再出発日記

再出発日記

PR

フリーページ

お気に入りブログ

源氏物語〔7帖紅葉賀… New! Photo USMさん

ホキ美術館(千葉県… New! 七詩さん

図書館予約の軌跡415 New! Mドングリさん

徘徊日記 2024年9月… New! シマクマ君さん

秋夕(旧盆)の連休 … New! はんらさん

カレンダー

2018年10月22日
XML
カテゴリ: 考古学

秋日和に恵まれた10月21日、最近散策コースが新設された秦の郷古墳群巡りを友人2人と共に歩いた。10時から始めて3時までの約2万歩。いい運動でした。

サントピア岡山総社に車を停めて、先ずは一丁ぐろ(土編に丸)古墳群を目指す。これは秦の歴史の表。これを見て目標としていた一丁ぐろよりも古い古墳・茶臼嶽古墳があるのに気が付き、急きょ、そこにも行くことにした。3世紀末なので、ほとんど弥生時代じゃないか!!



7~11号墳の存在に興奮する。このように山の稜線に沿って連続的に墳丘を築くやり方は、朝鮮半島の有名な古墳群に多い。

特にこの地域は、高梁川を見下ろす位置に築かれていて、川の運行を管理する人たちの力を背景に築かれた可能性があるだろう。

一丁ぐろ古墳群の1号墳も最近発掘されて、大きなニュースになったのだが、実はそれよりも古い古墳時代最初期の古墳が古墳群の最奥部、金刀比羅神社裏に最近発見されていた。

茶臼嶽古墳である。前方後方墳。全長約65m。一丁ぐろと並んで、県南最大級の前方後方墳であるだけでなく、古墳時代前期でいえば、前方後方墳として中四国最大級の古墳である。これは後方部から前方部を眺めた処。埴輪片は一切出土せずに、土器片から3世紀後半と比定された。つまり、築造時期は、卑弥呼死亡の頃、ということになる。古墳の規模から推測すれば、卑弥呼の館が何処にあったにせよ、秦盟主の存在は、彼女の意識に登っていた可能性が高いだろう。弥生時代最大の墳丘墓である楯築からおよそ100年後の墓である。其の間に「倭国統一」の大事業があったと私は見ている。この盟主はその一部始終を見ていた可能性が高い。

おそらく、秦王国があるとすれば、他の古墳群から隔絶して築かれたこの茶臼嶽がその最初の大王になる。そういう位置づけも、朝鮮半島の古墳群と似ている。竪穴式の石棺はどうやら盗掘されて壊されていたようだ。

ここからは高梁川がよく見える。

アケビが近くの獣(イノシシ?)によって綺麗に食されていた。

そのあと、古墳群最大の一丁ぐろ古墳1号墳にたどり着く。三つの方墳を側に従えて、茶臼嶽よりも少し大きく、全長70mを数える前方後方墳である。埴輪片から4世紀初頭と比定。

丸い川原石の葺石がまだ多く残っていた。

説明書も目新しい。

後方部から前方部を見た処。段差が激しい。初期古墳の特徴である。秦の郷案内図によると、この古墳群30数基は未盗掘である。という。ホントにそうだとしたら、4世紀吉備ひいては日本史解明のための決定打になるかもしれない。案内図は「発掘調査こそ、市政の重要課題だ」と総社市を焚きつけている。思った以上に案内図やガイドマップを大量作成している処を見ると、可能性がなきにしもあらずかな。

ここからも、高梁川と秦地区が綺麗に見える。一等地に作られている。

風水古墳。説明が一切無いので、時代も形状も不明。どうして風水なのか。

友人作成の弁当をいただく。午前中で回れると思っていた私目論見は完全に外れて、まだ半分も歩けていない。

山を下りて郷の近くの小山の上にある金子石塔塚古墳を訪ねる。

説明板。須恵器、馬具、武器、金銅製の亀甲文板片が副葬してあることから、地位の高いこの辺りの盟主の墓だろうと思われる。

6世紀後半の典型的な横穴古墳であるが、玄室と石棺の残りがとっても良い。石棺は、井原市波形で産出する貝殻石灰岩。石棺としては、こうもり塚、江崎古墳と材質が似ているらしく、同盟関係にあったのでは、とのこと。

1番びっくりしたのは、奥の一枚岩。一枚も珍しいが、ほとんど平の凄い加工技術、或いは逸品である。ここまで凄いのがあるとは思わなかった。

石棺を山の上に運ぶのはいったいどうしたのか、どのくらいの人数が要ったのか話題になった。わかるのは、井原市から船で運び、この入り江に付けただろうということだ。金子池は、人口河道らしい。秦氏の技術である。中央の山の頂に古墳がある。

秦氏の氏神社と言われる八幡神社に参る。

中四国最古の寺院跡と言われる秦原廃寺の礎石を鳥居の礎石に転用しているらしい。また、この近くにあるはずの茶臼山古墳は遂に見つけることができなかった。また、帰りの途中にある大ぐろ古墳(同じ地域時代にあって、こちらは前方後円墳)も見つけることができなかった。また、そのすぐ近くの上沼古墳からは、卑弥呼の鏡と言われる三角縁神獣鏡が出土しているという。この秦の郷は、この10年で発掘調査され、この数年で案内図が作られた、とっても新しい古代ロマンの地である。観光にお勧めする。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2018年10月22日 07時24分12秒
コメントを書く
[考古学] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

ヒフミヨは天岩戸の祝詞かな@ 自然数の本性1・2・3・4次元で計算できる) ≪…三角野郎…≫は、自然数を創る・・・  …
永田誠@ Re:アーカイブス加藤周一の映像 1(02/13) いまはデイリーモーションに移りました。 …
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
生まれる前@ Re:バージンブルース(11/04) いい風景です。 万引きで逃げ回るなんて…
aki@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) 日本有事と急がれる改憲、大変恐縮とは存…
北村隆志@ Re:書評 加藤周一の「雑種文化」(01/18) 初めまして。加藤周一HPのリンクからお邪…
ななし@ Re:「消されたマンガ」表現の自由とは(04/30) 2012年に発表された『未病』は?
ポンボ @ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) お元気ですか? 心配致しております。 お…
むちゃばあ@ Re:そのとき 小森香子詩選集(08/11) はじめまして むちゃばあと申します 昨日…

バックナンバー

・2024年09月
・2024年08月
・2024年07月
・2024年06月
・2024年05月
・2024年04月
・2024年03月
・2024年02月

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: