小説を書こう!

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2009.01.08
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 卒業式の朝、前に買ってもらっていたブレザーを着て私は学校に向かった。六年間毎日のように通った通学路を歩いている私の心の中では、特に深い感慨は生まれてこなかった。卒業をするということに対して嬉しいとも思わないし悲しいとも思わなかった。ただ心のどこかではホッとしていた。だって、少なくとももうこの場所で、私が私ではない他の誰かの振りをして過ごさずにすむのだから。
 子供たちはまず教室に集まった。教室では皆、お互いに色々と笑いながら話しているのだけど、私はその群れからは少し離れて、自分の席に座って黙って前を見ていた。もうすでにこの場所とは縁が切れたのだと思ったのだろうか、私からその群れに入っていこうという気はまったくといって起こらなかった。またいつものように楽しい人の振りをするつもりは無かった。やっとこの場所から抜け出せる。前の黒板をじっと見つめながらそのことだけを考えていた。十分ほどして担任が教室にやってきた。その女性教師は若草色の着物に紺色の袴をはいていて、子供たちよりも力が入ったその格好に少し驚いたし、逆に少しこっけいでもあった。簡単な朝礼をやった後、私たちは教室から廊下に出てバラバラで体育館に向かった。体育館の前で立ち止まって、そこで整列する。他のクラスの子供たちも後からやってきて、同じように整列していった。そして時間が来ると私たちは一列に順々に体育館の中に入っていった。
 体育館は子供が座るための椅子が前側にびっしりと並んでおり、その後ろに保護者用の椅子が同じようにびっしりと並んでいた。保護者用の椅子はすでに多くの親で埋まっている。私たちは、それ以前に行っていた予行練習と同じように順々にその椅子に座っていった。






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Last updated  2009.01.08 07:54:52


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