2004.05.05
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「がまかつとかな、ポスタルとかな、リンボウとか、中村おまえもそうや。関東の人間見てるとな、ようやるわと思うんや」


オレは今日、「関東の人間」という言葉をよく耳にしている。
田舎へ行くとよく聞く「東京の人間は」とか「東京もんは」といったような言い方には、洗練されたイメージへのコンプレックスや、「村」のような共同体への帰属意識の薄弱さからくる身勝手で自己中心的なスタイルへの軽蔑などが含まれていると思うが、そういうことと同じなのだろうか。
オレは関東「出身」ではないから、厳密には「関東の意識」のようなものはわからないかもしれないが、関西の人間が「関西」に対して東京近隣のことを「関東」と呼んでいるほど関東の人間は、「関東人」としての同族意識は持っていないと思われる。
こすりつけは続ける。
「関東の人間はな、自転車でようクルマにケンカ売りよるやろ。そんなことこっち(関西)ではな、ようできひん」

オレはたまに、クルマからクラクションを鳴らされるとアタマに血がのぼり、全身に怒りが溜まり、暴れだしたくなることがある。ひどい時には本当に暴れてしまい、クルマのわき腹を蹴ったり、ボンネットに飛び乗ったりしてしまうことがある。ヒステリーという病気の発作だと自覚はしているが、なかなか治ってくれない。もっとも、治そうという努力もあまりしていない。
こすりつけが言うには、そういったトラブルを、関東の自転車板出身の人間が頻繁に起こして今のところ無事に済んでいるが、関西で同じことをしたら、まず間違いなく「ただでは済まされへん」ということらしい。

こすりつけは「肉体労働者」という言葉を使ったが、体力が有り余っていて気性の荒いタイプの総称、という意味だろう。

関西は東京に較べて、治安が悪いのだろうか、ということを考える。
東京では、トラブルになると二言目には「じゃあ警察いこうか」となる。後ろからクラクションを鳴らしてきたバイクに怒鳴り散らしたとき、オレも「警察いって話をしよう」といわれてのこのこついていったことがあるけれども、バイクの男は、ただ警察官に話を聞いてもらい、「クラクション鳴らしちゃいけないの?」ということの確認をしただけだった。バイクの男の理屈はこうだ。「クラクションを鳴らしてもいいことになっているのに、鳴らしたら怒鳴られた。なぜ?」
これは東京独特の理屈かとも思う。身勝手なことをしていながら、トラブルになったら自分で解決しようとしない。理屈通ってるから、いいじゃん。
こすりつけの言葉が耳に痛い。

飲み放題ではないのに、5杯10杯単位でビールジョッキがオーダーされ、空いたテーブルに並べられる。全員が競うようにして飲みほし、黄金は矢継ぎ早に消費されてゆく。
そういえばオレは京都に来て、清水寺や金閣寺や嵐山を見てきた感想を伝えたいと思っていたし、話題はそういう方面へ向くと信じてこの宴会に臨んだはずだった。
ところが彼ら関西人にとって、そんな話はどうでもいいらしい。一番しゃべりたい奴が、一番話したいテーマを話す。自己主張が足りないのかもしれないが、「オチ」のないのが引け目になっている。行程を延々と述べるだけの旅行の話にオチなんかない。全てを話し終えた後の彼らのリアクションを想像し、話すに話せなくなっている。どちらかというと、話を振られるのを待っている。見るとアイボクも、座が自分の話題になるのを、じっと待っているようなふしがある。この感覚は共有できるかもしれない。わずかながらアイボクにたいして、同族意識が芽生えつつある。
するとフランスが、
「京都のどこまわってきたんや?」
といった。眉毛をへの字にして、オレを見下したような顔をつくっている。本当にどこを廻ってきたのか、知りたいわけではないだろう。「からかいたい」「おちょくりたい」そういうメッセージが顔に書いてある。顔がそういうつくりになっている。

「ほんならええわ!!」





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最終更新日  2004.05.12 17:56:53
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