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2022.11.23
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カテゴリ: 玉昭令 全52話



第14話

晴れて恋仲となった展顔(ヂャンイェン)と端木翠(ダンムーツェイ)。
展顔は内勤中も上の空で、早々に切り上げて端木翠に会いに出かけてしまう。
上官策(ジョウカンサク)はいつも一緒だった盟友に裏切られた気分だが、展顔は運命の人が見つかれば上官策も変わると笑っていた。
(´・_・`)<俺の運命の相手?…どこにいるんだよ~

展顔と端木翠は暇を見つけては共に過ごした。
その日は細花(サイカ)流の山河でのんびり過ごしていたが、展顔がわざと端木翠を川に落とそうとする。
「端木…」

「あり得ない」
「万が一、落ちたら?」
「絶対に大丈夫だ」
「だから万が一の話よ!」
「ふっ!」
♪キャッキャウフフ~
「もぅっ、驚かせないで」
「私がいれば川に落ちぬ、それに…もし落ちるなら私も一緒だ」(↓動画参照)


そんな2人の仲睦まじい様子を温孤(オンコ)が見ていた。
…展顔、私の忠告を聞き入れぬなら残酷な現実を受け入れろ
…今日からお前は私の敵だ、端木の前から消えるまで許さぬ


心配した紅鸞(コウラン)は温孤から目を離せず、海までついて行く。
「私は展顔に及ばぬか?どこが劣っているというのだ?!」
「私にとって上仙以上の方はいません」
「だが端木は違う…展顔しか目に入らぬのだ」
「…自棄にならないでください、女子は門主だけではありません」

激情に駆られた温孤は龍族の力を使い、嵐を巻き起こしてしまう。



啓封(ケイホウ)が突然、暴風雨に見舞われた。
そこで展顔は衛兵たちに街の見回りを任せ、海岸の様子を見に行く。
するとびしょ濡れになった温孤と紅鸞を見つけた。
「展顔、これで満足か?お前のせいで啓封は水没し、民は塗炭の苦しみをなめることになるぞ
 お前が元凶だ…啓封の大罪人め!」
展顔は温孤が酒に酔っていると気づいて端木草盧(ソウロ)まで送ると言ったが、温孤は拒んだ。
「端木の名を口にするな!…たかが人間のくせに上仙と一緒になれると思うか?!
 天に逆らえば必ず罰が下るぞ?…これは天災ではない、人災だ!何もかもお前が悪いっ!」
紅鸞はこのままでは温孤が自分の正体を明かしてしまうと焦り、慌てて温孤を連れて帰った。

酔い潰れていた温孤が目を覚ました。
すると激しい雨に気づき、自分が巻き起こした嵐だと思い出す。
温孤が慌てて結界を張っていると、ちょうど端木翠が現れ、力を貸した。
おかげで草盧だけは雨が止んだが、端木翠はこのままでは古い街の啓封が水没してしまうと心配する。
「奇妙だわ、これほど酷い暴風雨は啓封で初めてよ…はっ!
 もしや龍族の末裔がいるのかも?蓬莱に知らせなくては!」
驚いた温孤は千年前の戦いで龍族の血筋は絶えたとなだめ、雷神が雨を降らせ過ぎただけだとごまかした。
その時、信蝶(シンチョウ)が姿を現す。
『端木、恐らく津波が起こる、しっかり身を守れ!』
「展顔?!どこにいるの?!」
しかしそこで交信が切れてしまう。

啓封ではすでに大勢の被害者が出ていた。
江(コウ)公爵は我が身も顧みず衛兵たちを連れて救援に向かうことにしたが、その様子を保護された黒猫が見ている。
一方、端木翠は啓封を救うため法力を消耗していた。
温孤は紅鸞と共に医館で怪我人の対応に追われながら、一時の気の迷いで端木翠の大切な街を壊しかけてしまったと反省する。
しかしすでに雨も上がり、紅鸞は必ず乗り越えられると励ました。

翌朝、展顔たちは次の嵐が来る前に民たちを避難させていた。
その途中、端木翠が朱雀街で独り法術で嵐を抑え込んでいる姿を見つける。
「端木!逃げろ!」
「ここは任せて」
その時、街の至る所に巨大な竜巻が現れた。
展顔は端木を守るためその場に残り、強風で飛んで来た巨大な柱を身体で受け止め喀血してしまう。
「展顔!」
「…端木、たとえ死んでも君から離れない」
端木翠は展顔の言葉に激しく心を揺さぶられながら、力の限り法力を放って竜巻を吹き飛ばした。
「展顔、さっきの言葉は本当なの?」
「この世が果てるまで君のそばにいる」
すると啓封の空に虹がかかり、青空がのぞいた。
しかし端木翠は突然、意識を失ってしまう。

展顔は急いで端木翠を細花流へ連れて帰った。
しかし温孤が治療しても端木翠が目を覚ます様子はない。
「忠告したはずだ、端木と縁を切れと…さもなければ端木に害が及ぶ」
「私が傷つけていると?」

…千年前、人族の将軍だった端木翠には觳閶(コクショウ)という許嫁がいた
将軍の觳閶は崇(スウ)城を落としたら端木翠を娶る約束をしていたが、悲劇が起こる
觳閶が戦死したのだ
端木は悲憤しながら出陣し、惨死した
觳閶との約束のせいで多くの兵が亡くなり、良心の呵責に苛まれていた端木
その後、神仙に冊封されるも己を許せず、そのため端木翠の記憶は情債(ジョウサイ)箱に封印される…

この千年、記憶を封印したおかげで端木翠は穏やかに過ごしてきた。
しかし展顔との出会いで心が動いてしまう。
温孤は展顔のせいで封印が破れれば端木翠は悲しみに耐え切れず、生き地獄を味わって魂が砕け散ると教えた。
「展顔、良心があるなら彼女の手を放せ…」
その時、端木翠がうなされながら展顔の名を呼び、展顔は枕元に駆け寄る。
…端木、私が生きている限り君を守ってみせる…
すると展顔は後ろ髪を引かれる思いで草盧を後にした。



端木翠が目を覚ますと草盧に戻っていた。
温孤は啓封なら無事だと教え、展顔もすでに帰ったという。
そこで端木翠は信蝶で連絡しようとしたが、展顔は交信しなかった。
天災のあとで啓封府は忙しいのだろう。
「君より民のほうが大切なんだな」
「構わないわ、民を守ることは色恋より大切よ…お互い役目がある、理解できるわ」
「そうか…もし私なら天地がひっくり返っても君に冷たくしない」
すると端木翠は展顔とは心が通じ合っているため問題ないと言った。
「それに同志だもの」

展顔は啓封府の書庫で歴史書を探した。
すると確かに多くの戦功を立てた将軍・端木翠の記録があり、許嫁・觳閶は崇城で戦死している。
「端木翠は出陣するも…命を落とす…」
展顔は温孤の話が事実だと知り、悲しみに打ちひしがれた。

翌朝、元気になった端木翠は啓封府に展顔を訪ねた。
しかし任務で出かけているという。
端木翠は展顔の仕事が終わるまで待つと頑なに居座ったが、結局、夜になってあきらめた。
寂しそうに帰って行く端木翠、展顔はその後ろ姿を見つめながら胸がつぶれる思いだった。

つづく


( ;∀;)展顔…








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最終更新日  2022.11.23 21:18:42
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