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2006年08月19日
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街の灯
『街の灯』文春文庫 北村薫
最近『坂の上の雲』を読んだ方の映画『バルトの楽園』評を聞いた。日露戦争(1904)で発生した浮虜(捕虜)を当時の日本政府は非常に丁寧に遇したらしい。『バルトの楽園』は第一次世界大戦で捕虜になったドイツ兵の1914年以降の話。久留米の浮虜収容所では不潔な住居に住まわせ、暴力が日常になっていた。だからこそ、松平健扮する松江所長の坂東収容所が特別であって映画になったのだろう。件の方は、『日露戦争以降、日本は転げ落ちるように品格も何も無くなっていった、司馬遼太郎は書いている。私もその通りだと思う。」という。

そしてこの作品の時代は1932年(昭和7年)、東京の上流家庭の女学生、花村英子となぞの運転士、別宮みつ子ことベッキーさんが、日常の謎、小さな事件を解いていく物語である。北村薫なので、日常生活を細やかに描いているが、時代と舞台が違う。

昭和7年の上流家庭が見た東京の描写が見もの。この景色は、ものが溢れ、文化華やかしいまの庶民の生活と重なるところがある。

1904年から30年間で、日本は転げ落ちるように『決定的なところ』までいったということは、いまなら高校生くらいなら教科書片手に説明くらいは出来るだろう。では、バブル崩壊から約15年間で、日本は転げ落ちるようにのっぴきならぬところまでいったのではないか、というような想いが私の頭から離れなかった。

昭和7年の上流生活を垣間見る。微かに聞こえる軍靴の響き。日常描写を愛し、本格推理を愛する北村薫ファンからすれば、異端の読み方ではある。申し訳ない。





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最終更新日  2006年08月19日 22時13分29秒
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