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2023.08.13
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テーマ: 読書(8265)
カテゴリ: 本日読了
2023/08/13/日曜日/残暑、ときどき大雨






〈DATA〉 講談社
著者 石田夏穂

2023年1月24日  第一刷発行 


〈私的読書メーター〉 百頁に満たない中編と短編二つ。主人公は共に自立した、能力の伴う仕事をこなす女性だ。低体温から逃れたい一心で、或いは並外れた太ももコンプレックスで、つまるところ自分は太っていると思い込み(相対的な数値な訳だから)、その克服にどこまでもストイックにゴールを目指し精進する。細くなる、小顔になる、艶やかな肌になる、周囲の態度が変化する。役割としての女性的振る舞いをメタ受容してみる。益々周囲が変わる。ルッキズムというよりは肉体を卑下し、その改造を試み、それによって精神にどんな変化が展開されるか。ディープラーニング?〉


殆ど修行僧である。
この身体のイジメ方。

主人公である私は、身体や感情が反応する前に思考の一拍が必ず挟まれる。意識の前の身体の動きなど無いかのように

まるで人間の生理がAIと同期しているみたい。

〈ケチる貴方〉 の私=佐藤 の昏倒。頻脈が原因だが、その時の意識の消失はまるでバッテリー切れ、のようでもある。

心遣いの出し惜しみを止めると低体温が少し緩和されることに気づいた私は、仏頂面はとりあえす脇に置いて、新人指導に当たる。

この新人二人の内、一人が大事な日に遅刻してくるのである。その時の新人くん曰く、
「さあせんさあせん」。

笑える。そういえば 若い人の  あざーす

ケチるって、会話というか物言いに表れております、ことばをケチる貴方。


一方、主人公の私 は上司にきちんとすいません、と言える。新人との8年の差という時代変遷。


ところで新人の内、一人はエクセルがまともに使えない。年配者はPCが使えない、が意外にも職場では逆転していると、何年か前にニュースで見たけど。


今となってはスマホ万能、ヨロズ無料アプリ、レポートはチャットGPT、コンビニでアウトプットなんだから、ゾロリと重いPCを立ち上げ、周辺機器をアップデート気にしながら揃える必要もない。


さあせんチャラ男は愛嬌はあれど、オツムはもう一人の新人にある。そしてその新人くんは日をおうごとにケチる貴方、の地金が出てくる、のだ。

嘘寒い。

寒いねと言えば寒いねと応える人のいる温かさも横滑りの寒さで、物語閉じる。

何だろなぁ。


〈その周囲、五十八センチ〉

太ももの脂肪吸引のところがリアル過ぎて、もうホラー小説のようなんですが。

作者はもちろんホラー小説を書きたいわけではないだろう。


幼児期より見た目で評価されなかった分、奮闘努力してエリート大学に入る到達点を通過したのち、その営みモードを今度は自分の理想形を手に入れるため、歯を食いしばる痛み、注ぎ込む大金へと情熱を傾けた三十路の女の自己肯定。

それを言いたいのでもないだろう。

肉体の自然、正直な感情、共感する思考
みたいな幸福感から途絶されている、それは令和5年夏を生きる我らのプロブレムである、と。

まあ、とりあえずそのように捉えた。


8/6、8/9、8/12、8/15
全部アメリカと日本が交差する歴史の日、なのだ。


本当に苦しんだのは民草ばかり。何を到達点にして、何のためにそこまで自分を蔑ろにして。






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最終更新日  2023.08.13 20:05:27
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