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2008年08月15日
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今日で初盆が終わりました。こちらでは盆のことを「ぼに」と言います。こちらだけなのでしょうか。

去年年末から今年にかけて、父親の病床の前で読んでいた本のひとつはあさのあつこの本でした。基本的にあっという間に読める本が良かったのです。あっという間に三冊読みました。


「The manzai」の三巻目と四巻目。 ボケの貴史とツッコミの歩―。中学生のにわか漫才コンビ「ロミジュリ」を中心に繰り広げられる、ちょっと切なくてかなり笑える青春ストーリーである。なかなか癒された。

二年前に 「あさのあつこのデビュー作「ほたる館物語」」 と言う記事を書いていて、じつは二巻目もひそかに読んでいたのだが、このとき 三巻目 が文庫版になっていて、読んでみた。

主人公の一子は、山のおばあさんが未だに息子の修平が出征するときに「生きて帰って欲しい」と一言言わなかったことを悔いていることを知る。一人暮らしのおばあさんは未だにそのことで毎日苦しんでいる。一子たちはそのことを学級新聞に書こうと決心するのだが‥‥‥。少年少女のために物語を書き続けてきたあさのは決して説教くさい物語は書かない。

今日届いた講談社からのMLであさのが最新文庫の宣伝で、このような文を書いていた。昨日「(戦争を引き起こす)芽は育ち始めているのかもしれない」と書いたが、あさのあつこも同じような問題意識を持っているような気がする。



  今のこの世界で、わたしは本気で未来を信じながら、ものを書いているのだろうかと。今でも考えています。(このシリーズ、まだ続いているものですから)。
  考えても、考えても、どうにも答えがつかめません。
  絶望しているわけではないのです。こんな時代ですから、危機感は相応にもっているつもりなのですが(的確ではないかもしれませんが)、絶望しているわけでも、諦めているわけでもないのです。でも、真実の希望をどこまで
 手にしているかと問われれば、首を傾けるしかないのです。心許ない話なの
 ですが……。
  飢餓、戦争、破壊、貧困、殺人、絶望……。
  人の内側でも外側でも、変化はおこり、大きくうねり、わたしたちは急流に浮かぶ笹舟のように、いつ渦に巻き込まれてもおかしくないような日常を送っています。
 『NO.6 #1』を書き始めたころ、まだ微かでも瞬いていた希望の光は、もはや、わたしの視力では捉え難くなりました。
  わたしの視力が鈍ったのか、
  光が衰えたのか。
  あれ? またなにやら、愚痴っぽくなってきました。用心、用心。物語は愚痴やら言い訳をなにより忌み嫌います。同時に、未来を信じるための足掻きを促すのです。
  こんなものさと斜に構えたところからも、どうでもいいやと投げ捨てたところからも、物語は生育しません。僅かな光に目を細め、そろりと半歩、進みだす。その半歩からしか生まれないのです。
  自分の半歩を信じることが、未来を信じることとどこかで繋がるのかもしれません。
  この物語を読んでくれたあなたとともに、そろりと半歩、踏み出してみましょうか

  二〇〇八年 夏








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最終更新日  2008年08月15日 23時42分34秒
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