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2006年04月12日
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罪と罰
「罪と罰ナニワ人生学」角川文庫 青木雄二
岡山県が生んだ偉人(?)青木雄二氏が漫画家を辞めて書いた「エッセイ集」である。彼の親戚の喫茶店が県北津山にいく途中の久米南町にあって、薄暗い店の中に彼の直筆の色紙が飾られている。この辺りはは面白いところで、法然を出したり、栄西を出したり、片山潜を出したりしている。県南から比べると、雪は振るわ、交通の便は悪いわ、産業はぱっとしないわ、なのだが、片山潜は生涯この故郷時代を懐かしがった。彼によると、気候はいいし、景色が美しいのだそうだ。片山も例にもれず、学校にもいけないで毎日働いて校舎の窓の下で授業を聞いていた口なのであるが、それでもあんな低い山々が連なる田舎がよいのであろう。話が大幅にずれた。青木雄二はこの故郷のことはぜんぜん書いていない。書いているのは、第二の故郷、ナニワでの人生修行の話である。

青木雄二の漫画は「ナニワ金融道」もそうであるが、スクリーントーンを使わない。斜線を一本一本引き、時にはそれを重ねたりして陰影をつける。はんこの印影も一つ一つ描きあげる。そして出来上がる絵はバタクサイ金融の世界である。 坂口尚(「12色物語」) の描く一本一本が芸術だとしたら、青木雄二のそれは職人技であろう。

この本はマルクスとドストエフスキーが大すきな彼が、「罪と罰」ラスコーリニコフの「金が全てだ」という人生観にについて縦横に語った本、では断じてない。自分のギャンブル人生を省みて、そこで培ってきた人生訓を語ったものである。これが案外侮れない。以下参考にしたいことをメモっておく。

「不満をばねにして闘えるのが人間なんや」「政府だって、そのことは充分知っている。だから大蔵省は一生懸命「景気はだんだん回復している」なんて宣伝するのである。消費税を上げたうえに、このまま不況が続くようなら、日本人は間違いなく一揆を起こすやろ。それを防ぐ防衛線を張っているわけや。」 すんまへん。これが書かれて十数年、ずーと政府にだまされっぱなしのわれわれです。でもそろそろ一揆を起こしてもいいんやないか?(なぜか関西弁になっている私)

「運がほしい人は自分で運を呼び込む努力をしなさい。」例えばあるサラリーマンは「まったく契約が取れない日が続くと、彼は個別訪問を一日に百件したという。もちろん普通の訪問ではない。商店街にいって名刺を渡すだけ。滞在時間一分。それでちょっと天狗になる。自分のことを誉めてやる。それでもあかんときは。。かえって酒飲んで寝る。寝たら明日はまた別の日ですもん。」そやそや。リズムをつけること。大事だ。明日からやろっと。。

「資本主義の世の中では、他人を働かせて、親(経営者)がそのシノギをかすめ取ることが許されている。」そうなんだよね~、許しちゃっているんだよね~。世界規模で。

以上、古本屋で210円で買った本でした。





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最終更新日  2006年04月12日 23時54分20秒
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