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2020年02月01日
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「ラストレター」岩井俊二 文春文庫

本が先か、映画が先か。という議論があって、普通は、どちらでも良い、というのが結論なのだけれども、この文庫本に関して言えば、映画を先に観るべきだ、或いは小説を読んで忘れかけた頃に映画を観るべきだ、というのが私の偽らざる感想です。何故ならば、小説を脱稿しておそらく一年有余、脚本化に当たって大きな変更があったからで、小説を先に見ていたらそれが気になって鑑賞に集中できなくなるのが目に見えていたからです。私はラッキーだった。映画を観た翌日に、コレを紐解き、そして一気読みしました。

映画を先に観て良かった。登場人物は既に、松たか子、広瀬すず、庵野秀明、森七菜、豊川悦司、中山美穂、神木隆之介、福山雅治以外の風貌と「声」以外では脳内変換出来なくなっています。ある程度は書いて良いのかもしれないけど、あえて粗筋紹介は省略します。ただ、何度も写された映画のCM映像は、わざとミスリードする様に作られているということは言っておきたいです。仙台の雨に濡れた遠野家、透明な少女たちの佇まいは、映画ならではでした。こっちは、単なるノベライズではありません。独立した小説でした。「ラストレター」の意味は、映画と小説では違います。

映画を観て違和感を覚えた方に言っておきたい。昭子祖母の老いらくの恋の経過があまりにも急展開だったのは、映画マジック。小説では、ちゃんと当たり前の時間が流れていました。

松たか子も、広瀬すずも、庵野秀明も、森七菜も、豊川悦司も、中山美穂も、神木隆之介も良かったのだけど、唯一福山雅治が2回「真相を知る場面」があって、その演技に納得がいかなかったのが、私がこの本を紐解いた動機です。結果は、小説でも描写できていませんでした。けれども、ストーリー全体を見渡した時に、私は福山のあの演技は未だ不十分と思っています。

男には、人生を左右するような「失恋」というものが、一回はあって、それを美しく描いた作品だったと思います。

「岩井俊二ほどロマンチックな作家を僕は知らない」と新海誠に言わせたのは、「君の名は。」でキュンキュンさせた世代が女性として成長した今、大人の女性としてキュンキュンさせたいと映画製作者側が考えたからに違いない、と私は踏んでいます。その狙いは、どうだったか。むしろ、小説の方が、あらゆる世代の女性(男性も)をキュンキュンさせるに違いないと、私は思います。





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最終更新日  2020年02月01日 17時44分56秒 コメントを書く
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