝国陸海軍のことにつき人一倍関心が高く、「戦艦大和の最後」も知り尽くしていましたから、映画自体に然程の期待はありませんでした。ところが、予想を遥かに超えた秀作であり、最初から最後まで感動の涙でハンカチはグショグショでした。周囲からもすすり泣く声や、肩を震わせている気配が伝わって来ました。今回、特に良かったのは主役が将校でなく、帝国海軍を支えた下士官の方々だったからだと思います。そして、素晴らしいセットが構築され、艦内の様子がリアルに伝わって来たことです。反町隆史演じる森脇庄八二主曹は烹炊所班長であり、従来の戦争映画ではまず描かれなかった主計科の様子が巧みに描かれておりました。(注:烹炊所(ほうすいじょ)とは艦内の炊事場のこと)そして、何より素晴らしかったのは、20歳前後の若い俳優さん達が、帝国海軍の水兵さんを見事に演じていたことです。我々の世代ですら想像できなかった、壮絶な鉄拳制裁の場面など、今の若者に何処まで演じられるか大いに疑問でしたが、60年の時空を超えて彼等は立派な水兵になり切っておりました。さて、前置きが長くなりましたが、僕がこの映画を観に行ったのは、「臼淵巌(うすぶちいわお)」という海軍大尉との対面を望んでいたからです。臼淵大尉とは、吉田満氏の傑作『戦艦大和ノ最期』に登場し、特攻出撃を前に海軍兵学校出と学徒出身の士官の間で「死ぬことの意味」を巡って壮絶な議論が戦わされ、それを見事に治めた人物なのです。以下、参考文献の一つから引用します。沖縄への決死行が、ゆきて帰らぬ特攻作戦だと知った士官たちは、死と向き合い苦悩する。死の意味づけをめぐって起きた若者たちの激論を、吉田満は描いた。 潔く散ることを美学とする兵学校出身者が叫ぶ。 「国のため、君のために死ぬ、それ以外に何が必要か。もって瞑(めい)すべきじゃないか」 不本意な出征で未来を失うことに学徒出身者は抵抗する。 「それだけでは嫌だ、自分の死、日本の敗北を普遍的な、何か価値というものに結びつけたい」 「そういう腐った根性をたたき直してやる」 乱闘寸前となった艦内で、臼淵大尉がつぶやいた言葉が論争を鎮める。 -進歩ノナイ者ハ決シテ勝タナイ 負ケテ目覚メルコトガ最上ノ道ダ 日本ハ進歩トイフコトヲ軽ンジ過ギタ 私的ナ潔癖ヤ徳義ニコダハツテ、本当ノ進歩ヲ忘レテヰタ 敗レテ目覚メル、ソレ以外ニドウシテ日本ガ救ハレルカ 今目覚メズシテイツ救ハレルカ 俺タチハソノ先導ニナルノダ 日本ノ新生ニサキガケテ散ル マサニ本望ヂヤナイカ(「戦艦大和ノ最期」) 若き大尉は、特攻のむなしい結末を見通しながら、その職務を放棄することを潔しとしなかった。絶望も、怒りもすべて戦後日本の「進歩」に託し、特攻死を受け入れた。この素晴らしい人物も、私人としてのリベラルで文学・哲学・芸術の造詣の深さと同時に、職業軍人としての厳しさを持って、学徒出身の吉田少尉に鉄拳を振るうのです。これも別の参考文献から引用します。吉田少尉が大和に乗艦の初日、通信科の少年兵が十数m先の通路で欠礼した。本来なら鉄拳五発の制裁である。少尉は、少年兵を諭した。「敬礼を欠いただけで、気持ちに嫌な後味を残す。こんなつまらん事はない。これからは、上官の後ろ姿を見ても敬礼してみろ。たいした努力は要らん。そして、気持ちがいつも楽だぞ。どうだ。分かったら、そこで思い切り敬礼してみろ」制裁に怯えて肩をふるわせていた少年兵は、力一杯に挙手の礼を繰り返し、小躍りせんばかりに立ち去った。その直後、少尉は臼淵大尉(兵71期)から、鉄拳を受ける。大尉は言う。「貴様の言うことにも一理ある。しかし、あの上官はいい人だ、だから砲弾の雨の中を突っ走れとは言うまい。そう兵隊は貴様を、なめてかからんか。俺の兵隊と貴様の兵隊と、どちらが強いか。軍人の真価は、戦場でしか分からんのだ」この時、臼淵大尉は弱冠21歳の若者でした。その倍以上も年を食ったものの、自分には到底真似の出来ない「人格、統率、思慮の深さ」です。丁度10年前、大和沈没50周年(昨年は60周年)で色々な記念番組があり、作家立花隆氏が「戦艦大和ノ最期」から「進歩ノナイ者ハ決シテ勝タナイ」の一節を読み上げつつ言葉に詰り、ハンカチで涙を拭っていたのが印象的でしたが、多くの人をして感涙させるに足る言葉なのです。また、この時期に中井貴一主演(吉田少尉役)で「戦艦大和ノ最期」がテレビドラマ化されましたが、この時の臼淵大尉、誰が演じたのか忘れましたが、は最高でした。今回は長島一茂が演じていましたが、一茂氏の茫洋とした雰囲気は、臼淵大尉が持っていたであろう明敏さとは異質ではあるものの、新たな大尉像が膨らみました。「戦艦大和の哨戒長(注:正しくは副砲分隊長)、臼淵磐(うすぶち・いわお)大尉は、ノートに詩をつづり、夕暮れの艦上で潮風に吹かれながら一人ハーモニカを吹くのが好きだった。海軍兵学校出のエリート士官でありながら、文学と音楽と芝居をこよなく愛するロマンチストの涼やかな横顔が印象深い」という、この傑出した人物は21歳7ヶ月でこの世を去りました。大和に命中した最初の爆弾により、彼の身体は跡形もなく散華したのです。本編には出て来ませんでしたが、最後に流れるキャスティング等の字幕のバックとして、一茂扮する臼淵大尉が「夕暮れの艦上で潮風に吹かれながら一人ハーモニカを吹く」ワンシーンが映し出され、僕は一人この人を偲んだのでありました。この他の参考文献その1、その2。
January 14, 2006
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「都立中高一貫校の適性検査(作文)」については、多くの方々から有難く、且つ示唆に富んだコメントを戴きました。その中で今回は、☆haruka2000☆さん、ぐりぐり♪さん からの御指摘に基づき、議論を進めてみたいと思います。今回僕が取った手法は、先ず作文のテーマを幾つか例示し、その中から好きなものを息子に選ばせ、書く前に内容を話し合い、方向性を示してから書き始めるというものでした。そして僕の狙いは、単に作文を書き上げることではなく、「大人のレベルで物事を考える方法を教える」ということだったのです。これに対し、ぐりぐり♪さん からは「12歳の子供にそこまで求めるのはちょっと早いのかなと感じます。12歳には12歳の良さがあるように思うのです」というご指摘がありました。これについては、僕の意図を更に詳しくお伝えすることで、ご理解を戴きたいと思います。先ず「大人のレベルで物事を考える」ということの意味ですが、「大人と同じレベルで」ということではありません。また、それは求めても無理であり、意味のないことです。僕の本意は「大人流のアプローチの仕方、物事の本質に迫って行く方法を体験させ、身に付けて行くスタートを切る」ということなのです。そのためには「筋道」が大事であり、出発点から結論までの間に「論理の飛躍」があってはならないのです。程度の差こそあれ、論理的な思考方法が身に付いているお子さんは少なからずいるのです。大人との違いは、取り上げる内容の「抽象度と深さ」に過ぎず、身近な内容を語っても子供なりの論理的一貫性は存在し得るのです。つまり、「12歳には12歳なりの論理性」を持つことが更なる発展へのベースであり、学校側としては適性検査でその資質を評価したいのです。今回、息子は「アメリカが好き」な理由として「大リーグ野球の魅力」を挙げましたが、それでは論理的に直結せず、このギャップを埋める方法を考えさせました。親父の出したヒントは「努力が報われる社会」でしたが、息子はこれを参考に「面白い仕組みを工夫する力」、つまり「クリエイティブな社会がアメリカの魅力」という方向性を独自に打ち出したのです。まだまだ稚拙ではありますが、ある程度は所期の目的が達成できたかなと思います。続いて、☆haruka2000☆さんの御指摘は、『私は、こういうとき、すぐに書かせないほうがいいような気がします。時間を置いて、子どもの頭の中で新しい考え方を整理する必要があると思います。そうじゃないと、「書いた」のではなく「書かされた」と思ってしまうかもしれません』というものです。これに対しては以下の通りお答えしました。確かに、理想的には「書く」よりも「話す」ことで思考力を伸ばして行くことがオーソドックスな方法だと思います。且つ、理想的でしょう。但し、「話す」となると直ぐに答えなければならず、逆に難しいという面もあるのです。「書く」ことは逆に考える時間が与えられ、頭の中で反芻しながら文字に出来ますから、余裕があるのです。子供だったら、普段の会話レベルより上の話になると逃げ出すのではないでしょうか。また、形として残るアウトプットがない以上、再現性も乏しいですから、あまり頭に残らないように思います。「書く」ことを前提に「話す」と、明確な目的があるために子供も頑張って付いて来れるし、結果として「考える」というプロセスに足を踏み入れることになると思うのです。「書かされる」という側面は否定出来ませんが、子供の時は周囲から指導されて何かを始めるのが自然のパターンだし、取っ掛かりはこの形でも宜しいのではないでしょうか。子供が「特定のテーマ」につき大人と話すのは、結構骨が折れます。親が長期的展望に立って辛抱強く接すれば別ですが、論理的な空白を一つ一つ追求されたら、子供は逃げ出したくなるでしょう。即答するのはきついのです。息子は何とか、一つの論理的アウトプットが出来ましたから、それなりに有意義な方法だったのかなと思います。
January 11, 2006
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前回から続く。僕:つまり、アメリカは「新大陸」と呼ばれるとおり、全く新しい土地なんだ。ヨーロッパやアジアの国と違って、歴史が新しいんだ。勿論、インディアンで有名な先住民族は居たけれど、古来の生活様式のまま部族が固まって暮していたレベルだね。ということは、アメリカの歴史は、ヨーロッパからの移民の歴史なんだ。息子:難しすぎるよ。子供にそこまで要求したって無理だよ。僕:そうだね。でも、それを承知で言ってるんだよ。今やっているのは、作文の書き方の訓練であって、作文を書くこと自体が目的じゃないんだ。大人のレベルで物事を考える方法を教えてるんだよ。分かるかい?息子:何となく分かるけど、本当には分かってない。僕:それで良いんだ。やっている間に自然に身に付くと思うよ。では、話を続けよう。アメリカに移民して来た人達は、物凄い努力をして未開の大地を開拓し、自分達の生活や社会を築いて行ったんだ。基本的に、努力すれば報われる社会であって、それがアメリカン・ドリームに繋がって行ったんだね。息子:でも、ニューオーリンズの水害に遭った黒人の人達や、貧しい人も一杯いるよね。誰でも成功した訳ではないと思うけど。僕:そのとおりだ。でも、今でも世界中から才能のある人達が集まって、新しいビジネスが続々と誕生しているだろう。野球だって、イチローや松井が大活躍してるよね。今では大リーグの選手も、半分は中南米やアジアから来た人達なんだ。能力があれば、アメリカ人でなくても平等にチャンスが与えられ、成功することが可能なんだよ。このことに触れれば、ゆきちゃんが「アメリカが好き」ということを筋道立てて説明出来るね。勿論、説明する方法はまだあるけど、アメリカという国の本質に触れることが大事なんだ。息子:ふーん、そうか。でも、上手く書けるかなー。僕:このとおりに書く必要はないよ。でも、「野球やアメフトが好きだからアメリカが好き」というのは論理の飛躍だね。この間に入るものが必要なんだ。キーワードを書き出してごらん。という具合に指導しました。息子は早速メモ用紙に、「MLB、アメフト、NBA、面白くする工夫、1A・2A・3A、世界中から来た選手、etc.」というキーワードを書き出しました。準備が出来たところで、400字詰めの原稿用紙に作文を始めましたが、僕も模範解答ならぬ「親父の例文」を書き、親子揃って略同時に書き終わりました。息子の作文の要旨は大体以下の通りです。僕はアメリカが好きです。大リーグ(MLB)の野球や、アメフト、NBAの試合を見ていると物凄い迫力を感じるからです。MLBの例で言うと、世界中から凄い選手が集まり、1A・2A・3AというMLBの下にリーグがあって、競争の中から優れた選手がMLBに上がって活躍するからです。こういう仕組みを作ったアメリカというのは、工夫するのがとても上手で、アイデアに溢れた国だと思います。僕がアメリカが好きなのは、こういう面白い工夫が出来るところです。以上が息子の作文の要旨ですが、続いて「親父の例文」を示して締め括りましょう。僕が好きな国はアメリカです。よく、大リーグの野球やアメフト、バスケットボールの試合をテレビで観ますが、日本のプロ野球やその他のスポーツと比べて、迫力が全然違うのです。アメリカ人だけでなく、世界中から優れた選手が集まり、最高のプレイを見せてくれるからだと思います。これは単にスポーツに限らず、アメリカという国の底力なのだと思います。コロンブスが15世紀末に新大陸を発見して以来、ヨーロッパから多くの移民が入植し、彼等は大地を切り開いて自分達の生活を確立し、同時に新しい社会を築き上げたのです。そこはヨーロッパとは違い、昔からの階級制度もなく、努力が報われる社会だったのです。この伝統がスポーツの世界でも生きており、アメリカ人でなくても、イチロー選手や松井選手のように、実力さえあれば成功のチャンスがあるのです。勿論、成功する人ばかりではなく、恵まれない人達が大勢いることも事実ですが、能力のある人が必死に頑張れば成功出来るチャンスが、他のどの国よりも大きいように思います。このことがアメリカという国の素晴らしい点ではないでしょうか。
January 8, 2006
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皆様、新年おめでとう御座います。今年も宜しくお願い致します。さて、名古屋には昨夜戻りました。本当は今日帰るつもりでしたが、降雪が危惧され、東名がストップしてしまうと困るので一日早くしました。途中は足柄付近で若干吹雪だった他はスムーズに走れ、エンヤの曲を聴きながらの快適なドライブでした。年末年始ですが、暮れには家族全員で「ALWAYS・三丁目の夕日」を観て来ました。案の定、僕はウルウルでしたが、子供達にはイマイチだったようです。それでも、父親が育った頃の様子が分かったのではないでしょうか。「もたいまさこ」演じる煙草屋のおばさんが、ロカビリーに興じながらコカコーラを飲んでいるシーンでは、一平の父親が「何だ、この醤油みてーのは?」と吃驚していましたが、息子には印象的だったようです。娘は、青森から集団就職で来た「六ちゃん」の東北弁が新鮮だったようで、「まんず、よろすくおねげーしますー」と帰宅してからも興じていました。年始は茅ヶ崎にある家内の実家で二泊し、箱根駅伝を沿道(3区、8区)で応援しました。特に復路では順天堂大学の難波選手が快調に飛ばしており、「これは順天堂の優勝だ」と思って見送った後にTV観戦していたら、脱水症でフラフラになり、結局順天堂は4位に終わりました。これ程波乱に富んだ大会も珍しかったですね。残念ながら、母校早稲田は今年もシード権を取れませんでした。渡辺新監督の指導に期待するところです。ところで、今回の冬休みは久し振りに息子と一緒に勉強しました。題材は都立中高一貫校の適性検査をヒントに、論理的な文章を書く練習をしたのです。教育方針からして目黒地区中等教育学校(桜修館)の出題が最も取り組み易いので、サンプルの出題に合わせて6題ばかり例題を作ってみました。(字数は全て300~400字以内)1.あなたの小学校時代に日本や世界で起こった出来事で、最も印象に残っているものを一つ取り上げ、それを選んだ理由と、強く感じたことを書いて下さい。2.20世紀の後半から、地球環境悪化の問題が大きく取り上げられて来ましたが、そのような例を一つ取り上げ、何が問題になっているのか、また、問題解決にはどのような対応が必要かを書いて下さい。3.世界には200もの国や地域がありますが、あなたが最も好きな国、または関心のある国を示し、何故そうなのか説明しなさい。4.日本は四季がはっきりした国ですが、あなたは春夏秋冬のどれが一番好きですか。その理由を、自分の経験に基づき説明して下さい。5.あなたが小学校時代に行った遠足や修学旅行で、お友達と一緒に色々な思い出があると思いますが、一番印象深い出来事を一つ取り上げ、お友達との関係を踏まえて説明して下さい。6.あなたが小学校時代に最も熱心に取り組んだことについて、その内容と、楽しかったこと、辛かったことや、それを通して学んだことを書いて下さい。以上6題ですが、勿論全部やった訳ではありません。最初に息子に見せた時、好きなものを選ばせました。まあ、書き易いものから選んだ訳ですが、息子の選択は3.の「好きな国」でした。以下は作文に着手した時点の遣り取りです。僕:好きな国、または関心のある国だけど、ゆきちゃんは何処を選んだの?息子:アメリカが「好きな国」なんだ。僕:どういう理由でアメリカが好きなの?それを論理的に、分かり易く説明するのがポイントだよ。息子:アメリカには大リーグや、アメフトや、NBA(プロバスケットボール)があるから観ていて楽しいからさ。僕:そうか。お父さんには何となく分かるけど、君を全く知らない人には「アメリカが好きな理由」として説得力がないと思うよ。息子:どうしてなの。例えば大リーグの野球はテレビで観ていても迫力があって凄いけどな。僕:それは大リーグの試合観戦が好きな理由であって、「アメリカが好きな理由」にはなっていないんだよ。大リーグの魅力とアメリカを結び付けないと駄目なんだ。そのためには、アメリカがどういう国か、きちんと理解していないと上手く書けないんだよ。アメリカって、どういう国?息子:大きくて豊かな国。科学技術が発達していて、農産物も豊か。僕:それもアメリカの特色だけど、お父さんの求めている答じゃないんだな。今回は大リーグの野球から出発して、アメリカが素晴らしい国だと結論付けなければ駄目なんだ。ヒントは「コロンブス」だよ。息子:コロンブスってアメリカ大陸を発見した人でしょう?それとどう関係があるの。僕:つまり、アメリカは「新大陸」と呼ばれるとおり、全く新しい土地なんだ。ヨーロッパやアジアの国と違って、歴史が新しいんだ。勿論、インディアンで有名な先住民族は居たけれど、古来の生活様式のまま部族が固まって暮していたレベルだね。ということは、アメリカの歴史は、ヨーロッパからの移民の歴史なんだ。以下、次回に続きます。
January 7, 2006
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