全6件 (6件中 1-6件目)
1

◆タイトルの【ナルダン88番 ジャンクなギターの再生】は、既にリペアが完了してるピックギターです◆初対面の印象は、この状態で無事にルームK2に辿り着きましたね!もう大丈夫ですよ! とにかく、痛々しい程の状態で、このギターの価値が判らない家族が居たら、焼却 処分されても不思議では無い程でした。●上から ペグ壊れてる フレットが1世代前のタイプ【割りばしと呼んでます】 ピクガード無し ブリッジ無し テールピース付根のボディが盛り上って割れてる トップ、サイド、バック に計7か所の割れ 塗装は貫禄を通り越して綺麗とは言えない ブレーシング割れ剥がれ放題 その他 とにかく、酷い状態でした。Eメールの送れない携帯に画像が残ってましたのでアップしました最終フレットとその手前のフレットは抜かれて有りませんでした・・・実はリペア前と進行中の画像を飛ばしてしまいまして◆完了後の画像をご覧下さい。これなら捨てられる事は絶対無いでしょう! ちみちみ写真写り良すぎるかも?ピックガードの形状は、ルームK2 の想像で作成して見ました。同時進行でシェラック塗装をしてるギターが有りましたので、12回塗りで仕上げて見ました。バックはタイガーストライプが出てます。勿論、天然の虎ちゃんです。Fホールの左上から伸びてる黒い線が、見事なクラック跡です。完全に修復して有ります。この年代のギターのポジションマークは、3 5 7 10 12 15 です。10のマークはこの年代をご存じのかたでしたら、そうなんだよね!紛らわしいんだよね!ですギターオーナー様のご希望で、10Fから9Fの方へ引っ越しして貰いました。ついでに、指板にはポジションマークが無いので、入れて欲しいとのご要望で白貝で入れて見ました。◆ピックギターはサウンドホールの代わりに、Fホールが有るのですが、手はおろか 専用工具も入りませんので、バックを外してからリペアの開始でした。 *全ての割れ箇所にエゾ松の突板で補強 手が届けば簡単な工程です *ブレーシングは全て貼り直し 手が届けば簡単な工程です *テールピース取付位置 割れたトップはスチーム当てながら、元の位置まで戻して、ローズウッドで補強 トップの割れは、テールピースが弦で引っ張られて発生したものです。 このお陰でネックの曲りが殆ど認められなかった様です *ナルダンNo88は全てソリッドが使われてます。オール単板ってやつですが、 ピックギターは、トップ&バックは削り出しが最も良いとされてまして、 通常のアコギほどは有難味が軽いと思います。 *塗装の処理は暫く迷ってたのですが、セミプロベーシストの我が娘に意見を求めた所、 【貫禄通り越して 汚いって言うと思うよ】の一言で、オーナー様も納得されて、 全て剥がして、マホカラーのオイルフィニッシュで、最後は蜜蝋ワックス仕上げに 決まり、画像の通りの仕上がりとなりました。 時間が経ちますとオイルフィニッシュは馴染んできて、素晴らしい味が出てくるから 好きです。 *ペグはこのギターに期待してませんから、キクタニ で取敢えずOKでした。 *ブリッジの製作 K2では最近導入した工作機械のお陰で、早く正確に製作する事が出来ました、 材質はエボニーです。 ボディ接地面のRの型取り方法は、申し訳有りません 企業秘密で公開は ご容赦下さい。 *フレット擦り合わせ このフレットの印象は、割りばし見たいなフレットです。【戦前のギターに採用されてたらしいです】 極太ネックに全くRの付いていないフレット、このままでは 弾きにくいこと極まり無し で、フレットを標準的な高さに擦り合わせ 極太ネック・・・最も細い 1フレットにSHUBBのカポタストが付けられません 想像を超えた極太ぷりですが、弾いてると不思議に直ぐに慣れてしまいます。 ◆弦の選択 ダダリオを張って見たら、・・・テールピースからペグまで届きません、3G~ 6Eの巻弦は、巻いてある所がペグに掛かりません! それで、ジャズギター用の特殊な弦を張って見ました。◆試奏した感想 通常のピックギターは、なんとも言えないチープな味とでも言うのでしょうか? とにかくチープな音がする事が多いのですが、チューニングしてる時に、結構 いい音してるんじゃねえ?って感じてました。◆オーナー様の試奏 ・・・絶句!ここまで綺麗に成るとは予想してませんでした。 直ぐに、ペグをグローバーに変えて下さい でした。 念のため、決してチューニングが合わないって意味では有りません 安いのに普通に使えるペグとして重宝してます。 それだけ気に入って頂いたって瞬時に理解しました。🌸〆にもう一枚 🌸たいへんよくできました🌸1950年代半~60年頃に製造されたらしい国産オール単板のアーチトップ・ギターです。製造元のNardan/鳴弾)は、第二次大戦後のシベリア抑留から帰還した岩田初由氏によって1948年に名古屋で創業され、1970年頃まで/国内及び海外のギター愛好家にも支持された国産ギター・ブランドです。(現在のナルダン楽器は大正琴の専門メーカーです)★当時のナルダン・ギターのラベルは大きく分けて2種類のデザインがあり、ひとつは当該ギターの様に銀色の地に黒い文字が印刷されたもと、白地に銅版画風のイラストが描かれたタイプが有った様です。イラストが描かれているタイプのラベルは、何故かブランド名が「Nardan」ではなく「Nardau」と表示されています。詳細な理由は残念ながら資料が無く、現在となっては正確な理由は不明です。想像のはんいですが、輸出する際に商標権の問題が生じたため、輸出用のギターに限り表記を変更したのではないかと推測しております。アメリカ中古市場のナルダンの多くは「Nardau」表記が多いらしいです
2016年07月18日
コメント(0)

◆ルームK2のブログに来訪されるゲストの方で、【アオキギタークラフト】さんってブランド ご存じですか? もし、ご存じ無い方で、孫子の代まで付き合あえる!ってギターをお探しの方が いらっしゃっいましたら、選択する仲間に入れた方が後々後悔しなくて済むと 思います。※ご注意 アコギのリペア&セッテングが不要な個体は存在しないと考えてます。 僅か数ミリの薄板に削り出した丈夫なネックを貼り付け、簡単なブレーシング のみで、頑丈なフレームも無い木工製品が、何十年も同じ状態を保てる 方が異常では無いでしょうか? 弦の張力は約60kgと言われてますが、丁度私の体重が60kgです。 アコギのボディに私が24時間ずっとぶら下がってる事を想像すれば 弾いた後は弦を緩める方が良い が我がK2の見解ですし、リペアさせて 頂いたクライアント様には、必ず緩める様にお願いしてます。 ◆上記【垂涎の的】のギターリペアのご用命を頂いたのは、S様です。 先日、リペアをさせて頂いた、I様のご友人で、数年前にライブで ご一緒させて頂いた事が事が有り、素晴らしい歌声とギターに魅了された 事は、今も耳から抜けてません。 立場上沢山のギターに触れて来ましたが、驚いた おったまげた~ ギターは、I氏の愛器D45V、J45ニカワ、メリルギター、フォルヒギター の数台しか有りませんでしたが、今回のアオキギタークラフト製のギター には、驚いたなんて日本語は相応しく無く、やっぱり、おったまげた~ です。◆前置きが長く成りましたが、それ程素晴らしいギターって事なのです。 柾目のソリッド・ブラジリアンローズウッドのバック&サイドですから驚きです。 音量もドレッドノートと変わりません!●ダイナミックな木目のブラジリアンローズウッドを崇拝される方が多いですが、実はあの木材は アメリカメーカーでは使わない材として輸入された、廃材と言うと言い過ぎかも知れませんが そんな感じの材らしいです。その材を日本人の技術力でギター材とし使われた訳です。 ローズウッドの薄板を扱ってますと、使う木目方向を間違えますと裂けてしまいます。 ウェストーンW80は割れ止めが有りながらブラジリアンローズウッドの薄板2枚合わせなのは ダイナミックな木目は裂けてしまうからだと思います。●S様とリペア打合せ事項 1】全体的に弦高が高いので弾き易い高さに調整する 2】サドルをエボニー&ボーン で製作する 3】1Eのローポジションで弾くと少しビビる感じがする 5】全体的なセッテング、音色は変化させない ●簡易的な見立て 1】6E 12Fで4ミリを少し超えてますので、確かに高いのですが、 高さ応分の弾きにくさは感じないのが不思議です。 最も良いとされる高さに戻しますと弾き易く音色にも良い変化が現れる と思います。 2】当初は、本象牙でと打合せしてましたが、これ以上鳴ると収拾付かない 可能性が有りますので、現状のボーンとエボニーで製作と成りました 3】精密な調査では無いのですが、1Eのローフレットを弾くと、2Bが共鳴 して発生してる様に見立てました。 弾いてますとボディからの振動が、脂肪でプロテクトされた私の腹に響いて 来ますので、特定の振動数が2Bの開放弦を揺らして、と同時に、消耗品で有る サドルが起因してる様に見立てました。 5】兎に角凄いギターですから、奏でたい音をストレス無く出る様にお手伝いする! に尽きます。◆リペアの前にする事 弾き終わった後に弦を基本緩めない、ロッドは触って無い。との事でしたので いきなりロッド回しは禁じ手です。 木材の自己修正能力を見極めるために、数日間は弦を緩めた状態でネックが元の位置に どの位戻ろうとするか見極める必要が有ります。◆24時間経過観察 弦を完全に緩めた状態で測定しますと、5F~最終Fまでほぼ完全ストレート 5Fで ごく軽い逆ゾリです。 この状態は特に珍しくは有りません。この状態からレギュラーチュー二ングすると 弾き易いネックになる。つまり、逆ゾリを利用してストレートに持って行く調整です。 リペアルームK2でもこの様な調整に持って行くことは有ります。 チューニング中は1Eと2Bがビビりますが、チューニングが終わるとストレートに なるから心配有りません、と説明して送り出します。 でも・・・経験上この状態でチューニング完了後に、12Fが4ミリになるのが合点 が行きません。なんで? 明日の夜にチューニングして原因を突き止め無ければ先に進みませんが、疑わしい原因が、 ブリッジの剥がれです、チューニング後には予想を上回る程ボディから離れるのかも知れません。 専用のクランプをブリッジセンターに掛けて、浮き上がりを押さえて見れば簡単に判明しますので、 実際のリペア開始が楽しみです。◆リペア開始!の前に先ずは現状のデータ取からです 当初は4ミリ強の6E/12Fの弦高が、3.5ミリ程に下がり、 5Fから1Fの逆ゾリは解消しましたが、自然治癒力はこれで限界かと思われます。 ●弦高 12F 1F 6E 3.5 1.0マイナス 1E 3.0 0.5プラス●ネックデータ フレットスケール 1F~最終F シクネスゲージ .015 順ゾリ ネックの中央で測定した値 金属板がシクネスゲージ【隙間測定板】 ●ブリッジの一部剥がれは画像の通りです ブリッジセンター ブリッジ左角 サウンドホールから確認しましたところ、ブリッジが2本のボルトで止め補強されてます このまま、タイトボンド入れてクランプを掛けますと、補強ボルトが気になりますので クランプを掛ける際には、ボルトを軽く緩めてから掛ける様にします。 ●サドル&ブリッジの確認 サドルを外したところ、?マホガニーで0.5ミリ程度、スペーサーを交まして有り、 更に、3G~1Gにプラ板で更にスペーサーを交まして有りました。 サドルトップの【R】と指板のR405が微妙に合ってませんので、過去に 弦高を下げようとして削ったのは良いけど、下がり過ぎてビビリ発生!で この様な対応をされたのだと推測されます。 ※経験上、0.5ミリ程度のスペーサーで有れば音色が変わる程の影響は無いと考えてます。 貼り付けられてましたマホガニーを外しましたところ、サドルの下面が画像の様になってました、 サドルとブリッジの接点は【限りなく全面ベタ付き】で無いと振動が素直に伝わらず、今回の様に 1E~3Gがベタで付いてませんと、その部分の音が小さく感じたり、全体のバランスが悪く成った りしますので、加工調整する際には注意しないといけません。※F1のフロントノーズの様な感じです、この状態で凄い音色なのだから驚きです。◆ブリッジの張付け ●上の画像は、締付トルクを加えますと、ジワッとはみ出て来るタイトボンドを拭取る 前の画像です。●クランプの養生に使ってる物は、ルームK2の流用アイデア品です。この養生を使い始めて から、ボディ~ネック裏クランプを掛けて、キズ、陥没凹み等のトラブルは一切無く成り ました。コルクと違って使い捨てしないので余計な面倒も掛かりません。◆リペア完了しました 先ずは画像から ●画像の通り 6弦/12Fで【2.5ミリ】弱ととても弾き易い状態に成りました●1フレットは、理想的とされる、0.5ミリ弱に調整しました。 ピンクの物体は、0.5ミリ厚のプラスチック板です。●ナットの溝切が深く調整しました、完全に巻弦が溝に埋もれた状態でしたので、 巻弦の半分がナット溝から露出する、通常のナット調整に戻しておきました。●ナット&サドルの材質がオイル漬ボーンでした。●リペアさせて頂いたギターは、フレット&指板をクリーニングします。 フレットはマイクロファイン仕上げ、指板はオレンジオイルで手入れします。 指板が綺麗ですと、とても印象が変わります、ここはギターの顔と思います。●テールの小キズが目立たなくなりました。2枚目の画像と比較しますと判ると思います。●ルームK2の簡単テクニックを公開します。ギターの僅かな擦れキズは【蜜蝋ワックス】 を塗って拭取りますと、消える訳では無いのですが目立たなくなります。 【キズの深さによっては効果が無いケースも有ります、ご自身のギターに試す際には自己責任で、お願いします】●下地が出てしまうキズには、蜜蝋が染み込んで木部が湿度の影響を受け難く成ります。◆本日お届けさせて頂きました。 弾き易きなり、音色も更に良く鳴った との評価を頂きました。 リペア中に弦を何度も、緩める~外す~張る を繰返しましたので、弦が完全に行ってしまったので エリクサーに交換して数時間後から、ガラッと変わって来ました、エリクサーは数時間~数日経過する 良い変化をする事が有りますので不思議なストリングスです。 よく研究されて製作されたギターはやっぱり凄いです。 夜遅くまで、S様I様と3人でセッションで盛り上がったのは言うまでも有りません。 S様の歌声I様のギターテクには毎度ながら、圧倒されます。ギターリペアでは負けないのにのに・・・♦〆にもう一枚🌸たいへんよくできました🌸
2016年07月18日
コメント(0)

◆今回のご依頼品は、HN/薪拾いジジィ様の愛器、ウクレレのヤマハ90番です シリアルナンバーから、製作されたのは、昭和40年です。御年51歳です。 楽器の寿命は?と聞かれる事が有りますが、ギターを構成する木材が、木材 で有る事を止めた時と思います。 【木材を構成するセルロースが結合する事を止めてしまう】だったと思いますが 違ってたらごめんなさい です。 つまり、木材としての結合が殆ど無くなってしまい、ノックテストをしますと 反響しないポコポコとした音が出る様になります。そうなると、楽器としての 役割が終わって、たくさんの思い出の詰まったインテリアに生まれ変わるって 事だと思います。 バイオリンの世界では、50年何てのは新しい楽器の範疇なのだそうで、今回の ウクレレは、たったの51年ですから、まだまだ現役で頑張れるお年頃と思います。サウンドホールのラベルとヘッドの YAMAHA の赤文字がヤマハの歴史そのものの様に感じます。パッと見で、赤いトラクターのヤンマーと読み違えそうです。◆今回のリペアー内容は、ボディトップの完全に割れたクラックと、1弦ブリッジ際の今にもクラックが 入りそうな部分の補強と、ペグ交換【1対1は微妙なチューニングは辛いですから】 &全体のセッテングです。画像の上部の線が、完全に割れた部分です。この様な割れはソリッド材が使われてる証です。また、ブリッジ1弦側に弱い箇所が確認出来ました。・・・原因は恐らく多分で推定ですが、ウクレレ踏んじゃった!では無いでしょうか?構造上、普通に扱ってれば割れる可能性が最も低い箇所だと思うからです。また、フルアコの形状とは違い、ブリッジ付近が常に押さえ付けれてる構造では無いですから、踏んじゃったor立ち上がる時に偶然手の下に有ったので でパッキ!と思います。磯釣り師も兼ねてます私は、手入れ中にダイワのメガドライの穂先を折った時と同じくらいショックが有ったのだとお察し申し上げます。・・・うそでしょう?夢でしょう?穂先1万5千円は眩暈がしまいた。◆楽器リペアの必需品のミラー ギター用のミラーはサウンドホールから入りませんので、画像のミラーを 取敢えず作って見ました。小さな鏡って探すと案外売って無いのです。 目的は内部の確認ですから、この際出来栄えは無視する事にします。◆覗いて見ました。突板の右側面がクラックで、完全に割れてます。◆覗いて見ました、ありゃりゃ?ブリッジ裏にブレーシングが入って無いくて、突板の推定の厚み1ミリが補強板として張って有るだけです。普通は無いのかな?無くても良いのかな?で早速調査開始です。ウクレレの調整に詳しいショップ担当者様によりますと、ウクレレの内部構造は多種多様で、今回のタイプも特別な形状では無い様です。Xブレーシング、クラシックギター型、アコギのバック型、なんだこりゃ?タイプまで、製作された方の弛まぬ研究の結果で有ろうと思います。考えないといけません、最初から無いって事は、ブレーシングを入れると内部構造に手を加える事になり、当然音色にも影響してくるはずです。現在の音色は、現在の構造から発せられるものですから、ブレーシングを追加で入れた時の変化は、入れて見ないと判らない が正解です。吉と出れば良いのですが、外す事になった時は、必然的にバックを外す事になると思います。バック外しだけは避けたいので、変化を最小限にして補強する方法は、クラックのスタンダードなリペア方法の、クラック裏側にエゾ松の突板を張り、クラック面にタイトボンドを入れて補修が最善の方法と結論しました。クラック箇所がボディの際ですから、ボディのRに合わせて整形するのですが、いかんせん、中に手が入りませんので、上から型を取り、ライニングの寸法を考慮して整形して行きます。上から内部からを同時にしないとNGですから、硬化時間の稼げる膠を使う事にします。※トップクラックを先に補修すると段差が出来る恐れが有り、裏を先にすると クラックが開か無くなるので、タイトボンドが入れられないと成ります。◆クラック補修用の突板を切り出しは、とっても簡単な事に気が付くまでは 少し難儀しました、手が入らないし、見ようとすると合わせが出来無い、 合わせようとすると見えない・・・ トップ&バックは全く同じ形状なんだから、サウンドホールから見えるクラックの 真下部分で合わせりゃ良いんじゃない? とっても簡単な理屈に気が付かなかったのは、暑さのせいに決まってます。 で、ピッタリ切り出しました。◆次は正確に入れられるかテストを繰り返します◆次は、補強板の接着剤が硬化するまでの固定用クランプです。 ・・・手持ちの中のクランプが使える事が判って一安心しました! 合わなければ作るだけなので、心配する事で無いでしょう?って 声が聞こえそうです。確か使うのは2度目だった様な気がします。この画像はCクランプを当ててるだけでトルクは加えてません。◆トップのクラックでボディが僅かに開いて広がってますので、X型にクランプ を掛けて固定してます。◆反対側の完全に割れていない部分にも、補強の突板を入れて行きます。 手が入れば、数分のリペアもミラー見ながらなので、思いの他時間が掛かります。 画像の矢印が弱くなってる部分です。 ◆補強の突板を入れて行きます。手が入れば数分のリペアもミラー見ながらなので、 思いの他時間が掛かります。 補強の突板張が完了しました。◆ペグをグロバーに交換します。 既存のペグ穴径は。6ミリで、グロバーは9ミリなのでペグ穴を広げないと取付出来ません。 工具一式です*ペグ本体 *ブッシュ圧入クランプ *リーマー *面取り用ダイアモンドヤスリ *ドリル◆ペグ交換完了 画像下のタミヤチューブは、ミニ4駆用のFグリースです、グローバーと言えども金属カムが接地する部分には摩擦が起きますので、オープンタイプには画像のグリースを使ってます。ミニ4駆のシビアな調整に使われるだけ有って優れ物です。順正のビスは少し長いので、このまま使うと2&3弦ペグの上部分が盛り上る可能性が有りますので手持ちの少し短い物と交換して使用しました。ウクレレのヘッドは薄いので、1ミリ程短い物を付属した方が良いと感じました。◆リペア完了しました! 先ずは画像を並べて見ました。 キズを完全に消すには、塗装を全て剥がしてから、下地を完全に作り再塗装するしか有りません。 この方法を取りますと、51年の歴史が全て消え去ります。 キズはこのウクレレが歩んできた歴史その物ですが、木材白地むき出しですと宜しく有りませんので 全体をオイルフィニッシュを数回施してから、蜜蝋ワックスで仕上げました。 キズにはオイル分が染み込んで保護されてますので安心です。4弦の溝が余りに狭いので、ナットファイル0.28で広げました。◆全体のセッテング【魂入れ工程】! ●先ずは画像をご覧下さい オーナー様から、気になる程では無いけれども、微妙にオクターブが合わない感覚が有るとの事でした。 2台の同型チューナーで遊んでいる訳では有りません。 左側が【440HZ】設定で開放弦測定用で 右側が12フレットの音程チェック用です。 1台ですと、HZを上げたり下げたりで面倒なので、同型のチューナーを駆使して測定します。 アコギ用が使えないので、完全アナログ方式での計測です。 ●結果は微妙にズレてました、確かにフレット音痴までは行かないまでも、気にし出しますと 気になるかも知れないレベルです。 フレットを持つ弦楽器は、厳密に言いますと完璧に調律が合う事は有り得ません、フレットと言う 高さの有る障害物を押さえて音を出しますので、押さえた時にセンターの12Fがスケールの中央 から必ずズレるからです。特にウクレレはギターと違ってスケールが極端に短く、12Fの弦高は ギターをそれ程変わりませんので、ギターよりもオクターブを合わせるのはシビアな調整が必要 で有ると感じます。 人間の耳はある意味丁度良い加減に出来てまして、0.01HZの違いを聞き分ける出来る方は 滅多にいないと思います。これで大丈夫って感覚が有るから成り立ってると思います。! ●メモの上部分は、オクターブチェックのデータです●メモの下部分は、ネックにスケールを当てた時の、シクネスゲージのデータです。 ※シクネスゲージとは、簡単に言うと隙間測定プレートセットの事です。◆オクターブ調整は、12Fが高い=短いので、サドルの弦接点をブリッジ側に下げる事に よって、結果的に12F以降が長くなり、音程も下がると言う訳です。◆ネックの捻じれが有る様に感じるとの事でしたが、確かに超微妙にズレは認められますが 演奏に影響が出るレベルでは無いと思います。 測定データ上は、指板のセンターを基準に、2弦と3弦では、8フレットから11フレットに シクネスゲージが入る差異が有りますが、この数値は演奏に支障が出るレベルでは有りませんし、 少なくとも私は捻じれを全く感じませんでした。◆サドルが深い溝になってましたので、溝の下までフラットにして、弦との接点をブリッジ側に下げます そうすると、弦高を下げる事無くオクターブ調整が出来て、更に、弦とサドルの接点を点に変える事に よって音に改善が生まれる予定です。◆どれかの画像の中に、ミラーが写り込んでます。実はこの型のミラーを見た記憶と、ポケットイン型の エチケットブラシにミラーが付いてた、の記憶が混同してまして、久しぶりに顔を出した工具ショップ で見かけた時に、・・・やっぱし有った! もっと早く気が付けば良かったけど、アフターカーニバル 後の祭り状態ですが、有ると便利な工具は見かけると、即買い!が鉄則です。 現在の本業でもそうですが、工具が無ければ何も出来ない!からです。◆リペア完了画像3連続 ◆弦を張って試奏した感じは、【ウクレレらしい音がする】って表現がピッタリ合う感じです。 ウクレレなんだからウクレレの音に決まってるだろ?! そうなんですけど、素直なウクレレ の音って感じで、癒されるというか、暖かい音色に感じます。前回の木曽スズキ製とは違った 感じの音で、楽器の個性って面白いなぁ~って思った次第です。 補強突板を加える事によっての、音への変化、特に宜しく無い影響は感じられませんでしたので 安心しました。🌸たいへんよくできました🌸
2016年07月17日
コメント(3)

◆今回の依頼はBLUE BELL のアコースティックギターのリペアーですソリッドスプルースのトップ材ですが、理想的な年輪で素晴らしい材と思います。最近は世界的に有名なメーカーでも、そうめんの木箱の様な年輪のスプルースを平気で使うから困ったものです。 センター中央部分は木目が詰まっていて、外側に行くに従って少し開いて行くスプルースが最も良いとされてます。桐の様に離れたスプルースは例え一流メーカーの個体でも選んでは駄目です。●症状とご要望 1】ブリッジが完全に取れてしまってます 2】ピックガードが画像の通り、熱?でとろけて剥がれてます 3】バック、サイドを【シェラック塗装】にして欲しいソリッドトップのモデルで、リペアー前の音色が聞けないのが残念ですが作りも良く、他に問題を抱えて無いようなので・・・問題無いリペアーと思います。 幸いにも、シェラック塗装が非常に手間と時間が掛かる事を、ギターオーナー様が承知されて居りまして、通常のリペアーよりも多くの時間的猶予を頂きました。1】ブリッジは素直に剥がれてまして、ボディの変形とトップ板のダメージも少なく 位置を慎重に合わせて、リペアー完了です。画像では既にピックガードが新しくなってます。2】ピックガードは簡単に剥がれるのですが、慎重に剥がさないと自分で仕事を 作ってしまいますので、綺麗に剥がしました。画像では両面テープの残骸が残ってますが、この後綺麗に取りましたのでご安心下さい。3】シェラック塗装をご存じでない方に、シェラックとは緑色の大男・・では無く カイガラムシを原料にした天然素材です、アルコールで溶かしてニス状態にして タンポで塗っては乾かしてサンドペーパー掛け、更にこの工程を1セットとして 数セット繰り返します。 クラッシクギター製作家の方が採用する塗装方法のイメージが強く、メーカー では、余りに手間が掛かるので大量生産には向かない塗装方法と思います。 最初のひと塗りと、2セット目が完了した時が最も好きです。 仕上がりは、とっても上品で気品さえ感じます。 通常は 1カット 100ccに対して12グラムの配合が基本ですが、ローズやマホ材 の目止めを目的とする場合は、倍の24グラムで配合する事も有ります。画像左から、アルコール計量ボトル、無水エタノール、シェラック(ブロンズ)、 完成品(賞味期限6ヶ月以内) シェラックは冷蔵庫に保管しないと夏場は大変な事になってしまいます※安価なエタノール(コーヒーサイフォン用燃料用等)は毒性が有り危険ですから使用しては なりません。毒性とは視神経に害を及ぼし、視力低下~失明する恐れも有る恐ろしい害です。 画像の無水エタノールは、屋内ですと、【酔っぱらう恐れ】の副作用が有ります。 酒を全く飲めない私は、塗装中に少し良い気分になる事も有ります。◆画像は、1セットが終了して、2セット目の3回塗った時点です。ムラが有りますが 全く気にしないでどんどん進めて行きます。画像ですと良く判らないですが、仕上がり画像では違いが判ると思います。との粉を使った目止めを避けて、シェラックで埋める方法を取ります、まだ少しだけ目が残ってますが、気にせずどんどん進めて行きます。サンドペーパー掛けする時は、1週間は乾燥時間に空けてます。アルコールはあっと言う間に乾くのですが、シェラックが完全に硬化するには時間が掛かるからです。
2016年07月10日
コメント(0)

◆今回の依頼品は、30年来の友人の青春のギター【推定年齢50歳】クラッシクギターです。 状態はそれ程悪くは無いのですが、【見よう見まねで作って見ました】感、満載の個体です。 内部の工作レベルと反比例して、塗装技術は素晴らしいと思います。経年変化を想定して 仕上たのでは無いかと思える様です。※同年代のギターを沢山見て来ましたが、この塗装は素晴らしいと思います。50年後にこうなる様に 想定した塗装技術は残念ながら【ルームK2】には有りません。リペアー前の画像を撮り忘れてまして、既にバックを外した画像で代用してます。◆初期診断とリペアー方針 1】ブレーシングが・・・これ何? しかも。剥がれ放題でボディを叩くと【ブレーシング剥がれ】特有の 音が各所に出てます。例えると ビィヨン!ポォコ!かな? 弦を叩くと変な音がしますが、変な音に隠れた本来の音は 【悪く無いかも?】 で、気合を入れてリペアーしましょう! この時点でバックを外す覚悟が出来てました、急がば回れです。 2】内部にべニアを化粧板として使うの何故? 3】音は・・・製作方法を考慮しても、それ程悪くないのは何故? 4】ネックは・・・完全に近い状態で、ストレートを保ってるのは何故? 5】ブリッジ付近は、若干の隆起は有るものの、この程度で収まってるのは何故? 6】本人はそれ程弾いて無いよ!と、おとぼけ してましたが、指板フレットを 観察しますと、相当練習した形跡が有ります。 青春の愛器を自分のJrが弾くのを見ると 昔を思い出して感動するのです。 ですから、手を抜く訳には行きません。 ■???だらけの個体ですが、孫娘さんが、弾いて見たい! って訳ですから 気合を入れてリペアーさせて頂きます。◆バックを外してから今回のリペアーは始まります。 バックを外して見ました、この画像は、トップ板の裏面です。平行にブレーシング が、お行儀良く並んでます。トップ裏では初めて見ました。 はみ出た接着剤は綺麗に拭き取らないと画像の様に残ってしまいます。 手抜き?一手間掛けると全然違うのに・・・ ブレーシング材は、なんとラワンの角材です。私の記憶が間違って無ければ、ラワン材は 建築用資材として好き放題伐採された結果、ワシントン条約で輸出禁止になってたと思います。 確か、ブラジリアンローズウッドも同じですが、有難味が全然違います、ラワンは無いでしょう?三角のネック補強材が画像では判りませんが、ピッタリ付いて無くて、浮いてるのです収めるスペースに合わせて加工されてませんでした。接着材は、エポキシを使ってる様です、硬化時間が短いので扱い難いと思うのですが?ブリッジ裏の補強板が一切有りません。初めて見ました。◆全てのブレーシングを外して、クラシックギターの王道型のブレーシングに交換します。 ブレーシング材は、【エゾ松】を使う事にしました。 クラッシクギターの元プロの友人の愛器で最高級ギターの【エドガーメンヒ3世】と言う ギターが、ドイツ松を使っており、リペアーさせて頂いた時の、音を聴いて、惚れてしまった からです。流石にドイツ松は入手出来ませんでした。 ブレーシングのデザインは、王道タイプに決定済です。 手書きのデザイン画で、アップは如何なものですが・・・◆どんどんブレーシングを入れて行きますのと同時に、ブリッジ裏にスチームを当てて 修正後に、本来は有る補強材を入れて行きます。 全ての接着剤は、恐ろしく手間の掛かる【ニカワ】を採用します。 獣臭は、行きつけの豚骨ラーメン店で鍛えてますが、リペアールーム での、ニカワの香りは強烈です。換気扇&空気清浄器2台フル稼働でも 追いつきません。でも、接着剤としてニカワを超える物を知りません。画像の後ろのブリッジ欠の個体は、リペアー順番待ちの、サイド&バックが【ハカランダ】のギターです【ローズウッド】って名前が付いた理由が判る個体です、製作後40年以上経過してる様ですが、現在でも甘い香りを発してます。ローズウッドの甘い香りのする個体には、滅多に出会う事が有りません。◆ブレーシングが交差する箇所は、寸部の隙間無く工作しないと、後で大変な事になりますので 一切の妥協をしてはいけません。本来はサイドを張る前にブレーシングを張るのですが、リペアーではその工程が逆になりますのでサイド越に使える手持ちのCクランプには限りが有り、しかも、有効強度の出るまで時間の掛かるニカワを使いましたので、ブレーシングを交換するのには、1週間を要しました。ブレーシングを入れてトップを叩きながら、ブレーシングの両サイドを削って行きます。表現が難しいのですが、軽やかで爽やかな反響音とでも言うのでしょうか?そんな反響音が鳴るまで、慎重に削って行きます。これも逆工程なので注意しないとサイド板を破壊してしまいます、恐ろしく切れるノミを使って削るので・・・◆こんな感じでトップ裏は完了です。打検査をしますと、軽快な音が返って来ます。 良い結果が待って居る予感満載です。◆接着剤の跡を完全に取り切る事は断念しました、表面を平らにサンディングするまでに 留めます。これ以上取ろうとすると強度低下が心配です。接着剤後は木が振動しようと する事を邪魔する存在と思いますが、背に腹は変えられないです。◆バックはこんな感じです。 まともなバック材の上から、粗いベニヤを、 補強材目的なら無くても強度は確保されてる 化粧目的ならば・・・荒ベニヤを使うの何故? 作った方に確認して見たいです、私には計り知れない深い意味が有るのかも知れませんけども、ルームK2では、不要! と結論しましたので、容赦無く剥がしますが慎重に剥がさないと、バック作り直しという事態になりますので注意が必要です。慎重に剥がした結果綺麗に剥がれました、多分、科学的に合成された接着材が機能を失いかけてたのだからと思います。 皆さまも、自宅のリビング等のフローリング床で、床が浮いて来た経験は有りませんか?合板は縦横に薄板をプレス&接着剤で整形して行くのですが、その接着剤は10年程度で機能を失いかけ始めると、仲間の大工の頭領が言ってました。◆この個体は、左右が対照では無いのです、センターを入れてから、平行にブレーシング を入れる工程で気が付きました、ブレーシングの墨付け位置がズレてる?ありゃ?やっちゃた? 違いました、左右対称では無いので、これでいいのだ! ◆サインは絶対見えない箇所に内緒で入れて見ました、築250年の古民家を本業の設備部門で 参加した時に、メインの梁に、江戸時代の年号と頭領の達筆な墨書のサインが有りまして 宮大工の頭領が、部門の責任者のサインを入れよう!と、江戸時代のサインの近くに、書かせて 頂いた経験を思い出したからです。未来のリペアーされる方が見ても、恥ずかしく無いリペアー だったと確信する事が出来ると判断したからです。 ※画像アップした時点で 内緒で無い事に気が付いてしまいました◆バックを貼りました 特にコメントする事は無いのですが、この工程の時にいつも思うのは 腕が4本有ったら簡単なんだけどな!です。 専用のゴム紐を使うと微妙にズレるので、最近はマスキングテープ&クランプで止める 様にしてます。手早くしないと・・・あちゃ~です。バック&サイド&ネックは、リフィニッシュする途中です。シェラック仕上げも考えたのですが、楽器を使う方がプロでは有りませんので、オイルで仕上げで最後に、特殊な1液のエポキシ塗料を吹く事になると思います。 1液エポキシは、知り合いの塗料メーカーで開発されたもので薄く、強く、1回で殆どムラが出ない、つまり、クリアーの仕上げの工程が殆ど不要な優れ物です。 ラッカーを数回重ねた仕上げよりも薄く仕上がると思います。しかも、ラッカー対応!でないとNGなんて事も一切有りません。トップの最高の状態のイメージを壊さない様に仕上げてみましたネックの仕上がり状況ヘッドはボディと同時に見えますので、違和感を感じない仕上がりとなりました。◆仕上げ塗装が完全に乾くまでは、約1週間程掛かりますので、お届けは来週末となります。 クールに仕上がりましたので、ご対面を楽しみにして下さい。 仕上げ塗装の注意点は、弾いた後は、柔らかいウエスで乾拭きすればOKです、他に 面倒な手入れは不要です。🌸たいへんよくできました🌸
2016年07月09日
コメント(2)

◆今回のリペアーのご依頼は、【ウクレレ】です。 スズキバイオリン社の、推定50年前に製作されたウクレレです。画像付きのメールで拝見した時には、オーラ が出てるね!対面した時も、素晴らしいオーラと共に、【まだまだ頑張れるから、少し手助けして下さい】って声が聞こえた様な気がしました。◆慎重に初期診断とコンディションチェック 1】ネックがナットの所で、2ミリ捻じれ指板も一部剥がれが発生 手前と奥にピントを合わせる事が出来ませんでしたので、奥のブリッジに対してナットの 位置がズレている事は何となく判ると思います。 基準点はサドルの上面では無くブリッジの上面です。ブリッジは水平に製作されてます。 2】ブリッジの角が僅かに剥がれてる 弦を張るスペースに挟んで有るローズ材は、クランプ掛けの為の補強材です、 スペースが開いたままクランプを掛けますと・・・ 結果は説明するまでも有りません。 3】ペグは再生不能に付き交換【ご依頼者様支給品】 4】ネックヒールのクラック 5】ネックの木材痩せ【マホガニー材】 ◆リペアー方針と実際のリペアー 1】指板の剥がれは、ネックの捻じれが原因と判断し、指板を外して【※ネックヒーター】 でネックの修正を試すも、予想通り改善しません。 ネックリセットも今回の捻じれに改善策には成りませんので、ネックの交換か 指板とネックの間に、斜めに削ったローズウッドを交まして、ネックはストレート で、ヘッドは曲がってる と言う状態で仕上げる方法しか有りません。 【ネックを削ってもヘッドの曲りは解消しないし、強度が落ちるため検討すらせず】 画像の通りネック側から見ますと、見事に右に捻じれてます。測定値では2ミリ でしたので、2ミリのローズウッド材を捻じれ始めてる所から、慎重に削って捻じれ の隙間にピッタリにします。指板の貼り付けは、将来的に再度指板調整する事を想定して、【ニカワ】を使用してます。 仮止めの画像の通り、隙間が埋まり、ネックはストレートでヘッドは右に傾いたままの 何とも不思議なネックに生まれ変わりました。 修正完了後の画像です、ネックは真直ぐなのに、ヘッドが右に傾いている不思議なネック ですが、プレーする時に違和感は感じません。少なくとも私は感じませんでした。 当初の指板の高さは、ボディトップを基準に極薄の指板が張られてる高さでしたので、 捻じれ解消の為に、2ミリ上がったらプレーに影響無いのか心配でしたが、出入りの ギターショップ様で、高価なウクレレで比較したところ、指板が極厚で今回リペアー した高さと変わらないため、問題無しと判断しました。 ※ネックヒターを使いますと全て解決という、神話を信じてるギタープレヤーの方 が意外と多いのです。 確かにクラッシックギターの様に、ロッドの入っていないネック修正には ヒター&クランプを有効な解決方法として選択する場合は有ります。 指板とネックが違った方向に曲がり、ニカワで接着されてる場合には、驚くほど の効果が出る個体も有ります。【エドガーメンヒ3世/250万円のギター】 は完全に修正出来ました。 しかしながら、フォークギターの様に、タイトボンドで接着されている場合には 一時的な効果で、複数回ヒーター&クランプを掛けますと、ネックが 波を打ってしまう事も有ります。 ルームK2では、ロッド調整/ヒター/フレット擦り合わせ/ 指板の擦り合わせの順にリペアーを進めて行きます。 過去に、この方法でプレーに支障が無い様に成らなかった個体は殆ど有りません。 既存のナットは使えませんので、ブラジリアンローズウッド【ハカランダ材】で 作り直しました。 左がハカランダのナットです、調整前の削り出し直後の物です。 ナットが乗る部分は捻じれたままの状態ですから、ナットの形状も何とも不思議な 整形になりますが、弦を張ると、1フレット 0.5ミリ強 12フレット 2.5ミリの 理想的とされる状態に仕上がりました。 2】ブリッジ角の剥がれ 本来でしたら、ブリッジ専用のクランプを使うのですが、フォークギター用では サウンドホールから入りません、ブリッジ上から直接クランプを掛ける訳ですが、 トルクを間違えると、トップ割れorブレーシング割れ剥がれ になりますので 慎重にトルクを掛けつつ、剥がれ部分も接着する様に慎重にクランプ掛けしました。 【※縁の下の力受け】が使えれば心配無いのにね!フォーク用で入らないし、仮に 入っても、手が入らないから、トッブ&バックの隙間に合う様に調整出来ません。 ※我がルームK2の自作治具 3】ペグ交換 既存のペグがペグとしての役目を終了してますので新品に交換です。 1か所センタービスが外れない!外れなければ話になりませんので、ネジを折って 外すしか方法が有りません。ネジ折れ完了して全てのペグが外れましたが、 ネック裏の凹みが気になります。この形状のペグは構造上こうなる様に思います。 凹み隠しに、真鍮のすり鉢状のワッシャーを交まして美的配慮をしました。 既存のペグ穴は、約8ミリで支給のペグは、7.4ミリ用で・・・穴を塞ぎ開け直すも ウクレレペグは、この工法では、強度が足りません。 手持ちの部材から同年代の8ミリ穴用の薄いブッシュを選び、ペグは交換完了しました。 連続画像のみ 4】ネックヒールのクラック 一見するとクラックの様に見えましたが、隙間が有りません!マホネック材の痩せ で段差が出来たと判断して、この部分はリペア見送りました。 実は、塗装に【バイオリンニス】を使っている様に判断してまして、段差を解消 しますと、塗装も剥がします、バイオリンニスは以前は使ってた事も有りましたが、 非常に高価な塗料で、しかも、仕入れ先が取扱いを中止してしまい、現在はワトコ オイルを使って次第です。 ワトコも仕上げに、蜜蝋ワックスを使うと美しく仕上がり、バイオリンニスと遜色 無いと思います。 5】ネック材の痩せ 今回の原因の全ては、ネック材の痩せですが、これは木材の宿命と言えます。 全体的な工作技術は1級品と思います。 薄い指板材【フォークギターと比べて】極細フレットも 「このフレット打つの 大変だったろうな!?』 改めて日本の物作りの優秀さを実感した次第です 6)最終仕上げと微調整 近似色のワトコオイルで拭き上げて、更に蜜蝋ワックスで拭き上げて、 指板、ブリッジ、ナットは亜麻仁油で仕上げ、弦チェックして完了しました。時代を超えた貫禄を感じます。 12フレットの弦高ピンクの物体は0.5ミリ厚の1フレット用チェックプレートです。 ブリッジの弦を嵌める溝のクリアランスは、お使いになられる弦に合わせて ナットファイルで溝調整して有りますので、問題無く弦を張れると思います。 カミングアウトしますと・・・ ウクレレの弦は1から4弦へとアコギ、エレキの様に順に太くなっているのでは無い 事を初めて知りました。 今回のリペアーは当初の目論見通りに進み、まだまだ現役で頑張ってくれると 思います。 また、指板とフレットの状態から判断しますと、殆ど弾かれて無かった様に 思います。今後の奏でる音の変化が楽しみです。 🌸たいへんよくできました🌸
2016年07月02日
コメント(2)
全6件 (6件中 1-6件目)
1


![]()