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2017年01月10日
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カテゴリ: 台湾2015

もう朝飯で、食べるべきものは終わった。早々に帰って早く鳥山頭に行くべきだ。しかし、ふとこの時間帯の街が見たくて、駅まで歩き出す。


台湾の街は、至る所に廟があり、そこが地域の広場になっているのが多いと思う。そういうところには、たいていガジュマルの大木もあるのである。


わたしの感覚で普通に入った路地がちゃんと歴史道だった。永福路の道を歩いて行く。


こんな飾りつけをしているので、寄って見ると


こんな風に作っていた。まさしく庶民の飾りである、


これは単に消防線が面白かったので、写してみました。


アート村ではなくて、この家一軒だけを飾り描いている。こんな家がわりと多い。ここは玄関のところは子供の落書きにしている。日本ならば勇気ある飾りつけだけど、台湾ならばどうなのか。


日本風の家屋。


永福里芸文康楽センターと書いている。どんなところかな。ちょっと入ってみる。


地域の公民館みたいなところだった。二階では、歌の練習をしていた。


あまり散歩に精を出すと、目的地に行けなくなるのでバスを待っていたら、尿意を催してきた。昨晩写真撮影だけをした国立台湾博物館に入った。


これは中の景色。元の構造を残しながら、全く違った建物になっているようだ。


序でに特別展を見てみた。これが思いのほか、良かった。台湾の人たちが、韓国と比べるとどうしてここまで好意的なのかを、わたしはとりあえず国民党政府の弾圧がひどかったので、日本のそれが薄まったのだ、という仮説を立てていた。どうもそれだけではないらしい、と最近思い出した。

文学史は、言わば「心の歴史」である。よって、思想史(私の大学時代の専攻は日本思想史だった)を扱う者は時々文学も対象に入れる。この展示の趣旨は、「展覧会の総説」に書いてあった。その一部を抜き出す。
一、「見てみる」では、両国は当初お互いのことを理解し合っていなかったが、どのようにお互いを認め合い、関係を築き上げていったか。
ニ、「考えてみる」では、台湾人と日本人が触れ合う際に起きた衝突や競争、そしてお互い高め合うようになるまでの変遷を見てみよう。
三、「恋して見る」では、庶民生活の文化の軌跡をたどることで、両国の日常生活での触れ合いや気持ちが溶け合う情景、ないし近年の日本ブームや台湾ブームを見てゆく。

主に最初の切り口の日本文解説のみを写真にとっている。それでも全ての展示を網羅するのは無理だ。
私が少し琴線に触れた解説のみを紹介する。


最初に一、「見てみる」より。


日本人が台湾人を皮肉るように、台湾人も陰では日本人を皮肉っていたのだという「当たり前」のことに気がつく。台湾人はゆっくり歩くが、日本人はせかせか歩く。台湾人は車に乗るが、日本人は箒のような人力車に乗る。なかなか面白い。


一方では、日本人の「仕事の勤労ぶりや、礼儀正しさ」は評価されたらしい。


戦後においても、政府の教育があったにもかかわらず、日本人の良い部分と悪い部分が残っていたのは、興味深い所ではある。


ここからはニ、「考えてみる」。 基礎知識であるが、日本の台湾統治は日清戦争後の下関条約(1895年)より始まった。


それから20年後、台湾知識人は次第と民族的な「独立意識」を涵養してゆく。「台湾文化協会」の成立大会に、自由党の板垣退助が出席したということにびっくりする。その場所は、当時は台湾の首都だった台南であり、 台南駅の二階「台湾鉄道ホテル」 というのである。


1920年代から40年代にかけて、台湾でもプロレタリア運動が起こったらしい。ここで書かれている「糞リアリズム」とは、「この軟弱もの」という意味か、「資本主義の手先」という意味か、そのどちらもか。


1937年から1960年まで、日本統治下の日中戦争勃発から国民政府時代まで。まさに「幻の共栄、転回する台湾」である。


1945年の終戦から、1947年のニ•ニ八事件。邱永漢が、ニ•ニ八事件で亡命した人間とは、知らなかった。


三、「恋する」
台湾人には、「気がつかないうちに植え付けられた日本の生活習慣がある。」ことを時に自覚する。
それも、現代の日本ブームを生む原因になっているのかもしれない。




司馬遼太郎の「台湾紀行」は、「1990年代の台湾を観察し、史料の収集を通して、歴史の転換における台湾人の切なさと苦悶を描き、日本人が台湾を理解する際の初歩的な著書となっている」と評価されていた。また、昨年刊行されたばかりの 「美麗島紀行」 が展示されていたのにもびっくりした。


日本マニアはこんな風にいうのだそうだ。これは「おたく」と訳していいのだろうか。


台湾で生まれた日本人は「湾生」と言われているらしい。 一青妙さんの「私の箱子」 は、湾生と言っても戦後生まれなのだけど、キチンと台湾語訳して展示されていた。

台湾人たちの日本人観は、「憎しみながら愛する」というような激しいものではなく、かなり静かな関係だった。最終的には、一つ一つの作品を見て行かないとわからないと思うが、ちゃんと冷静に批判もするし、評価もしていることがわかって大きな収穫だった。





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最終更新日  2017年01月10日 13時55分13秒
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