偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2020.08.23
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カテゴリ: 近隣散歩
事が相前後しますが、本日は、一昨日(21日)の銀輪散歩の記事となります。
 智識寺というと、大阪府柏原市太平寺地区にあったという古代の大寺であるが、聖武天皇が大仏造立を思いついたのは、この寺にあった大仏を見たことが契機になったと言われている。
 その智識寺大仏の壁画があると言うので見に行ってみた。
 よく調べると、砂防ダムのコンクリート壁に「智識の会」の方々や地元大学である大阪教育大学の学生さん、地元の住民有志などの皆さんによって描かれたものだという、まあ言うなれば極めて「偐家持」的な壁画であるということが分かりました。
 地図で所在を調べると、昨年11月に友人の家近健二氏からのお誘いで「柏原芸術祭2019」の一環としての同氏の展覧会に出かけましたが、その際に立ち寄った会場の一つであった観音寺のすぐ近くにあることも分かりましたので、ならば銀輪散歩のついでに行ってみようと思った次第。
<参考>​ 家近健二氏の気まぐれ絵画作品展 ​ 2019.11.7.
 昼食を済ませ、午後1時頃にMTB
(マウンテンバイク) で自宅を出発。
 37度を超える猛暑の中、外環状道路(国道170号)を走り、恩智川と交差している地点から恩智川沿いの道に入り、国道・旧170号に出て、太平寺地区の石神社に先ずご挨拶。
 と言うより、クスノキの大樹の陰で涼ませていただきました。

(石神社の大クスノキ)<参考>​ 智識寺跡 ​・Wikipedia
 石神社には何回も立ち寄っている。
 境内には、智識寺の塔心礎石がある。
<参考>石神社関連の過去記事
    〇​ 高井田横穴公園 ​ 2008.6.8.
    〇​ 自宅ー小坂ー中央環状線ー大和川ー柏原ー恩智川ー自宅 ​ 2008.8.23.
    〇​ 安福寺から錦織公園まで ​ 2009.11.1.
    〇​ 銀輪散歩始動 ​ 2010.7.18.
 参考までに、今回の銀輪散歩の柏原市内でのコースを地図で示します。

​​(8月21日銀輪散歩コース<部分>地図)
※赤線 ​ー​ :往路、青線 :復路​​
​<追記>偐山頭火氏のご指摘(下記コメント欄参照)により、侍従御差遣之跡碑の位置表示が間違っていることに気づきましたので、修正した地図に差し替えました。​

 石神社にはこれまで何度も来ているのに、神社に隣接して「歴史の丘展望台公園」なるものがあることには気づかずにいました。

(歴史の丘展望台公園)

(同上)
 丘の上には何があるのか。九十九折の小径を上ってみる。

(同上・神社の大クスノキがよく見える。)
 上って行くと、神社の大クスノキがよく見える。
 ほぼ上り切った処にあったのは、かなり汚れてしまっていて興ざめではあるが、智識寺の説明碑である。
 眼下に見える景色に重ねて智識寺の境内域を上書きした写真が添えられていて、智識寺の寺域がよく分かる仕掛けになっている。

(智識寺説明碑)
 更に少し上った処が頂上であるが、其処は草茫々にて何もない。眺望も立ち木に遮られてむしろ悪い。

(同上・最高地点)
 丘から下って神社境内に戻る。
 境内から、これから行こうとしている方向の高みを見上げると、柏原ワインという大きなサインが遠望される。
 柏原というとブドウ畑とワイナリーである。
 柏原市のマンホール蓋もブドウ図柄のデザインである。

(ブドウ畑と柏原ワイン遠望)
 石神社を出た処、太平寺会館の前にこんな案内板がありました。

(太平寺地区総合案内板)
 この案内板で、智識寺大仏壁画の位置を再確認。
 ついでに、帰途に業平公園や侍従差遣之跡碑などにも立ち寄ってみることに決めて、出発。
 先ず、観音寺を目指し、地蔵堂経由の最短距離の道を行く。
 この道は、前回、観音寺を訪れた時に辿ったコースであるが、最後は階段となっている直登の道が難点。長い階段をMTBを担いで登らなければならないのである。前回は11月という涼しい季節であったので、左程に苦でもなかったが、今回は猛暑の炎天下ということで、二か所だか三か所だかある踊り場で暫し休憩して息を整える必要があるという始末。
 おまけに階段を汗だくになりつつ自転車を肩に登っている最中にスマホに電話着信があって慌てましたが、両手が塞がっている上、額から流れる汗が眼にしみるという状況で、スマホを取り出す余裕はとてもなしで、スルー。上の道路に出て、観音寺の入り口への石段にたどり着き、吹き出した汗を拭い、喘ぐ息を整えてから、やおら折り返しの電話をするという始末でありました。

(観音寺入り口の石段)

(観音寺説明碑)
 観音寺の前の道を更に上ると分岐があって、右が急な上り、左が緩やかな下りとなっている。
 右に行くと、展望台とソーラー発電のパネルを屋根にした駐車場とが道を挟んで向き合うようにしてある。
 で、展望台はと言うと、展望台とは名ばかりにて、わずかばかりの平地空間にベンチが二つ置いてあるだけ。木陰もなく直射日光が当たり放題という、この季節にはまったく有り難くない環境である。

(智識寺大仏壁画前の展望台からの眺め)
 展望台という名の通り、西方向の眺望は頗るよろしい。
 山側方向に振り返ると、智識寺大仏壁画なるものが見える。
 立ち木が邪魔をして、全体がよくは見えない。もっと近くまで行けば、その全体が見られるのだろうが、夏草、楚
(しもと) が繁茂して接近を拒んでいる。この猛暑下では、草木をかき分けて斜面を上るなどという気力がヤカモチにある訳がない(笑)。下掲の写真でご勘弁願います。

(智識寺大仏壁画)
 せめて、顔の前の枝だけでも打ち払いたいものであるが、是非もなし、であります。
 ネット検索すると​ Osaka Canvas Project 2010 ​にこんな画像がありましたので、拝借かたがたご紹介させていただきます。製作当初の撮影画像だと思われます。

(智識寺大仏壁画)
 描かれた当初はこのように色鮮やかで、草木の繁茂もなく、離れた下の方からでもよく見えたようですが、今は色もいささか褪せ、加えて草木茫々ということもあって、展望台からも見えにくくなってしまっています。
 日陰恋しさに、展望台の道向かいの発電用ソーラーパネルが屋根の役割を果たしている駐車場らしき空間に避難させていただく。鉄の柱だけの高台の空間、風通しも頗るよく、涼しい風が渡って来て、心地よい。ビニールシートをザックから取り出して、腰を下ろし、水分・塩分補給に、煙分補給もして、ゆっくり休憩させていただきました。隣の展望台よりは2~3mほどは低い位置になるが、眺望は同じで良好。
 通常は開放されていないようで、道路側には背の高い折りたたみ扉が設けられていて、それが閉められているのであるが、完全閉鎖ではなく、人ひとりが入れる程度に扉は開いていて、立ち入り禁止の表示もない。まあ、そのような表示がなくとも、民有地であろうから、固いことを言えば、断りもなく進入することは違法行為ということになるが、ヤカモチが自転車を持ち込んでこのような休憩をすることも、必ずしも拒んではいないような風情でもあったので、ここは猛暑ゆえの緊急避難(勝手解釈ですが)ということで、無断進入、日陰をご馳走になったという次第。
 30分ほども休憩させていただいてから、その場を離れ、観音寺前の道路へと戻る。
 観音寺の少し南側まで行って、振り返って撮った写真が下掲の写真。

(観音寺遠望)
※右手前が観音寺本堂建物、左奥のソーラーパネル屋根の構造物が駐車場。

 もう少し、道を進んだ場所から振り返って撮ったのが下掲の写真。

(同上)
※右側奥:観音寺、
 中央奥:太陽光発電設備
(道路の上側のものがヤカモチが休憩した駐車場である。)
 左側奥:柏原ワインのサインとブドウ畑

​​​​ ​​ ​​​​​​​​​​​​​​​ ほぼ同じ位置からパノラマ撮影したのが下掲の写真。​

(高みの道路からの眺め)
 道は少し上りになって大きくカーブし、下りの道路に突き当たる。
 これを下って、再び石神社前に戻る。
 そこから「業平道」をたどることに。
 業平道というのは、在原業平が高安に住む女性のもとに通ったと伝承される道。真偽のほどはいざ知らず、業平さんは小野小町と同じく、あちらこちらに伝承というか足跡を残している。
 路地のような狭い石畳の道を行くと、カタシモ(堅下)ワイナリーの前に出た。

(カタシモワイナリー)<参考>​ カタシモワイナリー・ホームページ
 カタシモワイナリーは大正3年創業で、現存するワイナリーとしては西日本最古だそうです。
 ワイナリーは業平道をたどっていての偶然の遭遇でありました。
 業平道をたどると自ずからに業平公園の前に出るのだが、勘違いして、侍従御差遣之跡碑なるものを見てみようと、一つ手前の道を西に入ってしまいました。結果、碑のある大県南交差点の一つ南側の太平寺2丁目交差点で国道旧170号(東高野街道)に出てしまいました。
 北側の大県南交差点まで国道を北上。

(侍従御差遣之跡碑)
 何の碑であるのかよく分からない碑であるが、前掲の太平寺地区総合案内板の説明文を参照すると、「堅下のぶどう園の全盛期、昭和4年6月、天皇陛下が大阪府に行幸された時、ぶどう産業の発展のおぼしめしをもって勅使として牧野侍従を甲州ぶどう園に御差遣されました。その記念として、石碑が建てられています。」とあるが、イマイチよく分からぬ説明文である。
 甲州ぶどう園と言うと山梨県のぶどう園を想起してしまうが、それだと意味不明。これはこの地に「甲州ぶどう園」というぶどう園があり、それに天皇の勅使が差し遣わされたということだと思うが、この付近に「甲州ぶどう園」なるぶどう園があったということなんだろうか。しかし、河内国の柏原のぶどう園がなぜ「甲州ぶどう園」などと言う名前を名乗っていたのか、不思議である。今なら産地偽装のようなものではないか。
 さて、業平公園へと向かう。
 大県南交差点から、川沿いに坂道を上ると業平道に出会う。
 その一角に小さな公園、公園と言うのも気が引けるような狭い空地に過ぎないが、滑り台とベンチがあるから、まあ、公園には違いなかろう。
 業平の「ちはやぶる神代もきかず・・」の歌碑があるので、業平公園という呼称もまあ許されるということか。

(業平公園)

(同上・在原業平歌碑)
ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは
          (古今集294、伊勢物語106段、小倉百人一首17)

ちはやぶる 神代もきかず この暑さ 業平道に 水打て我妹 (我儘熱平)
 以上で、今回の銀輪散歩は終了。
 国道旧170号(東高野街道)に戻ったところにあったコンビニで冷凍タイプのペットボトル飲料を買って、帰途の熱中症対策の準備完了。
 水を打ってくれる我妹もいない復路の恩智川沿い道を銀輪駆けて帰ることとします。
水を打つ 我妹いづくや 人も無き 焼ける日の道 ひとりし帰らむ (偐焼持)
<参考>過去の近隣散歩関連記事
    ​ 近隣散歩(その1)
    ​ 近隣散歩(その2)

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最終更新日  2020.08.25 08:25:47
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