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2007.09.20
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テーマ: いい言葉(573)
カテゴリ: 文学・芸術
女はバラ

女は薔薇

シェークスピアの戯曲に出てくるバラは、どちらかというとはかないもの、むなしいもののたとえとして出てくるケースが多いように思われます。『ハムレット』の「五月のバラ」もそうですし、これから紹介する『十二夜』に出てくるバラも、まさにはかなさの象徴です。

密かにオーシーノ公爵に恋心をもつヴァイオラが、男装して女であることを隠したままオーシーノと男女の恋愛について会話をする場面です。オーシーノは、女が若いほうが夫婦仲はうまく行くとした上で、ヴァイオラ扮するシザーリオに若い女を恋人にしろとアドバイスします。

ORSINO
Then let thy love be younger than thyself,
Or thy affection cannot hold the bent:
For women are as roses, whose fair flower,
Being once display'd, doth fall that very hour.

thy とthyselfはyou、yourselfであることはもうご存知ですね。二行目のorは「さもないと」という意味です。bentは傾向、hold the bentで「その傾向を保つ(保持する)」となります。三行目のforは「というのも~」と理由を説明するときに使います。whoseは関係代名詞でrosesを修飾して今すね。4行目のdoth はdoの三人称単数形。thatは副詞的に使っています。that very hourでat that very moment(hour)と同じで「まさにその瞬間に」という意味です。flowerとhourで韻を踏んでいますね。

オーシーノ

でないと、お前の愛も長続きはするまい。
女はバラのようなものだからな。ひとたび
美しい花を咲かせたら、その瞬間に散っていくのだ。

ヴァイオラはオーシーノに同意します。

VIOLA
And so they are: alas, that they are so;
To die, even when they to perfection grow!

so they are のsoはas rosesを指しますね。二行目のto dieはrosesを説明しています。to perfectionは副詞のperfectlyと同じで、「完全に」とか「申し分なく」という意味になります。soとgrowで韻を踏んでいます。

ああ、そうなのです。悲しいことに、やっと見事に咲いたと思ったら、その瞬間に死んでいくのです!

この男尊女卑ともいえるシェークスピアのセリフに、異論を唱える方もいるのではないかと思います。あるいは、その通りだと全面降伏されるでしょうか。

バラは、花が散ってもバラ。バラが生きた経験は年輪に刻まれ、より味わい深くなる。枯れていく花を愛でる詩人は出てこないのでしょうか。





(長雨が続き桜の花の色もすっかり色あせてしまった。私自身も、いろいろと物思いに耽って、人生をむなしく過ごしているうちに、すっかりふけてしまったなあ)

若きヴァイオラにはない味わいが、ここにはありますね。
(続く)





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最終更新日  2007.09.20 12:01:13
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