2004.01.27
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ラストサムライを観た感想について、それほど面白くなかったという評価を方々で撒き散らすと敵を増やすようだ。

そこまで軽蔑されるとオレも折れるよりほかなく、いや確かに面白くななかったというのは言い過ぎかもしれないけど、でも泣くほどじゃないような気が、、などと少し勢いを弱めたりしてその場を繕う。
よしんば、評価を「面白かった」と全面的に翻すことになったとしても、一つだけ納得できないのは、多くの「日本人で良かったと思った」という意見であった。

昨日のmimiと対談で、日記として書いたラストサムライの感想の話題になり、面白かった面白くなかった、とやはり意見は真っ向から対立した。
彼女もその他大多数の観客と同様に、「日本人で良かったと思った」ということを言って、オレはこのときも混乱したが、続けて彼女が言った「だって今まで日本嫌いだったもん」という言葉で初めて意味が判ったような気がした。
彼女がいう「日本が嫌い」は、日本の伝統や文化風習に関することではおそらなくなく、どちらかというと対外的、世界的視点から見た相対的な日本が嫌い、ということだろう。
確かにイタリア男のほうがかっこいいし、アメリカのほうがチャンスはいっぱいある気がする。映画や音楽ではまるで太刀打ちできないし、政治家もなんだか情けない。オリンピックや世界選手権でもあまり強くないし、総合的にみて他の国より劣っているような印象を日本は持っている。確かに、日本人が日本を嫌いと思う気持ちもわからないでもない。

ラストサムライでは、日本人がかなりの数活躍している。サムライの精神や、スタイルもかっこよく描かれている。全編にわたって「自国の文化を大切にしなさい」というナショナリズムを喚起するメッセージが流れている。アメリカ的な手法でナショナリズムを刷り込まれながら、観客は薄らいでいた自国への愛国心を呼び覚まされつつ自分にあてはめて考えている。世界市場における日本の躍進や、さらなるイメージアップを期待しているのと同じように、オリンピックや世界選手権やワールドカップを観戦し、活躍する選手の成績に自分を勝手に当てはめて喜んだり悲しんだりしている、あるいはさせられているのと同じように、劇中の勝元の活躍をあろうことか観客は本気で応援しているのかもしれない。彼が死ぬシーンで起こったすすり泣きの大合唱は、そのことの裏付けであるといえなくもない。


ラストサムライは、最もわかりやすい形で、しかもどちらかというと押しつけがましいくらいの勢いで我々にナショナリズムを伝えてくれた。大衆は、新鮮な「ナショナリズム」という商品に感激し涙を流し大喜びし、消費しまくっている。ランキング1位という形で、商品をむさぼっている。
しかしそんな商品化されて押し付けられたナショナリズムなんか、大衆はすぐに忘れてしまうだろう。
オレは最初から日本が好きだし、日本人であることを誇りに思っているし、ハリウッド映画に教えられなくても、そんなことは最初からわかっていた。

ということを言うと右翼とか言われてしまいそうだが、確かに自衛隊のイラク派遣には賛成だし、自衛隊のことを軍隊と言ってしまう石原慎太郎のことも嫌いじゃないけれども、サヨクを批判することでしかイデオロギーを発揮できない2ちゃんねらーだと思われたら最悪だ。いやもともとそんな大それた政治思想なんかオレに備わっているはずもなく、なんだか訳のわからないことばかり言ってすみませんでした。





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最終更新日  2004.01.27 19:46:21
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