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単行本の欠品が長く続いていたので、本屋をはしごして既刊18冊を買い揃えました!少年漫画感想『忘却バッテリー』-その2(みかわ絵子先生・集英社・ジャンプ+)ジャンプ+(アプリ)で一度ざっと試し読みした後、紙媒体で改めて読み込んでますが…うなる…!!超オモシロイ…!!以下、思いつくままにこの作品のここがオモシロイ!と思う点の列記です。*ネタバレ含みます。お気をつけ下さい。*■野球描写TVアニメ一期(全12話)で描かれたのがコミックス5巻の途中まで、進捗としては練習試合を2試合終えるところまでの内容です。コミック6巻以降から、1年目の夏の公式戦が本格的に始まりますがここからまた一気にオモシロくなってくるんです!画面がガラッと変わり、野球の描写・球場臨場感・夏の空気感が凄いことになってきます。ここは、妹(が私にゴリ押しされて)コミックを読み進めていく中で「なんで!!?」と真っ先に言った部分でした。コミック8巻以降、作者クレジットに「試合制作・高嶋栄充」というお名前が入り始めます。最初私は、「野球描写しっかりしてるのは、きちんと野球監修の方をつけてるからか~!流石、ジャンプはしっかりしてるなぁ~!」とか思っていましたが、のちに高嶋栄充さんが、チャンピオンでガッツリ野球漫画を長期連載されている方で、作者のみかわ先生の旦那さんと知り、もんのすごく納得しました。妹談:1巻の出だしや、5巻収録の読み切り作品を読む限り、作者のみかわ先生は明らかに止め画漫画の人だし、芸術志向が強く、人間ドラマや感情の爆発を描きたい方だと思う。基本的には、ページをめくったところの意外性のインパクトを一番に考えて、そこの面白さから作品自体を作っていくような方というか。絶対スポーツを描きたくて漫画家になった方ではない。それが何故か、野球画面が素晴らし過ぎる。普通描けない。こんな画面を描くための資料が揃えられない。旦那さんご自身の作品の画面もちらっと見たけど、この方はスポーツ漫画を描きたくて漫画家になっているような方だと思う。ものすごく納得した。「試合制作」って聞いたことのない名称だけど、具体的な試合展開はもとより、作画資料・画面づくりから野球小ネタまで、かなりご協力されているのでは。たぶん。恐らくですが、高校野球という題材自体、旦那さんが居て頼ることができるからこそ描き始められたものだと思いますし、バッテリー(&そこの関係性)がメインの物語筋を彩るチームメイト…特に二遊間・藤堂くん/千早くんのキャラ立てからして、既に旦那さんとかなりのディスカッションを経て設定されているのではと感じます。本作のパッと見の印象は、いわゆる多人数の男の子たちの並んだ、アイドル作品的なパッケージですし、1話を読んだ段階では、まさかこれが1試合の描写にコミック2~3冊を費やすような、本格的な試合描写を楽しめる野球漫画作品だとは思いませんでした。■おじさん描写作中に登場するおじさんの描写が素晴らしいです!初期より、ライバル校・帝徳高校の岩崎監督の描写がキレッキレ。そして公式戦が始まると、モブとして多数の野球おじさんたちが登場して来ます。「忘却バッテリー」と言うと、真っ先に「おじさんたちの顔」が浮かぶほど、印象が強いです。もはや作品の色とも言うべき存在です。・岩崎監督主役主体・小手指高校の属する西東京地区の王者・帝徳高校の監督。もともと主役バッテリー及び二遊間を熱心にスカウトしていたが、断られた。勝手に脳内で「ハイパーつよつよ1年生集団」を夢見ていたが、熱望した選手5名のうち4名が都立高校に進学していることを知り、たいへん悔しがっている。そして脳内で勝手に、小手指高校のエア監督を務めている。ある意味で、作品のノリを決定づけたキャラクターのような気がします。・佐古監督1年目の夏を戦い抜いた後、小手指高校野球部の監督に就任したおじさん。※おじさんといっても、おそらくまだ20代後半…行ってても30代前半だと思います…。もともと熱心な高校球児でしたが、2年生で肩を壊し、リハビリ後大学でも野球を続けるも、試合に出れず選手よりマネージャー業をずっとやってきた方(登場時無職)感じの悪い登場の仕方をしてきましたが、根本的には小手指/小手指の各選手の大ファン。個人的に「本作でイチ推しキャラは?」と言われたら、この佐古監督です。「根本的にチーム・各選手のファン」という設定が本当に上手なんですよ。管理責任を引き受けつつ、選手たちの自主性・意向を尊重/応援する姿勢が印象的です。またこの方の丁寧な説明があると、小手指というチームや各選手の凄いところ・強味を好意的な目線で認識できるようになります(特に大人読者が入っていきやすい)。・野球おじさんたち高校野球をこよなく愛し、平日でもワンカップ酒を片手に公式戦の観戦や練習見学に現れる、やたらと物知り顔をするおじさんたち。野球知識量や原石に誰より早く気付くことでお互いにマウントを取り合う。野球漫画はそこそこ、有名どころはそれとなく読んで来ていますがこんなおじさんたちの描写は初めて見ました。おじさんたちが何を言っても、何をやってもおもしろいので…読み進める中での緩急としても抜群に機能してますし、「選手たちのどこに注目すべきなのか」が笑いながら自然と入ってくるので、野球おじさんたち…これはすごいな!と思っている描写です。■忘却とリセット、今後の展望について本作のタイトルに大きくかかげられている「忘却」。もちろん、主人公・要くんの記憶喪失により、天才バッテリーが名もなき都立高校へ進学するところから物語が始まっていることを指しています。ただ、そこから転じて…というか、一度死んで生まれ変わることによって、その先に大きな飛躍・展望を感じられるところ。これが凄いです。都立の小手指高校に集まった野球の有力選手たち…特に清峰・要・千早・藤堂の4名は、複数強豪校からの誘いも断り清峰くん以外は「野球を辞める」目的もあって本校に入学しています。小学生の頃から野球漬けだった彼らは、中学生の後半~高校進学に際し、自身の野球に大きな失望をして、一度野球を辞める決心をしています。この段階で限界を見定める程に、めちゃくちゃ野球にストイックで、ものすごく勉強して、自分の頭で考える子たちなので、(体格面でハンデを感じていた要くん・千早くんは特に)中学時代、知識と工夫を駆使して超高等級プレイヤーに自身を昇華しながらも、知識で雁字搦めになっている分、「自分の限界」の判断が非常に早かった、ということだと思います。※要くんに至っては、メンタルコントロールが出来過ぎた結果とも言えますが、野球を辞めるどころか、野球をやって来た人格ごと挿げ替えようとしました。(ここまで来ると解離性同一性障害)この「一度リセット」が、各人の重い過去エピソード(挫折がいっぱいで辛い想い)として描写されます。本作が描いているのは、この挫折~一度諦めた・失くしたものの「再生の物語」という側面ももちろんあるのですが、ただ、アウトプットが「再生」どころではないんですよ。「飛躍・展望」なんです。これがミソというか、本作の一番オモシロイところだと思っています。知識があり過ぎると、やった方がいいこと、やっちゃいけないこと、全部分かっちゃうので、なんか新しいことをやろうとしても、遊び幅がないんですよ。「こうじゃなきゃいけない」理論が確立しちゃって、それをストックに突き詰めようとし過ぎちゃうというか。遊び幅がないと、「試しにいろいろやってみる」が出来ない。「失敗する」が出来ない。これは、おそらく作者のみかわ先生自身も漫画制作をされていく中で、様々な試行錯誤・挫折を繰り返されて、本作を形にするところまでたどり着いていらっしゃると思います。その経験上から出て来てるテーマなのではないかな、と感じています、小手指の子たちは、みんな一度野球を辞めてるから…強い。チームメイトたちの失敗や試行錯誤に、非常に寛大で優しいので、いろいろ「ダメ元」で試してやってみることが出来る。また、1年目は特に1試合出来るかどうかも危ういリソース不足状態ですので、メンバー全員が、自信の有無に関わらず持てる力を出し惜しみなく提供して、工夫を凝らしながら、チーム一丸となって闘い抜こうとしますので。↑これが、読み進めるほどにチーム力としてガンッガン活きてるのを感じます。ものすごい説得力なんです。また、本当に上手だと感じるのが、小手指高校(&メンバーたち)のバックグラウンドの描写。伝統もない、OBも居ない、全く期待されていない無名都立高校である点。そして各々の有力メンバーのバックグラウンドにも、「その子の野球」に過度な期待を寄せている家族等が居ない点。要は、野球をやるモチベーションに、本人の意識以外の重圧を負わせない作りになってます。お父さんやお兄さんが野球やってて、自身の叶えられなかった夢を託してたり…そういう外的要因を設定してしまうと、それはそれで遊び幅の全くない野球をせざるを得なくなりますので。メンバーの家族は、本人が楽しく野球をやっている事に対し非常に悦びながら応援してくれますが、絶対に過度な期待は寄せません。ここはかなり徹底的に、気を使って描かれていると思います。小手指は、もともとセルフコントロールに優れた天才アスリートたちが集まった集団ですので、必要な練習の選定/ある程度の試合運び等は、自分たちで何とかしてしまいます。ただ、実績を残す中で組織の人数も増えていく…そこに監督や周囲の目線が「適切な評価」として加わってくることで、組織体として急発展していきますし、小手指の一番の強味(あくまでメンバー主体で、質の高い試行錯誤ができる)が更に活きてくるのが、2年次の夏の公式戦以降~となっています。で、ここまで組織体が活き活きとしてくると、各メンバーの未来の飛躍が見え始めるんです。一度完全に諦めてたところが、びっくりするくらいスッと開けたりするんですよ。この先、2年次の無名の都立高校・小手指の地区大会/甲子園での大躍進とともに、3年次に向けて、清峰・要・千早・藤堂4名の未来にプロ入りがちらつき始める…そこに向けて、小手指高校野球部という組織体としてアプローチしていく話になっていくんじゃないかな、と想像しながら読み進めています。清峰くん以外の3人…藤堂くんはもともと体格にも恵まれていますので、イップスさえ克服すれば十分可能性は感じられると思いますが、要くん・千早くんの2人は、そもそも挫折した理由に「体格面での失望」も大きくあり、今の段階では「自分がプロを目指す」ところまで気持ちは行っていないと思います。小手指という組織体の中で、構成員たちがお互いの野球をリスペクトして、試行錯誤をしながら急成長する中で、お互いの意識がお互いを、上に持ち上げていく…そして組織体として「無名の新設都立高校野球部から4名プロ入り」という、ド級の偉業に向けて動き始めるんじゃないかなぁ~…と期待してます。※コミック14巻・101話で、大阪陽盟館高校の監督が、現在の1年生は過去最強の豊作世代であり「最低4名はプロ指名が来る!(めっちゃ多い方)」と豪語してます。ここを読んで、「小手指の子たち4名のプロ入り」まで意識して今後話を進めていくのかな、と感じました。■要くんの二重人格について主人公・要くんは・生来のお調子者の人格・主人格(マスター)・野球にストイック過ぎる智将格(中学時代の人格)の2つの人格を持った状態です。いわゆる二重人格…連続しない複数人格を有する解離性同一性障害ですね。智将格は、野球におけるストレスを引き受ける人格として誕生したと目されており、1年次の帝徳戦以降は、2つの人格がお互いを認識し、精神世界内でディスカッションをしながら、主人格の野球スキル向上に励んでいます。コミック18巻時点(2年次の帝徳戦)で、主人格(マスター)の野球スキルが中学時代&それ以上まで達したと認識したのち、智将格は消滅することを望んでいます。(もう野球やりたくない)この部分は今後どう決着をつけていくのかなぁ…とあれこれ想像を膨らませるのが一番楽しいところです。私の見解としては、要くんの2つの人格は…1人として納得できる範疇というか、当たり前のことですが、元は同じ一人格ですので。もともと非常に洞察力に優れ、周囲の感情変化に敏感な子ですし、めちゃくちゃ学習意欲が高く、ストイックで勤勉な子ですし。智将格は二重人格の原因として「努力のキャパオーバーを超えた」というような言い方をしていましたが、私が読み進める中で根本的原因と感じるのは、「要くん自身の野球」の高校以降のビジョンの不明瞭さだろうな、と思っています。要くんは、あれほど小学生の頃からストイックに野球に打ち込んで来ており、中学時代に既に相当名の売れた名捕手だったにも関わらず、「夢はプロ野球選手!」とはまず言いません。目標としてません。小学生の頃より、清峰くんの才能を守り、清峰くんを無事プロへ送り届けることを一番の目的に据えてそれを義務として、ここまでストイックにやってきてしまったので、「自分の野球」は大事じゃない…要くん(智将格)の意識の中では二の次なんだと思います。この意識…「清峰くんの為」だからこそ、ここまでストイックに出来たのもあるでしょうし、高校入学に際し、清峰くんだけに一番プロに近い有力校(大阪陽盟館)から声がかかった瞬間に自身の野球(&人格)を放り出させてしまった最大の原因だとも思っています。もともと要くん自身、勝負事が好きな子ではないですし、中学時代に相当無理をして来た疲労のツケもあり、この場面で、モチベーションの根幹を「清峰くんの為ではない野球」「自分の為の野球」に転換する気力も残っておらず、ガクッと来ちゃったんだろうな…と。でも、普通に要くんもどう見ても天才なんですよ。清峰くんが一番言いたいのは、やっぱり「要圭は世界一凄いキャッチャーだろ!天才だろ!?」の一心だと思いますし、小手指高校野球部は、奇跡の幼なじみバッテリーの関係性・お互いの野球を大事にし過ぎる感情を核に、構築された奇跡のチームだと思っていますので。先に書いていた内容とも被って来ますが、「要くんの野球の未来」が描けたときに、野球にストイック過ぎた中学までの智将人格と、小手指に入って、一からやり直す野球が楽しい!と思えた主人格が、統合していくというか、連続性を持った一人格に収斂していくんじゃないかな…だって、その未来に向かうには、2つの人格の経て来た過去がどちらも必要だと思いますもん。そうでなくとも、16巻以降は「真面目に野球やってる主人格」と「チームメイトに囲まれて野球やってる智将格」の表情がかなり近くなってる描写になってきてます。ぱっと見ではどちらの人格か判別できないカットも多くなってきてる印象なので。今のところはこんな予想をしながら読み進めています。■骨太漫画!漫画表現大好きな方は是非!この漫画、先に書いた通り、信じられないくらい野球描写がしっかりした骨太スポーツ漫画ですし、そうかと思えば、緩急やトーンワークで魅せる感情表現は流石女性作家様というか、非常に繊細で、漫画好きが目の色変えて喜ぶ漫画表現の宝庫なんですよ。なんて言うかな…スポーツ描写も、すごく「主観」を大事にした描き方と言うか…実際にプレーしてる選手の必死な主観ももちろんですし、同じ場面をとっても、チームメイトたちの目線、試合に出られない選手たちの目線だとまた全然違う画が見えてきますし、周囲の大人たちの目線…家族や監督や野球ファンのおじさんたちの目線…どれをとっても、高校球児たちに向ける目線というのはリスペクトに満ちてて、すごくイイんです。果ては、主人公・要圭くんの二重人格(主人格/智将格)それぞれの主観での描写とか…超越した世界線に突入していきます。いやぁ…面白いです!!この漫画、たぶん、まだ読まなきゃいけない人たちがたどり着いてない…これは…漫画好きは読まなきゃダメだろ…いや、私も最近まで読んだことなかったけど…これは…漫画好きは唸りますよ!興味のある方は、是非!!あ…あとこれ、漫画表現がそれこそ繊細なので、小さいスマホ画面で読むだけだと絶対もったいないので…試し読みはジャンプ+(アプリ)で出来ますが、読み込むなら絶対紙媒体がおススメです!by姉
2024.08.24
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遅ればせながら・・・暁のヨナ連載15周年&1500万部突破おめでとうございます!!簡単にですが、言いたい事を叫ぶだけの超簡単な散文感想をば。暁のヨナ 45巻 第258話・259話・260話・261話 感想(妹編)*以下単行本45巻収録分のネタバレ含みます。未読の方はご注意ください!*最近はもう…1話1話絶叫しながら読み進めています。話が進む度に、ひとつひとつカードが切られていくような…「ーああ、暁のヨナは本当に最終章に突入したんだなぁ!」としみじみと感じています。ーまぁ、本作の課題はまだまだ残っているので これからだよね! とも思っているんですけどね!◆緋龍城に重要キーマン達が続々と集結!スウォン様率いる高華国軍が、緋龍城への帰還を決定。元々空都に居るリリちゃん御一行、生きていたヒューリさん、復興応援のムンドク、そして一足先にハクヨナが、続々と緋龍城に集ってきました。・・・今までなんやかんや理由を付けて出てこなかった 風の元部族長・ムンドク!と、スウォン様のボディーガード&空の部族の闇の部分を担うヒューリさん!!待ってました!!!ヒューリさんに至っては「死んでたらどうしよう」と思ってたので、安堵しましたw(私と姉的には)この2人は「暁のヨナの謎を説明してくれるキャラ」だと思ってまして。謎というか「スウォン様の心情面」ですね。だって・・・親世代のいざこざの原因と顛末を全部知ってるの、ヒューリさんだけですよね!!?スウォン様が何でヨナ姫の誕生日に謀反を起こしたのか、ムンドクさんは最初からうっすら分かってますよね!!?スウォン様が口を割らない以上、この2人に解説していただくしかないだろう!と前々から思っておりまして。ここに来てキャラ達が緋龍城に集結!ああやっと・・・やっとスウォン様の心の声が聞けるのかな・・・ぁ?? と、期待が膨らみました。しかし・・・ハク様とムンドクの再会場面のどうしようもなさに笑いました。。ーイヤお互いリアクションが難しいというか、ハク様の立場がまだまだ不明瞭なので、下手に絡めないのは分かります。「今はちょっと色々あって この先どうなるかわかんねぇんだわ」byハク様「もうワシらの事は気にかけんでいい ヨナ姫様を絶対大事にするんじゃぞ」byムンドク「これ以上大事にすると重いと思う」byハク様あ、今そんな感じなんだぁ・・・(生暖かい瞳) って、私もムンドクと同じ顔してましたよ^^◆ヨナ姫とヒューリさん「ヒューリ・・・そんな所で人知れず拠ってしまうの・・・?せめてスウォンが戻るまで 生きて顔を見せることは出来ない・・・?」byヨナ姫姫様、良く考えると結構酷い事言ってるな~と思いました。だって①スウォンには父母がもう居ないから、お前が出迎えてやれ ※自分とハク様が出迎える気は無い②死ぬならその後にしてくれ ※瀕死の兵士に向かって普通にヒドイって事ですからね!(まぁ相手はカシ様を殺した実行犯なので、しょーがないですね!)◆黄龍・ゼノが天に還る方法ゼノを追って緋龍王の廟まで辿り付いたハクヨナ。しかし・・・「俺を止めに来たんだろ でも俺は止まるつもりはない なら 闘うしかないよな」byゼノ仙人前巻(44巻)の記事で、コレ ゼノさん、「龍神の血」と別れてゼノさん本人は不死が解けてるんじゃないですかね!?って希望的予想をしてたんですが、そうは問屋が卸さなかったかぁあ!!(頭抱え)ーとはいえ「緋龍王の剣で刺される」という方法に、ゼノ自身は手応えを感じてはいる様子。そしてヨナ姫に対して、三龍をネタに露骨な挑発&ハク様への攻撃を仕掛けます。成程、必要条件は「緋龍王の剣で刺される」+「緋龍王の手によって」だったのか!!!四龍の戦士は緋龍王の為に存在するのでしたからね、うん。すごく納得しました!※256話でゼノが何かに気付いた描写・・・「血が止まらない」事に気付いたんだと思ってましたが、まさか「以前ヨナ姫が放った矢により受けた傷が癒えてない」事だったとは・・・!◆ゼノの本音「背負わせて・・・本当に自分に吐き気するけど これで終わるから頼む 俺は娘さんに殺される事が唯一の希望なんだ・・・」byゼノゼノが登場時からずっと一物抱えてるのは当然分かってましたし、緋龍王(≠ヨナ姫)に対してだって、そりゃひとつやふたつ位言いたい事あるだろう、と思ってました。ただ物語の役割的に、あくまで「四龍の呪いの象徴・代弁者」として、だと思ってたんです。ヨナ姫(≠緋龍王)にはひたすら「四龍の事は気にしなくていいから」って言い続けながらも、心の奥底では「四龍はこれだけ長い間苦しみの連鎖を紡いできたんだ、そこを重視して欲しい!」って気持ちが一番強くあるんだろうな、と。それがまさか・・・ここに来てこんなにゼノ自身の気持ち(死にたい)の方を出してくるとわっっ!!!草凪先生のキャラクターには、いちいち裏切られると言いますか・・・こちらが「受け止めるぞ」と構えている、その一歩向こう側に踏み込んだの感情で殴られるので、いちいち驚かされるんです。今回も やられた~!!!! と思いました。ーでも何だろう。うん、一番悲壮感が伝わって来る場面で、堪りませんでした!◆少女は今、剣を取るーハク様が(ゼノに)攻撃されて、ヨナ姫が遂にあの剣を持ちました・・・連載15年目にして、漸くずっと持つ持つ詐欺していただけだった(多分)あの剣を!!手に取りましたよ!!!良かったァもう大半の読者も覚えてないだろうし、そのまま無かったことになるんじゃないかと危惧してたこともありました。アア良かった・・・ ふぅ。。そしてゼノの思い詰めた「殺して」という独白を聞いて、ヨナ姫は怒り出しました。「龍陣を呼び出す この国の為に闘い緋龍王に尽させておいて 三龍は短命 ゼノは不死 それを終えるには緋龍王に殺されないとならないって 緋龍王はそんなの許してない!」「私はただ一人の人間だけど 緋龍王が生まれ変わった意味があるとするなら 四龍が苦しい選択をせずに生きられる世界をあげたい それが出来なくて 何が緋龍王か」byヨナ姫ーうむ「私が緋龍王なんでしょ?で、龍神にとっては緋龍王が絶対なんでしょ?じゃあ私が全部決めて良いんでしょ!?」ということですね!なんか過去?に飛んで、晩年の緋龍王(前世)に四龍託されてましたしね!「・・・私は緋龍王じゃないけど、四龍がその気なら使えるモンは有り難く使わせて頂くね!!!」というスタンスで、今まで散っっっ々(一切責任を背負うことなく)緋龍伝説の恩恵を受けまくって来たヨナ姫ですが・・・ココに来て、今度は(一切悪びれる素振りもなく)コレを言えてしまう所が・・・最高です!(褒めてる)さすが人を巻き込んでナンボの根っからの王族気質です!そこにシビれます憧れます!(超褒めてる)うん、やっぱり絶対「四龍の血のみ天に還る」という平和な展開が訪れると・・・私は信じてますよ!!しかし・・・ ヨナ姫が盃の中に入った?途端、闇に覆われ地震が発生天変地異に見舞われる高華国。ーそ、そうなるのか!! これが神託の「闇堕つる大地」の部分のことなのかな?◆無抵抗フルボッコ ハク様「俺は 忘れるのが下手だ 手放すのが下手だ」byハク様ゼノに絶対手を挙げず、タコ殴りにされ続ける 我らがハク様。ーうん、こうなることは分かってた!!私、以前は「ヨナ姫がどれだけハク様の事が大好きか伝えれば、ハク様自身のことを大事にしてくれるようになるんじゃないかな」って思ってたんですよ。・・・甘かった!!この男はどれだけ周囲に愛されようが心配されようが、こーゆー奴だった!ヨナ姫ももう、水攻めで行方不明になられた時に(こーゆー男を愛しちゃったんだから、仕方ない)って、ある種の諦めが付いたんじゃないかなぁ・・・と思うんですよね。うん。そしてヨナ姫が盃に入るや否や、速攻でスウォン様との運命の再会(何回目?)を果たすハク様!!!ーまたコレか!! ヨナ姫がちょーっっと目を離した瞬間にコレですよ!!!本当に 何なんだお前達(男ふたり)は!!・・はぁ、はぁ。。いやいや大盛り上がりの暁のヨナ!読者の情緒もおかしな事になっております。次回も楽しみです!!by妹
2024.08.16
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美少女戦士セーラームーンミュージアム金山南ビル美術館棟(旧名古屋ボストン美術館)2024.7.13~9.1原作コミック、アニメーション、記念碑的な玩具ブームやミュージカル…30年間に渡る、セーラームーンの様々な展開の軌跡を楽しめる企画展!企画展等でも名古屋会場はそれほど混むイメージはないのですが、お盆休み中の更に土日に行ったため、オープン時はかなり人が居ました。美少女戦士セーラームーンは、私たちにとっては古典というか、まさしく神話…エンタメの一番の基礎にあるような作品です。物語というものが認識できるようになったころに、キー局のゴールデンタイムでTVアニメの無印が放送されましたので…本当に純粋に「私たち(の世代)向けに展開してくれてる作品」だと認識していました。そしてやっぱり、アート性というかモチーフのセンスが桁違いなんですよ。従来の作品との比較も判別もできないような段階で、この作品から入り、この作品をエンタメの基礎に据えてしまっているので…アート/エンタメの英知をすべて投入した、ムーブメントを巻き起こすようなトップトレンド作品は、子ども向けに作ってくれるものだと信じて疑っていませんでしたし、そこまでやんないと、子どもには焼き付かないから!子どもって本当に素直に、面白いものしか焼き付けないから!といまだに思っています。以下、ほぼ写真ログです。重厚感のある各戦士のアイテム…!ゴテゴテしつつも抜いた部分・スマートさを感じさせる圧倒的なデザインセンス…おしゃれ…!玩具・グッズの園!初代ムーンスティック。誕生日に買ってもらって、持ってましたよ。多分捨ててないので、今でもボロボロのが実家の押し入れにあるんじゃないかな。30年後に展覧会に展示されるような記念碑的玩具で遊べてたなんて、贅沢でしたよね。ロッドには指輪が付属していたのですが、幻の銀水晶(別売)をはめると、別の豪華なメロディーが流れる仕様でした。…当時のおこづかいでは買うことが出来ず、生まれて初めて「これが商業か」と認識しましたよね。無印最終回が印象的なオルゴールも持ってましたね…。これももってた…無印の頃のグッズたくさん持ってたなぁ~!ルナPボール!これも持ってた。超お気に入りでした。プラスチック製ですが、一応背面はポシェットのように開くことが出来ました。一切忘れてましたが、このよく分からないゲーム(右の方)も超遊んだ…ラムネのお菓子のヘッド部分もコレ持ってた…一気によみがえる記憶。恐ろしいこのゲームもやった!覚えてる!あたりが出ると3枚?かな?カードダスが出てくるんですよ。セレニティのドレス&エンディミオンのタキシード!これはウェディングドレスなのかな…?ミュージカル衣装の展示も見応えがありました。2000年ころの、2.5次元ミュージカルが手馴れていないころの衣装(上段)と、最近の衣装(下段)の作り方の考え方の違いも見て取れて面白かったですね。なかよし表紙(壁面)・ふろくコーナー。うぉおおおお!超見覚えのあるゾーン!(なかよし本誌愛読者)忘れもしない、生まれて初めて買ってもらった漫画雑誌がこの号↑。こんなころから漫画とともに生きて来たんだもんな…そりゃ、漫画がないと生きていけないよな、私たちはもう…。写真を撮ることはできませんでしたが、武内直子先生のカラー原画をガッツリ拝み倒せる展示室もありました!特にアナログカラー原画の園は、ものすごい見応えで、妹がその部屋をぐるぐる熊のように徘徊して出て来なくなりました。武内直子先生のカラー原画は…あれはもう特別というか。漫画云々の世界の話ではなく、完全に水彩アート作品なので。以下、妹の言葉もう…天才!天才過ぎる別格過ぎる…!「こういう作品にする」という明確なビジョンと思い切りの良さ…それにしても「どうしてこうなった!!?」のオンパレードが過ぎる。武内先生の、素材感・空気感への飽くなき追及というか、そこの感性が違い過ぎる。みずみずしさを重視したイラストは、カラーインク主体/水いっぱいで描いていて、ふわ~っとした質感、乾いた空気感の必要なイラストにはパステルを使用している。95年以降とかになってくると、通常の画材じゃ飽き足らなくなって、モデリングペーストを持ち出したり、実物のビーズを貼りだしたりしてる。更にはムーディーな画面づくりのため、だんだん和紙とかに描き始めてる。もともとトーンの落ちた和紙に、ピンク色等のカラフルな色を載せるとか…どんなセンス!?ワントーン暗めの和紙にパステルやホワイトで白を入れると、発光して観える。連載終盤の頃は、どれだけアナログカラーイラストを発光させられるか、というもはや宗教画の様相を呈している。そして「誰に何言ってんだ」な感想だけど、描線が綺麗すぎる・・・!!こちらのイラストの原画も掲示されていました。切り貼りして仕上げてあるアナログ原画が観れて本当に嬉しかった!*写真はイラスト集・レゾネ掲載のものです。あれこれ画材を試されてきた後の、集大成的な印象のイラストでした。ホワイトが本当に綺麗に入っていて、可愛いいのに超カッコいいんですよ。このイラストの原画も拝見しましたが、コレ、アナログですから。。本当に、イエス・キリストかブッタかセーラームーンか、って感じでした。壁面に大々的に展開されているフォトスポットも充実してました。武内先生、現在はアナログ画材も使用しつつ、デジタルでイラストを仕上げられているようです。それがっ・・・いちいちセンスの塊なんですよ・・・!!!(当たり前)グッズも少しですが購入しました。おみくじ的に購入したトレーディング缶バッチは、アニメ無印放送時の推し2人(亜美ちゃん・姉、美奈子ちゃん・妹)を自引きしました!凄い!最近は、展覧会やらポップアップショップやらミュージカルやら…ほぼ少女漫画というニッチ界隈の作品にしか反応しない私たちでも追いつけないほどのイベント数/グッズ数で大変です…いえ、ありがとうございます!!全てに反応することは難しいですが、めっちゃ嬉しいです!是非今後もたくさん企画展を開催して、グッズたくさん作ってください!行けて良かったです。楽しかった!by姉
2024.08.13
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超簡単感想です。堀江由衣さんの12thアルバム『文学少女の歌集III-文学少女と夜明けのバス停-』を鑑賞しました。いつものことながら、清竜人さんの提供曲目当てでした。♪名前を呼んでくれたなら...♡(クリック)作詞・作曲・編曲:清 竜人こちらも凄くかわいい楽曲だったのですが…もう1曲、アルバムの収録楽曲で非常に感動した楽曲がありました。音楽語りーその284♪まじめにムリ、すきっ by堀江由衣作詞・作曲:Misty mint 編曲:伊藤立・Misty mint楽曲(リンク・クリック)なんというか…現実のテンションとしては当然認識してるんですが、それがこういった形で見事に楽曲に昇華されているのは、ありそうでなかった…新鮮な観点の楽曲だなぁ、と。「すき」「ムリ」の繰り返しが、ボカロ調ですごく活きていますし、そこに堀江由衣さんのボーカルが乗っかってきて、2次元っぽい、でもボカロでは出せない情感が出てくるというか…。作詞作曲(&編曲)のMisty mintさんは、どういった方なのか軽く検索かけてみましたが、あまり情報が出てきませんでした…。メロデイーラインはかなり「王道ボカロ~!」って感じなので、そっち系の作曲家様なのかな?秀逸な楽曲コンセプト、メロディーへの言葉の当てはめ方が上手な方だなあ、と感じました。それにしても、堀江由衣さんは本当にすごい…たぶんもう25年くらい歌手活動も展開されてる…?んですが、アルバムもいつもコンセプトがしっかりしていて、収録楽曲の品質が間違いなく高く、いちいち面白味があって…。提供アーティスト様も、堀江由衣さんには「絶対に下手な楽曲を提供できない」と気張っているのも感じますし、それを感じさせるのも、常に品質にこだわった楽曲展開を続けられて来られたブランド力故のものだと感じています。今回もこうして聴き手に「新鮮」と感じさせる楽曲が出てきました。何よりの信頼感です。次作アルバムも楽しみにしています。by姉
2024.08.11
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妹と2人で上京し、ミュージカル『暁のヨナ』を鑑賞して来ました!ミュージカル『 暁のヨナ』(通称:ヨナミュ)2024年7月20日(土)~28日(日)/シアターH(東京都品川区)連載15周年を迎え、新たにミュージカルとして“四龍集め編”を上演!【原作】草凪みずほ【脚本】谷碧仁【演出】元吉庸泰【作曲】鎌田雅人【振付】良知真次ヨナ:星名美怜/明音亜弥 ハク:神永圭佑/草地稜之キジャ:木原瑠生 シンア:吉高志音 ジェハ:加藤将ゼノ:DION ユン:飛龍つかさ テジュン:佐藤永典クムジ:柳瀬大輔 スウォン:良知真次 ギガン:剣幸 他ヨナ舞台はこれまで3度も上演されていましたが、現地に足を運べたことはありませんでした。今回は、全編描き下ろし音楽の豪華なミュージカル!とのことで、音楽好きとしても是非見てみたい!また、発表された演者様たちの動画を少し見る限り、歌唱力重視でキャスティングしていることがありありと分かりましたので、作り込んだ上質な舞台作品が観れるんじゃないかな、と期待感を膨らませていました。結論から言うと、すごく×100 見応えがありました!本当に上京&生で鑑賞出来て良かったです!以下、感想雑記です↓・歌唱力お化けたちの祭典今回の舞台作品ですが、大道具はほとんど設置されず、プロジェクター映像で華やかな宮廷、崖っぷち、様々な龍の里、港町や海戦…とコロコロと場面を転換させる作りでした。パッと見、「(美術などに)お金のかかった舞台ではないな」という印象でした。ただ、その分お一人お一人の衣装/ビジュアルの作り込みはとても丁寧でした。衣装は、パンフレットのお写真を見ると丹念な刺繍が施されているようで、とても見応えがありました。また、全編通してほとんど歌い続けていた描き下ろし楽曲群は、楽曲自体/サウンドも非常に質が高く、どの楽曲も聴きごたえがありました。同じフレーズを繰り返す手法(リプライズって言うのかな?)も利いていて、まるでディズニー!?と思いながら観ていました。上記のように、注力する部分が非常に明確な作品という印象でした。要するに、とにかくもうミュージカル作品として、キャスト様に力がないとどうにもならないんです。舞台装置もないので、楽曲コンテンツを歌唱力/演技力で魅せ切るしかないんですよ。そしてその狙い通り…キャスト様が軒並み歌唱力お化けだらけの怪物の祭典でした。なんかもう、凄かった。あらゆるキャラクターが高らかに歌い上げるのですが、声量があり過ぎて音響音割れして聴こえるし、複数人で歌い始めると、ハーモニーというか、いかに声を響かせるかの戦いのようになってました。舞台製作を担当されたWorld Code所属の役者様…ヨナ姫役の明音亜弥さん、ユンくん役の飛龍つかささん、スウォン様役の良知真次さんは、存在感が「舞台あらし」のそれというか、舞台上の掌握力が凄かったです。スウォン様役及び代表兼振り付けの良知さんはジャニーズ・四季などに所属されていたとのことで黒子たち(アンサンブル?)のフォーメーションダンスを用いた演出等が凄くて!勝手なイメージですが、2.5次元ミュージカル・・・というよりは歌声や演技が派手目な、伝統的な純ミュージカル!といった印象を受けました。ヨナ姫役の明音亜弥さんはミュージカルの申し子としか言いようのない。声の通り、華やかさ、歌唱の安定感、演技力…どこをとっても素晴らしかったです。舞台上の誰よりも存在感があり、光り輝いてました。ハク様役の神永圭佑さんは、控えめで「従者」に徹した演技/優しい歌声が印象的でした。ヨナ役の明音さんが力強い印象だったので、「見守る」ハク様像で凄く相性が良かったです!そして大刀アクションが格好良かった!!ユン役の飛龍つかささんは宝塚出身ということで、凄く安定感がありました。前半のロックな歌声も印象的でしたし、後半の海賊船侵入シーンの緊迫感が凄かったです!四龍は、歌唱力/演技力はもとより、4名並んだ際のシルエットの説得力が凄かったですね!建国神話のシーンは、思わず「四龍だぁ~!本物だぁ~!」とテンション爆上がりしました。四龍は2.5次元ミュージカルなどで人気の俳優さんが揃っている感じだったのかな?各龍たちそれぞれに個人曲もあてがわれていて、見所満載でした!声質もみなぴったりでした。キジャ役の木原瑠流さんとシンア役の吉高志音さんの伸びやかな歌声は本当に素晴らしかったですし、ジェハ役の加藤将さんの舞台上で誰よりもスラっとした立ち姿、ゼノ役のDIONさんの可愛らしい、でも深みを感じる動きが心に残りました。テジュン様役の佐藤永典さんは、演技が本当にお上手で。ものの見事にテジュン様がそこに存在して居らっしゃいました。クムジ役の柳瀬大輔さんも、現在World Code所属なのかな?もともと四季で、美女と野獣の野獣とかをバリバリ演じられてた方なんですね。また、ギガン船長役の剣幸さん…お名前どこかで見たことがある方だな?と思っていましたが、宝塚出身の方で、塔の上のラプンツェル(日本語版)のマザーゴーテル!クムジ×ギガン船長は、さながら四季vs宝塚の図式であり、野獣vsマザーゴーテルという、人智を超えた超豪華競演だったわけですね。流石の大迫力で、圧巻でした!上記以外も、名前のない役どころの役者様もたくさん歌ってらっしゃいましたが、皆さまとにかくお上手でびっくりしました。改めて振り返り、色んな分野の力のある演者様達の歌声&踊り&演技を楽しむことが出来る本当に豪華な舞台だったんだな!と。暁のヨナは本当にメディアミックスに恵まれるなぁ!と嬉しくなりました。※以下、原作ファン(脚本好き)が「暁のヨナのあらすじ」について好き勝手語り散らかしてます。原作を読んでいる方にしか分からない内容です。※・脚本筋脚本は、非常に練ってあるなぁ…!と感動しました。以前、2回目の舞台・2018年の生駒里奈さん主演の四龍集め編を観た妹の感想→コチラ(クリック)と、考え方は似てるというか、ほぼ同じだったと思います。(抜粋)正直に言います。この舞台はいち漫画原作ファンからすると「今後の展開に繋がる大事な描写を、全てそぎ落とした暁のヨナ」「見事に原作の本質から外れた暁のヨナ」でした。いや、こうなる事は分かってました。そりゃヨナの前半部分を簡潔に展開しようとするとこうなりますよ。~省略~実はアニメ化の時も旧舞台の時も、こう↑なるんじゃないかと危惧してました。ならなかった事に驚いた位でした。ここに来て・・・遂にこの「履き違えた暁のヨナ」が出てきたか!! ・・・というのが素直な第一印象です^^;今回の舞台も、基本的にはヨナ姫の動機という大元のところで「見事に原作の本質から外れた暁のヨナ」だったと思っています。「外れた」というか、当然作成側も分かっていて、脚本段階で「わざと外した」が正しいと思います。もちろん舞台作品としてはこの形が正解だと思っています。原作が描いているものが難し過ぎるんです。城を追われたヨナ姫が立ち上がり、目の色を変えて剣を獲る『動機』。その対局にあるのが、作品序盤、スウォン様が謀反劇を起こす『動機』。私と妹が本作品の一番の魅力だと思っている部分ですし、ここが面白くて、十数年にわたり本作を追い続けている理由でもあります。ここの作り込みは、壮大であり、非常に複雑なものだと思っています。原作をそのまま舞台化しても、当然必要なすべてのニュアンスが尺の中には納まりませんし、ヨナ姫の動機に関して言えば、原作通りのバランスで回そうとすると、ヨナ姫の動機自体がぼやけて見えるので、鑑賞者が混乱します。原作は、特に初期・四龍を集め始めてからのエピソード回しの際、ヨナ姫の動機について意図的にWミーニング的に作ってある…ヨナ姫が口で言う「表向きの動機/話筋」と、「実際の動機/話筋」があると思っています。具体的に書き記すと、下記点です。①表向きの動機/話筋本作の序盤・四龍集め編には、城を追われたお姫様が、自身の無知を恥じ、四龍に関する神託を受け、国を知る旅に出る/剣を持ち、大事な人たちを守れるようになる物語という筋道があります。ファンタジー少女漫画作品として分かりやすい筋道というか。これだけ聞けば、鑑賞者の頭に収まりやすい筋道だと思います。この筋道こそ、本舞台が見事に一本筋として表現し切っていた話筋です。・本舞台におけるヨナ姫の動機=ヨナ姫軸=『姫として世界を知り、強くなる』ただ原作においては、上記話筋を回すだけにしてはやたらと複雑な、というか『不要な』別要素・エピソードがもりもり投入されています。上記話筋を隠れ蓑にして、もう一つ「実際の話筋」があるからだと思っています。②実際の動機/話筋ハク様です。もっともっとハク様です。「大切な人たち」とか「国」とかいう言葉で濁さずに言えば、ヨナ姫が守ろうとしているのは、明確にピンポイントで「ハク様」です。ヨナ姫は、風の部族を出るタイミングから「ハクを頂戴」「不条理なまま死ぬのは嫌」「四龍の戦士に会いたい」「無知のままで居たくない」「戦えるようになりたい」と自身の意志として新しい世界に踏み出し、自分自身をどんどん作り変えていきます。これらが、表向きには①の動機/話筋として見えるのですが、正確には全部、ハク様の表情を見て、その状態をもって「やるべきこと」を判断している、という言い方の方が正しいと思っています。ヨナ姫自身が強い信念を持って行動していると言うより、ハク様の状態を観察して、ハク様にとって必要なこと/最良の道を模索してる。ヨナ姫がその場で使えそうなツール・事象をなりふり構わず使いたくって、「ハク様にとっての最善」を実現/実行しようとしている。ここが、暁のヨナという漫画作品の、一番面白いところだと思っています。・原作におけるヨナ姫の動機=ハク様軸=根本的に『ハク様』この観点で読み進める以上、暁のヨナの中で、最も重要な情報は、ハク様の状況/心情を読み解くための情報になります。ハク様本人は、自分自身のことを読者に説明してくれませんので。今回の舞台は、脚本上でこの②の動機に繋がる「ハク様を読み解くための情報」…ハク様のために作り込まれている要素やキャラクター…ですね。これをものの見事に、的確にばっさりカットして展開していました。今回の舞台で省かれた要素を並べ立てれば、どの要素がハク様軸の為に作り込まれたものなのか、見事にきれいにあぶり出すことが出来ると思っています。主には、五部族設定及び五部族会議設定。ジュド将軍やグンテ・ジュンギ・スジン将軍といった他部族長と風の部族のムンドク将軍、テウくんやヘンデくんたち。要するに、現行高華国の基本構造や、ハク様のステイタスに関わる部分の情報ですね。これらハク様軸の情報を省くと、話の展開で辻褄の合わない部分も出てきます。今回の舞台は、①の動機軸の一本筋で違和感なく鑑賞できるように、これら情報の欠如を、丁寧に保管する作り/改変が見受けられました。例えば、ハク様がヨナ姫を1人風の部族に残して、旅に出ようとするシーン。原作通りであれば、五部族会議において新王即位に対する風の部族の承認が必須であり、スウォン&空の部族+火の部族側から、ハク様失脚に関する明確な圧力があるという背景の上で、ハク様はヨナ姫を残して、独り姿を晦まそうとしていました。本当はこの背景の説明がないと、ヨナ姫を残してハク様独りが旅に出ようとする思考回路が意味不明になるんです。だって、ヨナ姫を残していっても危ないだけじゃないですか。スウォン政権にとって、謀反劇の内情をばっちり知ってるヨナ姫は消すべき存在なことに変わりはないので。スウォン様は、イル陛下殺害後間髪入れずにムンドク将軍を緋龍城に呼び出すことで、「風の部族は、即刻ハク様以外の将軍を立て、騒ぎ立てることなく新王即位を受け入れろ」という明確な指示というか、ある意味の交渉…平たく言うと脅しを仕掛けてるんです。ハク様はスウォン様の意図を正確にくみ取り、それさえ大人しく飲めばこれ以上の攻撃はないと踏んでヨナ姫を風の部族に残して、独り旅立とうとしてたんです。本舞台においては、この部分を「ハク様が囮になるために部族を出る」という言い方で濁していました。ただ、城を出る際にミンスが「囮になって」ヨナ姫・ハク様を逃がすシーンをしっかり描写した上でです。ヨナ姫の「囮になろうとするハク様を守りたい」感情筋が強くあるところがきちんと強調されていました。また、イクスの神託を受けたヨナ姫が、四龍探しの旅に踏み切る際の心情筋づくり。原作は、基本的に「ハク様がこのまま行くと死ぬ」から起こすアクションなのですが、本舞台においては、そのニュアンスも変更してありました。ハク様と2人で会話するシーンはカットされ、その代わりにユン君がヨナ姫の無知を盛大に攻め立てる形に改変されていました。原作ファンからすると、ユン君自体のキャラ変を感じさせるほど思い切った改変でしたが、本舞台作品としての、ヨナ姫の心情筋を魅せていくためだと納得できました。阿波でクムジ討伐に乗り出す際の動機付けもね…原作の方では、「姫として悪行を見過ごせない、困っている人々を助けたい」という観点ももちろんあるんですが、一方、ハク様軸として「ハク様が暇を持て余して、女の子と遊んでた」というエピソードも入れ込まれています。ヨナ姫は、暇そうなハク様のモチベーション維持の為に、わざとやることイベントを突っ込んだ形ですね。こんな分かりづらい動機付けのためのエピソード、そりゃメディアミックスではカットしますよね。普通は。そのまままるまる映像化したアニメ版がおかしかったんです。…というわけで、複雑な作りの原作を舞台作品として昇華するための、丁寧で練り込まれた脚本に感動しました!という話でした。ミュージカル『暁のヨナ』、見応え抜群で最高でした!現地まで鑑賞に行くことが出来て、本当に良かったです。2月にはWキャストの両方公演を収録し、楽曲CDもセットになったBDが発売されるとのことで!速攻で予約済です。まだ鑑賞できていない星名さん・草地さんペアの方も観て、Wキャストの違いを楽しみたいと思っています。by姉
2024.08.04
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