再出発日記

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2012年04月10日
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いわゆるデモのハウツー本の役割もあります。でも、労組や各種民主団体の幹部でデモを主催するような人も、必読の本です。或いは、3.11以降、具体的にどの様な市民の意識変化が起きたのか、模索している様な人も必読です。薄い本です。あっという間に読めます。


「デモいこ!声をあげれば世界が変わる 街を歩けば社会が見える」河出書房新社 TwitNoNukes編著 700円

「何故デモに人が集まらないのか」それを解消する様なヒントが満載です。例えば、難しい言葉で悩んでいる人「私たちは専門家集団であると同時に組織者である。国民を目覚めさせることが我々の任務である。しかし、いかにして国民の自覚を促すかが難しい」こんな人にも読んで欲しい。

第一章は総論といってよく、長いが、抜粋しながら紹介したい。



しかし、ときとして、物質をまいた人には声は届かず、或いは声が聞こえてもその行為をやめようとせず、警察に電話しても助けてくれないことがあります。
その時は、道路に出て叫んでいい。
これを複数の人たちでやってもかまいません。役所の前で、マスコミの前で、また、同じ様に被害にあっているかもしれない人たちに向かって叫んでいいのです。車道を使っていいのは、車と神輿とマラソン選手だけではありません。デモをやることは、誰に対しても法で保証されている権利です。
(略)
デモによって 、納得していない人たちがいることを見せていく。同意してくれる人たちを増やしていく。マスコミにも取り上げさせて、世論を作っていく。
或いはデモに参加することで、同じことを考えている人たちがいることを確認する。意見を交換することで、理解を深める。自分の知らなかった情報を得る。声を出していいのだと知る。其処で知り合うことで、別の行動を始める。
運動不足の解消だのダイエットだのといった目的 のためにデモに参加している人たちもいていいのです。どんな目的であっても、デモをやるのは自由です。
「そんなことをしても世の中は変わらない」という人たちがいます。違います。「そんなことをしても世の中は変わらない」という人たちが多いから世の中は変わらないのです。
選挙で投票していれば世の中はよくなると 思っているからこうなった。政治家に任せておけばいい。役人に任せておけばいい。マスコミに任せておけばいい。そんな考えがこの社会を作ってきました。
選挙に行くことも大事です。しかし、それだけでは足りない場合もあるのです。たとえば原発事故。いま現在、政治家になっている人の多くは原発の是非を争点にして選ばれたわけではありません。選挙民は原発事故がもたらすものを充分に知った上で投票したのでもありません。
彼らに選挙民の意思を伝えるには、手紙を出す、メールを出す、直接話しかけるという手段もありますが、デモで伝えることも出来ます。選挙という方法の欠陥を補う手段がデモでもあるわけです。
デモがそういった効果を常にもたらすわけではなく、それによって政治家もマスコミも動かないかもしれない。それを見た人たちが意見を変えることもないかもしれない。
それでもデモをやっていいのです。これは表現だからです。効果があるのかないのかわからないことをやってはいけないんだったら、テレビだって、新聞だって、出版だって、映画だって、音楽だって、ブログだってあらゆる表現に意味がないことになってしまいます。
人は止むに止まれず表現します。効果なんてものは結果出て来るものでしかなく、それはデモでも同じです。必要なのは「デモをやりたい」という意思だけです。
まさに今はデモのやりどきです。手続きを済ませれば、路上は音楽を演奏することも、歌を歌うことも、文章を読み上げることも、絵を発表することも出来る場になります。公共の福祉に反しない限り、原発に限らず、どんなテーマでデモをしたっていい。
(略)
いざデモに参加してみれば、ここにはもう一つの世界が広がっていることが実感出来るはずです。
(略)
デモに出れば、自分と同じようなことを考え、同じようなこと で悩んでいる人たちがたくさんいることが分かります。それを大きな声で叫ぶことで自分を取り戻す。人によっては、それを契機に職場や家庭でも話し始める。相変わらずそうは出来なくても、思いや考えをインターネットで書く勇気を得る。
(略)
デモをやらなければならないのは、本来不幸なことです。それぞれの人が、この不幸な時代に苦悩を抱えながらデモに出ている。しかし、デモに出ることで、その苦悩を生みだしている元凶を解消する道筋を見いだすこと、大きな声で思っていることを表現すること、知らない世界を知ること、思いを共有する人たちと行動し、語り合えること、自分を肯定出来ることはたのしい。
デモをもっとたのしみましょう。


違います。「そんなことをしても世の中は変わらない」という人たちが多いから世の中は変わらないのです。 ーというのは卓見であると思う。
「普通の人びと」が声を上げる。その論理を此処までまとめた文章を私は読んだことがない。平成の世の「檄文」ともいえる。





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最終更新日  2012年04月10日 22時49分57秒
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