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2023.04.27
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カテゴリ: 夢華録 全40話



第18話「災い転じて福となす」

半遮面(ハンシャメン)で突然、茶を飲んだ客が倒れ、毒入りだと騒ぎ出した。
しかし趙盼児(チョウパンアール)は客を装った兄弟の芝居だと見抜き、無理やり紅果茶を飲ませて毒入りだと嘘をつく。
「解毒薬はひとつ、先に白状した方にあげるわ」
慌てた兄役の男は借金の返済に困っていたと訴えたが、弟役は驚いた。
「脚を折られた妹の仕返しじゃなかったのか?!」
弟役は自分も騙されたと知り激怒、男が港の八爺(ハチヤ)に指示を受けていたと暴露してしまう。
「でも八爺に銭を渡したのは女だよ、40歳くらいできっと富貴な家の使用人だ」


実はパンRが兄弟に飲ませたのはただの氷入りの水だったという。
するとパンRは弟役の葛招娣(カツショウテイ)を引き止め、こっそり銭を渡した。
「″女子″に傷は禁物よ、これで金創薬(キンソウヤク)を買いなさい」



パンRはすっかり疲れて窓際に腰を下ろした。
すると騒ぎを見ていた顧千帆(コチェンファン)が裏庭から声をかける。
「高慧(コウケイ)の乳母・江(コウ)氏の仕業だ
 ずっと入り口で君を見張っていたが、形勢が悪くなると逃げた
 …どうして橋のたもとで待たずに戻ったんだ?」
しかしパンRは自分を″遊び相手″と言い放った顧千帆を許せなかった。
「誠意を示して、遊びのくせに娶りたいと言ったのなら付き合う気はないわ…」
顧千帆は釈明したかったが、陳廉(チンレン)が現れ、雷敬(ライケイ)から戻れとの命だと伝えた。


パンRは孫三娘(ソンサンニャン)と宋引章(ソウインショウ)に毒入り騒動が高家の仕業だったと教えた。
そこで無謀にも主である高鵠(コウコク)と直接、交渉するという。
「今日は16日よね?…出かけるわ、店番をしていて」
パンRはこんなこともあろうかと客の文人たちから密かに高観察の情報を集めていた。
高観察があえて欧陽旭を婿に選んだのは書画の素養があるからだろう。

そこで徐熙の絵を持っている客を見つけ、江南で手に入れた名画2点と交換する。
パンRはその絵を持って画商を訪ねた。

高鵠は店主に売主を2階へ呼ぶよう命じた。
「いくらで売りたい?」
「お代は入りません、ただ陳情したいことがございます」
美しい売主に目が釘付けになる高鵠、しかし驚いたことに売主の趙盼児は欧陽旭の許嫁だったという。
そこでパンRはこれまでの経緯を話し、実はいつか高観察と会う日が来るのを予想して準備をしていたと明かした。

高鵠は欧陽旭とはすでに縁を切り無関係だと突っぱねた。
しかしパンRは高家の乳母に陥れられたと訴え、犯人が詳細を記した誓約書を見せる。
「私も欧陽旭の正体を見破り関係を断ちました、高家と敵対するために伺ったのではありません
 大胆にもこうしてお願いにあがったのは乳母をしつけて欲しいからです」
高鵠は誓約書を破いたが、パンRは原本を持っているのは姉だと言った。
( *´꒳`* )<私が無事に戻らない時は開封府(カイホウフ)へ訴え出るはずです

高鵠は美しいだけでなく聡明なパンRを気に入った。
そこで自分が面倒をみたいと言い出したが、そこへ思いがけず皇城司の顧千帆が現れる。
「愚妻は無知な女子です、賢いと評される資格はありません」
「愚妻だと?…欧陽旭と縁を切ってもう別の男か?!」
すると顧千帆は嫌がるパンRの手を強引に握りしめ、連れて帰った。

↓「ぁ、この絵はもらうよ~」っておじいちゃんwww


橋のたもとまで来たパンRは怒って顧千帆の手を振り払った。
実は陳廉の話からパンRがなぜ急に怒り出したのか分かった顧千帆は、正式な手順を踏んでパンRを本妻として迎えるつもりだと安心させる。
茶楼で会った上役の雷敬は自分の命を狙った男、当然、本音を明かせる相手ではないと教えた。
「些細なことがある度に私を疑うのか?
 一度、裏切られたから怖いのだろう、だから嫌なことも遠回しに伝えるだけ
 結局、君は蔑まれたくないのさ、だから必死に進士に嫁ごうとし、東京(トウケイ)に根を張ろうとした
 だが気づいているか?君を最も見下すのは他の誰でもなく、君自身だ」
パンRは図星だった。
「確かに私は劣等感の塊よ…あなたに求婚されて嬉しかった、でも冷静になって気づいたの
 皇城司の副使が元賎民を娶るわけないって、きっと悔やむはずだと…」
「何を言っても信じられないんだな」
すると顧千帆はパンRに言われた通り誠意を示すことにした。
「土地の証文と蔵の鍵4本だ、私の家財がすべてここにある、君に渡すよ…」

思えばパンRを好きになったのは華亭(カテイ)県での夜からだった。
牢獄でパンRの無事な姿を見た時、顧千帆はパンRを娶ってしっかり守ろうと決めたという。
「思いが通じたか?」
「お互いに裏切りっこなしよ?」
顧千帆はまた何か起こった時には説明する時間が欲しいと言った。
ただ蕭家との関係は複雑なため、うまく説明できないという。
しかしパンRは誰が顧千帆の友で敵なのかさえ分からず、ただ待つしかないと不安を募らせた。
「これから少しずつ君に話すよ」

顧千帆は早く昇進できるよう皇城司に入ったと説明した。
幼い頃に父と別れ、母に育てられたが、離縁した母は顧家の墓に入れないため、早く五品になりたかったという。
パンRは顧千帆が母を誥命(コウメイ)夫人として正式な方法で葬りたいのだと納得し、墓参りに行きたいと頼んだ。
すると陳廉が現れる。
「…毎度、お邪魔して恐縮です、陛下が質問があるとお召しです」
「じゃあ店に戻るわね」
「あ、待った!…夜に行く、店で会おう」

店に戻ったパンRは上機嫌だった。
三娘は何があったのか聞いたが、パンRは欧陽旭と高家の令嬢が破談したと教える。
「それは良かった」
しかし三娘は本当の理由が顧千帆との和解だと気づき、失笑した。

そんな中、毒騒ぎを起こした葛招娣がまた半遮面に現れた。
招娣は迷惑をかけたお詫びに給仕として働きたいと懇願、食事があれば給金もいらないという。
確かに店は人手不足だが、引章はさすがに問題を起こした招姨では駄目だと言った。
すると招姨はまた悪さした時は命を差し出すという。
「あんたが薬代をくれただろう?女子に傷は禁物だって…
 私を女だと見破る奴も少なからずいたが、あんただけが私のことを気遣ってくれた」
パンRは招姨が訳ありだと感じていたが、やる気を買って面倒見ることにした。

パンRは帳簿の計算を間違えたと言って三娘たちを先に帰した。
しかし招姨だけがその理由に勘づく。
実は故郷の従姉妹が恋人と会う時は決まってパンRのように自分を追い払っていた。

一方、高鵠は早速、江氏を厳しく罰した。
しかし何も知らない高慧が親代わりの乳母をかばい、結局、命だけは助けることにする。
高慧は乳母が金を盗んだと聞いても到底、信じられなかった。
何より普段は温厚な父が重罰を与えるほど怒ったのはなぜなのか。
そこで乳母の娘・春桃(シュントウ)に本当の理由を問いただした。
「それが…母は先日、ある女子を困らせてしまったのです」
実はその女子とは欧陽旭の元許嫁だという。

その夜、顧千帆は約束通り半遮面にやって来た。
すると顧千帆は急にパンRに口づけし、こうでもしなければ話せないことがあるという。
「私は婚約していたことがある…」
( ゚д゚)はあ?



つづく


( ๑≧ꇴ≦)パンRがメンドクセーw





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最終更新日  2023.04.27 16:46:07
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