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2017年11月29日
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テーマ: 本日の1冊(3693)
カテゴリ: 水滸伝



「岳飛伝13」北方謙三 集英社文庫


「一度だけ、申し上げておきます、総帥。大きな戦いの前ですし」
戦死するかもしれないので、言っておくということだった。秦容は、黙って次の言葉を待った。
「俺はここへ来て、よかったよかったと思っています。できるだけ、心を動かすまいとしてきましたが、人が生産をして生きていくことが、これほど素晴らしいと、ここへ来なければわからなかったでしょう」
恒翔が、ちょっと笑顔を見せ、腰を上げた。
秦容も、立ちあがった。
「礼を言う、恒翔。この地で、森を拓き、土を耕しながら、自分はここでなにをしているのだ、と何度も考えた。これでよかったのかと。いま、おまえはこれでよかった、と言ってくれたような気がする」(227p)


戦いが少なくなって、面白く無くなった。と感じている読者は多いと思う。けれども、町つくり、国つくりを戦いだとするならば、岳飛伝は、大きな戦いの連続であり、間違いなく岳飛ではなく、秦容がこの作品の主人公だった。楊令が始めた国つくりを、長いことかけて、梁山泊の若者や岳飛たちが、反芻して作り上げていった。岳飛伝とは、そういう物語である。




大きな戦いの前に、この大河物語のテーマがさりげなく示される。


2017年11月読了





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最終更新日  2017年11月29日 11時39分30秒
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