再出発日記

再出発日記

PR

フリーページ

お気に入りブログ

「枕草子」を読んで… New! 七詩さん

暴炎注意報 New! はんらさん

ほんま?! New! ポンボさん

源氏物語〔2帖帚木 … New! Photo USMさん

内田先生かく語りき(… New! Mドングリさん

カレンダー

2021年10月02日
XML
テーマ: 本日の1冊(3684)


「図書2021年10月号」

今回は面白い記事が多かった。面白い順に述べる。

・「気温0.5度の差が歴史を変えるー気候復元でみえてきた」川幡穂高(古気候学)
海水温の正確な復元から、過去27000年間の正確な気温・水温が復元できるようになったという。すると、驚いたことに、大寒冷期が、社会の大枠が転換する節目に対応することが見出された、という。土器の発明、三内丸山遺跡の誕生と衰退、弥生人の渡来、倭国大乱、武家の台頭、幕末の準備。この文章では、縄文文化の説明が多く、弥生末期の説明がなかった。非常に興味深い。関連書類を探したい。

・「人間らしさ」畑中章宏(民俗学)
「人間らしさ」という言葉は、「人間らしさ」が失われようとするときに、あるいは損なわれるような事態に陥ったときに口にされる。
ここでは、ハンナ・アーレント「人間の条件」と日本における鬼の研究書「鬼と日本人」「鬼の研究」とマンガ「鬼滅の刃」について考察されていた。キリスト教世界において「人間らしさ」を担保するのは「神」であるが、日本において「神」はいなくて「先祖」や「世間」がそれにあたる。だとしたら日本人は「神」に許されるのではなく「鬼らしさ」に陥らない民俗的な社会を生きてきたのかもしれない。

・「山桜の花のかげで」長谷川櫂(俳人)
ずっと文学的視点から社会に物申してきた長谷川さんの連載もコレで終わり。最後は自分の死をかなり意識して終えた(既に一度癌が転移している)。でも、芭蕉は最晩年に掴んだ「かるみ」への失望、さらには最後の弟子への失望のなかで「旅に病んで夢は枯野を駆けめぐる」となったのかもしれない、と書いている。失望の中で、死を迎える。死を前にしてそういうことを書けること自体が、一つの高みに立つということだと思う。

・「親父の枕元」原田宗典(作家)
原田マハの兄貴のエッセイである。大学で上京する時、新幹線のホームで親父からもらった餞別の小箱と手紙には、コンドームと励ましと戒めの言葉が書かれていたという。ホームというからには岡山駅に違いない。あの時代、父親がホームまで見送りに来る?しかも、この父親は原田マハ小学生の時に大原美術館で絵の見方を教えた人だ。凄いと思う。原田宗典の文章を初めて読んだ。必要な時期(死後5年)に、必要なことを書く人だと思った。

・「岩波講座世界歴史刊行記念、人物から見た世界歴史(1)ヴァルター・ベンヤミン」小川幸司(世界史教育)

・「漢字の動物園in広辞苑(1)」円満宇二郎





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021年10月02日 13時40分04秒
コメントを書く
[読書(ノンフィクション12~)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

永田誠@ Re:アーカイブス加藤周一の映像 1(02/13) いまはデイリーモーションに移りました。 …
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
韓国好き@ Re:幽霊が見えたら教えてください 韓旅9-2 ソウル(11/14) 死体置き場にライトを当てたら声が聞こえ…
生まれる前@ Re:バージンブルース(11/04) いい風景です。 万引きで逃げ回るなんて…
aki@ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) 日本有事と急がれる改憲、大変恐縮とは存…
北村隆志@ Re:書評 加藤周一の「雑種文化」(01/18) 初めまして。加藤周一HPのリンクからお邪…
ななし@ Re:「消されたマンガ」表現の自由とは(04/30) 2012年に発表された『未病』は?
ポンボ @ Re:書評「図書館の魔女(4)」(02/26) お元気ですか? 心配致しております。 お…
むちゃばあ@ Re:そのとき 小森香子詩選集(08/11) はじめまして むちゃばあと申します 昨日…
KUMA0504 @ Re[1]:書評「どっちがどっち まぎらわしい生きものたち」(02/26) はんらさんへ 今気がつきました。ごめんな…

バックナンバー

・2024年06月
・2024年05月
・2024年04月
・2024年03月
・2024年02月
・2024年01月
・2023年12月
・2023年11月

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: