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屏里狐 The Screen Foxes第5話不正を働きながら宮廷絵師大会で1位となった張啓鳴(チョウケイメイ)。鄭雪景(テイセツケイ)は急いで引き上げた張啓鳴を怪しみ、こっそり後をつけた。すると張府園(チョウフエン)の裏門で張大山(チョウダイサン)が龐南(ホウナン)への心付けを準備して待っている。「父上、計画通りです」「そうか、早くこれを龐大人(ダーレン)に届けて来なさい」馬車には金銀財宝が入った大きな箱が山のように積まれていた。張大山は息子が宮廷絵師の肩書きを得たことで、屏風店はこれ以上の大儲けができるという。その時、2人の話を全て聞いていた雪景が現れた。張大山は使用人に雪景を地下室へ閉じ込めるよう命じたが、そこへ余琰(ヨエン)が駆けつけ、使用人たちを投げ飛ばしてしまう。「戦うのも面倒だ、″私の者″を連れ帰る…行くぞ!」余琰はまだ納得がいかない雪景の手を取り、引っ張って行った。雪景は張啓鳴を懲らしめられず、怒りがおさまらなかった。しかし白笙(ハクショウ)は力より策で勝負すべきだという。「問題は張親子というより審査官にある」確かに余琰の指摘は正しかったが、雪景は朝廷の重臣相手では手も足も出ないと憤った。実は今回、審査主官を任された龐南は昇進したばかりだという。以前は張冀北(チョウキホク)の担当だったが、急に辞職して故郷へ帰っていた。その夜、雪景たちは張冀北から話を聞くため張府にやって来た。しかし正門は固く閉ざされている。「手を貸せ」余琰は雪景の手のひらに護符を書いて握りしめた。「決して離すな」すると人間の雪景も3人と一緒にするりと門を通り抜けてしまう。張冀北は突然の来客を警戒した。しかし雪景がかつての宮廷絵師・鄭元善(テイゲンゼン)の娘だと知って歓迎してくれる。雪景は今回の選抜大会で不正が行われたと訴えたが、張冀北が辞職したのも選抜大会で横行する不正に嫌気が差したからだった。「張啓鳴の描いた絵は子供の落書きでした、1位は無理です!」「そう言うことなら2次選抜の絵さえ入手できれば私が上奏しよう」すると余琰が取りに行くと申し出た。「白笙はここで待っていてくれ、小黒と行って来る」余琰と小黒は龐南の屋敷に潜入した。するとちょうど皇太子を招いて酒宴を開いている。「張大山は本当に金持ちだな、我らは大金を得た…とりあえずは手なずけておけ もっと太らせてから一族皆殺しの上、財産を没収しよう」「さすがは殿下!」実は龐南の後ろ盾は皇太子だった。その時、運良く龐南が笑い話の種に張啓鳴の絵を皇太子に見せることにする。余琰は龐南が厳重に管理された絵を出したところで部屋のろうそくを消し、方術で姿を隠して中に入った。侍女が慌てて火をつけた時には2次選抜の絵が盗まれていた。皇太子は不正がばれるのを恐れ、張啓鳴に重病を装って家から一歩も出るなと命じる。一方、余琰と小黒は盗んだ絵を持って張府に戻った。しかし張啓鳴の絵は見事な山水画とすり替えられ、本人が描いた鶏の絵には張啓鳴の署名があったものの、龐南と御画館の印章がない。張冀北は証拠として弱いと言ったが、雪景のため人肌脱ぐことにした。雪景はこの機会に父の死因を知っているか張冀北に尋ねてみた。当時、張冀北は御画館の絵師だったが、宮中にはかん口令が敷かれ、大事だったことしか分からないという。「そうですか…」「ともかく明朝、この絵を持って陛下に拝謁しよう、鄭源に準備をさせなさい」張冀北は不正を暴くため、御前で鄭源と張啓鳴に絵を描かせることにした。その夜、なかなか寝付けなかった雪景は部屋を出た。すると裏庭の涼亭で独り酒を飲む余琰を見つける。「あなたも眠れないの?何か悩み事?」「…この世に私を好きな者はいるか?」余琰はふいに脳裏をよぎる娘のことが気になっていた。「短気だし顔は怖い、好かれる要素がある?ふふっ」今や雪景の憎まれ口にもほっこりする余琰、そこでなぜここまでして絵師になりたいのか聞いた。雪景はもちろん父の遺してくれた家業を守るためだと言ったが、実は父の死の真相を調べるため、宮中に入ることが目的だという。「でも辛いから言いたくない」「話してみろ、もしかしたら力になれるやも…」雪景の父は宮廷御用絵師で当時は鄭家屏風店も繁盛し、親子3人で幸せに暮らしていた。そんなある日、皇后の絵を描いていた父が急死、骸だけが戻って来る。絵の才能があった雪景は父の後を継いだが、子供の絵など誰も買ってくれるはずもなく、母は心労がたたってほどなく亡くなった。「母さんが父さんは濡れ衣を着せられ死んだと言ってたの、父さんの潔白を証明したい」余琰は雪景がずっと1人で耐えてきたのだと知った。しかし雪景は余琰たちと暮らし始めたおかげで久しぶりに楽しいという。「嫌な過去は忘れましょう?これからは前を向いて歩くの!」隠居したはずの張冀北が皇帝に謁見した。何でも選抜大会の審査主官・龐南が賄賂を受け取って不正を行ったという。しかし確たる証拠がないと知り、龐南はとんだ言いがかりだと反発した。つづく( ๑≧ꇴ≦)余琰の眼光のアップとか分かってますな~w
2023.02.28
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屏里狐 The Screen Foxes第4話魔化した小柒(ショウシツ)に踏み付けにされ、危機一髪の余琰(ヨエン)。白笙(ハクショウ)と小黒(ショウコク)が助け出そうとするも、その凄まじい妖気に吹き飛ばされてしまう。すると無謀にも鄭雪景(テイセツケイ)が駆けつけ、小柒の足にしがみついた。「放して!放して!…殺すなら私を殺して!」余琰は自分のために命乞いする雪景の姿に驚きながら、ふいにまた昔の記憶が蘇った。…桃児(トウジ)、この妖怪を殺さぬ限り悪縁を絶てぬのだ!…母上、私の過ちなのです、殺すならこの私を!どうやら以前、同じように誰かが自分をかばってくれたことがあったが、顔が思い出せない。その時、雪景が小柒の足に噛みつき、怒った小柒に投げ飛ばされてしまう。余琰は小柒の足が離れた一瞬の隙に飛び出して雪景を抱き止めたが、そのまま2人は柱に激突した。もはやこれまでか。そう思った矢先、小柒の身体がついに限界に達してしまう。小柒は様子がおかしくなり、その場で苦しみ始めた。そこで余琰たち3人は力を合わせて白雷陣を敷き、小柒の妖気を抑える。しかしその力があまりに大きく、陣が持ちそうになかった。そこで余琰は雪景に霊犀(レイサイ)屏風を呼ぶよう頼む。雪景が心の中で屏風を呼ぶと、屏風の幻像が現れ、凄まじい力で小柒を持ち上げた。その時、護符が小柒の足の裏に貼られていると分かる。夢仙・封月(フウゲツ)は危険を承知で弟の足の裏から護符を剥がしたが、激怒した小柒の一撃を頭に受け、落下した。護符が取れた小柒は少年の姿に戻った。しかし姉との再会を果たしたのも束の間、封月は弟の腕の中で息絶えてしまう。封月は消散、蜘蛛に変化した。しかし真身(シンシン)に戻った封月は現実世界に属し、夢の世界には戻れないという。そこで小柒は雪景に姉を飼って欲しいと頼んだ。雪景は蜘蛛を引き取ると決め、必要な時は訪ねて欲しいと伝える。「ありがとう…この恩はいつか必ず返します」雪景は余琰の警告を無視し、感情的になって皆を危険に晒してしまったと謝罪した。余琰は何も言ってくれなかったが、小黒と白笙はこうして無事だと笑う。すると蜘蛛が不思議な色を放った。「白笙?この蜘蛛、何だか変わっているわ」「宝蜘娘(ホウチジョウ)と言って毎冬一度、糸を吐き、その糸で蛛糸段(チュウシダン)が織れる」「蛛糸段?…あ!昔、父さんが最高に美しい屏風を作ったの、その時に蛛糸段を使っていたわ 雪のように白い生地に墨汁と顔料で絵を描いたの」帰り道、余琰はつまずいて転びそうになった雪景を支えた。「なぜ私を助けた?」「相手が誰でも同じ事をしたわ、目の前で誰かが殺されかけていたら放っておけないもの」「…お前は本当に人間か?」「何それ?悪口?」「人間と言えば身勝手で私欲にまみれ、計算高い奴ばかり…ろくなヤツはいない」「何事も善と悪がある、悪い人間もいれば善い妖怪もいるわ」「そう思うか?」「もちろん、でも悪人より善人の方が多いはずよ、妖怪だってそうでしょう?」「ふん…おめでたい奴め」雪景は鄭源(テイゲン)として宮廷絵師選抜大会の第2次選抜に臨んだ。今回は命題がなく、自由に好きな絵を書く。中庭には犬に化けた小黒と白狐に化けた白笙が張啓鳴(チョウケイメイ)の不正を見張っていた。するとしばらくして張啓鳴があらかじめ用意していた水筒に筆を浸して紗にかけると絵が浮き出してくる。そこで白笙と小黒は参加者の男に取り憑き、張啓鳴が不正をしたと訴えた。「張啓鳴の筆に問題があります、調べてもいいですか?」審査官の龐南(ホウナン)は動揺し、不正を疑うなら絵と筆を没収して新しい絵を描かせるという。雪景は高みの見物、やがて制限時間がきたが、張啓鳴が描いたのは雌鶏(メンドリ)のような雄鶏(オンドリ)だった。(´゚艸゚)∴ブッ<画伯雪景は明日の宮廷絵師の発表を独りで見に行くと決めた。「皆はここで朗報を待っててね」すると余琰が張啓鳴に会ったら用心するよう助言する。「大丈夫、城門には兵士がいるから」そんな余琰を見た白笙はようやく余琰が心を開き始めたのだと分かった。「雪景が心配か?」「ぅ…うぉ…もう寝る!」しかし結果は鄭源が第2位、不正を働いた張啓鳴が第1位だった。雪景は役人も張啓鳴とグルだと気づき憤慨、すると張啓鳴が勝ち誇った顔でやって来る。「従弟の鄭源は落選を知っておうちで泣いているのかな?ふふっ」「あんたが不正をしなければ鄭源が1位よ! あんたにあるのは悪事の才能だけ、恥知らずな父親と同じね!」張啓鳴は激怒したが、その時、使用人が何やら耳打ちした。すると珍しく張啓鳴はおとなしく引き上げてしまう。つづく
2023.02.28
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第5話「再会の光と影」皇宮を脱出し、11年ぶりに父と再会した庫狄琉璃(コテキルリ)。しかし庫狄延忠(コテキエンチュウ)は後添いの曹(ソウ)氏と琉璃の異母姉妹・珊瑚(サンゴ)の手前、他人のふりをして追い返してしまう。「あの娘さんに道を聞かれたんだ」琉璃は実父に拒絶された衝撃から伯父の店に入るのをためらった。しかしふと母との懐かしい記憶が蘇り、居ても立ってもいられなくなって如意衣装店に飛び込んでしまう。店にはまだ母が織った懐かしい生地があった。琉璃は伯父に迷惑をかけまいと名乗らずに店を出たが、安四郎(アンシロウ)が正体に気づいて追いかけてくる。(」゚ロ゚)」<琉璃~!琉璃~!安四郎と琉璃は感動の再会を果たし、人目もはばからず抱き合って涙した。安四郎は琉璃を店に連れ帰り、これまでの経緯を聞いた。琉璃は罪人の娘として11年前に死んだことになっていたが、不禄(フロク)院で義父と順子(ジュンシ)に守られ生きてこられたという。しかし実父にも見捨てられ、伯父にも迷惑をかけたくなかった。安四郎は素性を隠して暮らせばいいと言ってくれたが、琉璃は母の遺言通り西州に行きたいという。そこで安四郎は数ヶ月ここで我慢してくれれば、商隊を組んで故郷へ送り届けると約束した。一方、裴行倹(ハイコウケン)との約束を反故にした皇太子は改めて酔香楼に呼び出した。「私が裴行倹です、やっとお会いできました、何とお呼びすれば?」「私は九男なので九ちゃんと…」皇太子は身分を隠したまま、公然と科挙制度を批判した裴行倹の詩について尋ねた。すると裴行倹は衆人を目覚めさせるため一石を投じたと話し、官府が問題視すればより注目が集まるという。「採点の際には不正の余地があります、挙子(キョシ)の評判や家族の権勢が採点に影響し、腐敗の原因に… 各学問所は名門の子弟に独占され、その中でおのずから派閥が生まれます 公正を保つためには答案に書かれた氏名を隠すべきです」他にも明経科の試験は暗記さえすれば誰でも及第できることや、進士科をもっと重んじる必要があることを指摘した。皇太子は率直な裴行倹を気に入ったが、その時、華天(カテン)が慌てて入ってくる。ヒソヒソ…(ノ°д°(; ̄Д ̄)アンダッテ!「急用ができた、また5日後に…」卓錦娘(タクキンジョウ)は医官の小豆子(トウシ)を尚服(ショウフク)局に迎えた。しかし鄧七娘(トウシチジョウ)が駆けつけ、小豆子が姿を消したと報告する。「何でも移動を告げられた豆医官は口答えして大酒を飲み、その後、いなくなったと… 孫徳成(ソントクセイ)はてっきり尚服局へ行ったと思っていたそうです 見つけ次第、すぐ送ると言っていました」その頃、孫徳成は安氏の位牌に手を合わせ、琉璃が楽しく穏やかに暮らせるよう守って欲しいと頼んでいた。皇帝が急に血を吐いて倒れ、甘露之殿の前に妃や皇子たちが集まっていた。すると総管・高全(コウゼン)が現れる。高公公は皇帝が数日前から不調だったが内密との命で、皇太子だけが知っていたと説明した。実は皇太子がずっと付き添っていると聞いた楊(ヨウ)妃は焦り、息子の曹(ソウ)王・李明(リメイ)を連れて寝所へ入ってしまう。他の妃や皇子たちも続こうとしたが、高公公が止め、解散するよう頼んだ。李明は父皇の世話を変わりたいと申し出た。「太子殿下が陛下を害するのではと心配なのです」「十四弟?!どう言う意味だ?」「陛下は長寿のため丹薬を飲んでいた、丹薬に酒気は禁忌だとか… 太子殿下は日頃より酒と詩を好み、酔香楼に通い詰めだと聞いています 私はこの1年、酒を絶っております!」すると皇帝は楊妃に世話を頼み、皇太子と李明を追い出した。琉璃は玉児(ギョクジ)と名を変え、絵師として店を手伝うことになった。店の番頭・阿霓(アゲイ)は奴婢だったが、天涯孤独だと知った安四郎が従妹にしてくれたという。そこで安四郎は阿霓と一緒に住むよう勧めた。阿霓は安氏を尊敬していたと話し、娘の琉璃を大歓迎してくれる。そんなある日、安四郎は琉璃を連れて大慈恩寺を訪ねた。大慈恩寺は皇太子が生母・長孫皇后を追悼して建造し、玄奘(ゲンジョウ)法師が住持を務めている。「あ、子供の頃に来たことがあるわ!」琉璃は幼い頃、正門前にある椿を手巾に刺繍したことを思い出した。琉璃は安四郎が住持を訪ねている間、境内を散策することにした。しかし偶然、通りかかった書生たちに絡まれてしまう。その中には裴行倹もいたが、世子の取り巻きたちとは一線を画していた。「…近頃は胡(コ)の女子も街で客引きをせず、寺に姿を現すのか?世の中も変わったな」「本当に、最近の殿方は国策も論じず、女子を侮辱するのですね」琉璃は世子をやり込め立ち去ろうとしたが、裴如琢(ハイジョタク)が立ちはだかった。「先ほど人目がないのを見計らい、壁画をなぞっていたな?名人の技を盗む気か?」「そうよ」「盗みは大罪だぞ?」「あら、世子は手本で字を稽古しなかったのかしら?手本を真似たならそれも盗みでは?」裴行倹は娘の上手い返しに思わず失笑したが、取り巻きの書生は卑しい胡人が世子を侮辱したと憤慨した。「私は胡人だけど卑しくない、胡人が卑しいと言うなら長孫皇后への不敬なのでは?」これにはさすがに誰も言い返せず、琉璃はようやく解放された。すると世子が取り巻きに何やら耳打ちして行かせる。裴行倹は世子が悪巧みしていると気づき、師匠の用があるからと断って別れた。琉璃はかつて母の無事を祈った仏堂を訪ねた。今度は義父と順子が巻き添えにならぬよう願って籤(セン)を引いたが、飛び出した籤を戻してしまう。そこへ偶然、夫人がお参りにやって来た。「なぜ見ないで戻したの?」「11年前、大吉の籤を得てぬか喜びしたの、だから見ても意味はない…」「占いは菩薩様の本分じゃないわ、父上のご加護を願ってみなさい ここで父上の名前と住まいを伝えて祈れば、必ずご利益があるはずよ」すると琉璃はうっかり父の名前を言ってしまう。実はその夫人は琉璃の居場所を調べるため書生が送り込んだ女だった。甘露之殿を出た皇太子は李明を呼び止めた。「最近、曹王府はにぎやかだそうだな?国士監や弘文館の学生を門客として招いたと聞く、本当か?」「本当です、しかし招いた訳ではありません 太子殿下が科挙の改革をなさると聞いて慌てて皆が私の元へ身を寄せて来たのです」すると李明は平然と上流層の特権を守ることがひいては李家の天下と一族を守ることになると言いのけた。皇太子は科挙の弊害は国家を損なうと激怒したが、李明は李治(リチ)にそんな主張をする資格などないという。「あなたは功績や才覚で太子に選ばれたわけではない、年長の皇子であり、嫡子というだけだ そんな特権の最大の受益者が私の姿勢を責めるのですか?」「まさか陛下と私をそんなふうに見ていたとは…残念だよ」皇太子は14弟に深く失望し、帰って行った。阿霓は琉璃を連れて家に戻った。そこはかつて安氏が使っていた工房で、琉璃は母と来たことがあったと懐かしむ。つづく
2023.02.27
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屏里狐 The Screen Foxes第3話男装して宮廷絵師選抜大会に参加した鄭雪景(テイセツケイ)。第1次選抜で富豪の息子・張啓鳴(チョウケイメイ)の不正に気づいたが証拠がなく、何事もなかったかのように試験は終わってしまう。すると皇宮を出たところで張啓鳴に呼び止められた。「いいか?どうせ1位に選ばれるのはこの私だ、その座は誰にも奪えぬ、さっさと帰りな!」雪景は卑怯者に思わず唾を吐きかけたが、激怒した張啓鳴に突き飛ばされ、殴る蹴るの暴行を受けてしまう。しかし突然、余琰(ヨエン)が現れ、張啓鳴の首を締め上げ、懲らしめてくれた。その日も余琰は鄭家屏風店に戻ってこなかった。雪景は白笙(ハクショウ)に余琰から脅され、その後に助けられたと教える。「悪いヤツではない、短気だが心根は善良だ ただ人の世でいろんな感情にもまれたから、生きやすくするために周囲に壁を築いているのだろう」そうは言っても白笙も余琰の身に何があったのかまでは知らなかった。実は霊犀(レイサイ)屏風にはある規則があり、36刻ごとに屏風に戻って6刻ほど休まねば元神が消滅してしまうという。雪景は早く連れ戻さないと余琰が死んでしまうと心配したが、どう接したらいいのか分からなかった。すると白笙は余琰には″柔よく剛を制す″だと助言する。「いいわ、平和な関係と私の安全のために試してみる」「きっとできるよ」翌朝、小黒(ショウコク)が合格者の名簿を持って雪景を起こしに来た。「ほら見て!」「終わった___鄭源(テイゲン)の名前がない、落ちたんだわ!」雪景が号泣していると、白笙が駆けつけ、名簿を確認した。しかしよく見てみるとその名簿には″都の十大暴行魔手配書″と書いてある。「小黒コイツッ!」肝を冷やした雪景だったが、急いで城門へ結果を見に出かけた。すると確かに″鄭源″の名前がある。「合格したわ…合格よ!」雪景は人垣をかき分けながら飛び出すと、喜びのあまり勢いに任せて誰かに抱きついた。雪景が抱きついたのは偶然にも結果を見に来ていた余琰だった。その時、余琰は以前も同じように誰かが自分に抱きついたことがあったと思い出したが、相手の顔ははっきりと分からない。「ぁ…あなただったの?!なぜここに?」「さっ、散歩だ」「散歩?…ふふ、今日は機嫌が良いの、昨日の件は水に流してあげる さ、帰ろう!ご馳走するわ」雪景はやけに馴れ馴れしく余琰の肩に手を回し、有無を言わせず連れて帰った。久しぶりに狐仙3人と食卓を囲んだ雪景、すると余琰があの張啓鳴も合格していたと教えた。雪景は驚く様子もなく、審査官の龐南(ホウナン)が不正をした張啓鳴を庇ったところ見ると不思議ではないという。確か張啓鳴本人も自分が1位になると豪語していた。宮中絵師になれるのは優勝者1人、雪景は張啓鳴が宮中の誰かとつながっているのは確実だという。そこで白笙は小黒と一緒に2次選抜へ行き、張啓鳴の不正を見張ると決めた。「そんなことできるの?皇宮なのよ?」「大丈夫、天上の皇宮は行き尽くしてるから」実は小黒の父は二郎神(ジロウシン)の家来である九天神犬(キュウテンシンケン)・哮天犬(コウテンケン)だった。母が九尾の狐仙のため、小黒は狐にも犬にもなれるという。その時、上階の部屋から物音が聞こえた。余琰と白笙は2階から逃げようとしていた夢仙(ムセン)・封月(フウゲツ)を捕まえた。性懲りも無くまた霊犀屏風を盗みに来たらしい。「なぜ私が夢仙だと分かったの?」「お前に妖気はなく、武器は蜘蛛の糸だからな」夢仙は狐仙と同じように妖道は脱したが、まだ半人前の神仙で、人の夢を編むという。それにしてもこれまで本分を守ってきた夢仙一族がなぜ霊犀屏風を奪おうとしたのか。すると封月は弟を救うため、どうしても屏風が必要だと訴えた。封月の弟・小柒(ショウシツ)は崑山(コンサン)道観の帰元(キゲン)道長に捕まっていた。なんでも富を増やすために″座敷わらし″にされ、張大山(チョウダイサン)の家に監禁されているという。実は張大山は張啓鳴の父親だった。雪景の父が亡くなってから屏風店の商売が下り坂になった頃、両替商だった張大山が屏風店を始め、開業2年で都一の富豪に上り詰めたという。もちろん封月は弟を助けに向かったが、道長の法力が強く、手も足も出なかった。「弟を助けてやって!急がないと弟は魔道に堕ちてしまうわ!」そこで雪景は狐仙の強い法力で救えるのか聞いた。白笙と小黒は協力を申し出たが、余琰が誰も行くなと反対する。「この世の苦しむ者を全て救うことはできぬ」「余琰!見かけは冷淡でも心は善良だと思っていたのに…心も見かけも冷酷無情なのね!」「ああ、私は冷酷で無情だ しかし様子も分からぬ場所へ我らを行かせる自分はどうなんだ?! 我ら3人が殺されてもお前は善良と言えるのか?」余琰の鋭い指摘に返す言葉も無い雪景、すると白笙が道長とは対決せずに弟だけを密かに助け出そうと提案した。しかし余琰はヘソを曲げてどこかへ行ってしまう。その夜、雪景たちは封月の案内で張府に忍び込んだ。しかし弟を助け出す間もなく帰元道長に見つかってしまう。白笙と小黒の法力でも帰元道長に歯が立たず戸惑う雪景、その時、屋敷の屋根に余琰が現れた。帰元道長は″余琰″と聞いて驚いた。「どこの余琰だ?!」「定風(テイフウ)山の大王・余琰だ、狐名を赤煞(セキサツ)大人という」「やはりあの狐妖か…私の師匠が100年、探していたぞ?成敗して師匠に引き渡す!」すると余琰が中庭に飛び降りてきた。しかし監禁されていた小柒がついに魔道に堕ち、窓を突き破って現れる。驚いた道長たちは退散、封月は弟に駆け寄ったが、魔化した小柒はもはや姉を認識できなかった。大男になった小柒は姉に一撃を与えた。そこで余琰は小柒を止めようと百会を突いたが、腕をつかまれ投げ飛ばされてしまう。倒れた余琰を踏みつける小柒、白笙は簫で小柒を止めようとしたが、凄まじい魔気を押さえ込むことはできなかった。つづく( ๑≧ꇴ≦)弟はハルク、道長はEXILEw
2023.02.26
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屏里狐 The Screen Foxes第2話やむなく食い逃げした鄭雪景(テイセイケツ)たち。するとその帰り道、告示で宮廷絵師の選抜大会が開かれると知る。一方、ひと足先に鄭家屏風店に戻った赤い狐・余琰(ヨエン)は自分を封じた霊犀(レイサイ)屏風を眺めていた。そこへ雪景を立ち退かせようと叔父が使用人を連れて乗り込んでくる。叔父はちょうど裏庭にいた男に雪景を呼ぶよう命じたが、余琰は無視した。そこで叔父は使用人を勝手に上階の自宅へ行くよう命じたが、余琰の方術で吹き飛ばしてしまう。驚いた使用人たちが逃げ帰ると、ちょうどそこへ雪景たちが帰って来た。雪景は叔父に支払いを待って欲しいと頼んだ。実は従弟の鄭源(テイゲン)が絵師選抜大会に参加するという。絵師に選ばれれば屏風の商売も上向いて家賃も払えるはず、そこで雪景は10日ほど待って欲しいと頼んだが、叔父は辛辣だった。「何を言う?もともと俺の家だ!何年も居座ってその上10日くれだと? 今すぐ店にあるボロ屏風を持って消えろ!」「ぼろ屏風じゃない!どれも私が心血を注いで絵を描いたのよ?!」「売れ残りだろう?お前も同じじゃないか だいたいどこの子かも分からないお前のせいで姉夫婦は死んだ、銭も男も失ったくせに…」雪景への暴言を聞いた黒い狐・小黒(ショウコク)は激怒した。しかし術が解けて足が消え、宙に浮いてしまう。すると叔父は妖怪だと叫び、家ならやると叫んで逃げて行った。従弟の鄭源とは雪景のことだった。実は選抜大会には男しか参加できないため、男装して行くという。白い狐・白笙(ハクショウ)は自分たちがいれば苦労せずに済むと言ったが、雪景は自分の力でやり遂げることが信念だと答えた。審査に向けて準備に余念がない雪景、一方、余琰は独りで出ていったまま、戻って来なかった。選抜大会当日、白笙は男装した雪景に方術をかけ、身体も男に変えた。「はっ!元に戻るわよね?」「もちろん」しかし雪景は宮中へ向かう途中、後をつけて来た余琰に連れ去られてしまう。雪景が目を覚ますと海岸の岩場にいた。すると余琰が雪景を結界の中に閉じ込めてしまう。「出たいなら契約解除の方法を言え!言わぬならここにいろ!」「だから言ったでしょう?霊犀屏風のことも解除のことも何も知らないの!」「人はこの世で最も信じられぬ生き物だ、人を信じたら生きていけぬ!」余琰は契約を解除するには雪景を殺しかないと言った。「私を恨むな、機会は与えたぞ」その時、空中に屏風の幻像が現れ、主を傷つけようとした余琰に厳しい罰を与えた。しかし苦しむ余琰を見た雪景が慌てて屏風を止めてくれる。「なぜ…助けた?」「私はあなたとは違う、すぐ殺したりしない」雪景は屏風に皇宮へ連れて行くよう命じ、無事に審査の時間に間に合った。宮廷絵師選抜大会が始まった。第1次選抜では10人が選ばれ、結果は明日、城門に張り出されるという。今回のお題は″天宮″。参加者たちは黙々と絵を描いていたが、終了まで半刻という時、張啓鳴(チョウケイメイ)が急に喉が渇いたので水が欲しいと頼んだ。すると張啓鳴は水の中に何やら粉を入れて溶かし、それを紗にかけるとみるみる絵が浮き上がる。ちょうど斜め後ろで絵を描いていた雪景は呆然、不正だと叫んだ。「この目で見ました!この絵も水も怪しいわ!」しかし水を渡した審査官の龐南(ホウナン)が自分まで疑うのかと憤慨し、これ以上、騒げば失格だと脅す。「試験を続けるぞ!」つづく
2023.02.26
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梦华录 A Dream of Splendor第10話「私たちの歩む道」宋引章(ソウインショウ)は自分でも気づかないうちに恩人である顧千帆(コチェンファン)のことを考えていた。(・・;)<はっ!別に深い意味はないんだからね!一方、東京十二商業組合の会頭・池蟠(チハン)の配下たちは再び欧陽旭(オウヨウキョク)への抗議活動を始めた。趙盼児(チョウパンアール)は池蟠の顔を立てるため孫三娘(ソンサンニャン)に菓子を買って届けるよう頼んだが、三娘は厨房を借りて江南の鮮花(センカ)団子を作ってくれる。すると突然、店主の妻が部屋にやって来た。店主が三娘からもらった団子を食べた妻はその味に大感激、もう一皿、団子を作ってくれるなら宿代もいらないという。パンRは欧陽府の様子を見に行った。暇を持て余した引章は三娘を手伝うため厨房へ行ったが、手は足りていると断られてしまう。仕方なく気晴らしに外へ出かけた引章、すると大通りに東京(トウケイ)で最も有名な妓女の姿を一目を見ようと人だかりができていた。「教坊司(キョウボウシ)の一番手・張好好(チョウコウコウ)だ!」張好好は仙女の歌声と称され、その歌を聴くには1貫も払い、半月待ちだという。今日は八大王の誕辰で衙南楼(ガナンロウ)で歌舞を奉じ、褒美として美しい衣を賜り、練り歩きを許可されていた。しかも張好好の馬を引いているのは天下一の詩人と言われる柳九(リュウキュウ)だという。張好好は鼻高々で屋敷に戻ったが、こんな晴れやかな日に池蟠が顔を出さないことを訝しんだ。すると侍女がこっそり宋という琵琶弾きの女に会いに行ったと告げ口してしまう。引章が客桟に戻ると、三娘が荷物をまとめて飛び出して来た。懇願されて菓子を作ったはいいが、店主の妻に客桟の料理人になるよう強要されたという。三娘は引章の手をつかんで逃げ出そうとしたが、引章は部屋に琵琶を置いたままだった。「じゃあ柳の木の下で合流しましょう!」張好好は宋引章という琵琶弾きを探しに三元客桟へ向かっていた。すると客桟に続く橋の上で琵琶を持った娘とすれ違う。「…あなたが宋引章?」張好好は確かに池蟠が惹かれるわけだと納得し、宋引章の美しさを褒めた。三娘は橋の上で店主の妻に捕まった。仕方なく用事が済んだら客桟へ戻ると約束したが、ここまで自分の腕を買ってもらえることに驚きを隠せない。その時、河岸の涼亭から宋引章の琵琶の伴奏で歌う張好好の美しい声が聞こえて来た。すると幸運にもその場に居合わせた人々は足を止め、しばし現実を忘れて聞き惚れる。引章と張好好は意気投合、しかし張好好はあの池蟠と懇意だった。引章は池蟠から″妓楼の女″と言われたことを根に持っていた。しかし張好好はなぜそれが気に触るのか分からない。「考え過ぎよ?彼の実母も身請けされた人だし、そんな理由で蔑んだりしないわ 楽妓であることに触れられただけでなぜ恥ずかしがるの?」張好好は賎民だろうと食うに困るわけでもなく、貧しい良民よりよっぽどマシだと言った。才能があれば文人や高官さえ敬意を表し、こうして華やかに装い、使用人を使うこともできる。皇帝の顔さえ拝めない官吏もいる中、張好好は皇帝と皇后に拝謁したこともあった。本当に卑しいのは色に頼ること、才能がある自分たちは胸を張り、堂々と生きるべきだという。こうして三娘と引章は思いがけず自尊心を取り戻し、東京なら自分たちの可能性を試せると夢が膨らんだ。三娘と引章は欧陽府でパンRと合流した。パンRは抗議活動を続ける可四たちに茶を振る舞い、池蟠へのお詫びの印として三娘の菓子を渡す。すると三娘は可四たちを休ませ、その間、抗議活動を代わった。しかし徳(トク)叔が役人を連れて駆けつけ、可四たちを追い払ってしまう。城東の廂吏(ショウリ)はパンRたちが許可証を持たないと知るや罪人と決めつけ、見せしめとして衣を剥ぐよう配下に命じた。パンRたちは傷だらけになりながらも必死に抵抗した。そこへパンRたちの悲鳴に耐え兼ねた欧陽旭がようやく屋敷から出て来る。「やめよ!」「公子、悪女どもを黙らせるには辱めるのが一番です」「やり過ぎは私の評判を落としかねない、追い出せば十分だ」すると欧陽旭は心を鬼にしてパンRに警告した。「趙氏、悔い改めよ…東京を離れるのだ、さもなくば悲惨な末路になる」欧陽旭はせめてもの償いに金塊を渡そうとしたが、パンRは唾を吐きかけて行ってしまう。(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ ギィャアァァァァ~!イーフェイを叩くなんて!徳叔コイツッ!パンRたちは市中を引回しの上、追放された。仕方なく銭塘へ帰ることにしたが、偶然にも東京へ向かっていた顧千帆の一行とすれ違う。「待て!」顧千帆は馬を降りてパンRたちを引き止めたが、パンRの顔は傷だらけで身なりもボロボロだった。聞けば欧陽旭が義父の権力を盾にパンRたちを追放したという。驚いた顧千帆は欧陽旭が追い出しても自分が連れ戻してやると言ったが、パンRは意気消沈していた。「あなたの忠告も聞かず思い上がっていたわ…ここまでありがとう、さようなら」パンRは無理に笑顔を作って跪礼したが、その姿は何とも痛々しかった。「悔しくないのか?!…目的を果たさずあきらめると?君を買い被っていたようだ」「…煽るのはやめて」「あの絵を私に渡すという約束は?約束も守れないようでは君も欧陽旭と同類だ」「欧陽とは別れたの」「別れた?…今の君は捨てられたボロ雑巾のようなものだろう?」しかしパンRは言い返す言葉もない。すると痺れを切らした顧千帆は三娘と引章に名誉を回復しないまま帰るのかと迫った。「嫌よ!東京に残りたい!張好好みたいになりたい!」「私も嫌、離縁された女が今さら銭塘に戻ってどうしろと?」「…私も悔しい」パンRは勇気ある2人の言葉に励まされ、思わず本音を漏らした。顧千帆はパンRたちを馬車に乗せて東京へ戻った。そこでひとまずパンRたちを医館に預け、野暮用を済ませて来る。しかし医館に戻ってみると、パンRの悲鳴が聞こえた。「代わろう」顧千帆は医者と交代し、消毒を痛がるパンRのため自ら優しく顔を拭いてやった。( ๑≧ꇴ≦)チェンファンw完全に惚れてるやろ?!陳廉(チンレン)はパンRたちを懲らしめた廂吏を捕らえた。訳が分からず反発する廂吏、しかし顧千帆が現れると血の気が引く。「生き閻魔の顧指揮でしたか…」廂吏は探花(タンカ)となった欧陽旭に頼まれたと白状し、城東に移り住んだ際に心付けをもらったと説明した。今回は5貫ほど届いたが、高(コウ)観察や他の官吏は関わっていないという。「詔獄で10日間、勾留せよ」「だんだん(等等)!」その声はパンRだった。「欧陽旭と結託したと一筆書くなら許すわ」パンRは欧陽が自分の存在を高家に知られたくないのだと分かった。そこで廂吏の証文を手に早速、欧陽と会うことにしたが、顧千帆は傷を治すのが先決だと言い聞かせ、それとなく陳廉に目配せする。すると陳廉は実は東京に親が用意した小さな家があると切り出した。しかし独り身のため実家住まいがしたいと説明し、パンRたちに家守として代わりに住んで欲しいという。「でも…」「いいんです、決まりですね!」陳廉の屋敷は″小さな家″どころか、広い院子を囲む豪邸だった。陳廉は先祖が残した家だとごまかし、必要な物があれば何でも言って欲しいという。「陳廉とお呼びください、私も遠慮なくパンR姐、三娘姐、引章姐と呼ばせてもらいます ではこれで…」すると三娘と引章は自分たちの部屋を廂房に決め、パンRに正房を使うよう促した。パンRが正房に入ると、先回りして待っていた顧千帆が現れた。すると顧千帆は自分が投げた暗器の傷が治ったのか確認しようとパンRの襟に手をかける。「何するの?!…もう平気よ」パンRは慌てて逃げたが、その様子を偶然、三娘が開いたままの窓から見ていた。(Ŏ艸Ŏ).oO(あ! 「治ったなら見せられるだろう?船で私の衣を剥いだくせに…」(; ╹⌓╹).oO(剥いだ?「あの時は気絶していたから…」「なら気絶させようか?…私は気にしない、拷問の時は女子でも素っ裸だ」「説明になってない!」その時、陳廉が差し入れを持ってやって来た。(」゚ロ゚)」<陳廉!また来たの~?!三娘はパンRに聞こえるように大きな声を出すと、正房から2人が出て来た。あれ?顧指揮?>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ ザワザワ…つづく(^ꇴ^)前振りが終わっていよいよ本編へ〜いや~イーフェイが上手いわ~それだけに返す返すも顧千帆の声が残念
2023.02.25
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梦华录 A Dream of Splendor第9話「勝負の賽の目」顧千帆(コチェンファン)は鄭青田(テイセイデン)事件の後始末に目処がつき、ようやく一息ついていた。これなら東京(トウケイ)に帰れる日も近い。顧千帆はそれとなく陳廉(チンレン)に東京から何か知らせがないか尋ねたが、趙盼児(チョウパンアール)の消息は分からなかった。「何かあったのか…?」東京では池蟠(チハン)のお気に入りの官妓・張好好(チョウコウコウ)が八大王の誕辰祝いに衙南楼(ガナンロウ)で舞を披露することになった。池蟠は好好に花を持たせるため配下50人を動員して大歓声を上げるよう指示したが、可四(カシ)たちの姿がない。聞けば蹴鞠で池蟠の御株を奪ったあの娘が可四たちをこき使っているという。その頃、可四たちはパンRと孫三娘(ソンサンニャン)の指示で欧陽旭(オウヨウキョク)への抗議を続けていた。徳叔(トクシュク)は自分の無能さを嘆いたが、欧陽の我慢も限界、もし高(コウ)家に知られたら取り返しがつかない。「徳叔、どれだけ勝手な真似をした? 伯父の手配で科挙後に娶るとパンRに伝えるはずが、高家との婚姻を明かして上京させた 柯(カ)宰相への贈り物を命じれば勝手に夜宴図を加え、私はパンRの要求に応えられない 今度はごろつきの嫌がらせか?!どこが欧陽家の忠僕だ?!」しかしその時、突然、外が静かになった。池蟠は可四たちを迎えに欧陽府へやって来た。すると可四は子を産めぬ穴を突かれたと訴え、どうしても趙盼児の命令に従わねばならないという。(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾<氏ねじゃなく死ね!大馬鹿者!しかし可四は自分の将来のためだと再び抗議を始めてしまう。池蟠はパンRと話をつけるため、配下たちを連れて三元客桟に乗り込んだ。するとちょうど上階で琵琶を弾いている宋引章(ソウインショウ)を見つける。官妓に目がない池蟠はその美しさに一目惚れ、しかもパンRの妹だと分かった。そこで池蟠はパンRが2回も自分を怒らせたと難癖をつけ、引章が付き合ってくれるなら水に流すと迫る。驚いた引章は逃げようとしたが、池蟠は咄嗟に琵琶をつかんで引き止めた。大事な孤月(コゲツ)を乱暴に扱われた引章は激怒し抵抗、勢い余って琵琶で池蟠の顔を殴ってしまう。引章は急いで部屋に逃げた。「三娘姐!悪者よ!」すると回廊に出てきた三娘が引章を追いかけてきた池蟠を平手打ち、さらにパンRが熱いお茶をぶちまける。「ちょうぱんあーる!お前か!」パンRは池蟠が自分への腹いせに引章にちょっかいを出したと分かった。しかし池蟠はあくまで引章が自分の顔を叩いた件で決着をつけたいという。そこで長慶(チョウケイ)楼で和解の酒宴を開くので、引章に3曲ほど弾かせれば許すと迫った。どうやら風流を気取っていても池蟠には引章の価値が分からないらしい。呆れたパンRは江南一の琵琶奏者に演奏を依頼するなら文武3題を受けて通る必要があるという。「妹は唐の時代から代々、宮中で演奏してきた家系よ?孤月は玄宗皇帝の遺品 この子は銭王太妃の賓客であり、こたびは秀州の許(キョ)知州に請われて都へ来たの これほどの名手の技を俗人に聴かせろとでも?」「俗人などではない!…いいだろう、だが蹴鞠以外だ」パンRは三元客桟の客人たちを証人として池蟠と三番勝負で決着をつけることになった。第1局は対句比べ、引章が詠んだ上の句に池蟠が下の句をつける。しかし妓楼通いで言葉遊びに慣れていた池蟠は見事に下の句を詠んで勝利した。第2局は武術対決、三娘と池蟠がそれぞれ刀法を披露することになった。池蟠は配下の手を借りると、5本指の間に短刀をすばやく刺して何度も往復させ喝采を浴びる。次は三娘の出番だ。三娘は客桟の厨房へ移動、手のひらに乗るほどの豆腐に細かく切れ目を入れ、水の中に豆腐を戻す。すると豆腐はまるで花が咲いたように美しく開いた。客人たちは三娘の繊細な包丁さばきを絶賛、文句なく三娘に軍配を上げる。これで両者ともに1勝1敗となった。池蟠は公平を期し、最後の題目は自分が決めると言い出した。すると文武の要素を併せ持つ賽子(サイコロ)がいいという。配下たちは賭場の″小覇王″と称される池蟠が勝ったも同然だと喜んだが、三娘はよりによって賽子を選んだ池蟠に失笑した。第3局は中庭の涼亭に場所を移し、パンR と池蟠の賽子対決となった。勝負はおなじみの大小比べ、賽子の目の数が多い方が勝ちとなる。するとパンRは賭け物を追加しておいた。「あなたが勝ったら約束通り酒宴と演奏、さらに賠償金10貫を払うわ ただし私が勝ったら手下は私のために働いてもらう」「いいだろう」2人は同時に賽子を振り、机に置いた。パンRは池蟠に先に開ける権利を譲ったが、池蟠は同点の場合、先に開けた者が勝つと警告する。「いいわ」「文句なしだぞ」池蟠の賽子は6が6つで36だった。勝利を確信した池蟠は満面の笑みを浮かべたが、その時、パンRが椀を開ける。すると6が6つと1が1つで合計37だった。三娘の話では賭場の″小覇王″はもちろん″大覇王″さえ賽子でパンRを負かすことはできないという。しかし池蟠はパンRが細工したと疑い、指輪を見せろと迫った。パンRはおとなしく指輪を外して池蟠に投げ渡したが、特に怪しいところは見つからない。「…ふん、金剛石か」実はパンRは1つの賽子を金剛石で2つに割って7個に増やし、6と1を出していた。その日、池蟠の悔し涙のせいか東京は雨になった。パンRは三娘と引章3人で祝杯をあげたが、ふと顧千帆のことを思い出す。…東京であなたをどうやって探せばいい?…州橋の南に王記鉄舗(オウキテツホ)がある、店に赤い旗が掲げてあれば店主に″銀の針を10本買う″と言えするとパンRはふらりと独りで出かけてしまう。引章は自分のせいでパンRが欧陽旭に会いに行ったと知った。責任を感じた引章はパンRを追いかけることにしたが、三娘は独りにしてやろうと止める。「欧陽旭の態度から見て2人は結ばれないと思うわ こんな話をしたのはあなたにも覚悟して欲しいから、欧陽旭は以前とは別人よ? あなたも虐げられぬよう注意してね」すると三娘はパンRにあれこれ尋ねてはならないと釘を刺しておいた。パンRに次々と押し寄せる厄介ごとや悲しみ、それでも引章のため力を尽くそうと奔走している。三娘はパンRが本当なら欧陽旭と一言も話したくないはずだと知っていた。パンRは州橋に駆けつけ、南側にある王記鉄舗を探した。しかし店の旗は紺色、どうやら顧千帆はまだ東京に戻っていないらしい。…顧千帆、あなたがここにいてくれたら…きっと厳しくても役に立つ忠告をくれるはずその頃、雑務を片付けた顧千帆は銭塘(セントウ)の趙氏茶鋪を訪ねていた。主を失った店はすっかり荒れ果てていたが、パンRと始めて出会った時の事が昨日のことのように思い出される。顧千帆は秀州で武官をしていた陳廉に銭塘軍の友人がいると知り、信頼できる者にこの店と家を見張らせ、三娘の前夫と息子の行き先を調べるよう頼んだ。「分かりました、ですが蕭(ショウ)家の家職から伝える方が楽なのでは?」「…蕭家を信じていない」顧千帆は蕭使相とは永遠に別の道を行くと教え、今回はやむを得ず頼っただけだという。「今後は偶然、会うくらいだろう…惜しいなら推薦状を書く」「まさか!私は指揮についていきます!」陳廉は蕭使相が顧千帆の実父だと知らず、確かに蕭使相は評判が悪いと口を滑らせた。「偽の瑞祥で皇上に取り入り、大規模工事を手がけたんですよね 皇后にもへつらい、騙して邪魔者を排除するとか… 皇后派と組んで柯(カ)宰相と敵対する者などお断りです! …でも雷(ライ)司使との関係はどうでしょう?今回、指揮を救うため敵対したはず 雷司使は皇上と共に育ったとか、まさに大奸臣と悪徳宦官の一大対決ですね!」しかしふと気がつくと階段に腰掛けていた顧千帆は居眠りをしていた。引章もまた命の恩人である顧千帆に思いを馳せていた。…あなたならパンR姐を人の悪意から救ってくれるはず…そうよ、あなたは皇城司の高官だわ、私を良民にすることも容易いのでは?…それが叶うなら、あなたのために何でもするつづく
2023.02.24
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风起霓裳 Weaving a Tale of Love第4話「皇宮からの逃走」卓錦娘(タクキンジョウ)から巾着について追求される豆子(トウシ)こと庫狄琉璃(コテキルリ)と順子(ジュンシ)。すると試着へ行ったはずの才人・武媚娘(ブメイニャン)が戻って来た。「あら、綺麗な巾着ね…私も良く似た巾着を持っているわ 確か実家の妹が西市で胡(コ)商から買ったのよ、卓大家(タイカ)が気に入ったのなら頼んであげる」瑠璃は思いがけずかつての恩人・武才人に再び助けられた。すると帰りの道すがら、武才人から嘘をつくなら破綻のないようにと忠告されてしまう。実は媚娘は小豆子が持っている巾着はどこにでもある素材で作られた古い物だが、卓大家に渡した巾着は新しい上等な布だったと指摘した。そこで次は下々で使う素材や古い布で巾着を作って売るよう提案する。「そうだ、私の分も忘れないでね、卓大家が巾着の件で私を訪ねてくるはずよ」ここは水上に構える酔香楼(スイコウロウ)、雅な酒楼には毎夜、長安の俊才が集っていた。そんなある日、お忍びで皇太子がやって来る。実は皇太子は自分の上の句を店内に2日間ほど掲げるよう頼み、見事な下の句をつけた者には10日分の酒代を払うと約束していた。「下の句を詠んだ者はいたか?」すると恐れ多くも皇太子の掲げた紗(シャ)に科挙への不満をぶちまけた者がいた。「守約(シュヤク)作…一体、何者だ?」「守約なら国士監(コクシカン)四門学の学生だ、姓は裴(ハイ)名は行倹(コウケン)、字(アザナ)は守約 書と武の腕前なら長安で並ぶ者はいない」しかし良く見ると下から3行目がちゃんと下の句になっていた。「上の句と下の句を共に一編の詩を詠むとは…卓越した技だ」皇太子は感心し、5日後に裴行倹と会うことにした。瑠璃は古布で作った巾着を武才人に届けた。助けてもらいながら事情を話せない瑠璃、そこでいつか必ず説明すると約束する。しかし媚娘は狄(テキ)才人の衣への恩返しだと話し、善良な小豆子を助けただけだと寛大だった。卓錦娘は武才人を訪ねて巾着を確認、やはり順子が胡商から買った巾着と同じ刺繍だった。仕方なく引き下がった卓欽娘だったが、尚服局に戻ると中院で繍女が宮女と何やらもめている。「死人の衣を仕立てる暇なんてないの、尚服局は忙しいのよ?」「そう、ならもう頼まない!不禄(フロク)院の豆医官のほうが仕立ての腕も人品もずっと上よ!」驚いた卓錦娘は宮女から話を聞いた。何でも当時、武才人が死に装束を届けに行ったところ、棺の狄才人がすでに美しい衣をまとっていたという。「豆医官は自分が作ったと答えたそうです」卓錦娘は武才人が小豆子と面識があったと知り、2人が口裏を合わせたのではと疑った。しかし衣を作れる技術がありながらなぜ隠しているのだろうか。卓錦娘は内侍院を訪ね、小豆子の素性を調べた。しかし小豆子は孤児、孫徳成(ソントクセイ)が町で拾い、不禄院の防疫のため医術を学ばせたという。卓錦娘はこれといった情報も得られず帰ることにしたが、偶然にも入れ違いで孫徳成がやって来た。そこで卓錦娘は引き返してみると、孫徳成は人手なら足りているので手ぐせが悪い魏林(ギリン)をいらないと断っている。「人手が足りているなら豆医官を私に譲ってくださらない? 何でも豆医官の刺繍は素晴らしいと聞いたわ、武才人も一目置いているとか…」孫徳成は憮然として息子は自分が仕込むと断り帰って行ったが、結局、魏林を押し付けられてしまう。瑠璃の母親譲りの裁縫技術は見る者を驚かせ、もはや隠しきれなくなった。本来は安氏との約束通り瑠璃が18歳になったら皇宮を出すつもりだったが、孫徳成は一刻の猶予もないと判断し、誕辰の10日前だが宮中から脱出させることにする。「太医院には小豆子が強情で私の教えに従わないから追い出すよう頼んでおいた すぐ支度をしなさい」何も知らなかった瑠璃は困惑し、義父と離れたくないと訴えた。その時、桂子(ケイシ)が駆けつけ、内侍院から小豆子を尚服局に移動させると文書が届いたという。慌てた孫徳成は順子と一緒に空気穴を空けた棺を準備、瑠璃を骸と偽って城外へ出すことにした。棺の中には小さな包みがあった。孫徳成は1つが安氏から預かった財物で、残り2つは自分と順子の蓄えだと説明する。「困った時に使え」瑠璃は俸禄の少ない順子を心配したが、順子は実は小豆子が作った巾着が高値で売れたと教えた。一方、裴行検を呼び出した皇太子は酔香楼に代理として華天(カテン)を行かせた。華天の話では主が病の父親に付き添うため約束を反故にしたが、改めて酒楼に言伝を残すという。しかし華天の武芸の腕を見抜いた裴行倹は主がどこの誰なのか気になり、後を追うことにした。孫徳成と順子は瑠璃が入った棺を運び出した。しかし門へ向かう途中、副総管・潘秦海(ハンシンカイ)が立ちはだかり、配下に順子を連行するよう命じる。「順子が宮外から持ち込んだ物を宮中で売ったそうだな?処罰の対象だ、行くぞ!」孫徳成はこのまま棺を置き去りにするわけにもいかず、ともかく瑠璃を逃すことを優先した。すると瑠璃が順子を救うため棺から出すよう騒ぎ始めてしまう。孫徳成は仕方なく途中で棺を開けたが、瑠璃の首を打って意識を失わせた。帰路に着いた華天だったが、裴行倹が追って来たと気づいた。そこで鞭を入れ馬を急がせる。一方、孫徳成は疫病の骸だと嘘をつき、門衛の検閲を受けずに永安門(エイアンモン)を出ることに成功した。しかし西市に入った時、思いがけず馬が暴走、市場は騒然となる。実は馬車に目をつけた華天が咄嗟に馬につぶてを投げて騒ぎを起こし、裴行倹が気を取られた隙に逃げ出していた。棺は馬車から振り落とされ、放り出された瑠璃は目を覚ました。民たちは骸が起き上がったと驚いて逃げ出し、孫徳成は急いで瑠璃を連れてその場を立ち去る。その一部始終を裴行倹が見ていた。瑠璃は宮中に戻って順子を助けると訴えた。しかし孫徳成は瑠璃が戻ればかえって迷惑をかけると叱る。「お前の秘密を知る者は誰もが巻き添えになるんだぞ?!」孫徳成はわざと厳しいことを言って瑠璃を逃がそうとした。「順子には私がいる、心配するな、必ず助ける」すると瑠璃はその場で叩頭し、育ての恩は決して忘れないと誓う。「いいか、いかなる時も自分の素性だけは明かすな、長安を出たら西州を目指せ 無事に城門を出たら外壁に目印を残してくれ…達者で暮らすんだぞ?」孫徳成はこれで安氏との約束を果たし、瑠璃が仇を忘れて平和で自由な日々を送れると信じていた。瑠璃は衣装店で美しい衣を見つけた。しかし包みを持たずに逃げてしまったため手持ちがなく、かろうじて身につけていた高価な玉と交換してもらう。瑠璃はようやく本来の女子の姿に戻って包みを回収しに戻ったが、通りはすでに片付いていた。付近をくまなく探す瑠璃、すると牌坊の石の足に文字が刻まれている。…荷物は四門学の裴行倹が預かる…瑠璃は花売りの娘に四門学への道を聞いた。するとこの道の嵩化(スウカ)坊と西市を過ぎたら如意衣装店の次の角を左に曲がると教えてくれる。「如意衣装店…」瑠璃は伯父の店を訪ねる道すがら、懐かしい実家の前で足を止めた。父は元気だろうか。今も嵩化坊の庫狄宅に住んでいるのか。その時、ちょうど庫狄延忠(コテキエンチュウ)が自宅へ戻ってきた。11年ぶりの父娘の再会、しかし延忠は瑠璃だと気づきながら、人違いだと突き放す。「お嬢さんは知り合いを訪ねてきたのだろう?しかしこの家にいた者はもうここに住んでいない 忠告しておこう、波風を立てないのが一番だ、無理に顔を合わせて傷つく必要はない」「…忠告に感謝を、でも誤解しているようです 母を亡くしてから私にはもう身内はいません、訪ねる家などないわ」つづく( ๑≧ꇴ≦)街中でグリナザだけ浮いてるwww
2023.02.23
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屏里狐 The Screen Foxes第1話…ここ神来酒館(シンライシュカン)は妖魔たちが集う異世界の酒楼するとその夜、泥酔した人間の娘がふらりと店に迷い込んできた娘はよほど辛いことがあったのか、席につくなり給仕が持っていた麓角(ロッカク)酒を奪って一気に飲んでしまうやがて上階から女将が降りて来た「お静かに!これから屏風の絵比べを始めるわ、でも参加できるのは8人までよ」実は妖魔たちの目当ては絵比べで優勝し、壇上にある霊犀(レイサイ)屏風を手に入れることだったしかし挑戦できるのは麓角酒を飲み終えた8人だけ、条件を知らされなかった妖魔たちは不公平だと抗議する「お黙り!規則は女将の私が決める、文句があるならかかって来な!」壇上で絵比べが始まったしかしどの絵にも霊犀屏風は反応を示さず、優勝者はなしと判断されてしまうその時、店にいた夢仙(ムセン)は物陰に潜んでいた妖気が酔い潰れた人間の娘に取り憑つくのを見たすると娘は急に酔いが覚め、女将に自分がまだ絵を描いていないという娘は壇上までひとっ飛び、不思議な筆を招喚し、霊犀屏風に直接、絵を描き始めた屏風に描いたのは赤・白・黒の狐、すると娘の身体から妖気が離れ、ふいにしらふに戻るその時、突然、屏風が金色の光を放った女将は屏風が娘のものになったと驚いたが、納得できない妖魔たちが一斉に壇上へ押し寄せる娘は慌てて妖魔たちと逆行して逃げ出したが、そのまま卒倒した…翌朝、鄭雪景(テイセツケイ)が目を覚ますと自分の寝台で寝ていた。「ふう~夢だったのね、驚いた、怖かった~」「主人、お目覚めですか?」雪景が振り返ると見知らぬ白衣の青年が立っていた。さらに奥の部屋から紅衣の青年が現れる。しかし2人は人ではなく、雪景が屏風に描いた狐仙だった。昨夜、雪景は想い人から突然、別れを告げられ、独りやけ酒を飲んでいた。すると雷雨の中、三叔が訪ねて来る。『家賃を払わぬなら出て行け!』『この屏風店は母さんが私に遺してくれた家よ?』『母さんだと?…姉はお前の養母だ、だからお前と我が家は無関係だ! 鄭雪景、家の証文は俺が持っている、家賃を払わぬなら明日、出て行ってもらう!』『出て行かないから!』傷心の雪景は酒をあおりながら街をさまよい、気がつくと酒楼に入っていた。霊犀屏風はいつの間にか屏風店の裏庭に置いてあった。屏風には赤白黒3匹の狐、雪景は夢ではなかったと気づく。すると梁に隠れていた黒い狐が現れた。しかし黒い狐だけなぜか足がなく、宙に浮いている。「みんなは本当に絵の中の3匹の狐なのね?」黒い狐の小黒(ショウコク)は人懐っこく、可愛げがあった。白い狐の白笙(ハクショウ)は礼儀正しく、穏やかで優しい。しかし赤い狐の余琰(ヨエン)は山の大王だったせいか横暴で気が短かった。実は狐たちは烏角(オカク)先生の武器・御仙筆(ギョセンヒツ)の中に閉じ込められていた。しかし昨夜、雪景がその筆で屏風に狐の絵を描き、3人を封印してしまったという。「霊犀屏風は天下一すごい妖魔封じの宝物だ、封じられた妖魔は封印した者と主従関係を結ぶ 今後10年、我らは主人の従者となり、契約が満了したら自由の身になれる」余琰は直ちに契約を解除しろと迫ったが、雪景は解除も何も封印した覚えがない。その時、昨夜の酒楼にいた夢仙が屏風を奪いにやって来た。余琰と白笙に反撃された夢仙は退散したが、安心したのも束の間、人間の娘が霊犀屏風を手に入れたと知った妖魔たちが大挙して屏風店に押し寄せる。「あの娘は屏風を使えぬ、襲うぞ!」そこで白笙は主人に屏風の使い方を伝授した。「私の言葉を復唱して、″霊犀屏風よ、魔を封じよ″」「霊犀屏風よ、魔を封じよ!」雪景は屏風に手を置いて無我夢中で呪文を唱えると、驚いたことに屏風が妖魔をあっという間に吸い込んだ。狐仙たちはこれから10年、主従関係を結んだ雪景に仕え、主人の願いを叶える手伝いをすることになった。しかし納得がいかない余琰は雪景への怒りを爆発させる。「私は御仙筆の中に99年364日、封じられていた あと1日で解放されたのに、お前が封印を解いて今度は屏風に封じ込めた お前に10年も仕えたいと思うか?!」困惑した雪景はそもそもどうして筆に封印されたのか聞いた。実は白笙も余琰が封印された理由を知らなかったが、余琰は記憶がなく覚えていないという。白笙は叶えたい望みがあれば教えて欲しいと言った。妖魔たちもこの主従契約が目当てで屏風を欲しがっているという。すると雪景はひとまず今の望みは何か食べることだと答えた。しかし宙に浮いている小黒を連れて町に出るわけにいかない。そこで白笙は2本の棒に術をかけて足を作り、今度は余琰が術をかけて動くようにした。「だが3刻しかもたぬぞ」雪景は狐仙たちと町に出かけた。すると眉目秀麗な3人の姿に町中の娘たちが足を止めて見惚れている。「どうしてみんな何も言わないのかしら?」「違う容姿に見える方術をかけた、他の人間は私たちが普通の民に見えている」余琰は白笙と話しながらのんきに前を歩いている小娘が気に入らなかった。そこでこっそり方術で悪さをするが、白笙が危ないところで雪景を助けてしまう。「危なかった~今日はついてないわ!」「…余琰、もうよせ」( ゚д゚)<あいつがやったの?!白笙は実は余琰にはまだ心魔が残っていると教え、用心するよう警告しておいた。雪景たちは鳳陽酒楼でたらふく食べた。しかし誰も銭を持っていないと分かる。「…妖魔でしょう?銀子を出して!」「人を騙すことはできないんだ」悪事のせいで封印された狐仙たちは大小を問わず悪いことはできなかった。すると余琰は何事もなかったかのように席を立ち、出て行ってしまう。結局、雪景たちは食い逃げした。すると偶然、城門近くの告示で絵師の選抜大会が行われると知る。つづく〓〓みんなの歌〓〓狐狸精 狐狸仙ふりじ〜ん ふりしぃぇ〜ん千年修行万年间ちぃぇんにぃぇんしぅ〜しんまんにぃぇんじぃぇ〜ん火红呀 如初阳ふぉほんや〜 るーちゅや〜ん霸气呀世无双ばちやし〜う〜しゅぅぁ〜ん霸气呀世无双ばちやし〜う〜しゅぅぁ〜ん世无双し〜う〜しゅぅぁ〜ん( ๑≧ꇴ≦)未だに歌える私!w
2023.02.23
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玉昭令 No Boundary Season 2第20話生死盤(セイシバン)は命を入れ替えることができる禁忌の術だった。端木翠(ダンムーツェイ)は楊鑑(ヨウカン)が止めるのも聞かず、展顔(ヂャンイェン)を救うため自分の命と交換してしまう。すると死んだはずの展顔が目を覚まし、起き上がった。何が起こったのか分からず呆然となる展顔、すると視線の先にうなだれている端木の姿がある。喜んだ展顔は一目散に駆け出し、端木翠を背中から抱きしめた。「端木!生きているぞ!やっと一緒に暮らせるんだ!…?! どうした?眠ったのか?」その時、端木翠の死と共に結界が壊れ、楊鑑と小天(ショウテン)が駆けつけた。「妹子(メイズー)!妹子!…どうしてこんなことを?! 千年前と同じように死んでしまうとは、情を封じた蓬莱での日々は何だったのか…」「端木シャンシェン!端木シャンシェン!うわ~ん!」しかし展顔は愛する端木翠の死を受け入れることができなかった。「…端木、ここは寒い、家に帰って休もう」展顔は端木翠を抱き上げると、黙って端木草盧(タンボクソウロ)へ帰ってしまう。。・゜・(ノД`)・゜・。楊鑑は天兵と共に端木翠を迎えに来た。上仙が死んだ時は骸を蓬莱に運ばねばならない。しかし悲しみに暮れる展顔は端木翠を手放そうとしなかった。「私に会わなければ幸せな上仙でいられたのに… 人間界に引き止めて共に生きたいと願った私が身勝手でした …ですがどうしても離れたくありません」そこで楊鑑は千年以上も端木を見守って来た義兄として、端木が最も幸せだったのは人間界で展顔と一緒にいる時だったと教えた。「展顔、そなたは端木に愛されている、これは端木が望んだ結果なのだ 己の命を差し出してもそなたに生きて欲しいと愛と希望を託した、無駄にするな」すると展顔はようやく端木翠を手放す覚悟ができた。「端木…神仙の君は何でも意のままだった、だけど君が選んだのは私と生きること… これからの人生を大事にするよ、ちゃんと生きる 私だけの人生ではなく、君のものでもあるのだから…私たち2人の命の時間だ」その時、端木翠の目に溜まっていた涙がふいに流れ落ちた。「行ってください、彼女を連れて蓬莱へ、私は大丈夫です …端木、あの世で君に再会するまでしっかり生きたら、こう報告するよ ″私は君が与えてくれた命を1分1秒、真剣に生きて来た、2人分の命だから″と… 君の犠牲、君の選択、君との愛、どれも決して無駄にしない」展顔は最後に端木翠を抱きしめ、そっと口づけした。「端木…君がどこにいようと永遠に君を忘れない」。・゜・(ノД`)・゜・。三界に平和が訪れ3年が経った。啓封(ケイホウ)では共に苦難を乗り越えた趙武(チョウブ)と張瓏(チョウロウ)が結婚、張瓏は捕吏の制服を脱ぎ、出産を控えている。一方、展顔は端木への弔いとばかりに捜査に没頭し、草盧で温孤(オンコ)と一緒に暮らしていた。温孤は今も紅鸞(コウラン)が必ず帰って来ると信じ、待ち続けている。そんな2人の姿に青花(セイカ)上仙は心を痛めていたが、展顔は温孤に自分の姿が重なり、紅鸞の死を伝えることができずにいた。七夕の夜、啓封を流れる川に民が次々と灯籠を浮かべていた。ちょうど3年前の同じ頃、端木上仙と展顔が人間界に安寧をもたらし、それ以来、民は桟橋に集まっては端木翠への祈りを捧げている。そんな中、鶴雪(カクセツ)のために灯籠を流す少年がいた。驚いた上官策(ジョウカンサク)は二蛋(ジタン)に鶴雪を知っているのか聞いたが、鶴雪は二蛋を助けて身代わりに死んだという。「鶴雪…安らかに」上官策が鶴雪のために灯籠を流すと、展顔も端木翠の姿絵を書いた灯籠を流した。…愛はどんな障壁も乗り越える、死が2人を分つとも愛は消えない…この3年間、君を忘れた日はない、君のために祈って来た…端木、君がどこにいても構わない、たとえ木になっても川や牡丹の花になってもいい…達者でいてくれ。・゜・(ノД`)・゜・。人間界の3年は蓬莱の3日、楊鑑はまだあきらめず端木翠の治療を続けていた。しかし生死盤の天罰により傷ついた心臓は仙糸でも縫い合わせることができず、そのせいでどんな仙薬も霊薬も効果がない。楊鑑は最後の手段として織女(シュクジョ)に頼んで織ってもらった光の糸を使ったが、やはり無駄だった。「星君、手は尽くされました、天命を受け入れましょう」神医の宣告を聞いた楊鑑はついに端木翠を帰墟(キキョ)に埋葬すると決意する。その時、華佗(カダ)神医と月老が駆けつけた。「星君!見送るのはまだ早い!人間からの願いが蓬莱を取り巻いていますぞ!」華佗は人間界から届いた3年分の心力をより合わせて作った願いの糸を届けた。すると驚いたことにその糸が端木翠の心臓の傷を縫い合わせてくれる。「あと3針ほど縫います、傷が閉じたらあとは天に任せましょう…」最後の糸は展顔が3年間、端木翠を想い続けて来た愛の糸だった。端木翠は愛という最も強い力の糸で生還した。すると上仙が生き延びたと知った雷神が駆けつけ、生死盤を使った罪で端木上仙には罰を受けてもらうという。楊鑑は三界を救った端木翠への仕打ちに憤ったが、これを利用して端木翠の願いを叶えることにした。「勝手に生死盤を使ったのは端木が初めてだと?ならば厳しい罰を与えねば…」そこで楊鑑は禁忌を犯した端木翠の仙籍を剥奪すると宣言した。楊鑑は密かに司命仙に頼んで端木翠と展顔の運命簿を書き換えた。これで2人は富と子に恵まれ、平穏に暮らせるだろう。また端木翠のおかげで神仙に復帰した月老は2人が仲睦まじく過ごせるよう手配し、邪魔者は排除すると誓った。やがて端木翠は意識を取り戻し、義兄が救ってくれたと知る。すると楊鑑は義妹を抱きしめ、手はずは整えたと教えた。「これからはそなただけで進むのだ…」展顔は延(エン)州の捜査に出かけていた。すると偶然、恋人を怒らせ、立ちすくんでいる青年を見かける。展顔は思わず青年に声をかけ、彼女を捕まえておくべきだと忠告した。「後悔しても時は戻らない」青年は慌てて恋人を追いかけて行くと、展顔は雪の中を再び歩き始める。その時、背後から懐かしい声が聞こえた。「男女の情に詳しいのね?経験から得た教訓かしら?仙女を蓬莱に帰したことを後悔している?」展顔が振り返るとそこに愛おしい端木が立っていた。「何よ?嬉しくなさそうね?…いいわ、もう帰る」驚いた展顔は慌てて端木翠を追いかけ、抱きしめた。「しばらくこのままで…なんて幸せな夢なんだ、いつもはこの場面で君は消えてしまう」「夢じゃないわ、戻って来たの…ごめんなさい、長い間、待たせて… 展顔?もう放して、あなたの顔を見たいの」「放したらまた消えてしまう! この3年、君は毎晩のように夢に現れ、触れようとすると消えてしまった 端木…また消えるとしてもその前に教えてくれないか、元気だったかい?」端木翠は咄嗟に振り返り、展顔に口づけした。「あなたなしで元気でいられると思う?…分かったでしょう?夢じゃないわ、戻って来たの」「早すぎる、まだ不確かだ…もう一度、確認する」展顔は口づけしようとしたが、端木翠が止めた。「3年の間にずい分、厚かましくなったわね…」「端木、人間界にいつまでいられるんだい?…短い間でも気にしないでくれ 君が穏やかに生きられるならそれが一番なんだ」「大哥(ダーグァ)に言われたの、嫁いだのなら戻ってくるなと…夫婦喧嘩に負けたら戻れる でも大哥があなたを懲らしめに来るわ…とにかくもう戻れないの…」「悲しそうだからてっきりまた蓬莱に戻るのかと…」「悲しいのは大哥と離れたからよ、それに私を見た時、あなたは嬉しそうじゃなかったから もう私のことを想っていないのかと…」「そんなわけないだろう?…私の端木が戻ってきた」展顔は端木翠を強く抱きしめ、唇を重ねた。展顔は端木翠が完全に人間になったと知った。これからは2人、一緒に年を取って行くことができる。一方、温孤は草盧で独り、今日も紅鸞が残していった香袋を眺めながら悲しみに暮れていた。すると温孤の強い想いが実り、香袋の中の桃花にわずかに残った紅鸞の元神が人像を作る。「紅鸞?!」温孤は紅鸞を抱きしめ、再会を喜んだ。端木翠と展顔は希望通り男女2人の子をもうけた。そして数年後、端木翠と展顔たちが朱雀街で買い物していると、小天がこっそり子供たちを物陰に誘い出してしまう。展顔は露店にいる端木翠を置いて慌てて後を追ったが、横道に隠れていたのは楊鑑だった。「驥児(キジ)、彎彎(ワンワン)、舅舅(ジゥジゥ)にご挨拶は?」「舅舅好!」「舅舅、にゃんちんが舅舅は空を飛べるって言ってた…僕も飛びたい!」「よし、あとで一緒に跳ぼう」「私も飛びたい!」展顔は端木に会わないのか聞いた。しかし楊鑑は悲しくなるので会わないと強がる。「それでいいの?」すると飴細工を買っていた端木翠が現れた。楊鑑は小天と一緒に草盧に立ち寄り、甥と姪と一緒に遊んだ。その様子を温孤が紅鸞と一緒に見守っている。「しばらくいたら?」「そうですよ、子供たちも喜びます」「…子供たちが望むというなら数日、遊んでやってもいいがな」終わり( ;∀;)ぁぁぁ~終わってしまった~展顔の制服姿が好き過ぎる~特に感想はないのですが(ないのかいw)″愛は地球を救う″ということで…どこかでノーカット版の放送を期待しつつ、展顔の新作お待ちしています♪
2023.02.21
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梦华录 A Dream of Splendor第8話「3つの条件」高慧(コウケイ)は欧陽旭(オウヨウキョク)が屋敷の前で趙盼児(チョウパンアール)と話していたことを知っていた。相手は誰かと聞かれた欧陽旭は咄嗟に以前、間借りしていた王(オウ)府の人だと取り繕う。それが嘘だと知ってか知らずか、高慧はかつて紅顔知己がいたなら東京(トウケイ)に呼び、妹のように仲良くしたいと殊勝な事を言った。しかし欧陽旭は二心は持たないと宣言、高慧は機嫌良く帰って行く。すると隠れていた杜長風(トチョウフウ)が出てきた。杜長風は寛大な高慧に感心し、パンRを第二夫人として迎え入れればいいという。しかし欧陽旭は高慧の言葉が本心と裏腹なことを知っていた。実はこれまで欧陽旭に近づこうとした娘が災いに見舞われ、1人は転んで左目が不自由に、もう1人は川で溺れ、助けられたもののずぶ濡れの姿を晒してしまい、出家したという。杜長風はようやく欧陽旭が高慧からパンRを守るため、わざと怒らせて東京を出ていくよう仕組んだと知った。パンRが妾という身分に甘んじる女子ではないことは誰よりも欧陽旭が分かっている。「契りを結んだ時から私の心にはパンRしかいない パンRがいなければ凍える夜半に苦学できなかったし、師を招いて殿試に挑めもしなかった」欧陽は殿試で上位となってパンRを妻に迎え、生涯ともに詩賦や描画に興じたいと夢見て来たが、それも潰えたと落胆した。一方、パンRは杜長風が置いて帰った自分の絵姿を見ていた。それはかつて欧陽が銭塘(セントウ)で描いてくれた自分の肖像画、しかしパンRは欧陽との縁が終わったとあきらめ、肖像画を燃やしてしまう。すると孫三娘(ソンサンニャン)が薬湯を運んできた。「もう思い残すことはないわね、これからどうするの?」「頭が真っ白で…まだ何も考えられない」パンRと三娘は看病疲れで寝ている宋引章(ソウインショウ)の様子を見にいくことにした。その時、うなされていた引章が飛び起きる。引章は周舎(シュウシャ)からの虐待で心に深い傷を負い、未だ悪夢を見ることがあった。「私の醜聞は江南中に知れ渡っている…もう終わりよ、賎民のままじゃ生きていけない…」パンRは引章を守るため、潰えた情を利用することにした。…顧千帆(コチェンファン)、この証文を見たら″矛盾している″と笑うかしら?…その頃、顧千帆は父と一緒に蕭(ショウ)家の墓参りに来ていた。江南には清明(セイメイ)節に墓を清める風習がある。蕭欽言(ショウキンゲン)は祖父に孝行を尽くすよう促したが、顧千帆は戸籍上の祖父は礼部侍郎・顧審言(コシンゲン)だと拒否した。蕭欽言は顧千帆を連れて高台まで登り、海をながめた。「お前の母とここに来た時、ある詩が浮かんだ、″過ぎ尽くす千帆 皆これならず″…」これが息子の名前の由来だという。しかし顧千帆はどこか上の空だった。蕭欽言は皇城司が気がかりなのだと察し、雷敬(ライケイ)に脅しをかけてあると教える。「今は利用する方が良い」確かに顧千帆は雷敬が鄭青田(テイセイデン)から賄賂を受け取ったという証拠を持っていなかった。蕭欽言は実のところ自分と顧千帆の境遇はさほど変わらないと言った。「私は″悪徳大臣″と言われ、皇城司は″朝廷の犬″と悪名高い 私へのわだかまりを捨て、なぜ皇城司にこだわるのか教えてくれないか?」「分かっていないな…」「何がだ?」すると顧千帆は珊瑚のかんざしを落としたことに気づき、父に別れを告げて先に帰ってしまう。欧陽旭はパンRが心配だったが、高家の手前、会いに行くことができなかった。そんなある日、突然、パンRが欧陽府に現れる。パンRは取り引きに来たと切り出し、破談の代償として3つの条件を出した。「あなたは両親の霊前で趙家の婿として私を一生、守ると誓った 婚約を解消するならその旨を書き記して欲しい、銭塘へ帰ったら霊前で燃やすから それから仕官できたら引章を良民にする約束よ?高家の婿になるなら容易いはずね 最後に表装したであろう夜宴図を返して欲しい …この3つを成せたら袂を分つわ、成せないのなら婚約の事実を吹聴するから」「約束するよ」そこで欧陽旭はまず夜宴図を返すことにした。しかし荷物をひっくり返しても見つからず、3日以内に何かしら返答するという。「じゃあ3日だけ待つわ…欧陽、もう失望させないでね」するとパンRは帰ることにした。「パンR!これ…」欧陽旭は最後にずっと渡せずにいたかんざしを贈ろうとしたが取り付く島もない。「欧陽官人、私たちもう他人、私を呼ぶ時は趙娘子(ニャンズー)と…」一方、顧千帆は蕭家の墓の近くで落とした珊瑚のかんざしを見つけた。その時、蕭欽言を恨む民たちが祖父の墓を荒らしている様子を目撃する。「恩師の王狄(オウテキ)先生は蕭欽言に殺された!親の責任だ!」しかし忠(チュウ)氏たちが駆けつけ、民たちを捕まえ懲らしめようとした。顧千帆は急いで止めに入り民を解放させたが、実は毎年、清明節と中元節になると同じような事件が起こるという。すると顧千帆は使用人たちと一緒に汚物まみれになった祖父の墓を掃除した。「爺爺(イェイェ)…私は正しく生きたいだけ、どうかお許しを」欧陽旭は太常(タイジョウ)寺に勤務する親戚がいる杜長風に引章の身請けを頼むことにした。しかし杜長風は進士になったばかりで悪い噂が広まれば人生が終わると警告する。欧陽旭はむしろそれで高慧が愛想を尽かしてくれるなら好都合だと言ったが、杜長風は高家が茶に何かを混ぜるだけだと言い放った。「君が急病になれば高慧は苦労せずに済むからな」そんな中、銭塘に出かけていた徳(トク)叔が欧陽府に帰って来た。実はパンRが自分を銭塘に足止めし、いつの間にか東京へ来ていたという。「婚約解消書など書いてはいけません!趙氏は悪知恵が働く妓楼育ちのイカサマ師です!」徳叔の話では帰路で華亭(カテイ)県の宿に泊まった時、パンRが名妓と偽称して婚姻を餌に周舎を誘惑した上、公堂に訴えて流刑に追い込んだという。欧陽旭は到底、信じられなかったが、徳叔は警戒心を持つべきだと訴えた。パンRとの約束の期限が迫っていた。夜宴図は徳叔が独断で柯(カ)宰相の誕辰祝いに贈っていたことが分かり、これで欧陽旭はパンRの要望に1つも答えられないと落胆する。すると痺れを切らしたパンRと三娘が訪ねて来た。使用人は徳叔からの言い付けで誰も通せないと追い返したが、三娘が黙って引き下がるはずもない。そこで三娘は今から門前に居座ると宣言、驚いた使用人は慌てて門を閉めてしまう。しかし徳叔も三娘が騒ぎ立てるのは想定内で、とうに策を講じていた。パンRと三娘が屋敷の向かいに座り込んでいると、徳叔に雇われた男たちが現れた。「あら、蹴鞠が下手くそな池(チ)衙内の″犬″じゃない」「何だと?侮辱したな?…やっちまえ!」しかし三娘が使用人の忘れていったほうきを振り回し逆襲、可四(カシ)は転んで逃げ遅れ、踏みつけにされてしまう。「老いぼれが2貫やるから去らせろって…」パンRは徳叔の仕業だと知り、三娘が懸念した通り、仕官の道が開けた途端に手段を選ばなくなったと呆れた。「三娘!子を産めぬよう龍虎穴(リュウコケツ)を突いて!」「へ?」三娘は意味が分からなかったが、パンRの目配せに気づいてほうきの柄で可四の腰を突いた。「子孫など考えないことね!」「娘子…私は子を成さねば…うちは3代に渡り男1人なんですぅ~」「解いて欲しいなら言う通りにして」可四はパンRに寝返り、仲間を連れて欧陽府の前で抗議活動を始めた。「借金の踏み倒しは天が許さぬ!」どうやら可四は本当に経穴を突かれたと信じている様子、三娘は男なのに子が産めるはずないと失笑してしまう。一方、パンRは顧千帆が船で話してくれたことを思い出していた。…皇城司の獄で多くの人間に触れて来て思ったんだ、この世には試練に耐えられぬ者もいる…顧千帆は正しかった。パンRは現実に直面し、この世で不確かなのは人の心だと痛感する。つづく( ๑≧ꇴ≦)あははは〜三娘最強説w
2023.02.20
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皎若云间月 Bright as the moon第40話「時を超えて」…時をさかのぼるには3つの宝を集めるべし…醒世異聞録(セイセイイブンロク)を読んだ雲浅月(ウンセンゲツ)は″白玉の神龍″と″千年の寒鉄″を手に入れたが、最後の宝が何か分からず断念していた。しかしついに3つ目の宝が鳳凰のかんざしだと判明する。それは容景(ヨウケイ)が折ってしまった母の形見のかんざしだった。その夜、浅月と容景は思い出の裏山に席を設け、別れを惜しんだ。容景はやはり浅月と離れたくないと本音を漏らしたが、息子を放り出して後を追うこともできないという。「君に生きていて欲しい…」「でも私が去ったら、残されたあなたはどうするの?」「辛い…胸が張り裂けそうだ、しかし君が生きていると思えば支えになる 浅月、どこへ行っても忘れないでくれ、君を愛している どんなに遠く隔てられ、未来永劫めぐり会えずとも、私は君と孤独を分かち合う」「全ての出会いは深い縁があるからこそ…だからきっとまた会えるわ」「思いが通じていれば千年の時を隔ててもこの愛は変わらない…心はひとつだ」その時、浅月の全身が急に消えかかった。容景は一刻の猶予もないと知り、慌ててかんざしの片割れを取り出す。「約束してくれ、必ずしっかり生きると…」すると浅月もかんざしの片割れを手にした。「容景、あなたを愛している、千年後の世界で待っているわ」2人は折れたかんざしをつなげて鳳凰のかんざしを復活させると、浅月の身体は光となって消散した。容景は浅月を失い、その場で泣き崩れた。すると走馬灯が回り始め、2人の思い出が帳(トバリ)に映し出される。…容景、あなたとの思い出をすべてこの走馬灯に刻んでおくわ…私からの最後の贈り物よ、元気で、悲しまないでそれは浅月が密かに作っておいた走馬灯だった。浅月が消えて10年が経った。皇太后は景世子に後添いを迎えるよう勧めたが、容景は辞退して隠居を申し出る。「栄王府の妃は生涯、雲浅月ひとりです」「容景っ?!…はっ!」李蕓(リウン)はマンションの寝室で目を覚ました。…何てこと?夢だったなんて…すると消し忘れたPCに穆小七(ボクショウシチ)の失踪を伝えるニュースが映っている。…もう二度と会えないのね、とても長くて悲しい夢だった…李蕓は孤独を紛らすように執筆に没頭した。こうして書き上げた″紈絝(ガンコ)世子妃″は新人賞を獲得、李蕓は時の人となる。容景と浅月を題材にしたラブストーリーは映画化も決定したが、その版権を買ったのは穆グループの映画会社だった。「この作家に投資だと?…金をドブに捨てるようなものだ!」失踪と報道された穆小七は無事だった。何も聞いていなかった秘書が勝手に誘拐と誤解して大騒ぎになったが、実は施工停止の大損で父から3ヶ月の外出禁止を言い渡されただけだった。缶詰生活に飽きた穆小七は秘書に頼んで気晴らしに外へ出た。すると驚いたことに李蕓が現れる。「あの日のダサい格好とは大違いだな」李蕓はこの機会を利用してライブ配信を始めると、小説の容景のモデルは穆小七だと明かした。このライブ動画がSNSで大バズり、映画の効果的な宣伝となったが、秘書はこの件で奇華(キカ)グループの社長が怒っていると報告する。「縁談と提携に影響が出てはまずいと…」「分かった、ではスキャンダルを事実に変えよう」穆小七は李蕓のマンションを訪ねた。「あなたの失踪で大変な目に遭ったのよ?」「あの件か、思いがけず迷惑をかけて悪かったね」「もういいわ」すると小七は動画のせいで自分の名声が傷ついたと難癖をつけ、恋人契約を結びたいという。しかし条件は李蕓が自分の家に同居することだった。「心配ない、君を女として見ていないから…ただ両親が身を固めろとうるさくてな」2人は会社公認のカップルとして1ヶ月の契約を結び、李蕓は小七の豪邸に引っ越すことになった。穆小七は李蕓との交際を公にし、奇華グループの令嬢との縁談を破談することに成功した。こうして始まった李蕓と小七の同居生活、2人は容景と浅月がそうだったように反発し合いながらも惹かれていく。「以前のことはすまなかった、よく考えると君も悪くはないな」「あなたこそ噂ほどひどくないわ」すると小七は家族さえ自分を見る目は世間と大差なく、もう慣れっこだという。しかし李蕓は小七の本当の姿を知っていた。「あなたは陰で正しいことをしている、知っているの…タネを明かすわ」実は小七の友人・林(リン)社長は李蕓の親戚だった。李蕓は林社長から穆小七の情報を集めていた。小説が現実になったのは小七の行動を事前に知っていたからだという。「段取りは全部、従兄が組んでくれたの、もちろんあの偶然の出会いも…」「最初から計画していたと?」「そうよ、わざと近づいた、あなたが好きだから」李蕓は小七が恋人を取っ替え引っ替えしているのはスキャンダルで縁談を流すためだと分かっていた。しかし一方で忙しい中、毎月、複数の施設へ慰問しているのも知っている。「遊び人に見せているけれどあなたは善良な人よ、父親の決めた道を歩くのが嫌なだけ …私はあなたを理解している、だって知り合ったのはずっと昔だから」かつて李蕓はアルバイト先のバーで客にからまれているところを小七に助けられていた。「…私は人にはめられるのが大嫌いだ、李蕓小姐、私たちの契約は今日で終わりだ」「ごめんなさい、騙して…でもこれだけは言わせて、小説のモデルは本当に私とあなたなの …帰るわね、この本は置いていくわ、最後のプレゼントよ」李蕓と穆小七はそれぞれの生活に戻った。小七は仕事に復帰、漢代の墓が出土して頓挫した計画を変更し、文化遺産を保護して再開発を進める。そんな忙しい毎日の中、暇を見つけては李蕓が置いていった″紈絝世子妃″を読みふけった。一方、李蕓は執筆活動を続け、新刊も売り切れとなった。するとある日、麗麗(レイレイ)から連絡があり、良い男を紹介するという。「今度は間違いないわ、私の顔を潰さないでよね」「いいわ、どこへ行けばいいの?」李蕓が指定された場所で待っていると、ランボルギ〇ニが停まった。「穆小七?…私をブロックしたくせに、なぜあなたがここに?」「いいから乗れ」「なぜ今頃になって誘いに来たの?」「…あんなゲームを仕組まれてやられっぱなしじゃ男として失格だ」「もう許してくれないかと…」すると小七はこれから民政局に行くという。「えっ?!…結婚登記?!」喜んだ李蕓は思わず運転中の小七にしがみついて怒られてしまう。「″私から3尺離れるのだ、よいな?″」その時、李蕓は流れる景色の中で、巨大スクリーンに映し出された容景と息子の姿に気づいた。…ディエディエ、きれいな蛍がいっぱいだね、にゃんちんもどこかで見ているかな?…そうだな、どこかで見ている「…どうした?何かあったのか?」小七はイタズラっぽく笑うと、李蕓はそっと小七の肩に頭を乗せた。おわり( ๑≧ꇴ≦)ちょwwwwwかんざし版″トモダチ″で現代に戻ったぁぁぁ〜久しぶりにミルクティ吹き出したわ(´゚艸゚)∴ブッちょっと最終回は肩透かしを食ったような…まあ〜折り返しからエグい展開だったので、これくらいライトな終わり方でもいいのかも?
2023.02.19
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皎若云间月 Bright as the moon第39話「鏡の中の兆し」雲浅月(ウンセンゲツ)と容景(ヨウケイ)、2人を取り巻く全ての因縁は10年前の慕容(ボヨウ)家の事件とつながっていた…雲王は慕容将軍の詮議を命じられ、息子夫婦に報告した世子は確かに慕容将軍の長男が本当に淇(キ)国の太子なら助けようがないと言ったが、雲王府は慕容家に多大な恩がある実は世子夫人が不吉とされる双子を産んだ時、梁睿(リョウエイ)を夫人の故郷である南梁に送ってくれたのは他でもない慕容将軍だった一方、冷王は宰相が月岐(ゲツキ)の密偵とも知らず、謀反の証拠となる文を受け取ったそこで皇帝に文を献上し、密かに総管・呉虞(ゴグ)と接触する雲王が親しい慕容将軍をかばうのは必至、その前に淇国太子ともども根絶やしにしなければならない『それができるのは公公(ゴンゴン)しかいない』実は冷王は呉虞が第四皇子の生母・蘭(ラン)妃の暗殺に関わったことを知っていた身分の卑しい蘭妃が皇帝の寵愛を独占し世継ぎまで産んだことは由々しき問題、呉虞は皇室の行く末を思えばこそだったという『心配ない、この事実を知っているのは蕭(ショウ)妃だけだ』冷王はそれとなく呉虞を脅したが、呉虞も冷王が慕容将軍の仕返しを恐れているのだと察したこのまま皇帝の信頼を得た慕容将軍が朝廷での地位を強固にすれば、淇国の仇を取るかもしれないすると呉虞は今回限りという約束で手を結ぶことに同意した世子夫人は慕容家を心配し、南梁王妃である母を見舞いに行くという口実で外出すると決めたしかし思いがけず慕容府襲撃の一報が舞い込む雲王は息子夫婦を救助に向かわせたが時すでに遅く、慕容府は死者であふれていたそんな中、世子夫人が長男を発見、危ないところで容景を逃したが、呉虞の手にかかって殺されてしまう…あの時、容景を救ってくれたのは浅月の母だった。浅月の父はこの事件の後に仏門へ、祖父は復讐の連鎖を終結させるべく早々に事件を封印したという。「王爺が全てを独りで背負った…しかし結局それが仇となり、命を落としてしまった」大師はすでに上官茗月(ジョウカンメイゲツ)から全ての経緯を聞いていた。「王爺の死には景世子も墨閣(ボッカク)も関与していない、世子は王爺と同じ道を選んだ 全ての誤解を背負い、怨恨を止めようとな…誤解が解けたのだからこの縁を大切にしなさい 拙僧は我が子の成長を見守れなかった…父としての責任を果たせず、後悔している」すると容景は我が子を初めて抱きしめた。数年後、容景の霽月(セイゲツ)堂は今や城内で1番と言われる医館になった。浅月は息子を育てながら夫の医館を手伝い、今も栄王府で家族3人、幸せな毎日を過ごしている。そんなある日、兄の南梁睿から旅立ちを知らせる文が届いた。…天賜(テンシ)は聡明な少年君主に成長した…容楓(ヨウフウ)は旧淇国の地に封ぜられ、軽暖(ケイダン)公主と新婚生活を満喫している…玉洛瑤(ギョクラクヨウ)は江湖に落ち着き、上官茗月が熱を上げているが、どうなることやら…彩蓮(サイレン)と弦歌(ゲンカ)は仲睦まじい夫婦だな、そろそろ出産か?凌(リョウ)児の遊び友だちができるな…香荷(コウカ)は雲府の主となり、なかなかの辣腕(ラツワン)ぶりだ…浅月、それぞれ落ち着いたのに兄の私は独りぼっち…そこで私も自分の幸せを見つけに行くことにした…どうかうまくいくよう祈ってくれすると天聖を出た南梁睿はやがて河岸で物思いにふけっている拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)を見つけた。その夜、浅月は改めて家族と過ごす幸せをかみしめていた。「さっきあなたが凌児に物語を聞かせていたでしょう? 私のいた世界には話ができるぬいぐるみとか、音楽に合わせて回る走馬灯があるの 凌児が見たらさぞ喜ぶでしょうね…」「走馬灯なら作ってあげよう」「はお、明日一緒に作りましょう」しかし完成した走馬灯を楽しんでいたその時、浅月は鏡に映る自分の顔が一瞬、消えるのを見た。浅月はいつものように医館を手伝っていたが、急に具合が悪くなった。驚いた容景は脈を診たが異常はない。浅月は暑さのせいだとごまかしたが、その時が迫っているのだと分かった。すると翌朝、身支度を整えていた浅月は再び鏡から消えそうな自分の姿に気づいて動揺する。そこへ容景がやって来た。浅月は慌てて鏡を確認、自分の姿が写ってると分かって安堵する。しかし容景が浅月の髪にかんざしを挿して鏡をのぞくと、浅月の姿が消えた。浅月はいよいよ隠しきれなくなり、ここを去ることになると告げた。「言ったでしょう?私はよその人間だって…ここへ来たばかりの頃にも同じことがあったの ある書物にあったわ ″身体を借りて蘇る者は生者にあらず死者でもない、寿命の長さは定まらず塵と消える″って…」「バカな、信じない…混じりっ気のないペットフードしか信じない!」「もちろんそばにいたい、でももし…」「″もし″はない!…もし本当に私を捨てたら妾を迎える!」「容景、私が辛いのは分かっているでしょう?でもどうしようもないの…」「いいかい?他に女を作られるのが嫌なら何としてでも生きろ!」容景は激しく取り乱し、自分が必ず何とかすると言い聞かせた。しかしどんなに探しても浅月を救う方法は見つからず、途方に暮れてしまう。浅月が目を覚ますと容景の姿がなかった。そこで書斎に行ってみると、呆然と座っている容景を見つける。床には一晩中、描き続けていた浅月の絵が散乱していた。「君との日々を書き留めておきたくて、いつまでも忘れないように…」浅月は愛おしそうに容景の頬に触れたが、その時、ついに手が透けて消えそうになってしまう。「もう限界かも…」「嫌だ、浅月、消えないでくれ…」すると容景は以前、浅月が3つの宝を集めて元の世界へ帰ろうとしていたことを思い出した。「君が死ぬくらいなら例え別の世界でも生きていて欲しい… たとえ二度と会えなくても愛し続けることができる」容景は早速、店の前に″醒世異聞録(セイセイイブンロク)求む、謝礼千金″と告示した。すると思いがけず容景の治療で助かったと言う人物がお礼だと言って本を届けてくれる。浅月はついに3つ目の宝が何か分かったが、それは容景の母の形見であるかんざしだった。しかし容景は自分の手で折ってしまったと困惑する。「…でも″鳳凰の復活″と書いてある、分かったわ!」つづく( ๑≧ꇴ≦)パパ!パパがもっと早く来てくれれば皆、死なずに済んだのよ!からの怨恨とか?w
2023.02.18
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梦华录 A Dream of Splendor第7話「父の愛」欧陽旭(オウヨウキョク)と高家の娘の縁談は事実だった。愛しているのは趙盼児(チョウパンアール)だが、何分にも出自が悪いという。進士はいかなる汚点も許されず、何より高観察の機嫌を損ねるわけにはいかなかった。「君と誓った永遠の愛を忘れた日はない、君を正妻にできないだけだ …心変わりはしていない、君だけを愛している、でも仕方がない」するとパンRは茶を捨ててしまう。「あなたに飲ませる茶はないわ」欧陽はパンRを引き止めようとしたが、パンRは妾になどならないときっぱり断って帰った。帰り道、パンRは今にも倒れそうな自分を奮い立たせながら歩いていた。すると橋を渡り終えようとした時、たもとで蹴鞠(シュウキク)を楽しんでいた池蟠(チハン)たちの鞠が飛んでくる。「どいてくれ!」池蟠は咄嗟に叫んだが、危うくパンRとぶつかりそうになり鞠を落としてしまう。「私は″どけ″と言ったはずだ、おかげで連続32回の記録が途絶えた、謝罪すべきでは?」「…たった32回でいいの?」パンRは鞠を借りると、33回ほど蹴ってから枠の中に放り込んだ。「下手なのに難癖つけないで」呆気に取られる池蟠たちを無視して颯爽と去って行くパンR。しかし三元客桟の客室へ戻ると、椅子に座ることもままならず、卒倒してしまう。一方、蘇州の平江(ヘイコウ)府で静養している顧千帆(コチェンファン)は偶然、父・蕭欽言(ショウキンゲン)と家職・忠(チュウ)氏の話を立ち聞きしていた。父は鄭青田(テイセイデン)が残した47万貫のうち3万貫を鄭家の遺族へ、4万貫は内々に指揮の名義で皇城司の犠牲者たちへの見舞い金とするよう指示している。また20万貫は東京(トウケイ)の皇后の兄・劉(リュウ)太尉に送り、残りの20万貫は自分の帳簿に記帳するよう命じた。「顧指揮を診た医者は初めて見る顔だな?私の脈を診る医者に変えよ それから有能な者8人を顧指揮に付き従わせよ しばらくは買い物や捜査、同輩の埋葬など、好きにさせよ 顧指揮が命じることをないがしろにするな…そうだ、必要な物は私と同じだけ与えよ」幼い頃に母と自分を捨てた父、顧千帆はそんな父に反発して寄りつこうとしなかったが、初めて父の愛情に触れた。しかし屋敷では主が厚遇する顧指揮が何者か分からず、忠氏の息子は思わず都の夫人へ知らせてはどうかと口を滑らせてしまう。忠氏はいきなり息子を引っ叩き、主が知れば平手打ちでは済まないと釘を刺した。皇城司の司使・雷敬(ライケイ)もまた蕭欽言がなぜ顧千帆を助けるのか知らなかった。しかし明日にも皇帝に知らせが届く。鄭青田の謝罪文に雷敬の名前がないのは幸いだったが、蕭欽言はこれを機に江南の官界の反対勢力を一掃し、宰相に返り咲こうとしているはずだ。「死んだ鄭青田の20万貫を私が得れば奴も私を見逃すまい」何より蕭欽言の背後には皇后がいた。すると遠路はるばる蕭使相の使いが訪ねて来る。「蕭使相は雷司使の行いをご存知です…このご進物は使相が選ばれた物です」雷敬は恐る恐る箱を開けたが、中にあったのは珍しい玉と文だった。…江南の件と貴公が無関係なのは分かっている…千帆が貴公のもと平穏であることにささやかながら礼を申し上げる顧千帆は楊家で殺された皇城司の兄弟たちを埋葬した。すると忠氏は蘇州に戻り次第、主と墓参りに行くよう頼み、実は主が顧千帆のために奔走していると訴える。顧千帆は父の顔を立て了承し、楊家のおばの供養が終わったら蘇州へ戻ると約束した。東京では宋引章(ソウインショウ)が一晩中、パンRに付き添っていた。翌朝、孫三娘(ソンサンニャン)は交代して引章を休ませたが、引章はパンRが欧陽に捨てられたと察し、やるせなくなる。そこで露台でしばし弦月(ゲンゲツ)を弾いて心を落ち着かせた。思いがけず三元客桟に響く雅な琵琶の音。その音色を偶然にもパンRを訪ねて来た杜長風(トチョウフウ)が耳にした。「教えてくれ、この琵琶を弾く名手は誰だい?」「私もよく分かりません、恐らく若い女子のお客さんかと…」給仕の話を聞いた杜長風はその女子の部屋を訪ねてみることにした。パンRは引章の琵琶を聞いて目を覚ました。安堵した三娘はパンRに手を貸して起こし、厨房を借りて粥を作ったと教える。「…欧陽のせいで取り乱すなんて嫌、体調の回復にはしっかり食べなくちゃ」三娘は何も聞かなくても徳(トク)叔の話が事実だったと察し、早く良くなって見返してやろうと励ました。その時、欧陽旭の友人だという進士・杜長風が訪ねて来る。三娘は追い返そうとしたが、パンRは招き入れた。杜長風は欧陽の盟友で、独断でパンRに会いに来たと言った。すると妾を断ったパンRを非難し、才能ある欧陽に想われるだけでも幸せ者だという。欧陽はかつての情を重んじ争わないだけ、パンRも分をわきまえるべきだと言うのだ。「…つまり妾になれるのは光栄なことであり、拒む私は恩知らずだと?」「その通り!」杜長風は女誡(ジョカイ)や詩経(シキョウ)の一説を持ち出して延々と説教し始めたが、パンRはもはや我慢の限界だった。「三娘…追い出して」杜長風は馬鹿力の三娘に突き飛ばされ、その勢いで回廊から眼鏡を池に落とした。「荒っぽくて無礼な女だ!君たちのような気性の荒い女は誰も娶らないぞ!」「気性の荒い女ですって?」激高した三娘は豚を捕まえる要領で杜長風に首に縄をつけ、水路まで引っ張って行った。一体、何の騒ぎかと集まる民衆、すると三娘は杜長風を川に突き落としてしまう。「教養もある立派な男が道理もわきまえず、妹に妾になれと言ったのよ?!」話を聞いた民主は酷い男だと呆れ、杜長風は面目丸潰れになった。泳げない杜長風は丸太に捕まり、妓楼へ流れ着いた。するとちょうど店に来ていた池蟠が誰かが川に落ちたと聞いて回廊へ出てくる。「これはこれは…書院の杜先生じゃないですか?」「お前は誰だ?」「私ですよ、東京十二商業組合の会頭・池蟠です」杜長風は池蟠に助けられ、散々な目に遭って欧陽府に戻った。しかし欧陽は忠告を聞かずに会いに行ったからだと笑う。「兄貴分として言わせてもらう、パンRのような女子と二度と会うな」「…パンRを愛している、彼女を正室に迎えられないのは人生最大の心残りだ」その時、突然、許嫁の高慧(コウケイ)が訪ねて来た。杜長風は奥の部屋に隠れ、欧陽の未来の夫人の姿を盗み見していた。高慧は乳母・江(コウ)氏を従え部屋に入って来ると、皇太子の病のせいで婚儀が延びたと不満を漏らす。しかし本題は別のことだった。「まあいいわ…それより屋敷の者に聞いたの 数日前、屋敷の前で見知らぬ女子と話していたそうね?」ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノつづく( ๑≧ꇴ≦)さんにゃんwww
2023.02.17
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玉昭令 No Boundary Season 2第19話暴走する江文卿(コウブンケイ)を討つため立ち上がった三族。神仙たちが結界で人間界を守る中、端木翠(ダンムーツェイ)、展顔(ヂャンイェン)、紅鸞(コウラン)が江文卿に戦いを挑んだ。しかしその圧倒的な力を前に苦戦を強いられ、果敢にも攻撃を仕掛けた紅鸞が殺されてしまう。「グフッ…私は結局、命を落とす運命なのね…端木、心残りは温孤(オンコ)のこと… 私の代わりに面倒を見てあげて、お願い…」すると紅鸞は桃花となって散って行った。悲しみに暮れる端木翠、その時、江文卿が今度は展顔を神剣で突き刺し、掌(ショウ)を放って吹き飛ばしてしまう。「展顔!」端木翠は深手を負った展顔を抱き起こした。すると江文卿が養子である2人の仕打ちに憤る。「失望したぞ!誰に恨まれようと理解されまいと構わぬ! しかし私に育てられたお前たちが私を支持しないばかりか、いつも刃向かってばかりだ!」しかし端木翠は義父が神仙とは全ての命を愛する存在だと教えてくれたと訴えた。「義父の名をかたり、あなたは何をしているの? 今や神仙たちはあなたを恐れ、人族はおびえ、幽族にも恨まれている しまいにには愛してくれる妻まで殺すなんて…これが望んだ結果なの?! ごらんなさい、この有り様を!これがあなたの望んだ世界なの?!」「…これがすべて私の所業だと?」江文卿は動揺した。三界が幽毒で滅びる様子を目の当たりにし、罪滅ぼしのために時を戻したはず、それが今や自ら全てを破壊しようとしている。その時、江文卿の脳裏に自分の悪行の数々が蘇り、蓬莱図が反応した。しかし魔道に落ちた江文卿は蓬莱図をねじ込み、最後の良心まで打ち消してしまう。「間違っているのはこの世の方だ!今日こそこの手で全てを消し去ってやる!」端木翠と展顔は呆然、もはやなす術なく途方に暮れた。江文卿は空中に舞い上がり、その凄まじい力で黒洞を作った。黒洞は激しい風を巻き起こし、三界を破壊しながら飲み込んで行く。結界が壊れた人間界は人々が逃げ惑い、最後まで民を守ろうとした捕吏たちが次々と倒れた。しかし三族はあきらめず、力を合わせ懸命に祈りを捧げ続ける。するとやがてその祈りが強い力となり、自然と湧き上がり始めた。「心力よ、三族の心が1つに…展顔、私たち助かるわ!」「端木、法陣を敷き、術で心力を集めろ、江文卿は私が引き受ける」展顔はこれが最後の別れになると覚悟し、端木翠に口づけした。「端木…ウォアイニー、君には生きて欲しい」展顔は重い身体を引きずりながら、江文卿の黒洞へ飛び込んで行った。しかし巨闕(キョケツ)で戦いを挑むも、あっけなく捕らわれてしまう。その時、端木翠が現れ、神剣を招喚した。神器の名前は玉昭令。実は決戦の前、端木翠と展顔は三族の心力で作った神器で江文卿を討とうと決めていた。「…ふっ、心力で私を討つなど甘いわ、身の程知らずめ」端木翠は玉昭令を放ったが江文卿に跳ね返され、反噬で深手を負ってしまう。その頃、人間界では江文卿と対峙する端木翠に力を送ろうと三族が懸命に祈りを捧げていた。端木翠はその心力を玉昭令に集め、再び江文卿に放つ。するとついに玉昭令が江文卿の心臓に突き刺さり、その機に乗じて展顔が背後から襲いかかった。「義父…育ててもらった恩はあの世で返します」玉昭令と巨闕に刺された江文卿は激しく血を吹き出し、そのまま地上へ落ちて行った。しかし力尽きた展顔も気を失い、巨闕と共に落下してしまう。江文卿は祭壇で倒れていた。すると身体から切り離された蓬莱図が現れ、天に返ってしまう。その時、江夫人の残像が現れた。江夫人は夫に手を伸ばしたが、江文卿がその手をつかもうとしたその時、残像は消えてしまう。「そう言うことか…私が江易ではなく江文卿だからか…天道が選んだのは私ではない 私は江易の記憶を共有しただけ…それなのに己を世を救える選ばれし者だと盲信していた… クックック…今さら後悔しているとは…」人間界は暗雲が晴れ、全てを浄化するかのように雪が降り始めた。人々は江文卿との戦いに勝ったと気づき、歓喜に沸く。一方、草盧では紅鸞に眠らされていた温孤がようやく目を覚ましていた。すると枕元に桃花をかたどった香袋が置いてある。「紅鸞、君の帰りを待っているよ」温孤は香袋を握りしめ、部屋から雪が舞うのを眺めていた。端木翠は雪山で展顔を探し回っていた。すると亡くなった江文卿から離れた神位が現れ、端木翠の身体に戻る。再び永遠の命を得た端木翠は美しい黒髪を取り戻したが、その時、降り積もった雪に突き刺さる巨闕を発見した。端木翠は近くに展顔が埋もれていると気づき、必死に雪をかき分け展顔を見つける。「展顔!…お願い、目を開けて!…一緒に帰るのよ、展顔!」端木翠は展顔を抱きしめ号泣、その時、展顔の意識がうっすら戻った。「端木?…せっかく眠っていたのに…私を呼ぶ姑娘の声が聞こえた…うるさくて目が覚めた… 端木…君はまるで子猫みたいだな…グハッ…」しかし展顔は激しく血を吐き出し、ぐったりしてしまう。「私は…もうダメだ…前に聞いたんだ…人は死ぬ前に色々なことが走馬灯のように蘇ると… 何度も君の顔が浮かんだ…君には私しかいないのに、私が死んだら君はどうなる? …君みたいな短気な神仙、私の他に誰が相手をしてくれる?…君が辛い時は誰が支える? 私は運に恵まれないといつも不安だった…もう君を娶れず、守ることもできそうにない… どうやら不安は的中した…端木…できるなら残った私の運気を君の安寧に変えたい…」「何もいらない…ただあなたに生きていて欲しいだけ…」…端木、すまない…展顔はそっと目を閉じると、そのまま愛する端木翠の腕の中で事切れてしまう。「展顔?…展顔!うわぁぁぁぁーっ!」。・゜・(ノД`)・゜・。その頃、楊鑑は死闘を制した端木翠を心配し、小天(ショウテン)と一緒に郊外まで探しに出かけた。すると激しい雪の中、突然、一筋の光が上がる。「いかん!…生死盤(セイシバン)を使う気だ!」楊鑑と小天は慌てて光の方角へ駆けつけると、端木翠はすでに自分の血を使って陣を敷いていた。「端木!命の入れ替えをするな!失敗すれば何も変わらない!天罰が下るだけだ!」「どんな罰も受けてたつわ!」その時、端木翠めがけて天雷が落ちた。楊鑑は義妹を助けようと結界を破ろうとするが、弾き飛ばされてしまう。端木翠は生死盤で自分の命を展顔に与えた。すると展顔が言っていたようにこれまでの2人の道のりが走馬灯のように蘇って来る。…魂に意識があるとすれば、死んでも互いを忘れないはず…展顔、私の代わりに生きて端木翠はその場で膝をつくと、力なくうなだれた。つづく( ;∀;)ぁぁぁぁぁ〜そんな〜って…ちょっと待ってなに突然「神器の名前は?」(せーの)「玉昭令!」って…全く意味不明なんですけど ←ここまで来てこれ?w
2023.02.16
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玉昭令 No Boundary Season 2第18話端木翠(ダンムーツェイ)と展顔(ヂャンイェン)は端木橋で倒れている江夫人を発見した。そこへ義母を探しに来た上官策(ジョウカンサク)が到着、展顔の腕の中で風前の灯となった義母の姿に愕然となる。しかし江夫人は展顔と上官策に義父を恨まないよう約束させた。「端木姑娘(グゥニャン)…愛する人の手をしっかり握っていなさい、一緒に歩み続ければ道に迷わない… 顔児のこと、よろしく頼むわね」すると夫人は江文卿(コウブンケイ)が落としていった香袋に気づいて手を伸ばした。…私のために作ってくれたのか?苦労をかけるな…江夫人は香袋を胸に抱き、幸せだった夫婦の姿を思い出しながら旅立った。一方、蓬莱に戻った江文卿はふと正気に戻り、愛しい妻を殺したことに気づいた。しかし気が暴走してわずかな良心も消え去り、ついに魔物と化してしまう。江文卿は異変に気づいて駆けつけた天兵に手をかけ、神仙たちを雷獄に拘束した。もはや天雷さえも天道使君を罰することができず、驚いたことに神仙たちから法力まで奪ってしまう。実は江文卿の神位は端木翠が譲ったものだった。神女の力を利用して蓬莱図を体内に取り込んだ江文卿は今や神仙、幽族、天地の力までも吸収できるという。「世の万物は私の手中に落ちたのだ!」そこで江文卿は用済みとなった神仙を抹殺すべく、蓬莱を壊し始めた。人間界に突然、隕石が来襲した。「蓬莱の石がどうして?!」端木翠たちは急いで朱雀街に駆けつけたが、街は壊滅的な打撃を受けてしまう。すると楊鑑(ヨウカン)ら神仙が元神を集約させ江文卿を眠らせることに成功、災害は収まった。しかし一時しのぎに過ぎず、江文卿を倒すには強い心力が必要となる。それはこれまで一度もなし得たことがない、神仙、幽族、人族の団結だった。紅鸞(コウラン)と温孤(オンコ)も術を使って啓封府に協力し、被災者を助けた。すると端木翠は両親を探してさまよう少年を見つける。端木翠と展顔は少年を保護して両親を探したが、2人はがれきの下敷きになって死んでいた。衝撃を受けた少年は血を吐いて卒倒、驚いた端木翠は自分の魂力を使って救おうとする。「端木!やめるんだ!」展顔は慌てて止めたが、端木翠はあきらめ切れず力を使い続け、あっという間に髪が真っ白になった。しかし結局、少年を助けることは叶わず、端木翠は自分の無力さに打ちひしがれてしまう。展顔は草盧で端木翠を休ませた。すると中庭で物音がする。端木翠と展顔が様子を見に行くと、司法星君の神獣・小天(ショウテン)が深手を負って倒れていた。小天は江文卿にやられたと訴え、神仙たちが雷獄に閉じ込められ、雷鎖で拘束されているという。「…星君を助けてください」端木翠は義兄を助けるため蓬莱へ行くと決めた。「展顔、最期はあなたと過ごせると思っていた、でも三界が災いに遭い存亡の危機にある 放ってはおけない、私が神位を譲ったせいだもの」「君が決めたのなら私もついていくよ」「でも江文卿はあなたの義父よ?…私が神位を奪い返し、事態を収拾させる」しかし展顔は義母を殺し、衆生に危害を加えている江文卿に情けはかけないと断言した。端木翠と展顔は蓬莱に上った。今やすっかり寂れてしまった蓬莱、その時、2人に協力すべく紅鸞と温孤が後を追って来る。すると4人は雷獄で衰弱した神仙たちを見つけた。楊鑑は展顔に江文卿が眠っているうちに神剣の巨闕(キョケツ)で殺すよう頼んだが、端木翠が止める。「大哥、皆の元神の力で江文卿を眠らせているのでしょう? 江文卿を殺せば大哥たちも死んでしまう!」そこで展顔は巨闕だけで江文卿を成敗できるとは思えないと訴え、まず雷鎖を切ろうと説得した。「皆さんを救って戦う方が勝ち目があります」楊鑑は納得し、巨闕を雷獄にそびえる塔に突き刺せば雷鎖が解けると教えた。展顔は神仙たちを解放、しかしそのせいで江文卿が目を覚ました。すると紅鸞が桃花の術で江文卿を押さえ込み、その間に神仙たちを逃してくれる。しかし江文卿の一撃で紅鸞は下界まで吹き飛ばされた。温孤は紅鸞を追いかけ地上に戻ったが、そこへ江文卿が現れる。「たかが桃花の分際で私に挑むとは…」「私はただの桃花だけど、命懸けで大切な人を守る!」紅鸞は術を放ち、江文卿が避けている一瞬の隙に姿をくらました。三族すべてが天道使君に背を向けた。江文卿は自分の思い通りにならない衆生に憤怒し、全てを滅ぼすと決める。すると人間界に不気味な暗雲が垂れ込めた。啓封(ケイフウ)に避難していた楊鑑(ヨウカン)たち神仙は再び力を集結、結界を張って人間界を守る。しかし魔道に落ちた江文卿とこれからどう戦って行けばよいのか。端木翠、展顔、楊鑑、紅鸞は草盧に集まった。楊鑑はかつて温孤が蓬莱図を身体に取り込んだ時、五蛮雷(ゴバンライ)で温孤と蓬莱図を分離したことを思い出した。その五蛮雷より威力があるのは心力だという。「そのためには我ら神仙と人族、幽族の三族が心を1つにしなければ強い心力は生まれない」すると展顔は啓封の民に知らせ、三族の平安を祈ってもらうと決めた。紅鸞は幽族ももちろん協力するという。(๑•̀ㅂ•́)و✧<みんなで頑張りましょう、一丸となれば…必ず勝てる!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔノ″明日の決戦を前に端木翠は端木営の鎧を準備して展顔を驚かせた。「端木村の慣習で妻は出征する夫のために鎧を着せてあげるの、私もやりたくて…」端木翠は展顔の支度を終えると、生還できたら何がしたいか聞いた。「捕吏の仕事だな」「捕吏?…しょっちゅう公務で家を空けるから独りぼっちになるわ」「もし子供がいれば寂しくないだろう?」すると展顔は端木翠を抱きしめた。一方、紅鸞は温孤を守るため、独りで決戦に臨むと決めた。そこでその夜、温孤の部屋を訪ねる。「…約束して、私は出かけるから、草盧で待っていてくれる? 私が戻るまでここにいて、どこにも行かないでね」「分かった、待っているよ」すると紅鸞は温孤に桃花の術をかけ、眠らせてしまう。…温孤、私は幽族を代表して戦う…そうすればあなたは人間たちに二度と差別されない…生きて戻れなかったら、私を忘れて翌朝、端木翠は人間界を義兄たちに任せ、展顔と江文卿を討つことになった。すると紅鸞が幽族の代表として行きたいと申し出る。端木翠は止めようとしたが、紅鸞の決意は固かった。「分かったわ」江文卿は祭壇で幽族たちの生気を吸い取っていた。そこへ端木翠、展顔、紅鸞がやって来る。前世の子である端木翠と現世の子である展顔の反乱、江文卿はなぜ家族で反目し合うのかと嘆いた。「義父は民を案じ、妻子を大切にした 義父の教えは″善行を積めば悪事は減り、天下は清らかになる、誰もが幸せになるはずだ″と… しかし今は?三界に危害を加え、義母まで殺めた…もはやあなたは義父ではない!」展顔は江文卿こそ三界の敵であり、誅殺すべき人だと弾劾した。すると江文卿は凄まじい気をまとい、構える。「私に従わぬのなら、さっさとかかってこいっ!」つづく( ゚д゚)これは…インデペンデンス・デイ?w
2023.02.16
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玉昭令 No Boundary Season 2第17話紅鸞(コウラン)は温孤(オンコ)を守ろうとして天道使君・江文卿(コウブンケイ)に吹き飛ばされた。その時、紅鸞は天道使君になぜか龍族の気息があると気づく。すると危機が迫った温孤が覚醒、龍気で応戦した。江文卿は再び温孤を攻撃しようとしたが、その時、激しい頭痛に襲われる。その隙に温孤は龍気で陣に穴を開け、紅鸞を連れて脱出することに成功した。江文卿はいつものように香袋を取り出して嗅いだが、なぜかもう効果がない。…蓬莱図がまだ身体に溶け込んでいないせいか?…もっと多くの生気が必要だそこで江文卿は陣に残っている幽族から生気を吸収した。温孤は深手を負った紅鸞を朱雀街で休ませた。すると通りがかりの民が幽族に気づき、天兵に渡さねば厳罰に処されてしまうと騒ぎ始める。しかしちょうど巡回していた展顔(ヂャンイェン)と端木翠(ダンムーツェイ)が民衆を解散させ、2人を細花流でかくまうことにした。端木翠と展顔が逃したはずの2人は義兄・楊鑑(ヨウカン)に捕まっていた。「私たちを騙して天兵に売ったわね?!」温孤の命をしつこく狙う端木翠に怒りをあらわにする紅鸞、仕方なく端木翠は温孤に自分が殺したかどうか証言するよう迫った。しかし焦った紅鸞は温孤を外へ出し、端木翠に真実を明かす。「今の温孤は私が死力を注ぎ龍の角から作り上げたの、過去の記憶はないわ」見かねた展顔は温孤自ら望んで雷に打たれたと説明したが、紅鸞は頑なに信じようとしなかった。そこで端木翠は沈淵(チンエン)で千年前の紅鸞に会った時のことを伝える。「あなたは温孤と端木営に入って一緒に鍛錬したのよ」その夜、端木翠が庭に出ていると紅鸞が現れた。「紅鸞、どうしたの?眠れないの?」「さっき夢を見たの、あれが沈淵なのかも…」夢の中で紅鸞は温孤と沈淵から逃げ出そうとする江文卿を阻止していた。しかし力及ばず、温孤は紅鸞をかばって殺されてしまったという。「天道使君はきっと江文卿よ」「大哥も同じことを言ってた…ゴホゴホッ!」急に咳き込んだ端木翠は沈淵で神位を失い、残りの時間がわずかだと明かした。「唯一の心残りは展顔のこと…今の温孤はあなたを守ろうと必死よ? お互い大切な人のためにしっかり生きましょう、紅鸞、まだ私が憎い?」「…真実がどうであれ、温孤があなたのせいで死んだことには変わりない」「紅鸞…ごめんなさい」「謝る必要はないわ」紅鸞は端木翠が借りを作ったのは自分ではなく温孤だと言った。翌朝、端木翠が中庭に出ると、温孤が摘んだばかりの花を生けていた。「何も思い出せないの?それもいいわね、辛い過去は忘れた方が幸せかも 私もあなたの気持ちに早く気づいて話をするべきだった… 温孤?許してくれる?ごめんなさい、あなたを傷つけて…」すると温孤は悲しそうな端木翠を見て花を差し出した。「私にくれるの?」「うん!」紅鸞が2人の様子を見守っていると、展顔がやって来た。「端木にとって温孤は家族のような存在だった、彼と敵対したことは大きな悲しみだったはずだ 決して他人には明かさないが、誰より心に深い傷を負っている 温孤に記憶があったら端木翠を恨むと思うか?」紅鸞は展顔が自分たちを仲直りさせることで端木翠に悔いなき最期を迎えさせたいのだと気づいた。「あなたの気持ちは分かります、私も毎日を大切にして温孤と共に最後の時を過ごしている 私はかつての温孤に別れさえ告げられなかった…あなたが羨ましい」「紅鸞、私は奇跡を信じている、君の苦労も報われるはずだ、希望を持ち続けよう、いいかい?」しかし紅鸞は何も言わなかった。翌朝、端木翠は温孤たちを守るため、法力がない代わりに術を操る訓練を始めた。しかし魚を捕まえることもできず、人間界の火さえ思うように扱えない。展顔は落胆する端木翠を慰めていたが、そこへ紅鸞が現れ、札で神器を操る秘術が記された幽族の書を渡した。「幽族を助けるために奮闘してくれてありがとう、過去のことは全て水に流すわ」こうして紅鸞とのわだかまりが解けた端木翠は蓬莱の術が使える札作りに没頭、ついに成功する。一方、紅鸞も端木翠に触発され、温孤と共に江文卿と戦うと決めた。「温孤、かつて幽王だったあなたはある願望を抱いていたわ」「願望?…紅鸞とずっと一緒にいたい」「…以前は私もそう望んでいた、でも今はそれだけじゃだめなの あなたが忘れたことは私が代わりに覚えている あなたの重責は私が背負うわ、必ず幽族を守って見せる…二度とあなたに辛い思いをさせない」すると温孤は紅鸞を抱きしめた。蓬莱では江文卿が激しい発作に襲われていた。蓬莱図は未だ身体と一体にならず、度々、拒否反応を起こしては全身に激痛が走る。そこで江文卿は再び下界に降り、封じ込めた幽族の生気を吸い取った。しかしその様子を司法星君・楊鑑(ヨウカン)に見られてしまう。天道使君は江文卿だった。楊鑑の話では江文卿はすでに魔道に落ちたという。端木翠はわずかな可能性にかけて江文卿と戦うと決意、すると展顔、紅鸞、温孤も賛同した。そこで捕らわれた幽族を結界から解放し、草盧へかくまう。「紅鸞、結界を破ったから天兵が来る、幽族を連れて逃げて」「ありがとう、この恩は忘れないわ」草盧に江文卿が現れた。展顔は悔い改めるよう諌めたが、江文卿はもはや聞く耳を持たない。「言っても分からぬなら成敗するしかあるまい」端木翠と展顔は江文卿の圧倒的な力の前に手も足もでなかった。その時、逃げたはずの紅鸞と温孤が戻って来る。「奴は龍族の気息と気を持っているわ」紅鸞は温孤に江文卿から龍族の気息を引き出すよう頼んだ。そこで温孤が龍気で江文卿の力を抑えているうちに端木翠たちが一斉に攻撃する。江文卿は神剣を招喚して反撃したが、急に激しい発作が起こり、錯乱したように草盧を飛び出した。江文卿は端木橋を渡ったところで思わず膝をついた。すると偶然にも江夫人が捕吏たちと一緒に細花流へやって来る。「文卿?…文卿なの?!」「…大人(ダーレン)?どうされました?」成偶(セイグウ)が顔色の悪い江文卿を心配して手を伸ばしたが、江文卿はいきなり一撃を与え、殺してしまう。呆然となる夫人と朱然(シュゼン)、その時、江文卿が夫人の首をつかんだ。朱然は江文卿の異変に気づいて剣を抜いたが、江文卿が放った神剣が身体を貫く。「大人…お放しください…愛する夫人ではありませんかっ!」しかし朱然はそこで息絶えた。江文卿は朱然の悲痛な叫びを聞いて急に夫人から手を離した。「ゼエゼエ…成偶と朱然は十数年も可愛がってきた、実の息子も同然でしょう?!なぜ殺したの?! 私を忘れたと?!…私よ!文卿!目を覚まして!」「…夫人?」夫人は江文卿がやっと自分を思い出してくれたと喜んで抱きついた。しかし江文卿は夫人の背中に掌を放ってしまう。「…ゥッ…文卿…どうして…」すると江文卿は再び激しい頭痛に襲われ、その場を立ち去った。つづく( ̄▽ ̄;)何この暴走老人物語…
2023.02.15
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梦华录 A Dream of Splendor第6話「眠らぬ都」証拠を隠滅するため宋引章(ソウインショウ)から離縁状を奪い取って食べてしまった周舎(シュウシャ)。これには成り行きを見守っていた民衆も唖然となったが、趙盼児(チョウパンアール)はこんなこともあろうかと引章には偽物の離縁状を渡していた。「本物はこれです」証拠を見た知県はパンRの言い分を認めた。しかし本来なら流刑および杖刑60回という重罰のところ、初犯を考慮して尻の杖刑15回と贖銅(ショクドウ)80斤で許してしまう。パンRは納得いかず異議を申し立てたが、女子に口答えされた知県は憤慨、侮辱罪でパンRを捕え、背中の杖刑10回を命じた。雨足が強まる中、知県は無情にも中庭に向かって執行の札を投げた。しかし誰かが放った短剣が札が落ちるのを阻止、パンRを救う。パンRはてっきり顧千帆(コチェンファン)が助けに来てくれたと思ったが、傘を差し出したのは陳廉(チンレン)だった。(・Д・)<あなた…誰?陳廉が連れて来たのは知州・許永(キョエイ)だった。許永は知県に公堂では婦人や子供に寛容な判決を下すものだと助言し、裁きを続けるよう促す。すると知県は上官の手前、公正に判断せざるを得なくなり、先の判決を覆して周舎を入れ墨のうえ流刑および背中の杖刑30回に処した。顧千帆は表に出ず、密かに成り行きを見守っていた。すると顧千帆を探してたパンRが現れ、2人は再会する。パンRは知州が顧千帆に協力してくれたのなら、無事に解決したのだと分かった。「しばらくは死なない」「それならよかった…どうしたの?」「…不本意な相手に力を借りた、だが楊(ヨウ)家の件は片がついたよ」2人が裏庭で話していると、孫三娘(ソンサンニャン)と引章が駆けつけた。すると杖刑が終わって護送される周舎がやって来る。周舎はパンRの姿を見つけ激怒、役人の手を振り払って襲いかかった。真っ先に気づいた顧千帆がパンRを助けたが、今度は近くにいた引章が襲われてしまう。しかし顧千帆が周舎に飛び蹴りし、引章を救った。顧千帆は引章の琵琶・孤月(コゲツ)を買い戻したと教えた。引章は感激、命の恩人である顧千帆にすっかり心を奪われてしまう。そこへ許永がやって来た。許永は顧千帆に頼まれ、パンRに最も早い馬車を手配したという。「穀雨までまだ8日ある、官府で馬車を乗り継いで行けば7日以内に着くだろう」パンRは知己の計らいに感激したが、三娘と引章が一緒に東京へ行きたいと懇願した。しかし楽妓である引章は籍のある銭塘(セントウ)を離れられない。すると許永は引章のため、教坊司に招かれたと文を書いて杭州楽営に送ると言ってくれた。三娘と引章は手続きのため知州と一緒に殿内に戻った。するとようやく東京へ行けると言うのにパンRはどこか不安げに見える。顧千帆はそんなパンRの心を見抜き、いくら聡明でも東京では勝算は望めないと手厳しかった。華亭県の小役人相手でも危うく殺されかけたというのに、東京で対峙する相手が探花(タンカ)や皇帝の親族ならなおさらだ。「…東京暮らしは楽ではない、何か起きれば私でも君を守れないぞ」「私を行かせたいの?止めたいの?」「後悔させたくないんだ」「後悔しない、助けも必要ない…だってこれ以上は恩返しできないから」「返せと言ったか?」「私が返したいの、夜宴図も銭も必ず返す」「…なら利息もつけてくれ、ではここまでだ、元気で」「東京に行かないの?」「…君には関係ない」パンRは知己の急なよそよそしさに困惑した。しかし顧千帆はパンRが手の傷に巻いてくれた手巾を返し、去ってしまう。顧千帆は途中で陳廉を置き去りにして平江(ヘイコウ)府に戻った。ようやく医者に診てもらったが、逃亡生活で負った怪我は思いのほか重症で完治するまで時間がかかるという。すると父が鄭青田(テイセイデン)の謝罪書を持って来た。「死んだのですね?」「私が訪ねたのだ、選択肢はない」蕭欽言(ショウキンゲン)は銭塘に出向き、楊家の件に決着をつけていた。すでに白沙渡(ハクサド)の港では無断停泊していた外商たちが捕まり、役所に放置されていた魏為(ギイ)も見つかる。鄭青田はまさか顧千帆が使相の子息だとは知らず、全ての罪を被って自害していた。「お前の汚名はすぐにそそがれるであろう」「感謝します」「我らは父子ではないか?水臭いぞ?」しかし顧千帆は未だ蕭欽言を″父″と呼ばなかった。蕭欽言は次の都入りで皇帝から新しい屋敷を賜ると話し、それを顧千帆に譲ると言った。18歳で進士となった長子に多大な期待をかけている蕭欽言、もし顧千帆が皇城司へ行くことにこだわらなければ、今頃は翰林(カンリン)学士くらいの要職には就いていただろう。しかし顧千帆の伯父が武将のため、甥に衣鉢(イハツ)を継がせたがった。「私は顧姓、蕭姓ではありません」「分かっておる、お前の外祖父や伯父が寒門出身の私を権力におもねる奸臣だと蔑んでおるのじゃ」「ならばあの妓女を引き入れた件は?」「あれは誤解だ!私はお前の母を裏切ってはおらん! お前も官職に就いて接待を受けることもあるだろう? そうでなければ趙盼児とも出会っていないはずだ!」蕭欽言は顧千帆が奔走する相手が誰なのか調べを付けていた。顧千帆はパンRが命の恩人で、許嫁と会わせるために手配をしたと説明した。事情を知った蕭欽言は安堵し、息子にふさわしいのは名門の淑女だという。「何人か心当たりがある、私が世話を…」「確かにあなたに助けを求めて命を救われた、だが婚姻に口を出せる立場かっ?!」顧千帆は激高し、正房を出て行ってしまう。しかし蕭欽言は屋敷に寄り付きもしなかった息子の思わぬ変化に大喜びした。「淑娘(シュクジョウ)よ!見ていたか?!千帆が私に怒りをぶつけたぞ?! もう長い間いつも他人行儀だったが、さっきは本気で刃向かって来た!」パンRたちは無事、東京に到着した。都は眠らない街、夜空には大輪の華が打ち上がり、通りは煌々と明かりが灯っている。「ここが東京なのね…欧陽旭(オウヨウキョク)はどこかしら?どうすれば会えるの?」するとパンRは急に気が抜けたのか、倒れてしまう。翌朝、パンRが目を覚ますと三元客桟にいた。三娘と引章は倒れたパンRを一番近い宿に運び込んだと説明し、値は張るがこの部屋しか空いていなかったという。「安心して、穀雨は明日よ、高(コウ)観察の屋敷も調べたわ、婚儀はまだだった」高観察の屋敷は宿から数本先の通りにあった。パンRは高府を訪ね、欧陽の家を教えてもらうことにした。その時、偶然にも欧陽旭の馬車が高府に到着する。「パンR?!…なぜここに?」欧陽は愛しいパンRを抱きしめたが、ふと高府の前だと思い出し、慌てて馬車に乗せた。「いい茶坊がある、そこでゆっくり話そう」パンRは欧陽の愛情に変わりはないと確信し、叔徳(シュクトク)の勝手な判断だったと安堵した。これまでの不安が一気に吹き飛んだパンR、そこで茶房で自ら欧陽のために茶を入れることにする。すると欧陽は話があると切り出した。「私たちの婚姻だが…年末まで待てるか?」「もちろんよ、急がないわ」欧陽は探花の称号を授かったものの祝いの宴が終わったばかり、進士たちはこれから皇帝に拝謁して正式に官職を賜るという。「パンR、そのため君に辛い思いをさせる… 必ず盛大な婚儀にするが、私と高家の娘の婚姻後、半年ほど待ってくれないか?」(・Д・)はあ?つづく(  ̄꒳ ̄)あ〜引章、また惚れたのかw
2023.02.13
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皎若云间月 Bright as the moon第38話「ほどける糸」三皇子・夜天逸(ヤテンイツ)は金鑾(キンラン)殿に到着、玉座はもう目の前だった。一方、藍漪(ランイ)は皇帝・天賜(テンシ)が偏殿にいると知り、配下を引き連れ駆けつける。すると偏殿の前に雲浅月(ウンセンゲツ)が立っていた。「これは皇后…太后と皇帝の居場所を言えば見逃してやろう」「藍大人(ダーレン)…遅かったのね」その時、御林軍が駆けつけ反乱軍を包囲、驚いた蒼亭(ソウテイ)は藍漪を逃して犠牲になった。三皇子はついに玉座に腰を下ろした。御前で拝跪する容景、その時、突然、門が閉まり、梁に潜んでいた弦歌(ゲンカ)たちが鉄鎖を持って飛び降りて来る。三皇子が気がついた時には鉄鎖でがんじがらめ、すると殿前に控えていた容楓(ヨウフウ)が呼応し、墨閣(ボッカク)の兵たちが一斉に反乱軍に襲いかかった。三皇子はようやく容景に謀られたと気づいた。(꒪ꇴ꒪〣)<なぜなのだ?どこをどう取っても私と対立する理由などない!「情、理屈、利害を考えればそうです…だが″義″をお忘れでは?」四皇子には仁義があり、天下の民を愛していた。しかし三皇子は権力に目が眩み、殺戮を重ねて民を蔑ろにしてきたという。「そんな皇帝では淇(キ)国の惨劇が繰り返されてしまう…あなたは心の魔に負けたのです」すると激高した三皇子はわずかに動く手で暗器を放ち、鉄鎖から抜け出した。三皇子は剣を抜いて容景に戦いを挑んだ。しかし容景に蹴り飛ばされ、剣を突きつけられてしまう。そこへ冷邵卓(レイショウタク)が現れた。「やめろ!」三皇子は助けが来たと喜んだが、冷邵卓は容景の側に立った。(꒪ꇴ꒪〣)<ブルータス、お前もか…実は浅月が持ち帰った進軍経路図は本物だった。密かに容景と通じていた冷邵卓は自分の馬車で浅月を脱出させ、浅月が落とした偽の進軍図を拾って本物とすり替えたという。浅月が崖から飛び降りるとは想定外だったが、2人の計画は成功した。三皇子は冷邵卓の裏切りに唖然となった。しかし冷邵卓は容景とは無関係で個人的な恨みがあるという。( ゚ロ゚) なぜだ?( ゚д゚) 全部、私のせいか?!(ノ>∀
2023.02.12
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皎若云间月 Bright as the moon第37話「逆賊の入城」雲浅月(ウンセンゲツ)は進軍経路図を手に入れるため、三皇子・夜天逸(ヤテンイツ)の幕舎に洗濯した衣を届けにやって来た。「三殿下、他にご用があればお申し付けください」しかし酒を運んできた藍漪(ランイ)が容景(ヨウケイ)が来たことを伝える。浅月は仕方なく下がることにしたが、三皇子は3人で旧友を温めようと厭味を言った。浅月は殊勝なふりをして三皇子に酒を注ぎ、わざとこぼした。怒った三皇子は浅月の腕をつかんだが、容景が助け舟を出す。「三殿下、亡くなった四殿下も妻の命を救われ墓の下で感謝していることでしょう …昔の女など1杯の美酒にも劣ります」すると三皇子は機嫌を直し、楽しそうに笑った。浅月はこの機に新しい衣と着替えるよう勧め、三皇子は汚れた衣を脱いで無造作に机の上へ置く。そこで浅月は衣を片付けながら、その下にあった進軍図を一緒に持ち出すことに成功した。その夜、浅月は帝都に戻ると決め、天幕を出た。すると突然、容楓(ヨウフウ)が現れ、脱出を手伝うという。「口止めされていたが兄は潔白だ…2人に和解して欲しいんだ」浅月は頑なだったが、容楓が見張り番の気を逸らしてくれたおかげで冷邵卓(レイショウタク)の馬車に隠れることができた。雲浅月が軍営から消えた。しかし三皇子は藍漪から報告を聞いても驚く様子がない。実は浅月が進軍経路の話を盗み聞きしていると気づき、必ずや進軍図を欲しがると分かっていた。そこであえて偽の進軍図を置いたという。「むしろ好都合だ…望み通り行かせてやれ」ただし何もしないのも不自然、三皇子は追っ手を出すと決めた。「この戦…うまく進められそうだ♪」軍営を出発した冷邵卓、するとしばらくして突然、何かが落ちる音がした。驚いた冷邵卓は馬車を停めて降りてみると、驚いたことに皇后がいる。「これは皇后娘娘…まさか王府に戻るおつもりですか? いけませんな~一緒に戻りましょう、私が逃したと疑われる」その時、冷邵卓が浅月の落とした進軍図を拾った。さらに浅月の捜索を任された容景と藍漪が兵士を連れてやって来るのが見える。逃げ場を失った浅月は咄嗟に冷邵卓の手から進軍図を奪い取ると、一か八か崖から身を投げた。崖から転がり落ちて意識を失った浅月、やがて目を覚ますと洞窟の中にいた。しかし自分を助けてくれたのが容景だと気づき、重い身体を引きずって出て行ってしまう。容景は付かず離れずついて行ったが、浅月がうっかり足を挫くのを見て駆け寄った。「どこが痛む?」「触らないで!」そこで容景は自分に復讐したいならまず怪我を治せと鼓舞した。浅月は言われなくても容景が地獄に落ちるのを見届けるまで生き抜いて見せるという。愛する人から向けられる激しい敵意、それでも容景は自分もその日を待っていると強がった。浅月は何も知らずに悠然としている容景に憎しみが込み上げ、ついに真実を明かしてしまう。「…あなたはもう業火に焼かれている、気づかないのね?でももう私には関係ない 知っている?あなたの息子は死んでしまったの」「私の息子?…はっ!もしや…」「そう、凌(リョウ)児のことよ…あなたに捨てられた後、身ごもっていると知ったわ 逆賊の子供としてではなく堂々と生きてもらいたかった 夜軽染(ヤケイセン)は私たちに立派な身分と温かい家をくれた 軽染は凌児を我が子のように慈しみ思いやってくれたのに、あなたはどう?」「…知らなかった」容景はあまりの衝撃に胸が苦しくなり、その場で泣き崩れた。浅月は容景を置き去りにして歩き始めた。すると容景が引き留め、母子の苦しみを償うため浅月の剣で裁きを受けたいという。浅月は容景の剣をつかむと、躊躇なくその胸を突き刺した。「(グサッ!)これは私を捨てたこと(グサッ!)これは凌と爺爺(イェイェ)のため… そして最後は軽染のため…」浅月は容景に止めを刺そうとしたが、その時、容楓が現れ、危ないところで浅月の剣を弾く。「殺せば後悔するぞ!」「…容景、これで償いが済んだとは思わないで かつての愛はもう枯れた、最後の剣は帝都に戻り、あなたと相まみえた時よ」一方、玉洛瑤(ギョクラクヨウ)は反乱軍が通過したあとの悲惨な町の様子を目の当たりにしていた。そこへ上官茗月(ジョウカンメイゲツ)が現れ、これが望みなのかと聞く。玉閣主の苦しみや恨みも理解できるが、経験者だからこそ民の心に寄り添うことができるはずだ。理由が何であれ戦が始まれば民が味わうのは地獄の苦しみ、再興という志があっても人殺しの罪人と何も変わらないという。玉洛瑤は黙ってその場を離れたが、ようやく目が覚めたようだった。浅月がぼろぼろになって雲王府に戻って来た。南梁睿(ナンリョウエイ)と香荷(コウカ)が急いで駆けつけると、浅月は夜天逸と容景が帝都に侵攻して来ると伝える。「これは進軍経路図よ…早く皆に知らせて」一方、月岐(ゲツキ)にも三皇子から密報が届いていた。…明日の辰の刻、城を攻める…すると拓跋業成(タクバツギョウセイ)は漁夫の利を狙うため追従せず、天聖の内乱を待つことにする。「夜天逸が城を陥したあと兵を入城させよ、それなら奴が裏切っても何の影響も受けずに済む」浅月は進軍経路図をもとに南梁睿と綿密な計画を立てた。三皇子の帝都侵攻は避けられないが、東西に展開する20万の兵を撃破することはできるだろう。そこで各州の将軍に連絡し、反乱軍を食い止めてもらうことにした。三皇子は容景たちと共に5万の兵を従え、帝都に到着した。感慨深げに城門を見上げる三皇子、すると皇后の命を受けた陳柳(チンリュウ)が御林軍を率いて夜天逸を迎え撃つ。しかし反乱軍は城門を爆破、激しい矢の雨が降り注ぐ中、帝都になだれ込んだ。雲太后は国に殉じると覚悟し、新帝に即位した息子・天賜(テンシ)を軽暖(ケイダン)公主に預けて逃すことにした。すると浅月が現れ、逃げるのではなく一時的に避難するだけだと説得、急いで脱出させることにする。しかし時すでに遅く、反乱軍が帝都に入ったと報告が来た。そこで浅月は夜軽染の秘密の隠れ部屋に叔母たちをかくまい、何があってもここから出ないよう念を押す。「軽暖、軽染が天から守ってくれるわ…姑姑(グォグォ)、私は戻ります」進軍図通り分散して進んだ反乱軍、しかし途中で容景の配下に裏切られ、気がつけば20万の大群が5千に減っていた。城内で合流した将軍たちはようやく罠だと気づいたが手遅れ、南梁睿たちに撃破されてしまう。そうとは知らず、三皇子は容景たちと金鑾(キンラン)殿に到着していた。「ふっ…私がここに立つとは誰が予想したであろうか、だが必然だ」金鑾殿の屋根の端には螭吻(チフン)の装飾があった。螭吻は龍の8番目の子供、しかし兄弟で独りだけ生まれつき龍角がなかったという。それはまるで五兄弟の中で唯一、父皇の愛を得られなかった自分の姿を見ているようだった。三皇子は幼い頃、初めて螭吻を見た時、いつか自分が当主になったら螭吻に龍角を作らせようと考えたという。「不思議なものだ、権力に対する男の渇望と情熱はこれほど取るに足らぬ事柄から始まっていたのだ」すると容景は三皇子が皇位につけば、ようやく夜一族の玉座を巡る争いが終わると言った。つづく
2023.02.12
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梦华录 A Dream of Splendor第5話「傾蓋の知己」お尋ね者となり、秀州の皇城司駐留所にいる親友・万奇(バンキ)を頼った顧千帆(コチェンファン)。万奇は盟友との再会を喜び、酒の肴を取りに行くと言って席を立った。すると背後で顧千帆が倒れる音がする。万奇はほくそ笑み外へ出ると、潜んでいた刺客たちが一斉に部屋になだれ込んだ。剣戟の音を聞きながら良心の呵責に堪えない万奇、しかし毒に気づいた顧千帆は酒を飲んだと見せかけて口をつけていなかった。一方、周舎(シュウシャ)は富豪の妓女を装う趙盼児(チョウパンアール)にすっかり魅了されていた。すると孫三娘(ソンサンニャン)の手引きで徐(ジョ)老板がやって来る。ちょうど厠(カワヤ)へ行こうとしていた周舎は徐老板と出会い頭に捕まり、返済もせず女遊びかと懲らしめられてしまう。「誰か~!助けてくれ~!」「おやめ!何事?!」パンRは上階から2人を見下ろし、周舎の15貫の借金を肩代わりしてあっさり解決した。万奇は静まり返った部屋に戻った。しかし刺客たちは全滅、物陰から返り血を浴びた顧千帆が出て来る。焦った万奇は雷(ライ)司使の厳命で致し方なかったと訴え、顧千帆を見逃せば族滅の憂き目に遭うと嘆いた。顧千帆は親友の裏切りに目をつぶって出て行くことにしたが、その時、万奇が背後から襲いかかって来る。絶望した顧千帆はもはや親友はいないと言い放ち、万奇を殺した。外で待っていた陳廉(チンレン)は物音に気づいて駆けつけたが、その凄惨な現場に言葉を失ってしまう。周舎は借金を返してくれたパンRにすっかり心酔し、欲を出して100貫ほど貸して欲しいと頼んだ。そこでパンRは金の無心ならまず宋引章(ソウインショウ)を離縁し、自分を娶ってからだと迫る。周舎は離縁するにも時間が必要だと訴えたが、パンRは1日も待てないと言い返した。「今日、離縁するなら結納品も求めず嫁ぐわ、でもしないなら明日ここを発つ!」「する!直ちに離縁する!」周舎が一目散に帰って行くと、三娘は照明弾を上げて引章に合図を送った。パンRは我ながら低俗な振る舞いに嫌気が差し、何度も手や顔を洗った。その時、突然、顧千帆が現れる。「皮がむけてしまうぞ…もう洗うな」実は顧千帆は露台で戯れるパンRと周舎を見ていた。すると顧千帆がパンRの手を取り、優しく洗い流してくれる。「これできれになった、透き通るように白くて美しい、君はけがれてなどいない」パンRはふと顧千帆の手の傷に気づき、手当てすることにした。顧千帆はパンRがここまで尽くしながら、宋引章がまた裏切ったらどうするか聞いた。「″恩には恩を、仇には仇を″」パンRは過去に固執せず、初心を貫くだけだという。一方、周府では周舎が引章に離縁を申し出ていた。引章は指示通り激高してわめき散らし、回廊で暴れながら燭台を倒して火を出してしまう。「火事よ!誰か来て!屋敷が燃えちゃう!」すると騒ぎを聞きつけた群衆が周府になだれ込み、屋敷は騒然となる。実は群衆を先導したのは三娘が抱き込んだ里長夫婦だった。「これだけ騒げば周舎は憤慨で眠れないはず、明日は見事に引っかかるわ」顧千帆はパンRに人を殺して来たと明かした。しかしパンRは怖がる様子もなく、それどころか初対面で自分を助けてくれた顧千帆を善人だという。親友を訪ねたはずの顧千帆が人を殺したのなら、恐らく鄭青田(テイセイデン)は皇城司まで抱き込んでいたのだろう。「元気を出して、朝廷にはまだ三省や御史台もある、そうでしょう?」「皇城司は三省の管轄外ゆえ取り締まれぬ、奴らには奴らの、私には私の道がある ただその道は私にとって極めて…」顧千帆はそこで言葉を飲み込んだ。「…君が言ったように因果に固執せず初心を貫くのみさ、この世を渡る男にこだわりは不必要だ」するとパンRは何も言わず、ほろ酔いのうるんだ瞳で顧千帆を見つめた。顧千帆は急に気恥ずかしくなって帰ることにしたが、パンRが引き止める。「つらい道ならやめたら?死んだ仲間も復讐のために苦悩して欲しくないはずよ?」「無理だ…君だって宋引章のことを忘れて探花(タンカ)夫人になれと言ってもできないだろう?」パンRは返す言葉もなく、また失敗を犯したら助けに来てくれと笑った。「″妻の言いなり″だぞ?…狭い華亭県で君の行いを知らぬものはいない」「ふん、銭を返さないから」「いいさ、一生を捧げてくれればいぃ…ぁ」顧千帆はうっかり口を滑らせ自分でも戸惑ったが、パンRは友達同士の冗談だと受け流してくれた。「友人?」「″傾蓋(ケイガイ)の知己″よ」パンRが手を差し出すと、顧千帆はその手を叩いて笑顔になった。「″旧友に勝れり″」顧千帆は陳廉が待っていた小舟に乗って香雲楼を離れた。「あの女のためなら秀州から早馬で戻るのも合点が行きます その包帯の巻き方からも賢さが分かりますね~へへ」顧千帆は陳廉の戯言に呆れながら、ちょうど露台に出て来たパンRの姿に気づいた。「まだ私に付き従うつもりか?私の配下を務めるのは大変だぞ?」しかしパンRが気になっておしゃべりな陳廉の話が耳に入ってこない。「…で、これから一体どこへ?」「平江(ヘイコウ)府…蘇州だ」平江府とは使相・蕭欽言(ショウキンゲン)の屋敷、実は顧千帆は蕭使相の長子だった。翌朝、周舎はパンRに事情を説明し、急いては事を仕損じると説得した。パンRは確かにその通りだと納得したが、やはり妹分から夫を奪うことはできないと身を引く。「お詫びにここにある銘品を差し上げるわ」「パンR?!」「言ったでしょう?男は信じるなって…財産目当てに甘言を弄していただけよ」三娘は荷物を運び出すよう頼み、パンRに外套を着せて部屋を出てしまう。驚いた周舎はパンRを追いかけ、今から離縁上を書くと宣言した。「今日中に宋引章を離縁してみせる!…さ、拙宅へ参ろう」周舎はパンRを連れて周府に戻り、野次馬が集まる中で引章に離縁を迫った。しかし引章は嫁荷を売り飛ばされ、身体は傷だらけ、どうやって生きて行けばいいのかと嘆く。立会人の里長は離縁するなら嫁荷を返すべきだと提案したが、周舎は手元に銭がないため借用書を書くと答えた。すると三娘がパンRに嫁荷も返さない男では婚姻を考え直した方がいいという。焦った周舎は仕方なく屋敷の証文を引章に渡すと決め、気がつけば身ぐるみ剥がされていた。周舎は引章を追い出し、早速、パンRと婚儀を挙げたいと言い出した。するとパンRは引章に渡った屋敷で婚儀を挙げることはできないと話し、周舎に荷物をまとめて香雲楼に来るよう告げて三娘たちと引き上げる。こうしてパンRは引章を無事に解放し、馬車で合流した。しかし周舎は里長が協力してくれた群衆たちに手当てを配っているところを目撃、騙されたと気づく。「女を捕えろ!」周舎はパンRたちの馬車を止め、県の役所に連行した。民衆が見守る中、周舎は妓女・趙盼児が自分に嫁ぐと偽って妻を離縁させたと告発する。パンRは銭塘(セントウ)の良民であり妓女などではないと否定、そもそも楽妓である引章を周舎が強引に娶り、虐待を続けたと訴えた。「宋の法では重罪です…周舎が宋引章を無理やり妻にしたことは離縁状に自ら記しています」三娘たちはようやくパンRが離縁状にこだわった理由を知った。すると知県が離縁状を提出するよう命じる。引章は離婚状を広げて読み上げようとしたが、その時、周舎が離縁状を奪い取って口に詰め込んだ。( ‘༥’ )ŧ‹”ŧ‹”…<これで訴えられぬ!つづく(  ̄꒳ ̄)何、もうパンRが好きなの?そうなの?w
2023.02.10
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玉昭令 No Boundary Season 2第16話端木翠(ダンムーツェイ)に内緒で婚礼の準備を進めていた展顔(ヂャンイェン)。「端木、妻になってくれ」「…いいわ」端木翠は展顔の求婚に応え、2人は抱き合って幸せをかみしめた。「明日、迎えに来るよ」名残惜しそうに帰っていく展顔、しかし翌朝、細花流に花嫁を迎えに行くと、端木翠の姿はなかった。草盧には端木翠の書き置きがあった。…展顔、あなたは素晴らしい人よ、一緒にいるほど離れがたくなる…だけど運命のいたずらであなたと添い遂げることができない…いっそ早く別れた方が互いのためよ、あなたの人生は長いわ…初めて衣を仕立てたの、不格好だけど着てね…巡回する時は暖かくして、風邪を引くから…私がいなくなっても幸せになって、それから私のために悲しまないでね端木翠の寝台の上には展顔のために用意した衣が畳んで置いてあった。その夜、人間界へ戻った月老(ゲツロウ)は偶然、船着き場で物思いにふけっている端木翠を見つけた。…展顔、先行き短い私はあなたの重荷になってしまう…端木翠は沈淵で誓った愛の印である2人の髪を川に落とした。しかしその髪の束を危ないところで展顔がつかむ。「展顔?!」「…端木翠、私たちが誓った愛を君は簡単に捨てるのか?!」「私はもうあなたと添い遂げることができない…もうすぐ死ぬの、あなたには幸せになって欲しい」すると展顔は端木翠を抱きしめ、とうに事実を知っていたと明かした。「短い時間だからこそ大切に生きよう、君といられる時間を無駄にしたくない… 一緒にいよう、一生を共にすると約束しただろう? 私のもとを去って蓬莱に行くというなら追いかける、また人間界に戻るなら私も戻るよ 君がどこへ行こうとついて行く!」「ゥッ…あなたってバカなんだから、ふふ」そこへ突然、月老が現れた。月老は仙力を失ったことを伝えなかったが、2人の姻縁は自分が見届けねばと笑う。こうして翌日、改めて啓封府で展顔と端木翠の婚礼の儀が執り行われた。夫婦になった展顔と端木翠、その裏で蓬莱が外出禁止を命じ、朱雀街は閑散としていた。上官策(ジョウカンサク)の話では司法星君・楊鑑(ヨウカン)が新しい法典を届け、幽族の戸籍名簿を所望したという。「婚礼は人生の一大事、私が対処したんだ」しかし新しい法典には非道な罰があり、端木翠は蓬莱で異変が起こっていると分かった。その夜、紅鸞(コウラン)は蘇った温孤(オンコ)を連れて温孤医館にやって来た。記憶のない温孤だったが、不思議と薬材のことだけは覚えている。しかし自分の寿命を与えて温孤を救った代償は大きかった。紅鸞は時折、激しい胸の痛みに襲われる。…いつまで一緒にいられるかしら…すると医館に潜んでいた幽族たちが現れた。幽族たちは温孤に気づき、幽王が戻ったと喜んで一斉に拝跪する。「大王、どうかお助けください!神仙は俺たちを根絶やしにするつもりです!」端木翠は義兄を呼び出して事情を聞こうとしたが、返答はなかった。すると朱雀街で天兵たちが幽族を捕縛、逆らう者を殺そうとしている。「やめなさい!どうして捕えるの?」「端木上仙、天道使君の命です、もはや以前の自由な蓬莱とは違う 今は天道使君が三界を守っておられます、ではこれで…」雷神は捕縛した幽族たちを連行していった。端木翠と展顔は道すがら天兵たちに追われる幽族を助けた。幽族の話では仲間たちが温孤医館に避難しているという。そこで2人で医館を訪ねてみると、驚いたことに死んだはずの温孤がいた。「温孤!」端木翠は再会を喜び、温孤の頬に手を伸ばす。すると紅鸞が現れた。「やめて!触らないで!」温孤は端木翠のことも展顔のことも知らなかった。すると紅鸞はまた温孤を殺しに来たのかと冷たい視線を投げかける。「前も容赦なかったものね?…とどめを刺す気でしょう?」驚いた端木翠は温孤が天に背く罪を犯したと説明したが、紅鸞は全て端木翠のためだったと反発した。その時、幽族を一網打尽にするべく楊鑑が医館にやって来る。しかし門の隙間から一瞬、展顔の姿を見た楊鑑は咄嗟に正門を閉め、神通力で探ったが幽族はいないと天兵に嘘をついた。紅鸞は端木翠たちに助けられても感謝しなかった。「確かに温孤は道を誤った、でも誰のせいで踏み外したと?」思わず悔しくて涙があふれる紅鸞、すると温孤は紅鸞がいじめれたと誤解し、端木翠に帰れと迫る。温孤はまるで別人のようで、その目は子供のように澄んでいた。「あなたを姉のように慕った私が愚かだったの、あなたはいつも残酷だった…もう帰って」端木翠と展顔が草盧へ戻ると楊鑑が待っていた。楊鑑は天道使君の正体が義父・江易(コウイ)だと明かしたが、義父の様子がおかしいという。実は幽族の迫害も新法典の発布も江易の案だった。展顔は蓬莱に来たのが江易ではなく江文卿(コウブンケイ)ではないかと気づいたが、端木翠は沈淵に閉じ込めたはずだと否定する。しかし楊鑑は沈淵で何かが起こり、脱出したかもしれないと警戒した。翌朝、紅鸞は温孤と仲間を連れ、人族を装って啓封を脱出しようとしていた。しかし城門に突如、天兵が現れ、今後は冠婚葬祭以外、出入りが許されなくなったという。一方、展顔は端木翠の身支度を手伝っていた。展顔と本当に夫婦になれるとは思えなかったと感慨深い端木翠、すると展顔が自分は息子と娘を授かるところまで想像していたと笑う。「…展顔、そんな日が来るか分からない、私はもう長くないの」「来るさ、一緒に年を取るんだ」そこへ突然、紅鸞が温孤を連れてやって来た。紅鸞は街が封鎖され脱出できなくなり、協力を求めた。「どんな条件でも聞くわ」驚いた展顔は友と取り引きなどしないと訴え、花嫁行列を偽装すればいいと提案する。紅鸞は幽族の命を救ってくれるなら感謝すると言ったが、温孤の件だけはどうしても許せなかった。すると温孤が端木翠の花嫁衣装に気づき、紅鸞にも似合うはずだという。紅鸞は思わず笑顔を見せ、最後に端木翠と展顔の幸せを祈って戻って行った。しかしその夜、紅鸞たちの花嫁行列は天兵たちに囲まれてしまう。「端木翠を信じた私が馬鹿だった…」「端木は無関係だ、何も知らぬ」楊鑑は天道使君の命だと教え、紅鸞たちを捕縛してから蓬莱に戻った。楊鑑は命令通り幽族を封じ込めたと報告した。喜んだ江文卿は人間界の平穏を守るため幽族を教化すると説明、ただし自分が監視の目を光らせているため天兵の見張りは必要ないという。一方、紅鸞と温孤は幽族たちと結界に閉じ込められていた。すると天道使君が現れ、三界を脅かした温孤を抹殺しようとする。紅鸞は温孤を守ろうとしたが、桃花の術を繰り出す前に吹き飛ばされた。つづく( ;∀;)展顔…展顔が幸せならいいのよ… ←誰?w
2023.02.09
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玉昭令 No Boundary Season 2第15話姚蔓青(ヨウマンセイ)は想い人と引き裂かれ、部屋に閉じ込められていた。思い詰めた蔓青は首を吊ったが、運良く端木翠(ダンムーツェイ)が駆けつけ、白綾を切ってくれる。実は蔓青には劉向紈(リュウコウカン)という想い人がいた。娘が幽族と通じていると知った父親は激怒、展顔(ヂャンイェン)を利用して隠匿しようと思いつき、宿に誘き寄せて薬を嗅がせたという。端木翠は悲しみに暮れる蔓青に芍薬の花を返した。愛おしそうに芍薬を抱きしめる蔓青、すると劉向紈の残像が現れる。…蔓青、私はもうこの世にいない、これは残留した精神なんだ…あの日、劉向紈は幽族たちと啓封(ケイホウ)を発つことになった。聞けば新たに任命された天道使君が幽族の追放を命じ、人族との婚姻も禁じられたという。しかし劉向紈は天に背いても蔓青と夫婦になると決意、駆け落ちしようと夜の桟橋で待ち合わせした。すると天兵が現れ、桟橋の手前で殺されてしまう。「すまない、別れの時だ…元気で」「一生を共にする約束でしょう?…あなた以外に誰も愛さない」端木翠は愛し合う2人の最後の時間を邪魔しないよう出て行った。やがて父親が蔓青に薬湯を届けに来たが、寝台ですでに息絶えた娘を発見する。蔓青は花嫁衣装をまとい、大事そうに枯れた芍薬を抱きしめていた。蔓青は遺書に真実を書き残していた。父親は正気を失い、娘が生きている幻を見ているという。展顔は無事に解放され啓封府に戻ったが、端木翠は蔓青の最後の言葉を思い出すとやるせなかった。…端木門主、なぜ蓬莱はこんなむごいことをするの?!…天道使君は文曲星君と季笙(キショウ)に別れを命じ、今度は劉向紈と姚蔓青が天道使君のせいで悲しい結末を迎えた。「蓬莱に異変が起きてる…こんなの人間界を守ってきた蓬莱のやり方ではない!」憤る端木翠、すると展顔は蓬莱で何が起きているか調べようとなだめた。蓬莱では司法星君・楊鑑(ヨウカン)が天道使君・江文卿(コウブンケイ)に諫言していた。「迫害すれば反発を招きます、幽族の中には啓封に潜んで王を探す者がいるとか… 人族と幽族の間で争いが起きれば、また民が苦しみます」「王を探す者だと?…天兵に伝えよ、啓封の民に夜間の外出禁止を命じる 街に潜む幽族をくまなく探し、すべて捕縛せよ」すると江文卿は自分で編纂した法典を渡し、人間の行いを制すると伝えた。「お前が人間界に赴き、役所に届けてくれ」展顔は端木草盧(タンボクソウロ)で汁粉を作った。しかし端木翠が部屋にこもってなかなか出てこない。展顔は仕方なく汁粉を持って部屋に入ると、端木翠は慌てて切り落とした白髪を隠した。窓から庭を眺めながら汁粉を飲む端木翠、その時、展顔は化粧台にある白髪に気づいてこっそり手に入れる。「…たくさん食べてくれ、おかわりもある」展顔は独りで中庭に出ると端木翠の白髪を見た。…端木、何を隠している?神位を失った君はこれからどうなる?…すると風が吹き、端木翠の白髪は飛んで行った。人間界を監視している江文卿は端木翠が老いて行く姿を見ながらほくそ笑んだ。しかし急に激しい頭痛に襲われ、慌てて香袋を取り出す。一方、端木翠の白髪はもはや隠し通すことができないほど増えていた。薬瓶は温孤(オンコ)が生きていたら黒髪を保つ薬も作れただろうと嘆く。そこで端木翠は温孤が残した薬を片っ端から見てみたが、その時、義兄からもらった符縄(フジョウ)の仙力が尽きそうなことに気づいた。…私はもう長くないということ?…展顔は上官策(ジョウカンサク)にある頼み事をした。「やっと端木と共に人生を歩めるんだ…」「兄弟の頼みだ、引き受けた、任せてくれ」するとそこへ端木翠がやって来た。展顔は急激に衰え始めた端木翠に驚き、困ったことがあれば一緒に向き合おうという。しかし端木は笑ってはぐらかし、展顔の衣を縫うため採寸を始めた。端木翠は自分に残された時間がわずかだと気づき、展顔に尽くした。震える指で衣を縫い、啓封府には差し入れを届けて展顔の世話を頼む。その日は展顔が端木翠に合わせて食べなくなった肉料理を草盧で振る舞った。すると端木翠は展顔が身を守れるよう神器の護身傘を譲るという。「武術ができるから私は大丈夫だ」「強敵が現れた時、私がいなければどうするの?」端木翠はうっかり口を滑らせ、気まずい空気が流れた。「ぁ…呪文を教えるわね」しかし呪文を唱えるだけでも体力を消耗し、端木翠は傘を落として倒れてしまう。展顔は咄嗟に端木翠を抱き留めたが、端木翠は惨めな姿を見せるのが嫌で部屋を飛び出した。「端木!」展顔は端木翠を追いかけ、橋の上で捕まえた。「時間があればもっとできることがあるのに…でももう…」「私が悪かったのだ、言う通り覚えるから見捨てないでくれ」「違うの…私が悪いの、あまりに気が急いてしまって…」すると端木翠は気を失ってしまう。その時、楊鑑が現れた。「縁が尽きたのだ」「違う!」実は端木翠は天道使君の正体を突き止めようと義兄を呼び出していた。楊鑑は義妹に心配をかけまいと明かさずにいたが、その時、端木翠の白髪を見て驚愕する。『失ったのは本当に法力か?…神位であろう?』端木翠は仕方なく神位を失ったと認め、これで展顔と添い遂げられると強がった。しかし神位の保護を失えば瞬く間に老いて死んでしまうのは必至、楊鑑は符縄に自分の魂力(コンリキ)を注入し、無理に神器を使って魂力を失わないよう念を押す。すると端木翠は思わず楊鑑に抱きついた。『大哥…三界で最も素敵な哥哥よ…』展顔は倒れた端木翠に付き添っていた。楊鑑の話では神位を失った端木翠は次第に衰弱し、寿命が尽きて死んでしまうという。…残された時間は長くない…展顔はなぜ早く気づかなかったのかと己を責めながら泣いた。その時、端木翠が目を覚ます。「展顔…なぜ泣いているの?」「私はもっとしっかりするべきだった…私が悪いのだ」「確かにそうね…呪文を教えても覚えないもの…?…何を考えているの?」「君をずっと見ていたいと…」「髪が真っ白になってしわくちゃになっても嫌いにならないでね…」「どんな姿になろうとずっとそばにいるよ」楊鑑が中庭で待っていると展顔がやって来た。「彼女を救う手立ては?」「…端木の神位は沈淵にいる時に奪われた、だが今の端木に再び沈淵を開く力はない このままでは衰弱し、やがて魂が砕け散る」「嫌だ…そんなの」楊鑑も蓬莱で医仙や文献を片っ端からあたったが、神位を失った者が老いを免れた前例はなかったという。身代わりになれるものなら義兄である自分がなってやりたいが、今回ばかりは打つ手がなかった。「あとどのくらいですか?」「分からぬ…数ヶ月かもしれないし数日かもしれぬ、今すぐかも」楊鑑はどんなに辛くても端木翠の前では笑顔でいるよう頼んだ。端木翠にとって一番辛いのは展顔が悲しむ姿を見ることだという。翌朝、端木翠が目を覚ますと展顔がいた。まるで眠っている間に殴られたのかと思うほど身体の節々が痛むという端木翠、すると展顔は薬湯を飲ませ、端木翠を抱き寄せた。「…私がいなくなっても変わらず幸せに暮らして欲しい、時々は懐かしんでね」「″いなくなる″って?」「人間には必ず死が訪れる、神仙だって同じ千年を繰り返すだけ、うんざりするわ だから数百年か数千年、眠ることがあるの」「神仙はどこで眠るんだ?」「巨石になる者もいれば、深海の樹木になる者もいる、帰墟(キキョ)に行く者も… 展顔、もし私が眠りにつくなら何になればいい?」「端木…君を失いたくない、だって君は私の全てだから」「私は消えない、あなたから離れない」展顔は端木翠と出かけることにした。そこで覚えたばかりの呪文で護身傘を操ってみせると、端木翠は飲み込みが早いと喜ぶ。しかし端木翠が急に立ちくらみを起こした。展顔は端木翠を背負い、そのまま朱雀街の錦繍布荘(キンシュウフソウ)まで連れて行く。「なぜここに?」「入ってみよう」すると店主の李瓊香(リケイコウ)が上官策に頼まれていた花嫁衣装を持って来た。「お代はいいわ、結婚祝いよ」実は展顔は端木翠に内緒で上官策に婚礼の準備を頼んでいた。草盧に端木翠の婚礼衣装一式が届いた。展顔は端木翠を抱きしめ、一緒に過ごせる時間が1年でも1日でも一瞬であろうと構わないという。「君と出会えたことに感謝している、端木…妻になってくれ」「はお」つづく( ;∀;)ァァァ…展顔…
2023.02.08
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玉昭令 No Boundary Season 2第14話兄夫婦にしつこく嫁に行けと迫られ、川に身を投げた李采秀(リサイシュウ)。実はその川は偶然にも神位を奪われた張文饗(チョウブンキョウ)が姻縁を願って灯籠を流した場所だった。すると采秀はなぜかびしょ濡れになって岸に上がってくる。その時、ちょうど妹を探していた李年慶(リネンケイ)と妻が駆けつけた。李年慶は自害するほど嫌なら嫁に行かなくても良いと言ったが、采秀は好きな人がいれば夫婦になりたいという。職務に復帰した展顔(ヂャンイェン)は朱雀街の見回り中、錦繍布荘にいる端木翠(ダンムーツェイ)を見つけた。婚礼衣装を選んでいる端木翠に目を細める展顔、しかし本当の目的は店内にいる采秀だと知る。「さっきは宝飾店にいた、籠の中には婚礼の品が入っているわ…変だと思って尾行しているの」「誰かに嫁ぐのか?」「そんなはずない、私が李家でお世話になった時、結婚を嫌がっていたもの」そこで端木翠は采秀に声をかけてみたが、采秀は端木翠を覚えていなかった。すると采秀は店主の李瓊香(リケイコウ)に展示している花嫁衣装と花婿の衣装を注文して帰ってしまう。端木翠は李瓊香に采秀が1人で来たのか聞いた。李瓊香の話では許嫁はあとから来るそうで、衣装には許嫁の名前・饗と刺繍するよう頼まれたという。「会ったことはないけれど文人で、″文曲星君(ブンキョクセイクン)″と呼ばれているとか」展顔は端木翠と一緒に李家にやって来た。端木翠の話では采秀の手が異常なほど冷たく、耳の後ろに虫がいたという。すると采秀は部屋に閉じこもって号泣、兄夫婦が途方に暮れていた。実は采秀が突然、老いぼれを連れて来て嫁ぐと言い出し、采秀が留守の間に追い出したという。そこで端木翠は部屋の前でよもぎを燃やすよう頼み、張文饗の筆を見せて采秀を誘き出した。筆を見た采秀は驚いて部屋を出ると、寄生した虫がよもぎの煙でいぶされ、もがき苦しみ始める。その隙をついて展顔が梱仙縄(コンセンジョウ)で采秀を回廊の柱に縛りつけた。采秀の身体に寄生したのは季笙(キショウ)というまだ人像も持たない小さな虫だった。季笙は采秀に危害を加えるつもりはなく、婚礼を挙げたらすぐ身体を返すという。しかし寄生するために法力を使い果たした季笙は身体から離れたら死んでしまうだろう。「例えほんの一瞬でも愛する人と結ばれるなら命を捨ててもいいわ…」端木翠は季笙に同情し、筆を頼りに張文饗を探し出した。すっかり老いぼれた張文饗の姿に唖然となる端木翠。実は張文饗は″天道使君(テンドウシクン)″に神位を奪われ、いくばくもない命だった。「でも天道使君なんて初耳だわ…」「天命を受けたらしい」張文饗は自分の身体で季笙を養い、姻縁を願ったせいで厳罰を受けていた。張文饗と季笙は固く抱き合い、涙した。「文饗、あなたと生死を共にできれば何の心残りもない」「…展顔、私も季笙と同じ気持ちよ」「私もだ」そこで端木翠と展顔は2人のために婚儀の準備を始めた。しかし展顔は神位を失った文曲星君が瞬く間に老いたことから、端木翠の身にも同じ事が起こるのではないかと不安になってしまう。端木翠は神位を譲った自分と天罰が下った神仙とは違うと笑顔で否定したが、真実を伝えることはできなかった。再び買い物を始めた端木翠と展顔、そんな2人の幸せそうな姿を物陰から紅鸞(コウラン)が見ていた。実は啓封(ケイホウ)に雪が降ったあの日、端木翠が崇(スウ)城に植えた桃の枯木にも希望という毒消しが降り注ぎ、桃花妖は再び人像を手に入れた。『…温孤(オンコ)、待っていて』あれから温孤はどうなったのか。紅鸞は桃花の術で温孤を捜索すると、山中で雪に埋もれた龍骨を発見した。すると龍骨が温孤の最期の様子を映し出してくれる。紅鸞は端木翠のせいで温孤が死んだと誤解し、懸命に角を探した。…紅鸞、龍族にとって角は命も同然、息子に何かあった時は必ず角を取っておいて…角が残っていれば救える望みはある紅鸞は温夫人の言葉を思い出し、必ず温孤を救うと誓った。李家でささやかながら張文饗と季笙の婚儀が行われた。2人は拝礼の儀を終えると共に命が尽きたが、魂は寄り添うように夜空へ登って行く。しかし蓬莱では張文饗が幽族を娶ったと知り、天道使君・江文卿(コウブンケイ)が激高していた。楊鑑(ヨウカン)は月老(ゲツロウ)が神位を返上して姻縁簿を管理する者がいなくなったせいだとチクリ、すると江文卿は今後の人間界の姻縁を自分が管理するという。神仙たちは人間界への過度の干渉はかえって秩序が乱れると反対したが、江文卿は一切の口答えを許さなかった。「これから神仙は己の公務を全て私に報告せよ、私の許可なく物事を決めてはならぬ より良き統治のためだ、秩序を作り直す」江文卿は蓬莱の神仙が無為徒食のため三界が災いに見舞われたと指摘、楊鑑にも司法星君としての職務を果たせと迫った。「人間界から幽族をことごとく追い出すのだ、人間界に留まる幽族は…容赦なく殺せ!」端木翠と展顔は月老廟を訪ね、2人の姻縁を結んでもらうことにした。しかし月老の姿はなく、神像にいじわるしても反応がない。その時、突然、見慣れない神像が現れた。「″天道使君″?」展顔と端木翠は何かおかしいと気づき、啓封府に駆けつけた。すると驚いたことに啓封府にも月老廟と同じ神像がある。しかし展顔も上官策(ジョウカンサク)もいつ誰が置いたのか分からなかった。そこで神像を退かそうとしたが、数人がかりでもびくともしない。「法術をかけられているから何をしても動かないわ」端木翠は張文饗から神位を取り上げたという天道使君と何か関係がありそうだと疑った。一方、紅鸞は温孤を救うため、自身の身体を傷つけると分かっていながら桃花の術を使った。すると温孤の身体が復活、やがて目を覚ます。温孤は自分が何者なのかも分からず呆然としていたが、紅鸞は涙を流して再会を喜んだ。その夜、展顔は端木翠と夕食を共にした。「明日、草盧(ソウロ)へ迎えに行くよ」夜番の展顔は端木翠と笑顔で別れたが、ふと目を覚ますと見知らぬ娘と一緒に眠っていた。早起きした端木翠は展顔が来るまでに白髪を抜く必要があった。しかし全部、抜き切る前に上官策が慌ててやって来る。「端木門主!大変だ!…展顔が!」実は展顔は姚(ヨウ)家の娘・蔓青(マンセイ)と同衾し、現場を押さえた親から責任を取って娘を娶るよう迫られていた。新法によれば共寝した男女は結婚しなければ死罪、これも蓬莱からの命令で朝廷からお達しが出たという。身に覚えのない展顔は頑なに婚姻を拒否し、姚家の私設の牢に捕らわれていた。姚家は名門で皇帝の親戚でもあり、このままでは展顔が危ない。端木翠は上官策と姚家に駆けつけ、何とか展顔との面会を許してもらった。端木翠は乾坤袋から札を出し、一瞬だけ柵を消して展顔の牢へ入った。しかしなぜか片足だけ引っかかってしまう。…うそーん!仙力を失ったせいで札まで操れなくなったの?…展顔が心配そうに見ていると、端木翠は足が中に入る前に効力が切れたとごまかした。すると展顔が端木翠の足を中に引き入れてくれる。「今朝、会いに行けなくてごめん」展顔の話では昨夜、巡回中に悲鳴を聞いて宿に飛び込んだところ、部屋に入るなりすぐ気を失って倒れたという。姚家はとにかく娘と結婚しろの一点張りで展顔を拘束、展顔は捜査もできずにいた。そこで懲罰が怖いので啓封府には内密にするよう頼んだところ、案の定、姚家は啓封府に知らせたという。「これで仲間たちに捜査してもらえる… 姚姑娘は深窓の令嬢、滅多に外出しないのに、なぜ夜更けに家を出て宿にいたのか? それが一番の謎だ」端木翠は展顔と離れがたかったが、捜査のため帰ることにした。すると展顔は自分がいなくても偏食せずしっかり食べるよう言い聞かせ、端木翠のかんざしを抜く。「どうしたの?」「ふと思ったんだ…君の物を持っていないと」端木翠の美しく長い髪には白髪があった。実は姚蔓青には劉向紈(リュウコウカン)という想い人がいた。しかし父親が反対し、劉向紈が贈った芍薬を庭に捨ててしまう。すると牢を出た端木翠が捨てられた芍薬に目を止めた。「花が光っていない?…ここにいたのなら何か見ているかも」札は残り2枚、端木翠は効果が出ることを期待して芍薬の花に貼り付けた。その時、芍薬妖が姿を現したが、一瞬で消えてしまう。「…ちょ!話があるのに~!」端木翠は仕方なく上官策を先に帰し、姚蔓青に会ってみることにした。つづく( ๑≧ꇴ≦)キィャア〜!展顔の制服が戻って来た〜!
2023.02.07
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皎若云间月 Bright as the moon第36話「捕虜となった皇后」容景(ヨウケイ)が三皇子・夜天逸(ヤテンイツ)の陣営に現れた。何でも飛ぶ鳥を落とす勢いの三皇子に参謀として協力したいという。しかし三皇子は急に態度を軟化させた容景を信じられなかった。「非常時には首を垂れねば…私とて例外ではない すでにご存知のはずだ、夜軽染(ヤケイセン)を殺したのが一体、誰なのか」容景は夜軽染に協力を求めたが断られ、墨閣(ボッカク)共々皆殺しだと脅されて見限ったという。「皇帝の命という貢物では満足できませんか?」すると三皇子は容景に上座を用意した。一方、愛する夜軽染を失った拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)は帝都に戻らず、月岐(ゲツキ)に帰ると決めた。雲浅月(ウンセンゲツ)と南梁睿(ナンリョウエイ)は門まで見送りに出たが、葉倩は最後に太子の居場所を書いた紙を渡す。「安心して、無事よ…ごめんなさい、嫉妬からこんな真似をして… 私は軽染に愛されなかったけれど、その辛さは分かる」葉倩は皇帝という重責のため自由に生きられなかった夜軽染の代わりに諸国を回ることにした。「元気でね…」しかしひと足先に藍(ラン)家の蒼亭(ソウテイ)たちが太子の居場所を見つけてしまう。蒼亭は陣営に戻り、すでに太子の姿はなかったと報告した。太子が生きている限り皇位を脅かす種となるのは必至、三皇子は何としても探し出せと命じる。藍漪(ランイ)は雲浅月の手の者ではないかと怪しみ、どちらにしても始末をつけてはどうかと進言した。「当然だ、浅月はとっくに私の敵だ…一切の手加減は無用」そこで夜軽染の棺が軍営を出たら直ちに出陣し、兵士の士気が落ちているうちに一挙に平城を落とすと決めた。「藍漪、子供はその手で捕えよ、躊躇は無用、確実に始末しろ」天聖軍は撤退、皇帝の棺と一緒に帝都へ帰ることになった。しかし伝令兵が駆けつけ、敵が東西から近づいているという。浅月は隠衛の将軍・陳柳(チンリュウ)に棺を任せ、自分がおとりとなって時間を稼ぐことにした。反乱軍に潜入していた墨閣の配下が慌てて容景の元にやって来た。「奴らが皇后の待ち伏せを…」驚いた容景が駆けつけると、蒼亭たちが皇后一行を襲撃、浅月に剣を向けている。「やめろ!」浅月は容景が三皇子と結託したと知り、呆れ果てた。すると容景は皇后には使い道があるため、生け取りにするという。南梁睿は太子を迎えに行ったが、民家はもぬけの殻だった。衛兵が村人に聞いた話では確かに赤子と乳母が住んでいたという。仕方なく付近を探すことにしたが、その時、待ち伏せしていた藍漪たちが現れた。藍漪は南梁睿を脅して居場所を吐かせるつもりだったが、南梁睿は何も知らないという。結局、双方は乱闘になり、南梁睿が暗器で藍漪の胸を刺したところで決着がついた。すると南梁睿は藍漪に太子が死んだと嘘をつくよう助言する。「天逸は不安の芽を摘み取りたいだけ、今でさえ太子は生死不明だ 小さな嘘で天逸を安心させ、あとで太子を探し出せばいいだろう? …事実を報告して信頼を失ってもいいのか?」三皇子の幕舎に捕虜となった浅月が現れた。浅月は死を覚悟して凛としていたが、三皇子は軍に配属して苦役をさせるという。すると着替えを済ませた浅月の元に三皇子が現れた。「この夜天逸が心から愛し、命をかけて守ると誓い、全てを捧げて追い求めた なのに容景を選び、次は軽染を選んだ、まるで私との月日などなかったかのようにな だがその結果は?このざまだ」「…時間が巻き戻せたとしても同じ選択をする、今世も来世もその次も、あなたは軽染に及ばないわ 私をいたぶって憂さ晴らし?ふっ、あなたはね、この世で最も哀れな人間よ 内心は劣等感でいっぱいだから、他人の者を奪って肯定するのね!」三皇子は憤慨したが、浅月が自分を挑発していると気づいて相手にするのをやめた。三皇子が浅月の天幕を出るとちょうど藍漪が戻って来た。すると藍漪は太子を片付けたと嘘をついてしまう。「でかした!これで皇帝の座まであと一歩だ…」藍漪は三皇子の喜ぶ顔を見て安堵したが、後ろめたさに苛まれた。浅月が洗濯していると藍漪が汚れ物を持ってやって来た。藍漪は哀れな浅月を嘲笑い、容景の寝所を温める侍女になった方が楽だろうと嫌味を言う。すると浅月はどうせなら夜天逸に取り入るとやり返した。藍漪は激怒、腹いせに太子を殺したと挑発してしまう。「嘘よ!」「嘘だと思うなら容景に確認するのね?」泣き崩れる浅月の姿を玉洛瑶(ギョクラクヨウ)が見ていた。すると上官茗玥(ジョウカンメイゲツ)が現れ、皇后の浅月さえこの有様なら、普通の女子の境遇は言うまでもないという。「再興は犠牲を伴う、死ぬのは皆、無力な民だけ…それこそが世子が再興をためらう理由だ」確かに玉洛瑤は浅月の姿に胸が痛んだが、淇(キ)国の再興をあきらめ切れなかった。しかし自分のやり方が夜天逸と何ら変わりないと上官茗月に指摘されてしまう。その夜、浅月は息子の長命鎖を握り締め涙に暮れた。思い詰めた浅月は短剣を手に容景の幕舎へ潜入、寝首をかこうとする。しかし目を覚ました容景に押し倒され、逆に取り押さえられた。「そんなに私が憎いのか?」「ええ、あなたのおかげで天真爛漫な雲浅月は死んだ…あなたが葬ったの 私が生きる目的は1つ、あなたの死を見届けることよ!」すると衛兵の呼びかけが聞こえた。「三皇子がお呼びです」容景はすぐに行くと答え、浅月を解放した。浅月は偶然、三皇子に会いに来た冷邵卓(レイショウタク)を見かけた。そこで天幕の影から様子をうかがうと、冷邵卓が三皇子を指示する大臣の名簿を渡している。「帝都へ進軍される際は我々が内部から援護を… 宮中で死んだはずの父は骨すらない、天聖が憎いのです! 殿下が挙兵されたと聞いて密かに根回ししておきました、殿下に忠誠を誓います」三皇子は冷王の死後から疎遠になっていた息子の訪問を訝しんでいたが、親の仇討ちと聞いて腑に落ちた。「冷王爺の仇は倍にして取ってやろう」「ところで20万の月岐軍はいつ到着で?」「近いうちに合流する」すると容景が反対した。大軍との合流はひと月もかかる上、これから難攻不落の城が続くことを考えるとさらに日数がかかるという。しかし今なら天聖の臣下も寝返りやすく、絶好の機会だ。「月岐の大軍を東西に分けて進軍させれば天聖の兵力を分散できます 殿下は5万の兵を率いて城を迂回して進めばいいでしょう、月岐軍は追って合流させては?」容景は準備していた進軍経路図を差し出すと、三皇子は容景の案で行くと決めた。思わぬ場所で再会した容景と冷邵卓。2人は相手の腹を探る時間もなく、それぞれの思惑のため動き始めた。一方、幕舎に戻った三皇子は藍漪と進軍図を確認し、勝利を確信する。「事が済めば用済みの犬は殺さねば…ふっ」三皇子は上機嫌で酒が飲みたくなったと言った。その時、浅月の声が聞こえてくる。「三殿下?衣服をお届けに来ました」藍漪は″三殿下″と呼ぶなど馴れ馴れしいと憤慨したが、三皇子はたかが奴隷に腹を立てるなとなだめた。藍漪が酒の準備で出て行くと、入れ違いで浅月が入って来た。浅月の目的は机の上にある進軍図、そこで他に用事がないか尋ね、時間を稼ぐ。つづく( ๑≧ꇴ≦)三皇子wwwどう見ても踊らされているのにw
2023.02.06
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皎若云间月 Bright as the moon第35話「仇同士の対決」容景(ヨウケイ)に密書を送り牽制した三皇子・夜天逸(ヤテンイツ)。すると目論見通り容景から接触してきた。「私の名を騙って兵馬を集め、国境を荒らしたな?」「ふっ、下手に動けば平城(ヘイジョウ)の民が巻き添えを食うぞ?」もはや淇(キ)国太子・容景が挙兵したのは周知の事実、今さらどんな言い訳も通らないだろう。そこで三皇子は容景が皇位簒奪に協力するなら、成功した暁には領地を与えると約束した。しかし容景は汚い行為に手を染めたくないと拒否、思い留まるよう警告して帰ってしまう。皇帝・夜軽染(ヤケイセン)は呪術による反噬(ハンゼイ)が悪化、ついに陣営で倒れた。一方、三皇子は破竹の勢いで越州から鳳凰関を越え平城へ到達、星野坡(セイヤハ)大営は反乱軍に包囲されてしまう。急報を受けた朝廷は対応に追われたが、今の朝廷に援軍を送る余裕などなかった。すると朝堂に皇后・雲浅月(ウンセンゲツ)が現れ、及び腰になった臣下たちを叱責、自ら夫を助けに行くと啖呵を切ってしまう。拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)は皇帝が劣勢と知り、想定外の事態に呆然となった。そこで慌てて侍女・阿烏(アウ)に月岐(ゲツキ)から薬材を取り寄せるよう命じる。一方、秦玉凝(シンギョクギョウ)も密かに平城へ出かけようとしていた。しかし屋敷に冷邵卓(レイショウタク)が駆けつけ、やみくもに動いても仇討ちどころか返り討ちに遭うと止める。「私を信じてくれ」実は冷邵卓にはある策があった。浅月は祖父の人脈で兵を集め、兄・南梁睿(ナンリョウエイ)と共に星野坡を目指した。しかし天聖陣営は敵に包囲されて半月、朝廷からの援軍も期待できず、夜軽染はついに覚悟を決める。「筆の用意を…容景に文を書く」一方、容景は三皇子の勢力が増していることを危惧し、対抗するには夜軽染と手を組むしかないと考えていた。すると皇帝から密書が届く。…明日、辰の刻に星野坡で…容景は玉洛瑤(ギョクラクヨウ)の反対をよそに独りで出かけると決めたが、なぜか胸騒ぎがしていた。翌日、星野坡で夜軽染と容景が対峙した。すると容景は丁重に拝礼し、説明の機会が欲しいと嘆願する。「今一度だけ私を信じてください…再興の意志など毛頭ありません、あれは夜天逸の軍です 野心に取りつかれ、民のことなど眼中にない、だが皇上と私が協力すれば食い止められます もう二度と荒野をさすらう淇国の悲劇を見たくありません 全ての民に安住の地を与えて頂きたい、血みどろの皇位争いなど無意味です」「もはや私にその時間はない、国と共に栄えるのではなく、国土と共に眠る…夜氏皇帝たる私の定めだ かくなる上は共に誓いを立て、今ここで決闘に臨む」夜軽染は生死をもって勝者を決めると言い放ち、宝剣を抜いた。皇后が援軍を連れて陣営に到着した。しかし皇帝は不在、何でも独りで容景に会いに行ってしまったという。驚いた浅月は南梁睿と一緒に探しに出かけたが、やがて激しい雨に見舞われた。すると裏山で戦う皇帝と容景の姿が見える。浅月はびしょ濡れの容景の背中を見ると、ふいに記憶がよみがえって頭が痛くなった。その背中はかつて自分を手ひどく捨て去った容景の後ろ姿、これが浅月の封じられた記憶の綻びとなってしまう。浅月は全てを思い出した。その時、容景が夜軽染から剣を奪い取り、突き付ける。「軽染っ!」浅月は慌てて駆け出したが、その姿に気づいた夜軽染は剣先をつかみ、自分の胸を突き刺してしまう。「皇上?!」「弱美人…そなたの勝ちだ…」容景は一体、何が起こったのか分からず呆然となった。すると背後から浅月の悲痛な叫び声が聞こえ、驚いて逃げ出してしまう。浅月は夜軽染を抱き起こした。「容景!待って!軽染を助けて!」しかし夜軽染は息も絶え絶えに浅月を止める。「いいんだ…最後に会えて良かった…少し休ませてくれ… 記憶が戻ったんだな?騙してすまなかった…私は卑怯な手を使い君をつなぎとめた… ほんのひと時の夢だったが、君といられた時間は生涯で最高の日々だった…恨まないでくれ… 命が尽きる前に最高に贅沢な夢を見られたんだ…後悔していない…」「あなたは私たち母子に居場所をくれた…死なないで…あなたが死んだらどうしたらいいの?!」「分かっていた…君の心の中にいるのは自分ではないと…全て思い出したのなら私に勝ち目はない… 君たちは来世で一緒になれるだろう、来世ではもう張り合わないよ…」すると夜軽染は葉倩に詫びを伝えて欲しいと頼み、愛する浅月の腕の中で事切れた。玉洛瑤は浅月に真実を伝えずに戻った容景を心配した。皇帝を殺したとなればただでは済むまい。しかし容景は浅月が弁明の機会をくれるとは到底、思えなかった。悲嘆の中にある人間は真実より現実の光景を信じるもの、例え命を差し出しても浅月の恨みは消えないだろう。浅月にとって今や容景は祖父と皇帝を殺した仇であり、今さら許しを乞える道理などなかった。「私にはやることがある…夜天逸に会う」翌朝、解毒薬を完成させた葉倩が陣営に駆けつけたが一足遅かった。葉倩は夜軽染の死に目にも会えず、棺にすがりつき悲しみに暮れる。「お願いよ、目を覚まして…私のものにならなくていい…自由にしてあげるから…」するとうたた寝していた浅月が目を覚まし、葉倩に寄り添った。「浅月、私が軽染を殺したの?天が私の呪いを聞きつけてその通りにしたのね…本心じゃなかった 死んで欲しいなんて本気で思うわけないのに…」葉倩は自分の横恋慕が原因だと嘆いた。しかし浅月は夜軽染の妻は葉倩だけだと慰める。「軽染は私を守ってくれただけ…実は…あの子の父親は容景なの 皇室の正統性に関わるからと極秘にせざるを得なかった…私たち母子のためだったの」「何てこと!…殺したのは私なの、全て私のせいよ!」葉倩は自分を許せないと取り乱し、副葬品の剣をつかんだ。そこへ慌てて南梁睿が駆けつけ、葉倩から剣を奪い取る。「時が解決する、残された者は生きて行くしかないんだ 自死などしたら、愛する者が苦しむぞ?!…バカな真似はするな」その頃、月岐王・拓跋業成(タクバツギョウセイ)は新帝の夜軽染が容景に討ち取られたと報告を受けていた。喜んだ業成は直ちに部隊を夜天逸に合流させ、一気に都を攻略するよう命じる。これで妹も月岐に戻るしかなくなるはず、業成は男なら他にいくらでもいると笑った。一方、三皇子の陣営でも皇帝の崩御を喜び、祝杯を挙げていた。すると突然、三皇子と袂を分かつはずの容景が現れる。容景は皇位に近づきつつある三皇子のため、美酒を差し入れに来たと言った。しかし三皇子はにわかに信じられない。「どういう風の吹き回しか…公明正大な景世子は人が変わったか?」つづく
2023.02.06
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梦华录 A Dream of Splendor第4話「救出大作戦」顧千帆(コチェンファン)が探していた夜宴図は趙盼児(チョウパンアール)が持っていた。パンRの茶舗は雅が売り、そのため賭け好きな客が銭にするため名画を持ち込むことがあったという。実は殺された楊(ヨウ)運判に贋作を贈ったのもパンRだった。パンRは楊運判から何度も夜宴図を見たいと頼まれ、不興を買わないよう贋作を作ったという。これも妹分の宋引章(ソウインショウ)に楽妓を辞めさせるためだった。「絵は安全なところに保管してある」すると顧千帆は身分を証明する金牌を渡せない代わりに、上物の和田(ホータン)玉を渡した。「これなら200貫になるだろう いいか、心に留めておけ、夜宴図を持っていることは誰にも言うな 夜宴図の存在は楊府数十人の命より重い、分かったな?気をつけろ」パンRと顧千帆は互いの目的のため、ここで別れることになった。「…東京であなたをどうやって探せばいい?」「州橋の南に王記鉄舗(オウキテツホ)がある 店に赤い旗が掲げてあれば店主に″銀の針を10本買う″と言え 旗が掲げられないままなら…返済は不要だ」顧千帆は道中で下級官吏に尾行されていると気づいた。そこで待ち伏せして官吏を脅し、上官に海路の捜索と偽らせて無事に関所を通過する。顧千帆は山間で空き家を見つけると、ひとまず今夜はここに泊まると決めた。官吏の名は陳廉(チンレン)、東京出身の17歳、しかし顧千帆を狙っている黒幕までは知らないという。すると顧千帆は急に古傷が痛み出し、薬を取り出した。その時、うっかり露店で買ったかんざしを一緒に落としてしまう。「珍しい珊瑚ですね?さすが南洋物だ」陳廉の話では近年、南洋からの安価な良品が出回っているという。「上等な南洋物が以前より安価とは…」顧千帆は皇城司で聞いた勅命を思い出した。…爪哇(ソウワ)・真臘(シンロウ)・三仏斉(サンブッセイ)、この三国の交易について次のとおり定める、船は広州でのみ停泊を許され、福建・広東の船が両浙(リョウセツ)・山東で商いをすることを固く禁ず…↓(´・ω・`)17歳です!←嘘つけ!一方、パンRと孫三娘(ソンサンニャン)は華亭(カテイ)県の香雲楼(コウウンロウ)にいた。パンRの話を聞いた女将は同じ賎民として引章の境遇に同情し、快く2階の貸切りを認めてくれる。実はパンRは富豪を装い、周舎(シュウシャ)を籠絡しようと企んでいた。ここ短期間で体裁を整えることができるのは香雲楼しかない。…顧千帆、頑張るわ、あなたの災いも福に転じますように…その夜、パンRは三娘に見張を頼み、周府に潜入した。すると中庭で後ろ手に縛られ、監禁されている引章を見つける。引章はパンRの姿に思わず涙し、自分が浅はかだったと後悔した。しかしパンRは今はまだ逃げられないとなだめる。「朝になったら死にそうな顔でこう言うの ″全福客桟にへそくりを隠している、毎回、合言葉を言えば10貫引き出せる″と… 周舎は今、借金苦だから金づるのあなたを大事にするはずよ」パンRは食べ物を渡し、骨折した足を治しながら自分を待つよう言い聞かせた。「そうだ姐姐、″探花の姓は欧陽(オウヨウ)″って噂を聞いたけれど、彼のこと?…すごいわ!」「ええ…」パンRは事実を伝えられず、笑顔を見せるだけで精一杯だった。翌朝、顧千帆は陳廉を連れて港近くの茶坊にやって来た。陳廉の調べでは市舶司(シハンシ)の税は品物の値の5割がけ、帳簿に計上されない南洋の船が数隻あれば大儲けだという。頼まれもせず自ら情報収集する陳廉、実は偶然、顧千帆の腰からぶら下がる金牌に気付き、お尋ね者の正体が皇城司の指揮だと知った。「そこで昨日の話からいろいろ考えたんです、銭塘(セントウ)知県も海禁を犯すとは大胆不敵ですね」陳廉は市舶司が誰か分からなかったが、通例では銭塘知県が兼任すると知っていた。そこで皇城司に入りたいと志願し、指揮の配下になりたいと訴える。その時、ちょうど桟橋に荷船が到着した。「機会をやろう、あそこの役人を警戒されぬようさりげなく連れてこい」引章がようやくへそくりの在り処を明かした。徐(ジョ)老板から15貫の返済を迫られていた周舎は喜び、態度を豹変させ優しくなる。「食べたい物は何でも買ってやろう、ゆっくり湯浴みして休みなさい」周舎は早速、金を引き出しに向かった。するとその帰り道、思いがけず引章の姉代わりである趙盼児と出くわす。趙盼児はちょうど下船したところなのか、用心棒と侍女を従え、豪華な馬車から降りてきた。そこで周舎は引章と夫婦になったと報告したが、いきなり引っ叩かれてしまう。「この薄情者!殺してやる!あなたって人は…ゥッ…」パンRは男に捨てられた女を演じ、わざと高価なかんざしを落として馬車に乗り込んだ。身に覚えもなく、訳も分からないまま用心棒たちにボコボコにされる周舎。馬車で去って行く趙盼児に恨みを募らせたが、居合わせた男たちの話を聞いて驚いた。 ゚ェ゚)<ぁ…このかんざし、少なくとも2貫はするな… ゚ェ゚)<香雲楼へ行ったぞ?宿代は全福客桟の2倍だ ゚ェ゚)<あんなに美しくて金持ちとは、一体、何者だ?すると周舎は男からかんざしを取り上げ、自分の物だと言った。一方、任務を与えられた陳廉は港にいた魏為(ギイ)を誘き出して捕縛、山中で痛めつけていた。その間、顧千帆は珊瑚のかんざしを見つめながら、パンRの言葉を思い出す。…手配書を出した銭塘の知県が怪しいわ、あなたを海賊だと断定した…すると陳廉が49発しっかり殴り終えたと声をかけた。魏為は拷問に耐えかね、銭塘知県・鄭青田(テイセイデン)の命で楊府を襲ったと白状した。そこで顧千帆は珊瑚のかんざしを見せ、港に無断停泊している爪哇商人の品か聞いてみる。魏為はそれも鄭青田の命だと訴え、異国の商人を賂1万貫で杭州に停泊させていたと暴露した。こうして鄭青田は帳簿に計上せず毎年20万貫も荒稼ぎしていたという。「鄭青田はどの朝臣と通じていた?私の行方を伝えたのは皇城司の誰だ?」「知りません…本当です!切り捨て御免の命を都が出したことしか…うわ~ん!」魏為は鄭青田が今回のために20万貫使い、銭は証書に換えて鳩に運ばせたと証言した。何でも″告発されればおしまいだ、生きるため大金で命を買う″と言っていたという。すると顧千帆は偶然、立ち聞きしてしまった雷敬(ライケイ)と于中全(ウチュウゼン)の話を思い出した。『今後は皇后が大権を握るだろう、しかし皇后は蕭欽言(ショウキンゲン)しか信じない 皇后のためこの件を解決すれば私も腹心になれるだろう…』『それで皇后の秘密を知る者は少ない方が良いと?その時が来れば顧千帆のことも…』于中全は雷司使を敬わない顧千帆を疎んでいた。『先の靖(セイ)侯の件も司使が…』『もうよい、いずれお前の言う通りにする』パンRの目論見通り、周舎がかんざしを届けに来たという名目で香雲楼に現れた。するとパンRは酔ったふりをして周舎への未練を訴え、泣きながらしなだれかかる。周舎は思い当たる節がなかったが、かつてパンRは周舎が一角の人物だと聞いて三娘に文を届けさせたと教えた。しかし周舎に無視されたという。三娘は使用人を問いただしたが、主は引章の演奏を聞いているので茶をする暇はないと追い返されたと憤慨した。すっかり信じ込んだ周舎は誤解だと釈明、一目見た時からパンRに惹かれたという。「私が愚かでした!銭塘を離れたのはあなたに夢中になって引章を裏切らないためだったのです 私はあなたに首ったけです」周舎はパンRとお近づきになろうと必死に機嫌を取り、三娘に料理と酒を頼んだ。そこでパンRは三娘に目配せ、部屋を出た三娘は徐老板を呼ぶよう使いを出す。「(´゚艸゚)ふふ、パンRに迫られたら私が男でも我慢できなわ」一方、顧千帆は無事に親友がいる秀州の皇城司駐留所に到着した。しかし陳廉は魏為の供述通りなら万奇(バンキ)も怪しいと警告する。顧千帆は万奇だけは違うと安心させ、自分を安全に東京まで送り届けてくれると教えた。「ここでお別れだ、皇城司に入りたいと言ったが、現時点で望みは薄い まだ若いんだ、一時の情熱だけで命を無駄にするな」「指揮…」「もう行け」顧千帆が駐留所に入ると、万奇が独りで酒を飲んでいた。「チェンファン!…無事だったか?!」「生き閻魔が簡単に死ぬか」「なぜ雷司使を怒らせたんだ?」「聞かないでくれ」万奇はそれ以上、追及せず、その命に20貫かけられていると教えた。すると酒の肴を取って来ると言って出て行ってしまう。独りになった顧千帆はすっかりくつろいで酒をあおったが、急に気を失った。つづく( ๑≧ꇴ≦)面白すぎるwwwww
2023.02.04
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梦华录 A Dream of Splendor第3話「お尋ね者」皇城司の指揮・顧千帆(コチェンファン)は川で漂流しているのが孫三娘(ソンサンニャン)だと知り、お尋ね者という身分も忘れて海に飛び込んだ。三娘は意識がないものの無事に救出、しかし鄭(テイ)船頭は顧千帆が人相書きの男だと気づいてしまう、顧千帆は岸の近くで脱出すると決めたが、趙盼児(チョウパンアール)は顧千帆の怪我を心配し、自分が手を打つと約束した。船頭はやはり顧千帆がお尋ね者だと気づいていた。そこでパンRは作り話で船頭を脅す。「あの方の名は蕭凡(ショウハン)、蕭使相(シショウ)の長男よ? 銭塘(セントウ)には遊歴で訪れ、私と将来を誓い合った仲 でも彭城(ホウジョウ)郡王の遠縁が私を見初め、強引に娶ろうとするから駆け落ちしたの 実は私のお腹には彼の子が… それで彼と侍女の三娘が殺されかけた、私たち母子も狙われているの」「使相の公子だったとは…私は何も見ていません ああ~もちろん船上の者も全員、口が堅いと保証しましょう」顧千帆はパンRの話を全て聞いていた。生娘なら他人に身ごもったなどと言えないはず、顧千帆はパンRが許嫁の子を宿していると気づき、傷薬の成分に流産を引き起こす斑猫(ハンミョウ)が入っていたと心配する。パンRは顧千帆のために機転を利かせたつもりがあらぬ誤解を招いていた。「あなたを助けるために嘘をついたのよ?それにあなたの子だと言っただけ…あっ!」「分かったよ…私の子で構わぬ」取り付く島がない顧千帆に憤るパンR、すると三娘が目を覚ました。三娘は夫に離縁され、息子にまで拒まれたと嘆いた。実は傅子方(フシホウ)の養子話は建て前で、傅新貴(フシンキ)は陶(トウ)氏と半年ほど私通を重ねていたという。三娘は難癖をつけられ一族から離縁を迫られたが拒否した。しかし傅子方が実母を学問を強いる悪い母だと罵り、陶氏をかばったという。全てを失った三娘は絶望し、離縁状に拇印を押して川に身を投げていた。三娘は夫と息子の残酷な仕打ちに打ちひしがれていたが、翌朝になると急に取り乱した。「あの子は私を憎んでる…私が悪かったのね?前世できっと罪を犯したんだわ でもあの男は?私を娶った時、貧しくて結納金もなかった だから毎日、豚を殺して銭を稼ぎ、あの人のために蓄えたのよ!」すると黙って聞いていた顧千帆がいきなり三娘を手刀で眠らせてしまう。「衰弱時の興奮は避けるべきだ」一方、銭塘県役所では知県・鄭青田(テイセイデン)が魏為(ギイ)に賂(マイナイ)を運ぶよう命じていた。地獄の沙汰も金次第、ここ数年、多額の賂を贈り続けて来たのはこんな時のためだという。「江南(コウナン)中の官兵が一斉に捜索している、あやつが逃げ延びることは不可能だ」三娘は目を覚ましたものの、放心状態となった。そこでひとまず嘉興(カコウ)県で下船し医者に見せることにしたが、町は顧千帆の手配書だらけだと気づく。「あなたは船に戻った方が良いわ」「私が助けたんだ、放っておけない それに…駆け落ちした以上、君一人に侍女の世話はさせないよ♪」( ತ _ತ)チッ! チェンファン、コイツ…医者は三娘が悲しみによる離魂病で衰弱が激しいと診断した。そこでまず鍼を打って意識を取り戻させるという。しかし移動は禁物、7日間は近くに留まり、薬を飲ませるよう勧めた。顧千帆はパンRが穀雨までに東京へ到着しなければ許嫁が結婚してしまうと心配したが、パンRは三娘の命の方が大事だという。2人はともかく馬車で医館を出発、すると医者の弟子から通報を受けた官兵たちが駆けつけた。「あいつらです!あの馬車!」「追え!」馬車が町を出た頃、顧千帆は追っ手に気づいた。そこで独り馬車を降り、パンRと三娘を逃がす。パンRは無我夢中で馬を走らせたが、ふと我に返って引き返した。パンRが戻った時には官兵たちが全滅していた。しかし顧千帆の姿がなく、付近の山を登って探してみる。やがて必死に崖を登ろうとしていた顧千帆を発見、何とか引き上げたが、勢い余った顧千帆がパンRの上に倒れ込んだ。「ゥッ…ちょ、ちょっと起きて!」「さっき筋を痛めたうえ、元の怪我もあり動けない…」パンRは力を振り絞って顧千帆の身体から抜け出すと、眼下に止めてある馬車から手を振る三娘が見えた。顧千帆はあえて町に戻り、高官御用達の宿に泊まることにした。まさに灯台下暗し、官兵たちも海賊が嘉興駅站(エキタン)に泊まるとは夢にも思うまい。顧千帆は身分を示す任命状を見せて部屋を頼むと、衣を縫いたいので針と糸が欲しいと頼んだ。パンRは皇城司が偽の任命状を持たせていることを怪しみ、″顧千帆″も偽名だと疑った。しかし顧千帆は名前も任命状も本物だと否定、確かに大勢を騙したがパンRを騙したりしないと安心させる。「…この針をどうするの?」「医者は金目当てに大袈裟に言ったんだろう、針でうっ血が解けるやもしれぬ」顧千帆は皇城司の尋問で針を使うため手慣れたもの、朦朧としている三娘の指に針を刺した。パンRは三娘を助けてくれたお礼に顧千帆へ茶を入れた。すると背後からそっと忍び寄った三娘がいきなり顧千帆の頭を花瓶で殴りつけてしまう。( ๑≧ꇴ≦)_旦 .:;*.’:;.. ブハッ!サンニャン!「さっき針で私を拷問しようとしたのよ!」パンRは顧千帆が命の恩人だと説明し、今や友でもあると訴えた。三娘は信頼するパンRに従うと決めたが、そんな二人の話をちょうど意識が戻った顧千帆が聞いているとは気づかない。「三娘、目が覚めたなら元気を出して、表裏がある人間もいる 鄭知県が良い例よ、楊府の件がなければ善人だと信じたわ 最初は顧千帆が嫌いだった、でもこの数日で良い人だと分かったの」するとそこで顧千帆は何食わぬ顔で起き上がり、黙って庭に出て行った。パンRは顧千帆を追いかけ、三娘の代わりに謝罪した。しかし顧千帆は病人と争うつもりはないという。「それよりいつから鄭青田を疑っていた?」「襲って来たのは寧海(ネイカイ)軍の都頭よね? でもさっきの追っ手は明らかに秀州兵馬都監(ヘイバトカン)の配下だった …不仲な両者が容易に手を結ぶ?手配書を出した銭塘の知県が怪しいわ あなたを海賊だと断定した」パンRは知県ごときが六品の官吏である楊(ヨウ)運判をためらわずに殺したのは利益があるからだと指摘した。見事な推理に舌を巻く顧千帆、そこで駅站であえて偽名を使わなかったのは黒幕の正体を知るためだったと明かす。「付近の皇城司駐留所へ私の足取りを伝えた、何が起こるか確かめる…宿を変えるぞ」すると顧千帆の目論見通り、駅站に官兵たちが駆けつけた。翌朝、顧千帆はパンRたちと町に出て状況を探った。三娘はひと足先に朝食を探しに行ったが、その時、官兵がやって来る。驚いたパンRは咄嗟に顧千帆とかがんで露店のかんざしを見ながらやり過ごし、難を逃れた。安堵したパンRは急いで三娘が見つけた店に入ると、顧千帆を手招きして呼ぶ。すると顧千帆は手に取った珊瑚のかんざしを買い、すぐ追いかけた。「…皇城司に裏切り者がいるの?」「恐らく高官だ…船頭は巻き添えを恐れ沈黙するはず、まだ1日ある 陸路なら用心棒を探せば穀雨の前に東京に着ける」そこで顧千帆はパンRに路銀を渡したが、パンRは顧千帆を独りにできないと拒んだ。しかし顧千帆には秀州の皇城司駐留所に万奇(バンキ)という親友がいる。「独りの方が好都合だ、忘れたのか?私の通名が″生き閻魔″だと…」思わず麺を吹き出しそうになる三娘、その時、偶然、買い物帰りの銀瓶(ギンヘイ)を見つけた。「銀瓶!」「三娘?!…趙娘子も?!なぜここに?!」パンRの忠告を無視して許嫁と旅立った宋引章(ソウインショウ)。銀瓶の話では確かに周舎(シュウシャ)は婚儀の直後まで優しかったが、華亭県で急に下船し、応天府には行かなかったという。すると周舎の金の無心が始まった。銀瓶は周舎を怪しみ密かに調べてみると、本当は華亭県が周舎の地元だったと分かる。引章に問い詰められた周平は逆上、嫁荷から500貫を出せと迫り、拒まれると暴力を振るい始めた。実は嫁入りの体裁を考え、嫁荷と偽って緞子(ドンス)で包んだ岩を箱に入れたという。「私は一昨日、売られてしまいました…出て行く時には姑娘は足を折られて監禁されていたんです」「…ここから遠い?」「いいえ、50里ほどです」パンRは顧千帆を人目のつかない場所まで連れて行った。「力を貸して」「また人助けか?穀雨に間に合わないぞ」「欧陽旭(オウヨウキョク)より引章が大事よ、間に合わなければそれも運命」パンRは金子10両を貸して欲しいと頼んだ。しかし顧千帆は身分を証明する皇城司の金牌を渡すことはできないと断る。そこでパンRは取引を持ちかけた。「夜宴図を探していたわね?本物は私が持っているの」つづく( ๑≧ꇴ≦)サンニャンwww好き過ぎるw
2023.02.03
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玉昭令 No Boundary Season 2第13話沈淵(チンエン)から戻った端木翠(ダンムーツェイ)と展顔(ヂャンイェン)。人間界は平和を取り戻し、司法星君・楊鑑(ヨウカン)は役目を果たした義妹と蓬莱へ帰ることにした。しかし端木翠は人間界で展顔と生きて行くと断り、義兄を怒らせてしまう。端木翠は展顔を啓封(ケイホウ)府へ帰し、草盧(ソウロ)で義兄に釈明することにした。実は沈淵に江文卿(コウブンケイ)が現れ、義父に成りすまして悪事を働いたという。「奴との戦いで法力を失ってしまったの…でも少し休めば大丈夫」楊鑑は端木翠が蓬莱に戻れない理由を知り、念のため宝器・符縄(フジョウ)を渡した。「これで魂を守れる…私の代わりに乾坤袋と符縄がそなたを守ってくれる」すると楊鑑は蓬莱で法力を回復する方法を探して来ると伝え、帰って行った。「大哥、ごめんなさい、嘘をついて…私は神位を失った、蓬莱には二度と戻れないの」展顔は義母と再会した。義父の件をどう説明すれば良いのか分からなかったが、意外にも江夫人は自分には展顔と上官策(ジョウカンサク)がいると笑う。「義父にやりたいことを思い切りやってと言ったの、私はあなたたちを見守ればいい」展顔は元気そうな義母の様子に安堵したが、上官策にだけは義父が戻らないことを伝えた。「もう二度と会えないだろう」しかし詳しく説明することができない。上官策は展顔の様子から余程の事情があると分かった。「…義父がご無事なら良い、言いたくなったら教えてくれ」展顔はその夜から早速、公務に復帰した。すると急に意識を失い、翌日になっても目を覚まさなくなってしまう。上官策は医者を呼んだがお手上げ、そこで草盧にいる端木門主を頼った。しかし展顔はただ疲れ切って深く眠っているだけだと分かる。「…寝顔も本当にキレイ( ˶´꒳`˵ )」端木翠は展顔を草盧で預かることにしたが、ふと法力が使えないことを思い出した。「あ…良く眠っているから動かせないわ」そこで草盧に戻り、展顔のために薬湯を作ることにした。端木翠はかまどの火を加減できず、草盧に飛び火した。運良く上官策が駆けつけ消火してくれたが、草盧はススだらけになってしまう。「はあ〜将軍や神仙より、庶民として暮らす方が難しいみたい…」上官策はひとまず啓封府に来るよう勧めたが、端木翠はまだ嫁いでいないと断った。上官策は李年慶(リネンケイ)の家で端木翠を預かってもらうことにした。しかし夫婦は同居している李年慶の妹・采秀(サイシュウ)のことで口喧嘩が絶えず、その夜も采秀を嫁がせる嫁がせないで大喧嘩になってしまう。見かねた端木翠は夫から包丁を取り上げ、中庭の木めがけて放り投げた。「もうたくさん!これ以上、騒いだら成敗する!」翌朝、端木翠が目を覚ますと李年慶と夫人が木に刺さった包丁を抜こうとしていた。「うちには包丁が1本しかなくて…(⌒-⌒; )」しかし2人がかりで抜こうとしてもびくともしない。端木翠は自分に任せてくれと言ったが、法力がないため容易には抜けなかった。そこで両手で柄をつかみ思い切り引っこ抜いたが、勢い余って後ろに倒れてしまう。その時、展顔が駆けつけ、端木翠を抱き止めた。「展顔!」「草盧を片付けた、帰ろう」端木翠は草盧で身なりを整え、展顔と朱雀街に出かけた。久しぶりに幸せな時間を過ごす端木翠と展顔、しかしその裏で突如、崇(スウ)城の門が開き、封印されたはずの江文卿(コウブンケイ)が沈淵から戻って来る。あれから江文卿は玄天傘(ゲンテンサン)から脱出しようとやみくもに法術を放っていたが、思いがけず蓬莱図が外れ、自分の身体に取り込むことに成功していた。蓬莱図の威力は絶大、江文卿は玄天傘を破壊し、現世に戻ってしまう。「何人たりとも私の歩みを止められぬ!わっはははは~!」蓬莱では祈祷のため神仙たちが集まっていた。天道に衆生の多幸を祈り拝礼する神仙たち、すると突然、天の光が現れる。「天道が降臨し、幸福をもたらすぞ!」しかし天の光から突然、お告げが聞こえた。「己の務めを果たさず、初心を忘れた神仙たちよ…祈祷しても幸福は得られないぞ」「え?天道が話しましたよ?」小天(ショウテン)が唖然としていると、その時、天道使君を名乗る神仙が現れる。「皆の者、千年振りだな、元気だったか?」天道の使者を名乗る神仙は丞相・江易(コウイ)だった。江易を装った江文卿は龍族の力を取り込んでいたため、天雷に見舞われた。しかし咄嗟に蓬莱図の力を使って天雷を封じ、難を逃れる。神仙たちは騒然としていたが、江文卿は千年前に端木翠に神位を譲ったことが天道に認められ、天道使君に任命されたと嘘をついた。その時、偶然にも人間界から良縁を願う声が届く。江文卿は姻縁とは月老が与えるもので人間が求めるものではないと憤慨し、その願いを粉砕した。江文卿は月老の怠慢を叱責、見せしめに良縁を願っていた文曲星君・張文饗(チョウブンキョウ)を召喚した。すると文曲星君が自分の身体で養っていた幽族を無理やり引き離してしまう。「肉体すら持っておらぬ虫だ…最後の機会をやろう、殺せ!さもなくば神位を奪う」「季笙(キショウ)はただの虫です、とても善良だ、長年、私のそばにいてくれました…」文曲星君は殺すと見せかけて愛する季笙を逃したが、江文卿に神位を取り上げられてしまう。一方、人間界では思い詰めた様子の李采秀が桟橋にいた。「私の気持ちも考えず嫁に行けと口うるさく言う…私が李家の恥だというなら死んでやるわ」江文卿は張文饗から神位を奪い、人間界へ落とした。天道使君の横暴なやり方に月老は猛反発、すると江文卿は蓬莱図の力を使って月老から法力を全て奪い取ってしまう。「しかと役目を果たさぬ者はその力を返さねばならぬ」しかし月老は天道を振りかざしてみだりに罰しているだけだと言い返した。「丞相ではない、丞相ならこんなむごいことをしない!」驚いた楊鑑は月老を擁護しようとしたが、月老は司法星君まで巻き込まないよう止めた。「…私は人間界に降り、人間として罪を償います」江文卿は蓬莱を手中に収め、蓬莱図の凄まじい力を実感した。そこで人間界における重要な場所に自分の神像を安置するよう命じ、人間や神仙の行いを監視するという。つづく( ๑≧ꇴ≦)待て待て待て〜天道どうした?!w
2023.02.02
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玉昭令 No Boundary Season 2第12話…現世の啓封(ケイホウ)今日も司法星君・楊鑑(ヨウカン)は人族を故気(コキ)から守っていたすると蓬莱(ホウライ)から神獣・小天(ショウテン)が駆けつけ、命の火が消えてしまうと報告するそこで燭台の映像を見せたが、驚いたことに炎が復活していた「消えた火が再び灯った?…死と再生を表しているのか」しかし楊鑑も小天も誰が死んで生き返ったのか思い出せなかった…展顔(ヂャンイェン)は棺に寄り添いながら、今にも沈淵に消されそうになっていた。「端木…どこへ行こうと君のそばにいる…」その時、ついに目を覚ました端木翠が手を伸ばし、展顔の指にそっと触れる。すると展顔の身体が復活、愛しい端木翠を抱きしめ、再会を喜んだ。生き返った端木翠は神位が復活したおかげで記憶を全て取り戻していた。沈淵を開くと同時に神位が消え、千年前の自分と一体化した端木翠。そのため記憶も封印されたが、今回の功績が認められ神位が復活したという。しかも今回の神位の主は端木翠本人、そのため目覚めることができたのだ。「それにしても展顔、無茶したわね?沈淵に消されかかったのよ?」「私は君を諦めない、そして君も私を見捨てない…ふふ」しかしその頃、沈淵に消されかかっていた江文卿(コウブンケイ)も助かっていた。するとふもとの方から終戦に歓喜する人族と幽族たちの声が聞こえてくる。江文卿は歴史が変わったことを知り呆然、端木翠が復活したと分かった。端木翠は現世へ持ち帰る解毒薬を集めることにした。故気は怨念が変じたもの、解毒するには死者の魂を慰めて生者の希望を持ち帰るしかない。端木翠は最後に展顔と一緒に端木村へ戻った。しかし高台から故郷を見下ろすだけで村に入ることはない。「沈淵での私は死んだ、それにすぐ去るのにまた皆を悲しませてしまう」虚構であっても懐かしい故郷、展顔は端木翠が家族と離れ難いのだと分かった。すると展顔が急に短剣を取り出し、自分を髪を切る。「私と生涯を共に…君の故郷で変わらぬ愛を誓う、応えてくれるかい?」端木翠は展顔の真心に感激し、自分も髪を切って展顔の髪と一緒に結んだ。「展顔、これは愛の証よ…裏切らないでね」「約束する」その夜、兵営に戻った展顔は端木翠のため天灯を作った。…明日、私たちは啓封に帰る、千年前の君と仲間たちにも出会えた…現世の安寧のために戦ってくれてありがとうすると突然、江文卿が現れた。展顔は巨闕(キョケツ)を手にしたが、義父は犯した罪の数々を償いたいと訴える。「どうかしていた…全てやり直そうと必死でむごいことを…ウッ…」江文卿は泣き崩れ、命をもって償いたいと短剣を握りしめた。驚いた展顔は義父の手をつかんで自害を止めたが、江文卿はその剣で展顔の肩を突き刺してしまう。「案ずるな、死にはせぬ」江文卿は崇(スウ)城で盗んだ噬心咒(ゼイシンジュ)で展顔を呪い、自分に刃向かえば死ぬと脅した。「端木翠を殺せ、端木翠が死ねば神位は私のものになる」温孤(オンコ)たちが崇城を明け渡す日がやって来た。端木翠は物陰から温孤たちを見送ると、展顔を神仙にして沈淵を出ることにする。しかし祭壇で江文卿が待っていた。江文卿は蓬莱図をはめ込んで冊封の準備を始めると、突然、展顔に端木翠を殺せと命じる。すると展顔が急に端木翠に襲いかかった。「展顔!私よ、端木よ!」展顔は呪われながらも必死に抵抗、端木翠の呼びかけで我に返った。憤慨した江文卿は展顔が噬心咒に呪われていると端木翠に明かし、解毒薬がなければ死ぬと脅す。「私が神仙になるのだ!私はどんな代償を払ってでも街の秩序を取り戻す! 時を巻き戻してでもやってみせる!天地を変えるのだ!」「端木…たとえ私が死んでも要求に応えるな…」展顔は端木翠に早く脱出するよう訴えたが、端木翠は愛する展顔を救うため神位を譲ると決めた。「私から神位を差し出す!…私、端木翠は江文卿が神仙となり、永遠の命を得ると保証する!」すると端木翠の神位が江文卿へ譲渡された。神仙となり蓬莱へ上り始める江文卿、しかしその時、端木翠が乾坤袋から古代の神器・玄天傘(ゲンテンサン)を放つ。玄天傘は神仙だけを封じ込める神器で、万能の神にでもならない限り永遠に出ることはできなかった。「騙したな!」「多くの命を奪った罪を償って、蓬莱の夢でも見ながらここで生き続けなさい!」端木翠と展顔は沈淵の入り口に到着した。神位を譲ることで江文卿を封印した端木翠、そのせいで自分の神位を失い、法力も消えてしまう。…二度と蓬莱には戻れなくなった…しかしこれが最良の選択だったと自分に言い聞かせるように端木翠は展顔と手をつないで沈淵を出た。…全て失っても死ぬまでずっとあなたと離れたくない…そして2人は無事に現世へ戻った。端木翠と展顔が啓封に帰って来た。その時、ちょうど青花(セイカ)上仙と出くわしたが、青花は自分の主人に気がつかない。「どこかで見たような…はっ!…主人!お帰りなさい!」すると端木翠は城楼へ登り、解毒薬を雲に乗せて空に放った。「頼むわね、故気を消して平穏を取り戻して…」故気はいよいよ蓬莱にまで忍び寄っていた。楊鑑や上官策(ジョウカンサク)たちは懸命に民たちを守っていたが、その時、青空にも関わらず急に雪が降って来る。すると驚いたことに故気が消え、殺気立っていた民たちが穏やかになった。楊鑑はこれがただの雪ではなく沈淵の解毒薬だと気づき、端木翠が戻ったと気づく。その時、端木翠と展顔が朱雀街に現れた。上官策は思わず展顔に抱きついて再会を喜んだ。すると楊鑑も端木翠を労い、沈淵の話は蓬莱への帰り道で聞くという。しかし端木翠は帰れないと断った。「沈淵で展顔を失いかけて分かったの…展顔と生きて行く」つづく( ;∀;)やっと帰ってきた~
2023.02.01
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