( 承前 )
室生寺本堂脇から五重塔を眺めていると、雪が激しく降って来ました。雪舞う先に見える端正な五重塔の姿。思わず見惚れてしまいましたが、これは写真に撮って置くべきと気がついて、カメラを取り出しているうちに、嘘のように止んでしまいました。「少年老い易く学成り難し」ではありませぬが、
降雪止み易く撮 (さつ)
成り難し
一寸の機会逃すべからず
未だ取れずちと逡巡の癖
塔前の春雪既に終息
でありますな(笑)。
それでも、下の写真、一見には雪は見えませんが、降り止みかかりたる雪が写ってはいます。写真をクリックして「フォト蔵写真」のページに移行して戴いた上で、再度画面をクリックして戴くと写真サイズを選ぶことが出来、そこで元画像を選択してご覧戴くと、沢山の細かい雪が未だ降っているのが見て取れます。だからどうなの?と言われると何とも申し上げようもありませぬが(笑)。何にしても中途半端なことで・・。
この小さな、如何にも「女人高野」に相応しくもある端正な五重塔。これを前にすると小生は「室生寺にやって来たなあ」と、いつもながら思うのであります。
赤き裳の
少女
なるらし 室生の塔
折
しも雪の 流れ
来
(偐家持)
五重塔の左側を更に登って行くと奥の院である。
御影堂には弘法大師42歳の像が安置されているとのこと。
金剛堂の外周回廊から下を見下ろすと、自転車で走り上って来た県道28と室生川が殆ど真下に、木間ゆ望まれぬ、でありました。
それで、室生寺を出て、上から見下ろした県道28の辺りから見上げた写真が下の写真です。拡大写真画面に切り替えてご覧戴くと山上中央に金剛堂とその回廊が写っているのがよく分かりますが、ブログ画面サイズでは少し判別しにくいでしょうから、その部分を拡大した写真も掲載して置きました。
室生寺と言えば、シャクナゲの花。どんどん境内のシャクナゲが増えているようですが、未だその季節に非ず。蕾がその時を待っているようです。
それ花の こころやいかに 石楠花の
蕾はときを 待ちつつあらむ (偐家持)
室生寺を出て県道28号を下る。銀輪は下りに限る(笑)。人生下り坂も然にしあるか。
往路の何分の1かの時間で室生口大野駅前に到着である。未だ時間が早いので室生湖の方に回って榛原まで走るかという考えが一瞬、脳裏を掠めたが決断しかねているうちに交差点を通過してしまったので、そのまま駅に。室生口大野駅帰着が午後2時15分。
朝9時半に出発したから4時間45分の銀輪散歩でありました。
写真奥が次の駅・榛原を経て上本町方面、手前側が次の駅・三本松を経て名張、名古屋、伊勢方面。向かい側ホームに停車中の電車は名張行き急行電車。
駅のホームで次の14時37分発上本町行き電車を待っている間に、三本松駅方向へとホーム端まで歩いて行ってみた。線路は先で直ぐにトンネルになっていて、山が迫っている。右手前方線路脇に、近鉄電車関連のものであろう、倉庫か何かの白い板壁の建物がある。その窓の処で何やらガタガタと音を立てて居られる方が居られる。窓の修理でもされて居られるのかとよく見ると、それは人間ではなく猿でありました。窓をこじ開けて建物内に侵入しようとしているのである。
人ならぬ 猿もや空き巣 するならむ
室生の里は 春の午後なり (偐家持)
これは面白いとカメラを構えて距離を合せていると、それに気付いたのか下に跳び下りて裏の藪へと忽ちに消え去ってしまいました。
雪は止み行き、猿は去る、で二度ともシャッターチャンスを逃しました。とかく撮影はママならぬものであります。
と言うことで、オチも付いたようでありますれば、室生銀輪散歩これにて終了と致しまする。長らくのお付き合いまことに忝く、有難きことに存じ上げ候。(完)
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