2004.08.01
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8月になった。

サッカー日本代表が中国の重慶でアジアカップを戦っているが、気温35~40℃という過酷な状況下でよく走りよく勝っている。川口選手の神がかり的なセーブにばかり気をとられているが、よく見ると中村俊輔のフリーキックは、つけいる隙がないほど完璧なことに気づく。99パーセントぐらいの確率でいいフリーキックを蹴っているかもしれないということがオレのような素人にもはっきりわかる。しかし99パーセントのチャンスを生んでも、ゴールになるのは1パーセントぐらいしかないというのも、なかなか報われない商売だ。

オレの仕事はサッカー選手ほど過酷ではないが、本質的には99パーセントではなく、100パーセントの精度を求められている。サッカーにたとえると、100通りの攻撃は全てゴールに結びつかなければ「ミス」だとされる。「勝ち」という喜びがあればミスは帳消しになるかもしれないけれども、100パーセントミスがないことが勝ちだからあてはまらない。
前任者が担当した仕事がミスだらけだということをちょっと前の日記に中途半端な感じで書いたけれども、その仕事のミスの確率は40%ぐらいで、これはミスが1%でも許されない状況下であることを考えると恐るべき数値だ。
その恐るべきミス確率をオレは限りなくゼロに近づけるという仕事をおおせつかった。3ヶ月かかって「完成」したようにみえた40%ものバグを含んだシステムを、オレは3日で洗いざらい調べなれけばならなくなったのだった。

ほとんど絶望的だったが、どんなときでもオレは絶望したりなんかしない。
まず「3日で何が出来るか」ということと「全てのバグを洗い出す」ことの接点を考えた。考えた挙句に導き出した方法は、「全てのソースコードを読む」ことと、「まだバグの出ていない箇所の再検証」だった。ところがこれをオレ1人で3日ではとてもできない。要員を追加してほしいというとナツコさんが投入されることになった。1人増員、それでも間に合わない。2人で出来ることを表にしてまとめて計画を立てた挙句、5日というラインでどうにか折り合ったのだった。

限られた時間と人員でもってやれることだけをチョイスしたとはいえ、ミスを限りなくゼロにするという命題を掲げた以上妥協は許されない。

作業は困難を極め、単純作業とプレッシャーからくるストレスは絶頂をむかえた。
挙句の果てに新たにミスが2つ、見つかってしまった。
40℃の炎天下でプレイする日本代表選手の、勝ち続けたいという本能と、負けて早く日本に帰りたいという欲求が交じり合っているような「感じ」が、オレにも少しつかめたかもしれない。
自分の仕事のことや生活のこととか、つらいことや楽しいことなどをそうやって当てはめて我々は日本代表選手を応援している。
がんばれニッポン。





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最終更新日  2004.08.02 00:57:44
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