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2014年03月29日
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カテゴリ: 考古学






行ったのは、岡山市埋蔵文化財センター。ここは、3月28日まで「造山古墳の時代」という特別展をしている。ギリギリのところで間に合った。造山古墳の陪塚千束古墳の発掘現地説明会で見た遺物もあったが、ここにはその時代の周辺の遺物があって面白かった。この時代の埴輪の変遷もわかった。写真、金蔵山古墳の埴輪は初めて見た。円筒埴輪ではあるが、まだ特殊器台としての面影が残っている。



右が当の造山古墳の埴輪、左が佐古田堂山古墳の埴輪である。全く同じ形であることが分かる。こういう比較によって、造山古墳の築造時代を決定したわけである。



これは、造山二号墳の円筒埴輪。最初の頃の円筒埴輪の模様は三角とか、丸とか、いろいろだったらしいが、この頃になると丸で統一されるらしい。



そして造山四号墳の家形埴輪。造山古墳の時代は、円筒埴輪から形象埴輪に移る頃。よく見る人物埴輪は、時代が下らないと出てこないらしい。(←その意味からも、埴輪が殉死した人物の代わりとして発達したと言う仮説は破綻する。)



なぜ当時、古墳を埴輪で飾り立てることが、とってもとっても重要だったのか。どういう神事と関係しているのか。私はまだ納得する説明に出会っていない。古墳時代中期ごろに製造方法の革新があった。須恵器つくりに使用する「窟窯(あながま)」を使用して、硬質な埴輪を大量に生産することが可能になる。墳丘を多量の埴輪で飾る必要性からそうなったのか、技術革新があったから多量に飾るようになったのかは、わからない。中期の終わりころには、埴輪の簡略化・小型化が徐々に進む。さらなる大量生産を満たすために、工程を省略する必要があったと考えられている。



蓋(きぬがさ)形埴輪。貴人の上にさしかける笠を埴輪に写したものだそうだ。古墳時代の銅鏡の中には、住居に付随した大型の蓋が表現されているものもあり、権威の象徴であったと考えられている。展示している蓋は、笠の鰭(ヒレ)の部分や基底部分だそうです。

造山古墳を作った人びとは誰か。
説明板には、思った以上に突っ込んだことを書いていた。周りには五世紀の集落遺跡の数も多く、竪穴式住居が何度も建て替えられていることからも、安定した集落だっただろうと書いていた。さらにこう書いていた。
「住居にはカマドが付随していおり、陶質土器や鉄ていなどの朝鮮半島から持たされた遺物なども出土している。周囲の丘陵部には、陶質土器を出土した小型古墳も築かれており、渡来系の人びとが居住していたと考えられます。現在は田園風景が広がっていますが、当時は極めてエキゾチックな都会的な空間が広がっていたと考えられます。」




これは、造山古墳の陪塚である千足古墳から出土したと言われている青銅鏡である。千足古墳は、明治末に「乱窟」された。その一部は宮内庁へ、一部は地元に戻されたと言われている。考古学が宝探しだったころの悲しい出来事である。その地元品の一つがコレ。



青銅鏡は倭製(国産)で、本来は怪獣が棒のようなものを咥えている図柄らしい。しかし、国の技術がまだ未熟だったのか、毛の束のような文様に崩れてしまっている。





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最終更新日  2014年03月29日 14時36分14秒
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