再出発日記

再出発日記

PR

フリーページ

お気に入りブログ

秋夕(旧盆)の連休 … New! はんらさん

源氏物語〔7帖紅葉賀… New! Photo USMさん

ホキ美術館(千葉県… New! 七詩さん

図書館予約の軌跡415 New! Mドングリさん

徘徊日記 2024年9月… New! シマクマ君さん

カレンダー

2010年07月21日
XML
カテゴリ: 邦画(09~)
日本映画専門チャンネルで見ました。七月はあと何回か繰り返しするみたいです。


戦前の株屋、ギューちゃんこと赤羽丑之助の半生を描いたシリーズ物である。主演 加東大介。
姉の沢村貞子は「弟は子役のころから天才だった。本当に役者の為に生まれてきたような子なの」とべた褒めであった。加東大介といえば、「七人の侍」の官兵衛の「古女房」七郎次を演じて印象深い、というか、それぐらいしかあまり記憶にないが、この大番シリーズ他いくつかの主演作品も撮っている。50年代の映画界にとってはなくてはならない人材だったし、スターだった。

「春との旅」 で名優があえて普通の老人を演じたうち、主演の仲代達矢はギューちゃんの弟分の相棒として出ている。助演ですらない。仲代の姉役として出ていた淡島千景は主演女優。ギューちゃんを一貫して助ける芸者として出演。ふたりとも、匂うように若い。思えば、2人とも加東と同年代なのである。そう思うと、50年代、60年代の俳優で残っているのは本当に数えるぐらいしか居ないし、その人たちがいま次々と鬼籍に入りつつある。

ギューちゃんは学は無いけれども、相場師としての生来の感とひとなつこい笑顔で、ときに何十万、何百万円(当事の相場、現代ではおそらく何億という規模だと思う)も儲け、日中戦争で一夜にして何百万という借金をこさえる。「相場の世界」を悲喜こもごもに描いているが、あまり暗くないところがヒットした原因なのだろう。相場の世界はいわば日本版「アメリカンドリーム」の世界である。しかし、日本は伝統的に「金持ちになる」ことは「良くないことである」という「国民的感情」があるみたいで、「大番」も「続大番」も常に一文無しになった時点で終わっている。日本らしい「アメリカンドリーム」である。

そのあと「続々大番」(1957)「大番完結編」(1958)に続いているらしい。つまり一年と少しの間に四本作られている。TVがない時代、まさに映画がテレビドラマと同じ役割を持っていたという証拠である。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010年07月21日 08時04分17秒
コメント(2) | コメントを書く
[邦画(09~)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

ヒフミヨは天岩戸の祝詞かな@ 自然数の本性1・2・3・4次元で計算できる) ≪…三角野郎…≫は、自然数を創る・・・  …
永田誠@ Re:アーカイブス加藤周一の映像 1(02/13) いまはデイリーモーションに移りました。 …
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
生まれる前@ Re:バージンブルース(11/04) いい風景です。 万引きで逃げ回るなんて…
aki@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) 日本有事と急がれる改憲、大変恐縮とは存…
北村隆志@ Re:書評 加藤周一の「雑種文化」(01/18) 初めまして。加藤周一HPのリンクからお邪…
ななし@ Re:「消されたマンガ」表現の自由とは(04/30) 2012年に発表された『未病』は?
ポンボ @ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) お元気ですか? 心配致しております。 お…
むちゃばあ@ Re:そのとき 小森香子詩選集(08/11) はじめまして むちゃばあと申します 昨日…

バックナンバー

・2024年09月
・2024年08月
・2024年07月
・2024年06月
・2024年05月
・2024年04月
・2024年03月
・2024年02月

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: