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2015年09月12日
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カテゴリ: 洋画(12~)
8月の映画鑑賞は9作品でした。二回に分けて紹介します。



「グローリー 明日への行進」
キング牧師と言えば、ワシントン大集会での「私には夢がある」と始めた演説が有名だが、この中ではおそらくわざとその場面も台詞もない。

作品は1964年のノーベル平和賞受賞式の直後、無垢な少女たちが犠牲になった教会爆破事件から始まる。白人至上主義たちの暴力・殺人は、驚くべきことに、当時誰一人として捕まらなかった。何故か。黒人たちは決して陪審員の席に座れない仕組みがあったのだ(陪審員を選ぶ役人を選ぶ人間が圧倒的に白人だったからである)。だからこそ、今やノーベル賞受賞者として大統領と対等に交渉出来るキング牧師は、大統領から先ずは貧困や教育の改善を約束されても、断固として黒人選挙権の獲得を希望し、一歩も引かない。幾つかの暴力・殺人の場面のあとに、アラバマ州都モンゴメリーに向かう行進は、テレビの実況中継の中で州警察と民兵隊によって決定的な暴力に逢う。

映像的に派手な部分はそこぐらいなものではあるが、50年経ってやっと初めてのキング牧師の長編映画が出来たというところに、「自由と民主主義の国」のアメリカの現実が見えてくる。「ジョージを殺したのは誰か」それは直接下した州警察ではなく、アバラマ州知事(ティム・ロス)や、それを認めた住民そのものだと言ったキング牧師の言葉が、今や大きく響く。

この作品の試写を見て感想を述べた潘基文国連事務総長の「いかに不寛容が容易に憎悪と暴力に転化するか」の言葉は、それを意図していなくても、日本のヘイトスピーチを叫ぶ人たちだけでなく、それを心情的に支持する人たちに対しても突きつけている問題だと思うのである。

(解説)アメリカ公民権運動が盛り上がりを見せる中、アラバマ州セルマで起きた血の日曜日事件を題材に描く感動作。ノーベル平和賞を受賞したマーティン・ルーサー・キング・Jr.のリーダーシップでデモに集まった人々が警官の投入によって鎮圧されたのをきっかけに、世論が大きく動いていくさまを描く。俳優のブラッド・ピットや人気トーク番組で有名なオプラ・ウィンフリーらが製作を担当。史実を基に描かれる、激動の近代史に心動かされる。

(ストーリー)1965年3月7日、マーティン・ルーサー・キング・Jr.の呼び掛けにより集まった、黒人の有権者登録妨害に抗議するおよそ600名がアラバマ州セルマを出発。だが、デモ行進がいくらも進まないうちに、白人知事は警官隊を動員して彼らを暴力で制圧する。その映像が「血の日曜日」としてアメリカ中に流れたことにより抗議デモはさらに激しさを増し、やがて世界を動かすことになる。

2014年アメリカ・エヴァ・デュヴァネイ監督作品。出演・デヴィッド・オイェロウォ、オブラ・ウィンフリー、トム・ウィルキンソン、ティム・ロス
inシネマクレール

★★★★☆



「国際市場で逢いましょう」
韓国史というと、「事件」における多数の死者や政変における政治変転などが直ぐに思い浮かぶが、こういう形(サイドエピソードで繋ぐ形)で韓国史を表すやり方もあったのか、と思う。

1983年に、ヨンドでの大々的な離散家族再会番組があったとは知らなかった。あれもおそらく民主化の過程の中で起こったのだろう。

技術者の「後方支援」のために行ったドクスのベトナム出兵が、あれ程の戦乱に巻き込まれるのだから、日本政府のPKO法改悪がいかに好い加減なものかはわかろうものである。

最初から最後まで泣かせる映画に徹した。韓国映画の作り方は、いっそ清々しい。思い切り泣かせてもらってスッキリした感じ。

(解説)『TSUNAMI-ツナミ-』などのユン・ジェギュン監督がメガホンを取り、『傷だらけのふたり』などのファン・ジョンミンを主演に迎えた感動の家族史。朝鮮戦争や軍事政権、ベトナム戦争など動乱の時代を家族のためにささげた一人の男の足跡を活写する。主人公の妻を『ハーモニー 心をつなぐ歌』などのキム・ユンジンが演じ、『パパロッティ』などのオ・ダルスらベテランが脇を固める。時代の波に翻弄(ほんろう)されながらも、たくましく生きる人々の姿に泣き笑いする。

(ストーリー)朝鮮戦争中、父親と末の妹と生き別れたドクス(ファン・ジョンミン)は、母親と2人のきょうだいと一緒に避難民として釜山で暮らすことに。まだ幼いながらも家長として家族を守ることを心に誓った彼は、自分のことは後回しにしていつも必死に働いてきた。その後、西ドイツの炭鉱で働き、ベトナム戦争に従軍するなど、ドクスは何度も命の危険にさらされる。
inシネマクレール
2015年8月2日
★★★★☆



「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」
アニメはつまみ食いで見ていたのだが、原作自体が「細部のみに」にこだわる作り方をしているために、全体像がわからなかった。今回やっと全体像が見えた気がする。多分後編をみても感想は変わらないだろうと思うので今言っておくと、これは「井の中の蛙」の話である。



巨大な壁の内側の「人類」は、近代程度の文明を維持していると思えるが、都合よく彼らには飛行機を開発する能力は失われている。映画を見る限りでは、壁の内側には数万人は生存していたように思えるが、その「引きこもり」心理状態は不思議としか思えない。100年の間に、壁の外の世界を知る方法はいくらでもあったと思う。もちろん映画の中では、「外に出た人間は帰ってこない」という台詞もある。また、唯一の脅威である巨人は生殖能力はなく、不死身で尚且つ死ぬと消滅するという「都合のいい存在」でしか扱われていない。いかにして「壁の外=世界」の認識が不可能になるのかに、一生懸命知恵を絞っているかのようだ。そして敷島隊長の「壁の内で安住するのを家畜という。嫌なら跳べ!」という台詞によって、唯一「引きこもり」から外に出る道が示される。

「世界は残酷」。今の若者にとっては、物心ついた時から、超氷河期で、せっかく就職してもブラック企業に入ってうつ病になり、一生を壊される。生活保護を受ければパッシンクされる。どうしてそうなったかわからないままに「世界は残酷」な「状況」のみが襲いかかる。

だからこそ、若者に言いたい。やおら命を粗末にして「跳ぶ」前に、世界を知ろう。壁は実は無いんだよ。しっかり人間を信頼して見つめれば、世界は目の前にあるんだよ。しかし、その声はおそらくこの作品世界には届かないだろう。

(解説)
人間を捕食する巨人と人類との壮絶な戦いを描いた諫山創の人気コミックを基に、『巨神兵東京に現わる 劇場版』などの樋口真嗣が実写映画化したアクション大作。100年以上前に出現した巨人が巨大な壁をぶち破り、再び侵攻してきたことから、巨人対人類のバトルが繰り広げられる。エレンを『真夜中の五分前』などの三浦春馬が演じるほか、長谷川博己、水原希子、石原さとみ、國村隼といったキャスト陣が集結。原作にはないキャラクターも登場するなど劇場版ならではの展開や、巨人のビジュアルやすさまじいバトルの描きかたがすごい。

その日、人類は思い出した―。
百年以上前、突如現れた巨人たちに、人類の大半は喰われ、文明は崩壊した―。この巨人大戦を生き残った者たちは巨人の侵攻を防ぐため、巨大な壁を三重に築き、内側で生活圏を確保して平和を保っていた。だが百年、壁が壊されなかったといって、今日、壊されない保証はどこにもない―。
※PG12

監督 樋口真嗣
出演 三浦春馬、長谷川博己、水原希子、本郷奏多、三浦貴大
in movix倉敷
2015年8月6日
★★★☆☆



「日本のいちばん長い日」
半藤一利氏のノンフィクション原作が元。1945年4月の鈴木貫太郎の首相就任、阿南惟幾の陸軍大臣就任が、昭和天皇の強い要望で実現出来たところから始まり、8月14日深夜に起きた畑中陸軍少佐や近衛師団のミニクーデターで幕を閉じる。

昭和天皇、鈴木、阿南の「連携」による「聖断」、戦争終結は確かに彼らの謀(はかりごと)だったのかもしれない。戦争の始まりは、昭和天皇が口を挟む余裕は無かったのかもしれない。しかし、それで昭和天皇の「戦争責任」を免罪にすることは絶対に出来ない。

原田「いちばん長い日」は、終戦の詔勅の「時運の趣く所、耐え難きを堪え忍び難きを忍び」の表現は、最初は「義命の存する所、耐え難き」だったのを、「国民にはむつかしすぎる」と削られた経緯を重視する。ただ仕方なく終戦したのではない。自覚的に終戦したのだ、と原田監督は暗に主張する。

過去を正しく知ることは重要である。「時運の趣く所」戦争出来る国に変えようとする「時運」がある現在は特に、である。たとえむつかしすぎるとも、である。

原田監督は、今回もそれぞれの登場人物に字幕をつけて紹介しなかった。結果、観客にはむつかしすぎるかもしれない。しかし、これを元に議論を始めてもいい。右翼云々、左翼云々の映画ではない。ことは確かだ。

(解説)
半藤一利のノンフィクションを基にした群像歴史ドラマ大作。太平洋戦争での日本の降伏決定から、それを国民に伝えた玉音放送が敢行されるまでの裏側を見つめていく。メガホンを取るのは、『クライマーズ・ハイ』『わが母の記』などの原田眞人。キャストには『わが母の記』などの役所広司、『おくりびと』などの本木雅弘、『ツナグ』などの松坂桃李ら実力派が集結し、昭和天皇や阿南惟幾陸相をはじめとする実在の人物を熱演する。身をていして現在の平和の礎を築いた人々の思いに引き込まれる。

(ストーリー)1945年7月。太平洋戦争での戦況が悪化する日本に対して、連合軍はポツダム宣言の受託を迫る。連日にわたって、降伏するか本土決戦に突き進むかを議論する閣議が開かれるが結論を一本化できずにいた。やがて広島、長崎に原爆が投下され、日本を取り巻く状況はさらに悪くなっていく。全国民一斉玉砕という案も取り沙汰される中、阿南惟幾陸軍大臣(役所広司)は決断に悩み、天皇陛下(本木雅弘)は国民を案じていた。そのころ、畑中健二少佐(松坂桃李)ら若手将校たちは終戦に反対するクーデターを画策していた。

スタッフ
監督・脚本: 原田眞人
原作: 半藤一利
キャスト
役所広司、本木雅弘、松坂桃李、堤真一、山崎努
2015年8月9日
イオンシネマ岡山
★★★★☆



「王様と私」(新午前10時からの映画祭)
初めて観た。名曲「シャルウィダンス」がなかなか登場せず、最後の方で登場して盛り上がったところで、突然終わったことにビックリした。しかも王様はほとんど歌わなかった。当然これは前振りで、クライマックスにおいて、ホントの「シャルウイダンス」が歌われるのかと思いきや、なんとも急転直下意外な結末。どうしてこれが名曲・名作に数えられたのかわからない。

劇中劇の翻案「アンクルトムの小屋」は素晴らしかった。中国京劇の外連味と、仏教美術と、南国シャムの民族と、奴隷制を批判する西洋文明の見事な融合である。

そして、この作品自体が、その見事な融合だった。(1956年アメリカ作品)

(解説)
「回転木馬」に次ぐロジャース=ハマーステインのミュージカルでシネマスコープ55の第2回作品。製作は「あの日あのとき」のチャールズ・ブラケット。マーガレット・ランドンのベスト・セラー伝記“アンナとシャム王”を「重役室」のアーネスト・リーマンが脚色、監督は「ショウほど素敵な商売はない」のウォルター・ラング。戦後公開の「アンナとシャム王」は同一テーマによる劇映画である。主演は「誇りと冒涜」のデボラ・カー、舞台で同役を演じたユル・ブリンナー。他に「スカートをはいた中尉さん」のリタ・モレノ、ロンドン生まれの舞台俳優マーティン・ベンソン、「愛情物語」の子役レックス・トンプソンなど。音楽監修と指揮はアルフレッド・ニューマン、撮影監督はレオン・シャムロイ。バレー振り付けは舞台同様ジェローム・ロビンスが当たる。

(ストーリー)
1862年、アンナ夫人(デボラ・カー)は息子ルイズ(レックス・トンプソン)を連れてシャム王(ユル・ブリンナー)の王子や王女らの教師としてイギリスからシャムに渡る。バンコックでは首相のクララホーム(マーティン・ベンソン)の出迎え。アンナは王が宿舎提供の約束を忘れていることを知り、直談判しようとする。王はビルマ大公の貢物、美姫タプティム(リタ・モレノ)を受け取ったところ。早々アンナを後宮へ伴い正妃ティアンを始め数多くの王子、王女らを引合わせる。アンナは王の子女の教育についてティアン妃の援助を受けることになり、タプティムは妃達に英語を教えることになる。アンナはタプティムの恋人がビルマから彼女を連れてきた使者ラン・タと知り、何とか心遣いをしてやった。アンナは王子、王女らの教育で“家”という言葉を教え、宿舎の提供を怠った王の耳に入れようとする。次代の王、チュラロンコーン王子は、シャムは円い地球上の小国と言い出し、驚いた王は授業参観に赴くが、却ってタプティムの朗読する“トムおじの小屋”に感激。だが首相は王の頭を混乱させるとアンナを避難する。ある日、自分が英人から野蛮人と考えられていると知った王は、保護国の資格を失うと考え、近く国情調査にくる英特有のもてなしをアンナに一任。やがて特使ジョン・ヘイ卿の歓迎晩餐会は、ヨーロッパ風の豪華なもの。宴は成功裡に終ったが、タプティムは恋人と駈落ちする。捕らえられた彼女のアンナのとりなしで笞刑を逃れるがラン・タは殺害。愛想をつかして故国へ戻ろうとするアンナとルイズ。だが船が出帆する日、王は心臓発作で倒れる。アンナは教え子の願いでシャムに留まることになり、王は宿舎新築を約束して息を引き取る。
in TOHOシネマズ岡南
2015年8月16日
★★★☆☆





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最終更新日  2015年09月12日 11時55分07秒
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