blog the seventeen（いまの気持ちを17文字で）

2025年12月03日

タイトルを貫き通して欲しかった

テーマ：最近、読んだ本を教えて！(24677)

カテゴリ：本にまあ

「京都の人ってなんであんな感じなんですか？」（横道誠著、だいわ文庫）を読みました。本屋の棚で本書を見つけ私は、京都人がいかに京都中心主義を鼻にかけているか、それを描きつつ批判した本だとろうと期待して読みました。著者は大阪出身で四半世紀ほど京都に住んでいる大学の教員。以前、「日本一ややこしい京都人と沖縄人の腹の内」というタイトルを見て「京都の悪口を書いている」ことを期待して買った本が、全然批判していなくてがっかりしたことがありました。

タイトルに加え帯には「1200年前から今も❝日本の中心❞に住んでいる（と思いたい⁉）」とあり、これは期待できます。

京都より都会の大阪市で生まれ育った著者は、京都の大学に学び後に京都の大学に勤めることになりますが、ことあるごとに京都をイナカモンとこきおろし、京都の中心主義を批判し、梅棹忠夫などを引いていかに京都の人が「千年の歴史」の上にあぐらをかいて思いあがっているかを面白おかしく伝えます。しかし京都という土地自体にはいいところもたくさんあり、よくないのは京都人なのだと、著者は言います。

ただし、そうした京都中心主義を批判するのは第1章の途中まで。以降内容は京都の歴史や観光案内に移ってしまいます。

最初の頃が面白く痛快だっただけに、本書全体のうち４分の３を占める「観光案内」はいただけません。もちろんそちらを期待した読者には興味深く読めるのだろうと思いますが、タイトルがタイトルだけに違うものを期待してしまった私は「看板に偽りあり」とまでは言わないものの「看板は少し誇大広告」と思ってしまいました。著者も結局は仲村清司と同様、京都擁護論者ということだったのですね。

いや擁護してもいいんですが、私の目的が違うところにありタイトルがそれを期待させていたので残念が上回りました。

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