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ということで、先日のワイン会のワインをぼちぼちと。1本目は国産白です。栗沢ブラン08。生産者はココファーム&ワイナリーです。ココファームと仲のよい、北海道は岩見沢にあります中澤ヴィンヤードの葡萄を使って作られています。08年の北海道は葡萄の出来が随分とよかったとか。ただ、限定生産品のため、今年も生産量は随分少なかったようです。セパージュは、ケルナー35%、ピノ・グリ29%、ゲヴュルツトラミナー27%、シルヴァーナー9%と北なスタイル。価格は、写真のお店では2730円ですが、残念ながら楽天内ではどこも完売です。色はやや濃さもある麦藁。ツヤを感じます。香りはセパージュに似合った印象で、ライチやリンゴ、ビワ、リンゴ、少々のカリン、それに温州みかんやポンカンといったような和の柑橘、レモンのコンポートといったようなフルーティなニュアンスや、少々の白胡椒っぽさ、石灰っぽさや鉱物っぽいミネラル、ピンクのバラ、少々の花の蜜っぽさ、それにレモングラス的なハーブの香りといったようなものも感じられました。味わいは、ヴィンテージの影響か、昨年以上に果実味やコクを感じるものとなっていました。パリっとしたミネラル感やしっとりと、全体を後ろから支える優しい酸(ただし、量は多いです)といったものはやはり感じられますが、主たる要素は優しいものではありますが果実味です。エキス分は程ほどで、口当たりは柔らかく、透明感を感じるミディアムライトです。アルザススタイルですが、優しさがあり、魚介や野菜との相性はやはりいいものがあります。タコのマリネサラダとの相性は非常によく、タコの旨みや質感と、ワインのミネラル感や酸と果実のバランスが良く合います。また、レタスなどのフレッシュな野菜とも、野菜の甘みと果実味、ミネラルが嵌ってます。また、スモークサーモンもいいつまみになりますね。スモークはあまり強すぎない方が良さそうですが。また、この手の味わいですから、豚肉のテリーヌなどのシャルキュトリーともぜひ合わせてみたいところです。昨年も飲んだワインですが、今年の出来は昨年以上だったように思います。やはり、08の北海道が恵まれたヴィンテージだというのは本当のようですね。コスト面を考えても決して悪くなく、国産白の中でもなかなか存在感のある1本だと思いますが、いかんせん生産量が少なく、瞬く間に売切れてしまうのが辛いところですね。
2009年12月23日
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さて、ここからは先日のお鮨とワイン会のワインです。ブーケ・橙08。生産者は、国産ワインの新世代として現在人気を博している四恩醸造です。有機栽培的な葡萄作りや、天然酵母を用いた醸造なども行っている他、甲州種の醸し発酵や巨峰を用いたロゼワインを作るなど、2007年9月に醸造免許を取得したばかりの若いワイナリーですが、意欲的なワイン造りを行っています。本ワインも、甲州の醸し発酵を行ったもの。樽熟成も行ったそうです。価格は2310円。国産ですからどこも同じです。色はまさしく橙。やや濁りもあります。同じような作り方のココファームの甲州FOSと比べると随分と淡いです。香りは、醸し発酵の白らしく、八角やアニスといったスパイスのニュアンスや酵母っぽさ、バナナっぽさを感じます。また、樽熟のおかげか、カラメル、とまでは行かないものの砂糖的な要素ないし蜜っぽさも少々。また、橙色に似合った柑橘っぽさもあり、オレンジに加え、温州みかんやその皮、あるいはハッサクといった和の柑橘の印象も強くあります。ミネラルは、思った以上に存在感がありました。味わいは、しっとりした果実味が印象的。要素の中では最も強く感じるでしょうか。しかし、甲州らしいハツラツとした酸も、程ほどに出ています。この出過ぎない酸のバランスは流石四恩醸造というべきでしょうね。ミネラルは、香りの印象と比べるとずっと柔らかで、広がりがあります。ボディはミディアムライト。自然派的な柔らかさがあります。また、タンニンとまでは行きませんが、旨みの強さを感じました。日常の食に合うワイン造りを指向しているワイナリーだけあって、食事との相性はよさそう。冷しゃぶやら肉じゃがやら魚の煮物やら、幅広く様々なお惣菜に合いそうです。また、今回のワイン会では、最初のふぐと二番目のサワラのタタキと合わせてみたのですが、こういったちょっといいお料理との相性も十分に期待できます。両者ともにいい相性でしたが、特に、ふぐはネギや茗荷といった薬味を使った、ポン酢で頂くスタイルながらも、酢とも寄り添いますし、薬味との相性も良好です。薬味との相性のよさは流石日本のワインというべきでしょうかね。ふぐとは甲州のフレッシュな側面が、サワラとは樽熟や醸しのコク、まろやかさの側面が、それぞれはまっており、丁度いいワインだったなぁという印象です。また、お店の白木のカウンターにやや落ち着いた黄色い照明というシチュエーションに、このワインのラベルは非常に良く映えていたと思います。お寿司屋さんや和食屋さんのカウンターにこのワインがあると、なかなかオシャレなんじゃないでしょうか^^
2009年12月03日
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さて、自然派ワイン会のワイン、4本目は国産シャルドネです。シャルドネ・ムラサキヴィンヤード08。生産者ドメーヌ・ソガは、小布施ワイナリーの完全自社畑ブランドです。長野県、志賀高原山麓の紫地区にある畑なので、ムラサキヴィンヤードなのだそうです。こちらは、はっきりとビオロジックとうたっているものではありませんが、ブドウは減農薬栽培のようです。また、瓶詰めに際しても、無清澄化、無濾過、生瓶詰めを行っているようです。価格は、写真のお店で4000円。色は薄い黄色よりはやや濃く、麦藁程度でしょうか。香りは、青リンゴっぽいニュアンスがかなりはっきり香ります。その奥に、シャルドネらしいナッツっぽさや石灰的なミネラルが感じられました。その他、グレープフルーツやライムといった柑橘、カリン、蜜、再び出てくるリンゴっぽさといった要素が感じられました。また、今回飲んだワインの中では、唯一ほんの少し、微かにではありますが、硫黄っぽさもあったでしょうか。味わいは、果実味中心ではありますが、酸もしっかり効いていていいバランス。旨みもあり、優しく繊細で、しっとり感のある辛口といった印象です。ボディはミディアムで、やはり国産らしく柔らかさがあり、透明感も感じますね。会では、最初の段階で飲んだので、テリーヌやサラダ、キッシュのタイミングで飲みましたが、どれともまずまずの相性。お肉のテリーヌとの相性が一番よかったでしょうか。食事との相性は幅広そうですが、豚肉や鳥肉との相性は良好そうで、あまりこってりした調理法には向かないでしょうが、豚肉ならシャルキュトリー的なもの、鳥肉ならハーブソテーや焼き鳥、それにトマト煮こみなんてのにも良さそうです。また、魚介との相性も良さそうで、甲殻類や貝はもちろん、寒ブリなど脂の乗ったものなら、鮮魚でもあわせられそうです。これはいいですね。酒質の強いもの、フルボディな厚みのあるものがお好きな方にはちょっと優しすぎるかもしれませんが、国産の儚さを魅力と取れる方には、薫り高いいいシャルドネだと思います。個人的には結構好きですね。
2009年10月20日
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今回は、秋にぴったりの国産赤ワインです。プレミアム・メルロー08。生産者は城戸ワイナリー。04年設立の若い長野、桔梗が原のワイナリーです。家族経営の小さなつくり手ですが、3つの畑にメルローやシャルドネの他、桔梗が原では栽培が難しいといわれているカベルネ・ソーヴィニヨン、さらにはピノ・ノワールやピノ・グリといった品種の栽培まで行っているそうです。本ワイン「プレミアム」シリーズは、契約農家さんのブドウだそうです。価格は、写真のお店で3360円。色はガーネット。透明度はありますが、先日のルミエールのカベルネと比べますと、やはり濃いですね。香りは、バラの花などの赤い花系のニュアンスがしっかりあるのが印象的。その他、ドライのアプリコットたマンゴーといったドライフルーツの風味やドライローズマリーなどの乾燥ハーブの香りといったものも感じました。ベリーのニュアンスは、出てくるまでに少し時間がかかりますが、ブラックベリーやクランベリーっぽさが少々あります。その他、土やミネラルバルサミコないし醤油っぽさといったものも感じました。味わいは、やはり色合いの濃さに見合ったボディの厚み、凝縮感が印象的でした。もちろん、国産らしい柔らかさ、はんなり感はありますが。果実味もしっかりしており、中心要素といってもいいくらいです。酸は下支え系ですが、時間とともにじわじわ前に来ます。タンニンは滑らかながら、後口にかけて少々渋味が存在感を見せます。食事には、幅広くあわせられそうです。赤身のお肉でも問題無いでしょうが、牛肉なら外国のものよりも、サシが入って柔らかい国産のものの方がいいように思います。タタキや和風ステーキなどとあわせると良さそうです。その他、鳥の照り焼きやローストチキンなども、脂がしっかりついていればよく合いそうです。和食の肉料理との相性は総じて良さそうですが、すき焼きにはちょっと力負けしそうではありますね。肉豆腐くらいなら丁度いいかも。完成度高いですね。流石は桔梗が原のメルローといったところでしょうか。メルシャンのトップキュヴェなどになるとなかなか手の出る価格ではありませんが、こちらはそれほどでもありませんし、桔梗が原のメルローを知るには非常にいいのではないかと思います。
2009年09月12日
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今回は国産の赤です。光・カベルネ・ソーヴィニヨン07。生産者シャトー・ルミエールは山梨県勝沼にあるワイナリーです。創業は1885年という老舗ですが、いいブドウを作ることへのこだわりから、2004年からなんとビオディナミを導入しています。カベルネ・ソーヴィニヨンの苗木は、シャトー・マルゴーのオーナーから送ってもらったものだそうです。セパージュは、そのカベルネ・ソーヴィニヨン100%。価格は、写真のお店で3150円。色はまるでピノ・ノワールのようなルビー色。透明度も高いです。香りは、定番の小豆っぽいものやケーキ、マジパン、あるいは焼き芋を思わせるようなニュアンスが支配的。その他、カベルネ的な胡椒の香りが少々に茶色いスパイスといった要素や、ミネラル、ブラックベリー、クランベリー、それらのドライフルーツといった香りも感じました。味わいは、やはり国産らしく優しく軽いものになっています。ボディはミディアムライトで、岩清水系の滑らかさ、みずみずしさを感じます。タンニンも大人しく、後口にかけて若干の渋味がアクセント程度に感じられるといった程度です。酸味が主体で、果実味ははんなり繊細。ミネラルはそこそこ感じました。食事にあわせるなら、お肉というよりも赤身魚かなという印象です。マグロのソテーや、軽く冷やして鰹のたたきやマグロの刺身、漬けなどどあわせてみると良さそうです。肉類ですと、やはりどうしても力負けしそうな印象ではありますが、鳥肉程度なら、焼き鳥(塩)や、あっさり目の煮物などには合わせられそうな感じではありますね。チーズをつまむなら、ハードタイプの旨みの強いものくらいでないと難しそうです。クリームを感じるものなどには、まず負けてしまうでしょうね。優しさ、わびさびを感じる、いかにも国産の赤といった感じのワインです。最近では、大阪の仲村ワイン工房のものなどボリューム、厚みのあるカベルネ・ソーヴィニヨンのワインも増えてきてはいますが、この感じはこの感じで、ほっこりしていいかなと思います。
2009年09月02日
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今回は久々の国産白です。勝沼ブラン06。生産者鳥居平今村はシャトー勝沼のもう一つのブランドです。ニコラ・ジョリーも絶賛したという勝沼屈指の畑鳥居平において、第三代当主今村英勇氏がシャトー勝沼130周年を記念して立ち上げました。さらに、そこにインポーターであるヴァン・パッシオンがプロデュースという形で参加しているようです。セパージュは、もちろん甲州100%。楽天内では残念ながら同ヴィンテージはもう無い様です。写真のお店では2100円ですが、ヴィンテージ表記はありません。色はほぼ透明。甲州らしい色合いです。香りは、非常に特徴的な要素として、青梅や梅酒を思わせるニュアンスが挙げられます。かなりはっきりあります。また、シュール・リー製法という事で、独特の酵母系のニュアンスや石灰系のミネラル、白い花といった要素も感じられますね。その他、白いブドウやリンゴ、マジパンを思わせるような複雑なニュアンスがあります。味わいはかなりフレッシュ。最初、口に含むと果実味を感じるのですが、瞬く間に元気なリンゴ酸でいっぱいになります。なかなか旨い酸かなと感じました。ただ、ボディは意外に目の詰まった印象で、ライトなのはライトなのですが、若干ミディアム寄りとでも言いましょうか、それなりの飲み応えのようなものは感じました。ミネラル感はそうはっきりと強くは感じません。暑い時には単独でグビグビ飲んでもいいでしょうが、やはり食事とあわせてなんぼなワインかなという気はします。甲州のシュール・リーという事で、あまりあっさりした刺身などよりは野菜の炊き合わせや、魚介でも多少火の入ったもの、手の加わったものなどがいいように思います。むしろ、練り物辺りが面白いかもしれません。和の雰囲気は多分にありますが、案外カルパッチョやアクアパッツァなど、シーフードを使ったイタリアンにあわせてみるのも楽しそうです。柑橘のニュアンスがほぼ皆無で、なかなか個性的な作りだなぁと感じました。甲州は本当に生産者によって全く雰囲気が違うので、飲み比べをして楽しむにはいいワインです。このワインなら、甲州同士の飲み比べはもちろん、ボルドーのものなど外国のあっさり系の白と一緒に飲み比べてみるのも一興かもしれませんね。
2009年08月31日
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shuz1127さんも記事にしていらっしゃいますが、8月7日に2009年度の国産ワインコンクールの結果発表がありました。結果のサイトはこちら。さて、結果を見てみますと、欧州系品種や極甘口のジャンルなどで長野県産ブドウが非常に存在感を増しているなという印象をもちました。特に、欧州系品種赤では、今年もソガ強し、といった印象ですが、そのほかにも銅賞、奨励賞まで含めて長野のものが非常に多く見られます。やはり、メルローで多く受賞を受けているようですね。最優秀カテゴリーのソガも、やはりメルローでした。原産地呼称制度を導入したり、力が入っていますし、やはり適した土壌というのもあるのでしょうね。そんな中、シャトー・メルシャンの城の平カベルネ・ソーヴィニヨンとシャトーマルスのキュヴェ・プレステージが山梨勢として銀賞までに名を連ねました。特に、城の平は、値段はするもののカベルネ・ソーヴィニヨンという日本では難しい品種で金賞を受けている辺り底力を見せたなという印象です。白のほうでは、シャトー・メルシャンと志太の長野シャルドネがそれぞれ金賞に輝いています。こちらも、やはりシャルドネには定評のある産地ですが、今回はどちらも3000円以下と比較的お手ごろなものが金賞となっており、いよいよ本物になってきたなという感があります。また、この志太 中伊豆ワイナリー、シダックス所有のワイナリー(最初は志太さん本人の持ち物だったとか)で、今回は国内改良品種のカテゴリーで、信濃リースリングというリースリングとシャルドネの交配種を使ったワインで銀賞ながらカテゴリー最優秀賞を獲っています。ちょっと注目してみたいですね。一方、甲州のカテゴリーではやはり山梨の独壇場ですね。なかでも、3つの金賞のうち、最優秀を含めた2つを占めた中央葡萄酒は流石です。採算性の点などで、甲州離れの動きもあるような話を聞いたことがありますが、何とか頑張って欲しいものです。ただ、その中でこっそりと上記の志太 中伊豆ワイナリーが甲州シュール・リーで銅賞を獲ってる辺り見逃せませんね(^皿^)他にも、大阪などでもいい甲州が作られていますが、これらは出品されていないのでしょう。いいコンクールなので、盛り上げるためにも多くの生産者が出てきてくれると楽しいなとは思います。また、今回のコンクールではメルシャンの躍進も見られるかなと思いますが、スパークリング部門でも勝沼のあわで唯一の金賞を受賞しています。この「勝沼のあわ」、甲州100%だそうですが、他の受賞ワインの中にも甲州を用いたものがいくつか見られます。私自身、キザンのブリュットを飲んで甲州のスパークリングには非常に好感を持っているのですが、シュール・リーをよくやるように酵母系のニュアンスなどと相性がいいので、多少値段も高めに出来ますし、スパークリングは甲州の新しい可能性を見せてくれているように感じます。しかし、またまた気になるワインが増えて困りものです^^;
2009年08月11日
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シャルドネ飲み比べ会のワインもこれで最後。大分産です。イモリ谷シャルドネ07。生産者である安心院葡萄酒工房は1974年から安心院ワインの生産を行っていたものの、ワイナリーとして本格的に出発したの2001年からという若い作り手です。地域に根ざし、「100年後も愛されるワイナリーを」というコンセプトで運営されています。イモリ谷とはワイナリーのある地域の名前。イモリのような姿の地形から来ているそうです。価格は、2432円です。色は薄い麦わら。同じ九州でも熊本や都農と比べますとやや薄いですね。香りは、今回飲み比べた3種の中では最もミネラルを感じるものでした。石灰系のニュアンスが中心です。ただ、そこまでごつくは無く優しさはあります。その他、グレープフルーツやライムといった柑橘を感じます。時間とともにスターフルーツやパッションフルーツといった南方的なトロピカル系のニュアンスが奥から少々顔を見せます。また、更なる時間経過でクリームや蜜、カラメルっぽさといった要素も微かに感じられるようになりました。味わいは酸が主体です。麻屋のものと比べますと、よりはつらつとしたリンゴ酸だなぁといった印象です。ミネラル感も香りの印象そのままにしっかり感じられます。果実味は、それらと比べますとやや控えめで繊細な印象です。ボディはミディアムライト。岩清水系の透明感があります。食事にあわせるなら、こちらも和食の方がベターかなぁというような印象です。様々な夏野菜を用いた焼き浸しや、焼きなすなどと一緒に冷やし目で頂くと、涼しげでこの季節にぴったりでしょう。また、夏アナゴの天ぷらや白焼き、あるいは岩牡蠣などこの時期の食材自体と相性は良さそうです。洋風に行くなら白身魚の香草焼きや魚介のハーブマリネ、鳥肉のシンプルなグリルなどとあわせたいですね。柑橘やミネラルのニュアンスがあり、といいますとシャブリ的な印象を持たれるかもしれませんが、大人しさ、繊細さはやはり国産だなぁという感じで、柑橘もより「和」を感じるような気がします。2,3年瓶熟させてみてもおもしろいかもしれませんし、このワイナリーが今後どのようなワインを作るのかも楽しみです。個人的には結構気に入りました。
2009年07月18日
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先日のシャルドネ飲み比べのワイン、先ずはこちらから。シャルドネ樽熟成05。生産者は麻屋葡萄酒です。勝沼のワイナリーで、ほぼ家族経営の小さなワイナリーですが大正10年創業という老舗です。現在の醸造は雨宮一樹氏が行っていますが、氏は最近注目度の高い山梨の若手生産者の中でも一番の注目株と言われています。ブドウはほぼ契約農家のものだそうで、栽培は有機のようです。価格は、2100円。国産ですのでお店による価格の差はありません。香りはシャルドネらしいシャルドネですが、フルーティさの強いものではありません。主たる要素は石灰系のミネラル、白い花、酵母っぽさの3種。そこに少々のグレープフルーツやカリン、ベッコウアメなどの要素が加わります。また、熟成感のある蜜ないしハチミツっぽさやスミレを思わせるような要素も感じられました。味わいは、国産らしい儚さはありつつもまろやかさ、エレガントさを感じる口当たりが印象的です。果実味、酸ともに落ち着いており、どちらがより強いというよりはほぼ同じ程度でしょうか。酸は乳酸系のしっとりしたものです。ボディは前述のとおり柔らかで、ミディアムライト程度。食事にあわせるなら、エビ、カニや貝類などとの相性はオススメできます。会では、つまみ持込にしたのですが、参加者の方のお持ちくださったエビや以下の入ったシーフードサラダ(ハーブドレッシングで)との相性は素晴らしく、エビはもちろんドレッシングとも好相性でした。また、シーフードとベーコンのガーリック風味のグリルもあったのですが、こちらはエビはもちろんの事ベーコンとの相性もいいものがありました。甘みの強いシーフードなら、他にイカの握りなども面白いかもしれません。ブラインドでは完全にだまされました。酒質の大人しさはありますが、国産らしからぬ?雰囲気がありかなり面白いワインだと思います。実際、飲み比べでは人気の点で一歩リードしていました。
2009年07月14日
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さて、先日のワイン会のワインもこれで最後です。ラストは国産のメルロー、それも大阪産です^^蝶・メルロー07。生産者は仲村わいん工房。以前、がんこおやじの手造りワインを飲んで衝撃を受けた造り手です。こちらはそれの上級キュヴェで、他にカベルネ・ソーヴィニヨンもあるようです。セパージュは、メルロー97%に、例の謎の品種ミツオレッドが3%。価格は、写真のお店で2790円。楽手外でも扱っているところをちらほら見かけ、国産ワイン党には結構メジャーな作り手みたいですね。色は黒々としたガーネット。四恩のそれとはかなり違います。少々の紫も見えます。香りは、がんこおやじの手造りワインでも感じた、はっきりとしたプラムのニュアンスが印象的です。他に、熟したブラックベリーやベリーのコンポート、カシス、イチジク、赤い花、それに樽熟成はしていませんがカラメルっぽい風味もあります。ミネラルや土っぽさも感じはしますが、それ以上にフルーティさが強いです。味わいも、まるで英語圏や南米のワインのような豊かな果実味が印象的です。人によっては甘く感じるかもしれません。凝縮感もあり、フルボディです。ただ、やはりそこは国産、ゴツさはあまりなく、独特の繊細さ、やわらかさは感じられます。タンニンはそう強くなく、滑らか。酸味は下支え系強くはありませんが、トーン自体は明るくフレッシュですらあるのが印象的でした。会では、チーズとの相性の広さを見せてくれました。特に、メルローらしくブルーチーズとも好相性といえます。食事にあわせるなら、タンシチューやビーフシチュー、それにビフカツや和風ステーキ(フィレでもサーロインでも)などの日本の洋食とあわせると非常に楽しめそうな印象があります。それに、鴨のコンフィやローストといったしっかりしたフレンチとあわせたって引けはとらないでしょう。一方で、和食にあわせるならばあまり繊細なものよりは、ウナギの蒲焼や、塊肉を使った味の濃い肉じゃが、あるいは炭焼きの焼き鳥をタレで等濃いものとあわせたいところです。こちらもやはりすごいワインでした。5年間ビン熟成してこれだけの力があるというのは、スタイルは違いますが、メルシャンの長野メルローにも決して劣らない完成度といえそうです。そして、これがほぼお一人の手で作られたものというのがまた驚きですね。
2009年04月30日
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ここからは国産赤ワイン2本の飲み比べです。まずは特徴的なラベルのこちら。ブーケ07です。生産者は楽天ブログ内でも注目度の高い四恩醸造です。元勝沼醸造の小林剛士氏が栽培、醸造から販売までを手がけていらっしゃる小さなワイナリーで、2007年に醸造免許を取得したという若いワイナリーでもあります。前身は、四恩学園ナザレ幼稚園の園児の教育用の農園だったとか。自然なつくりと日本のテーブルワイン作りを目的とした新世代ワイナリーの代表的存在ですね。セパージュは、先入観無しに飲んでほしいということでボトルには記されていませんが、メルロー100%のようです。価格は2310円。どこでも同じです。色は薄いガーネット。エッジはルビーで、透明度は高め。やはり国産らしい雰囲気がありますね。香りは独特の還元的ニュアンスも感じられますが、焼き栗やモンブランを思わせる要素が強いですね。ほかに、国産メルローらしい茹で小豆のようなニュアンスやミネラル、土、少々の薬草や茶色いスパイスを思わせる風味、樽の香ばしさといったものが感じられます。また、時間とともにバラっぽい香りやクランベリー的な赤果実少々、それに同じく赤い果実のドライフルーツのような要素もあったでしょうか。味わいは、はつらつとした酸とミネラル主体の、かなりドライなものでした。また、微発泡しているようで少々刺激があります。ボディは優しく透明感があるミディアムですが、かといって弱々しいわけではなく抽出はきちんとされている印象。涼しげな感じですね。タンニンも滑らかです。メルローということでブルーチーズにあわせてみましたが、やはり旨みたっぷりなセミハードとの相性が一番よかったような気がします。あと、還元的なニュアンスのおかげかウォッシュとも意外にいい感じです。ワイナリー自体が食中酒を造ることを目的としているようですから、やはり食事に合わせてなんぼというワインでしょう。肉じゃがやら焼き鳥やらアナゴの天ぷら、あるいはメンチカツやカツ煮、うなぎの蒲焼や白焼き等など日常的な和食、その中でもちょっと味の濃いものと合わせてみたいところです。また、ワイナリーでは、ソースを使った肉料理などともいいと紹介されているようですね。これ面白いですね。フランスや新世界とはまったく異なったアプローチのメルローだといえますね。グランヴァンを追うのもいいでしょうが、こういう日本ならではの個性、独特のスタイルというのを追求していくことも非常に大事だなと改めて感じさせてくれたように思います。
2009年04月28日
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甲州飲み比べ会のワイン、続いてはその独特さは群を抜いていたこのワインです。ココファーム&ワイナリー 甲州FOS06。生産者は、日本の高品質ワインを語る上で忘れてはならないワイナリーであるココファームです。自社農園のみならず、ほかの地域のブドウを使ったワイン造りも行っていますが、こちらも山梨県の契約栽培のブドウを用いています。白ワインながら、赤ワインのような醸し醗酵を行っている独特なワインです。価格は、写真のお店で3600円。甲州にしてはややいい値段ですね。色は皮から出た色素もあってか銅のような、赤茶系の色合いです。ビオ系の酸化した色合いにも似ています。香りにも、開けたては独特のたくあんの様なニュアンスが感じられます。他に、スモークハムや若干のロウっぽさや土、麦藁といった風味もあります。時間とともに、ミネラルや蜜入りのやや古いりんご、蜂蜜、オレンジピール、かすかな洋ナシっぽさ、ドライフルーツやドライハーブといった要素が感じられました。味わいは、流石というべきかタンニンがきっちりあります。ボディも、国産独特のやわらかさはありますが、エキス分もしっかりした、甲州らしからぬ強めのミディアムです。ミネラル感や果実味は豊かで、特に果実はメインの要素です。酸はしっとりしたものが果実の後ろにある感じで、あまり溌剌としたようなタイプではありません。チーズでは、セミハードや白カビタイプの他、ウォッシュタイプやブルーにも一定の相性を見せていたところが印象的でした。特に、ウォッシュはあまり臭過ぎないようなものならいいつまみになりそうです。また、チーズに添えてあったドライフルーツ、中でもクランベリーとの相性は非常によかったです。チーズとドライフルーツを一緒にしてもいい感じでした。食事にあわせるとなると…結構悩むタイプかなと思いますが、根菜の煮物など味のしっかりした甘辛系の和食とはなかなかいいかもしれません。後は、ハムやベーコンといった燻製食品との相性も面白そうですし、いっそ癖の強い漬物をつまみにしてみてもいいかも^^;皮の成分を抽出したタイプの甲州というのは最近たまに見かけるようになりましたが、これはかなり思い切ったつくりになっています。流石は色々試みるココファームですね。イタリアの自然派のような世界観が、国産、それも甲州種で実現しているというのは、なかなか興味深いところです。ちなみに、癖はありますが会ではこれが一番という方も多かったですよ。 白ワインらしからぬ色合いです。
2009年04月26日
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先日の甲州飲み比べのワイン、続いては個人的に随分久しぶりなこちら。アルガブランカ・イセハラ08。生産者は山梨屈指の生産者の一つである勝沼醸造。欧米へのワインの輸出も行っていますが、実は本ワインもフランスへ輸出されているそうです。「アルガブランカ」は国際競争力の有るワインを造ろうと立ち上げられた新ブランドで、特約店のみの販売です。価格は2730円でしたが、楽天内では売り切れ続出で、写真のお店でも売り切れです。「クラレーザ」とセットのこちらのみ購入可能なようです。色はやはり薄い黄色。かなり薄めですが、一方でやや皮から出たような灰色っぽい雰囲気もあります。香りは、以前飲んだ06にも感じられた、このワイン独特のソーヴィニヨン・ブランのような柑橘香が印象的。ただ、06と比べてより青さを感じるシャープなものとなったようで、グレープフルーツの他カボスやライムといった青い柑橘、およびその皮を感じました。その奥に、ミネラルや少々の青リンゴやマスカットっぽさがあるでしょうか。味わいは、少々糖の残った甘みが印象的なやや辛口。酸のトーンはしっとり系で低めとなっており、後口に残る苦味とともに味わいのバランスをとっています。ボディはミディアムライトで、口当たりはなんとも繊細。ただ、ミネラル感は以外にしっかりありますね。チーズとの相性では、やはりセミハードとはよく合いますし、白カビタイプのクリーミーさともなかなかのものです。しかし、なんといってもブッシュ・シェーヴルのハーブとヤギチーズの風味との相性は抜群。今回のワインの中では、個人的にはNO.1マリアージュですね。食事にももちろんいいでしょう。香りの印象を生かしてシーフードマリネやカルパッチョ、それに白身魚や鳥肉の香草焼きなどと合わせてみてもいいでしょう。また、このほの甘さは、砂糖を使った甘辛系の和食とは間違いなく鉄板の相性でしょうね。やはり、この香りは独特の存在感がありますね。「きいろ香」の印象がまさしく黄色い柑橘なら、こちらは「みどり香」とでも言うべきかも知れません。単一畑のワインながら生産本数が結構なペースで伸びているので、完成度に疑問を呈する声もあったんですが、ただ若かっただけのようです。これから味の深みのようなものもより増していきそうです。
2009年04月24日
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先日の甲州飲み比べ会のワイン、先ずはこちら。シャンテY,A 最際甲州07。生産者ダイヤモンド酒造は、昭和14年に近隣の農家が集まって、自家消費用のワインを作ったのが始まりで、現在は家族経営という小さなワイナリーです。栽培、醸造は、シモン・ビーズやオリヴィエ・ルフレーヴでも勉強されたという3代目の雨宮吉男氏が手がけています。ちなみに、Y.Aとは吉男氏のイニシャルなんだとか。価格は2940円でしたが、楽天では見かけず、こちらのお店で購入しました。色はらしい薄い黄色。シュール・リーの甲州を少し濃くしたくらいでしょうか。香りは、注いで直ぐは白胡椒のようなスパイシーなニュアンスが非常にはっきり感じられ、ややグリューナー的ですらありました。さらに、甲州らしい酵母や白い花、それにミネラルの風味もあります。時間とともにスパイスが落ち着き、「きいろ香」のような柚子、ミカン、ブンタンなどを思わせる柑橘の香りが現れてきます。リンゴっぽさも少しあったでしょうか。味わいは、繊細ながら存在感のある果実味が印象的。酸はやや果実より大人しいものの、しっとり目のものがキッチリあります。果実に包まれているような感じか。後口には甲州らしい苦味がしっかり。この苦味で印象が一気に締まりますね。ボディは優しいミディアムながら、エキス分もしっかりしており目の詰まった印象も。ミネラルは柔らかめ。会ではチーズとあわせたのですが、旨みの強いセミハードや白カビチーズとは相性がいいですね。食事にあわせるなら、やはり和食でしょうか。天ぷらや押し寿司などとは面白いかもしれません。また、焼き鳥(塩)や鳥肉じゃがなど鳥肉との相性や、根菜との相性も期待できそうです。一方で、香りやエキス分の強さがありますから、クリームを使ったものなどは流石に難しいかもしれませんが、シーフードマリネや、白身魚のカルパッチョや香草焼き、特に、火の入ったものとはあわせても楽しめそうです。これ面白い甲州です。色々な甲州に似ていてどれとも違うといった印象です。最も個性的なのは、スパイシーな香りでしょうか。様々な食事とあわせてみたい一方で、チーズをつまみにする程度でも十分楽しめるだけのものはあったように思います。今後が気になるワインが一つ増えました。
2009年04月22日
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先日のメルロー飲み比べ、続いては国産のワインです。明野メルロー07。使用されているブドウは、山梨県は北杜市、明野町で野菜作りをされている立野健氏が栽培したものです。立野氏は、明野に始めて欧州系品種を植えられた方だそうです。醸造はアパレルでお馴染みの「ジュン」が持っているシャトー・ジュン。立野氏に02年からブドウを提供してもらっているそうです。セパージュは、メルロー100%。純国産、樹齢は10年以上だそうです。価格は、写真のお店で2800円。楽天内の取り扱いはここだけのようです。色はガーネット。モン・ペラと比べると赤みが強く、透明度もかなりありますが、一方でまだ若いためか紫感も強め。香りはかなりスパイシー。黒胡椒系のスパイスをはっきりと感じます。さらに、バルサミコ酢や土、キノコといった風味やミネラル、少々の醤油っぽさや、微かな還元的ニュアンスもあったでしょうか。また、時間とともにフルーティさも現れ、ストロベリーやクランベリーといった赤ベリーや、ブラックベリーのドライフルーツっぽさなどを感じました。加えて、余韻にかけて、ややベリーA的なイチゴキャンディーや微かなカラメルっぽさも。味わいは酸中心。ミネラル感や、クリアーさのあるライトなボディとあいまってか結構シャープな印象すら受けました。果実味は、開けてすぐは閉じている印象で、時間とともにじわじわ出てきます。が、それでも繊細なもので酸より前面に出ることはありません。タンニンは少々舌に感じられます。会では、つまみに用意したブルーチーズとの相性がきわめて良好でした。クリーミーなジェラールでしたが、ロックフォールやフルムダンベールなどとあわせてもよさそうです。その他、食事にあわせるならあまり濃いものよりは、揚げ出し豆腐のあんかけや、あっさりめの豚の角煮、それに焼き鳥(タレ)やブリの照り焼きなど和食系のものとあわせたいところでしょうか。根菜との相性もよさそうです。やはり、食事にあわせて楽しみたいタイプかなと思います。やさしく、繊細な、ある種白ワイン的世界観を持った国産らしいメルローだなという印象でした。ただ、一方で酸のシャープさやミネラル感などを考えると、やはり飲むのが少し早かったかなという印象もあります。10年持つかといわれると微妙ですが、あと3~5年くらいおいてからまた飲んでみたいという気はしました。
2009年03月27日
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今回は国産の白ワインです。アルガブランカ クラレーザ07。生産者である勝沼醸造は山梨県の勝沼で1937年に創業した日本では老舗のワイナリーです。買いブドウではなく自社栽培にこだわり、いち早く垣根栽培を導入したりしています。近年では、遂に自社ワインのヨーロッパへの輸出を行いはじめています。セパージュは、もちろん甲州100%。価格は写真のお店で1680円。色は非常に薄い黄色。しかし、少し灰色ないし紫のようなニュアンスも。香りは、甲州らしい温州ミカンやカボス、グレープフルーツといった柑橘の風味や、リンゴっぽさ、それに比較的しっかりしたミネラルのニュアンスや酵母の香りも感じられます。ちょっと面白かったのが、グリ・ド・グリのようなロウ的なニュアンスがあった事で、時間がたつとかすかな蜜っぽさも出ました。味わいも、少しながらグリ・ド・グリ的な渋味を感じました。酸は、丸みのあるものですが少なくはなく、ミネラルと共に締まった印象。ボディはライトボディです。ただ、果実味もそこそこあり、みずみずしさも感じられますね。食事には流石によく合います。生産者の言うように、刺身ともそう悪くはありません。鰤やマグロといったちょっとしっかりした味わいの魚の方が合いやすいでしょう。また、焼き魚にスダチなどの柑橘を絞ってもいいでしょうね。ただ、やはり根菜の煮物や小松菜のおひたしといった野菜料理や、鳥肉を使った肉じゃがなどあっさり目の優しい肉料理などとは良く合いますね。ほうとうには、ちょっと弱いかもしれませんが、料理の味付け次第ではいけそうです。以前飲んだときはあまり印象に残らなかったのですが、07ヴィンテージは、かなり繊細ながらも結構いいなと思いました。グリ・ド・グリ製法なのかどうかは分かりませんが、他の同価格帯の甲州とはちょっと違う個性を感じました。
2009年02月03日
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新年1本目は、お屠蘇代わりに国産の白を飲んでみました。足利呱呱和飲(あしかがここわいん)07。生産者はその名の通りココファームです。ココファームのワインは、昨年少し飲んで好印象でした。こちらは、ややお手ごろなレンジのワインで、やや甘口(ドイツのQBA程度でしょうか)になっています。セパージュは、甲州を中心に、シャルドネ、ミュラー・トゥルガウ、バッカスとなっています。価格は、写真のお店で1500円で、大体このぐらいの値段のようです。色は薄い麦わら。シャルドネなどの影響か、甲州100%の同価格帯のワインよりは黄色がかっています。香りは、素朴かつチャーミング。白い花や蜜といったニュアンスを軸に、ミカンやグレープフルーツ系の柑橘の風味や、ハーブ、それにドイツ系品種由来と思われるミネラルの風味が感じられました。しかし、時間と共にだんだんとシャルドネのニュアンスが出てきて、メロンや洋ナシ、それに少しのバターっぽさやハチミツ、石灰系のミネラルっぽさも感じられました。味わいは、前述のとおりやや甘口。後口にかけて甲州由来と思われる少しの苦味があるのと、糖の後ろで広がっている酸味のおかげで、ドイツワインほどの酸の強さやキレはありませんが、ダレた雰囲気はなく、やさしい味わいという印象です。ミネラルもほんの~りと感じられ、ボディはライト。これぞまさしく食事、それも日本の食卓によく合うワインです。おせち料理と共に飲みましたが、砂糖を使った料理とはまさしくベストマッチ。根菜の煮付けなどはもちろん、ホタテやニシンを醤油を使って甘辛く煮たものとも非常によく合います。寧ろ、醤油を使っていないものより醤油を使っているものの方がよく合うくらいです。その他、海老や蟹といった甲殻類とも合いますし、揚げだしなど豆腐を使った料理(味の濃い豆腐なら塩や醤油だけで食べてもいいかも)や鍋物ともいい感じです。おせちとは本当によく合いました。しっくりこないと感じたのはせいぜい数の子くらいでしょうか。かなりの速さで1本開いてしまいました^^;こういうワインを飲み、料理との相性を実感すると、やはり日本の食文化の中での、やや甘口ワインに対する評価を、もっと考えないといけないなとすら感じますね。
2009年01月04日
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今回も国産ワイン、こちらは赤です。キャネー マスカット・ベリーA07 12ヶ月樽熟成。生産者は、過去に数回飲ませていただいている金井醸造です。昭和37年に山梨県の万力に創業して以来、葡萄栽培から醸造、販売まで、家族経営を貫いています。現当主は3代目で、有機栽培に挑戦するなど、試行錯誤を繰り返しながら品質の向上に努めています。本ワインは、一昨年醸造されたマスカット・ベリーAのワインを1年樽熟した後販売されたものです。価格は、キャネーワインさんのページにて1890円でしたが、現在は販売休止のようです。ただ、他のお店には、まだ残っているところもあるかもしれません。色はややくすんだルビー。エッジは透明で、やや紫感もあります。香りは、甘い、この品種らしさのあるものになっています。イチゴキャンディーが中心です。また、チェリーや赤ベリーのあっさり目のジャムといった要素が感じられます。加えて、樽のニュアンスもよく出ており、カラメルやシナモン、それに少々のカカオといった風味も感じられました。時間がたつと、大きな赤い花を思わせる、ややトロピカルなイメージの風味や、少々の黒ベリー、蜂蜜のようなニュアンスといった要素も感じられました。味わいは、果実味が中心ですが繊細なものです。酸味は溶け込みぎみなじんわりしたもので、後口にかけてやや支配的になります。ボディはミディアムライトで、みずみずしさすら感じられます。タンニンはないわけではなく、渋みも多少ありますが、口当たりはあくまで滑らかです。お店のページにも書いてありますが、脂身の少ない鶏肉や豚肉料理にはよく合います。焼き鳥(タレ)や鶏肉を使った肉じゃが、照り焼きチキンステーキなどは合いますし、衣が強すぎなければ、鳥のから揚げもいいつまみになります。豚肉なら、ローストポークやポークソテーはもちろん、ナスと一緒に味噌炒めにするのもいいですし、チンジャオロースなんかもアリです。あと、おでんもやはりいいつまみで、あまり出汁が濃いと負けるかもしれませんが、こんにゃくや厚揚げ、それにソーセージなんかよく合いましたよ^^まさにフードフレンドリーなワインです。生産者もそういう意図で作っているようですし。ただ、この価格帯のマスカット・ベリーAには酒折という秀作がありますし、価格帯を少しあげるとメルシャンの山梨ベリーAというこれまた優れたアイテムがあるというのも事実、といえそうです。今後が楽しみですね。
2009年01月03日
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先日のワイン会のワイン、続いても国産の白です。ブログ開設600日、333回目の記事が国産ワインというのもこのブログらしいでしょうかね^^シャルドネ・エステート07。生産者は、宮崎の都農ワイナリーです。日本のワイナリーといいますと、シャトー・メルシャンを中心に山梨、長野のものがやはり有名で、評価も高いですが、こちらは九州のワイナリーながら既にサザビーズの「ワイン・リポート2004」でかなりの高評価を得ています。本ワインも、自社農園の葡萄を使い、醸造段階では樽発酵、シュール・リーも行うなど、こだわりを持って作られています。価格は、写真のお店で2800円。色はなかなかしっかりしており、濃い麦わらといったところでしょうか。ツヤがありますね。香りは、樽のニュアンスがしっかりした、まさにシャルドネといったものになっています。バターやナッツ、石灰系ミネラル、それにアカシアやオレンジの花といったニュアンスが感じられますし、グレープフルーツやライム、それにパイナップル等のトロピカルなものといったフルーツの風味もしっかりです。さらに、ハーブっぽさや少々の酵母、白い花といった香りもありました。味わいは、かなりミネラリーな印象を受けました。塩気を感じるレベルです。また、香りから連想されるほど果実味は強くはなく、乳酸系のしっかりした酸味の方がより前に出ていてドライな印象です。ボディはミディアムフル程度です。しっかりはしていますが、そう重い!というものでないところはやはり日本的でしょうか。食事にも良く合います。会ではやはりオードブルのタイミングで飲みましたが、シーフードのテリーヌのまろやかさにもマッチしましたし、エビの香草焼きのコク、香ばしさともいい感じです。他にも、スモークサーモンとも合いましたが、一番面白かったのはパルマ産プロシュートで、オレンジのニュアンスが非常に際立ち、口の中を良い風味で満たしてくれました。やはり、火の入ったシーフードや豚肉、それに鳥肉などと相性のいいタイプのようですね。チキンソテーやフライドチキンといったクリスマスメニューとの相性も期待できそうです。ブロガーの皆さんの評価も高いワインですが、やはり評価に偽り無しですね。ミネラル、酸共に結構ありますし、樽もしっかり効いてますから、3年程度寝かせてみても楽しめそうです。会の参加者の方々も、国産、それも九州のシャルドネは初めてという方が多く、いいサプライズになりました(^-^)確かに、ワイン好きの方を驚かせられるだけのものはあると思います。
2008年12月06日
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先日のワイン会で飲んだワイン、続いては白です。栗沢ブラン07。生産者は当ブログでも2度ほど記事にしましたココファーム&ワイナリーです。醸造のみでなく葡萄栽培も行っているココファームですが、こちらは北海道屈指の葡萄畑である中澤ヴィンヤードの葡萄100%です。中澤ヴィンヤードはココファームとつながりが深いようで、取れた葡萄をよくココファームと協力してワインにしているようです。本ヴィンテージは野生酵母による醸造だそうです。セパージュは、ピノ・グリ、ケルナー、ゲヴュルツトラミネル、シルヴァーネルというドイツ系品種の混醸。価格は、写真のお店で2520円。ほとんど売り切れちゃってますね~。色は薄い麦わら。なるほど若いドイツワインによくあるような色合いです。香りはよく出ています。ライチや少々のバラ、それにジンジャーや白胡椒っぽさといったゲヴュルツ的なニュアンスや、ケルナーによく感じられる石灰系のミネラルがしっかり感じられました。加えて、レモンやライム、ミカン、かすかなブンタンやリンゴ、ビワといったフルーツの風味、それに蜜っぽさといった要素も感じられます。味わいは、柔らかなミディアムライトのボディながらもしっかりしたミネラル感とシャープな酸味が印象的。果実味もありますが、こちらはボディに見合った優しいものになっています。最初の印象は酸、その後果実がじんわりと感じられるといったところでしょうか。これは食事に良く合うタイプです。会でお出しいただいたお料理では、オードブルのふぐのフリットやたいらぎ貝のカルパッチョには非常にいい相性です。また、豚肉を使ったテリーヌともよく合いました。なので、さっぱり系の白に良くあるように鮮魚との相性がよく、さらにドイツ系の白らしく豚肉料理との相性もいいタイプと言えそうです。ヴァイスブルストなどのソーセージや、それを使った煮込み料理などと合わせるのもいいでしょうし、刺身や天ぷらといった和食(時に白身魚のもの)と合わせてみるのもいいでしょう。シャープさと優しさを併せ持つ、なるほど日本の寒い地域の葡萄なんだなというワインでした。もう少し残糖させているのかなとも思いましたが、ドライで食事にも合わせやすいです。難点は、やはり数が少ない事でしょうね(こればっかりはどうしようもありませんが^^;)。次のヴィンテージもぜひ飲んでみたいワインです。国産ワインの今を知れるでしょう。
2008年12月04日
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ボージョレヌーボー解禁日ですが、全然関係ない国産の白ワインの記事です^^今年もヌーボー飲むのは年末になりそうです。農民ドライ06。生産者はココファーム&ワイナリー。前に記事にした農民ロッソと同じ生産者で、名前から分かりますが同じレンジのものですね。本ビンテージまでは培養酵母を使っているそうですが、次の07ビンテージからは野生酵母での醸造に挑戦しているそうです。なんでも「こころみる」こころみ学園らしいですね。セパージュは、ケルナー、ミュラー・トゥルガウ、シャルドネ。価格は、写真のお店で1800円。色は薄い麦わら。まさに教科書な色合いです。香りは、柑橘とミネラルが良く効いてます。先ず感じられるのが、硝煙や石灰系のミネラルのニュアンス。続いて、グレープフルーツやライムといった甘さより爽やかさの強い柑橘の風味がしっかり感じられます。もちろん、要素はそれだけではなく、栗ないし甘栗のような香りや、少々のパイナップル、白い花、酵母系の風味、それに少しローズマリーのようなハーブのニュアンスも感じられました。味わいは、果実味、旨みがしっかりあります。酸味も強いですが、じんわり系です。この香りですと、もう少し酸っぱいかなと思いましたが、優しい味わいです。ただ、ミネラル感はやはり強く、塩気を感じるほどで、後口には苦味も少し感じます。総じて、優しく爽やかなワインだという印象です。これも、まさに食事に合わせるべきワインです。あっさりした料理になら大抵合いそうですね。鮮魚なら、カルパッチョ、それも赤身魚ではなく鯛などのあっさりした白身魚がいいでしょう。鯵のタタキなんかにもいい相性です。お寿司、でも、アナゴやウナギなどの濃いものでなければいけるでしょう。特に、青魚系に良く合うのはいいですね。その他、焼き魚+柑橘や焼き鳥(塩)、先日記事にしたチキンソテーなどにも間違いないでしょう。また、案外シェーブルチーズやウォッシュチーズともいけそうな雰囲気もあります。面白い風味のワインでした。ケルナーかミュラー・トゥルガウの影響でしょうか。北海道産のブドウを使っているそうですが、最近北海道のこの手の品種も評価が高まっているようですね。
2008年11月20日
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先日のワイン会で飲み足りなかったので、もういっちょ国産ワインです。農民ロッソ05。生産者は、こちらも国産優良ワインを語る際には必ずといっていいほど名前の挙がる、ココファーム&ワイナリーです。ココファームは栃木県足利市のワイナリーで、運営母体はこころみ学園という知的障害のある方々の施設だそうです。そこの子供達が、プロとして社会に関わっていけるようスタートし、本当に美味しいワインを作らなければ働く環境を維持できないと、醸造責任者としてブルース・ガットラヴ氏を迎え、現在に至ります。セパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨン74%、メルロー20%、ノートン6%。ノートンはアメリカ系の品種で、足利の気候風土に合うと前述のブルース氏が持ってきたものを植えたのだそうです。価格は、写真のお店で1800円。色はカベルネ・ソーヴィニヨン系のワインらしいガーネット。エッジはやや透明感があり、紫も見えます。香りはなかなか強く、開けたてはオレンジ、キノコ、革スミレ、それに少しの赤ベリーと黒ベリーのニュアンスが感じられます。その後、時間と共にシナモンや鉛筆の芯、少しのキャンディっぽさ、加えてスパイスや土、ヤマモモ、プラム、さらにバラや少しのカサブランカといったような花の香りも感じられました。味わいは、しっかりした酸味が主体に、ほんのりとした果実味が感じられます。酸と果実のバランスはボルドー的ですが、そこはやはり日本のワイン、ゆるゆるとした優しさがありますね。タンニンは滑らかですが、少々口の中で感じられます。ボディはミディアム程度ですね。香りがよく、割と単独でもスルスル飲めてしまいます。もちろん、食事にはあわせやすいでしょう。鳥肉なら、モモなど脂の強いところをグリルないし焼き鳥(タレ)なんかでいただきたいところですね。牛肉なら、逆にあまり脂が強くない赤身の方がいいでしょう。また、ステーキ等よりも肉じゃがやタタキといった和風なものがいいかも。他にも、マグロのカツやステーキといったものや、トンカツ(ヒレカツくらいがいいでしょう)でもいいですし、赤身のたんぱく質になら大概合わせられちゃうかも^^日常の食卓に添えられるワインですが、香りはなかなかのものでした。やや熟成感も出ているのでしょうか、複雑さもあります。「もうちょっと飲みたいなー」と思わせてくれました。
2008年11月08日
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先日の国産ワイン会のワインもこれで最後です。個人的には、今回一番の驚きだったワインです。その名も、がんこおやじの手造りワイン。生産者である仲村ワイン工房は、なんと大阪は羽曳野市にあります(ちなみに、羽曳野はダルビッシュ投手の出身地だとか^^)。畑の開墾、酒造免許の取得、葡萄の栽培まで先代がほぼお一人でされたそうです。現在は、二代目が引き継がれ、朝から昼は畑で、夜は酒屋さん(元々は、下町なんかによくある、立ち飲みありのごく普通の酒屋さんなのだそうです)で働く毎日です。葡萄栽培は低農薬、無除草剤、醸造は自然酵母に樽熟無しとナチュラルな造りにこだわっています。セパージュは、カベルネ・ソービニヨン75%、マスカット・ベリーA20%、ミツオレッド5%(正体不明の品種なので、便宜上先代の名前をつけてこう呼んでいるそうです^^)。価格は、写真のお店で1680円。色はやや濃い目のガーネット。エッジには鮮やかなガーネットないしルビーが見えます。まず、香りに驚かされました。非常にしっかりしたプラムの香りがあります。他の国産カベソにあるようなほんわかしたものではなく、明確にプラムを感じさせます。さらに、黄桃のようなニュアンスもありました。もちろん、それだけでなく黒ベリーや赤ベリー、それに少しのジャムっぽさも感じられましたし、クローブやシナモン、赤い花、さらには樽熟無しにもかかわらず、カカオや少々のバナナといった風味まで感じられました。しかし、一番の驚きはその味わいでしょう。非常に存在感のあるボディで、国産独特のやわらかさがありつつもはっきりフルボディといえるレベルです。また、しっかりした果実味があることも驚きですし、タンニンも結構あります(ただ、セパージュの影響もあるでしょうが、舌ざわりはやはり滑らかさがありますね)。酸味はやや低めのトーンでじわじわ下支えというところです。食事にあわせるなら、やはり赤身肉でしょう。牛肉ならローストビーフやステーキといったものとでも十分いけます。ソースだって根菜やキノコはもちろん、ベリーを使ったものにでも合わせられそうです。ただ、タンニンがそこまでゴツいというほどではないので、脂が強いものよりは、より赤身が多いほうがよさそうです。猪や鹿、ラムとだって合わせてみたくなります。国産ワインということで和食と合わせてみたくもなりますが、最近はやりの大きな牛肉を使った濃い肉じゃがや、すき焼きなどしっかりした味わいのものと合わせたほうがいいでしょうね。熊本といい宮崎といい、九州のレベルに驚かされていたら、今度は大阪です。山梨や長野もうかうかしていられませんね。まあ、桔梗が原メルローの品質はそうそう超えられるものではないでしょうが…。このワインは、価格帯的には熊本ワインのkiss kikkaカベルネと近いですね。香りのシビアさならkiss kikka、ボディの骨太さならこちらでしょうか。飲み比べても面白いでしょうね。
2008年11月02日
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さて、ちょっと間があいてしまいましたが、先日の国産ワイン会のワイン、続いても金賞ワインです。セパージュ・ヨーロピアン06。生産者は長野県の作り手で、現在優良な国産ワインの生産者の名前を挙げる際には、必ずといっていいほどとりあげられる小布施ワイナリーです。ちょっと栽培の難しい欧州系品種にこだわって自社栽培を行い、しかも最近は有機栽培にも挑戦するなど非常にチャレンジャーな作り手です。ただ、100%自社葡萄のみというわけではなく、優良な農家からの買い葡萄による醸造も行っており、それをソガ・ペール・エ・フィスとして販売しています。セパージュは、オーストリーでよく作られているツヴァイゲルトを主体に、メルローとアクセントとして少々ピノ・ノワールとなっています。価格は、写真のお店で1779円ですが、残念ながら楽天内はおろかワイナリーでも売り切れのようで目下入手困難なワインとなっています。色は紫がかったガーネット。エッジには紫がよりはっきり見えます。香りは、開けてすぐはやや硫黄的な還元臭が見られ、ほかの要素は閉じ気味。やはり、このワインもビオなのでしょう。じょじょに開いてきまして、ややオリエンタルなスパイス、シナモンといった風味が現れ、更なる時間経過でクランベリーや黒ベリーといったベリー、なめし革、インクっぽさ、ミネラル、スミレ、それに少々のオレンジっぽさやローズマリー、ローリエといったハーブの風味といったものが感じられるようになりました。また、桜の花や、ドライイチジクといったものっもあったように思います。味わいは、やはり酸味が主体。木苺などのベリー系な酸味のように感じられました。果実味はあまり感じられず、ほんのーりあるような感じですが、旨みよりも少ない程度です。タンニンは割りとしっかりしていて、渋みをはっきり感じますが、ざらつきなどはなく涼やかなミディアムボディでした。食事にあわせるならやはり肉でしょう。ピノ・ノワールに似た雰囲気があるので、ローストチキンや鴨はもちろんいいでしょうし、タンニンの強さがありますから鳩や鶉、それに雷鳥といった鳥系ジビエでも、あまり強い味のソースなどを使わなければあわせられるでしょう。また、赤身肉でも、牛肉のたたきなど肉の旨みを感じる食べ方をすれば、結構あわせられそうな気もします。生ハムやサラミなんていいつまみになりそうです。国産でいいものもありますしね^^さすが、この価格帯でも金賞ワインというべきか、あけてからしばらくは手ごわい状態が続きました。10年寝かせるのは難しいかもしれませんが3年ないし5年程度置いたらどうなるのかも興味深いところです。ただ、現時点でも味のバランスはなかなかのもので、日本におけるツヴァイゲルトの可能性を感じずにはいられません。岩手ではよく作られているようですので、ほかのものも試してみたいところです。
2008年11月01日
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さて、先日のワイン会のワイン、2本目は本年の国産ワインコンクールにおいて金賞に輝いたワインのひとつです。菊鹿ナイトハーベスト・シャルドネ樽発酵07。生産者である熊本ワインは、シャルドネ樽発酵を飲んで以来、個人的に興味を持ち、いくつかのワインを飲んでいる生産者です。熊本という高温多湿な土地でワインを作り、その完成度(特にシャルドネ)の高さから、愛好家はもちろん他の醸造家からも注目されるまでになっているようです。メディアへの露出も増えましたね。本ワインは、夜間に収穫されたシャルドネ100%だそうです。価格は、写真のお店で3095円です。色は麦わら程度。やや黄色いともいえそうです。香りは、まさに菊鹿のシャルドネらしく濃厚です。メロン、黄桃、それにアプリコットないしマンゴーといった濃厚さのあるフルーツ香に加え、ナッツやアカシア、オレンジの花、それに栗といった要素が感じられます。また、ミネラルや少々のライムっぽい柑橘のニュアンス、さらに、時間とともに少々のモカや干しブドウといった要素も感じられるようになりました。味わいは、以前飲んだシャルドネ樽発酵と比べると、やや大人しく、優しさのあるボディが印象的でした。ミディアムと言ってもいいかもしれません。果実味はかなりしっかりしており、やや辛口では、と言う声まで聞かれました。酸味はじわじわと感じられ、量自体は少なくはありません。が、やはり果実よりは控えめです。後口には旨みも感じられます。食事にあわせるなら、やはりしっかりしたシャルドネに合わせるようなものがいいでしょうね。魚介類なら海老や貝類のバターソテーや、白身魚のムニエル、それにクリーム煮などがいいでしょう。また、果実味が強いので、カジキマグロのマリネなど、淡白なものを甘酸っぱさで食べるのもいいかもしれません。あとは、やはり鶏肉との相性はよさそうで、グリルや焼き鳥に柑橘を添えたりするといいでしょう。キノコ類のバターソテーなんかを付け合せにするとなおよさそうです。07はなかなか手強いヴィンテージだったようで、思ったほどのボディがなかったのかもしれません。しかし、この手のワインは時間を置くと雰囲気が変わったりするので油断はできません^^。3年程度熟成させて、改めて様子を見てみたいところです。ただ、やはり今飲むにしても、温度は冷やしすぎずやや高めで、グラスは大ぶりなものを使うのが合っているといえるでしょう。
2008年10月31日
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また少し間が空いてしまいました><先月のワイン会のワインもコレで最後です。ラストは会場が和食のお店ということでやはり国産ワインかな、と思って飲んでみたかったこのワインです。菊鹿カベルネ樽熟成06。生産者の熊本ワインは、本年度の国産ワインコンクールでナイトハーベストが金賞に輝くなど注目(特に私個人が、ですが^^;)のワイナリーです。樽熟成シャルドネもいいですよ。品種はカベルネといっても、フランではなくソーヴィニヨンの方です。価格は2118円でしたが、楽天内では取扱いがありません。色はガーネットながらやや薄めで、透明度は高いです。この辺は国産らしいですね。香りは、樽熟のせいもあるのでしょうがシナモン系の風味がしっかりあります。さらにクローブの風味もあり、やや甘やかさがあります。さらに、黒胡椒っぽさや微かな醤油、バルサミコ酢、革、ミネラル、キノコといったニュアンスも感じられました。果実系の風味では、カベルネらしいカシスのほか、赤ベリーの雰囲気もありました。どっしりした黒ベリーという感じではないですね。味わいは、やはり果実味よりも酸味の方が強めですね。また、旨みもしっかり乗っています。ボディーはミディアムで、まろやかさよりもクリアーさを感じるでしょうか。酒質は比較的強めで、硬質感もあります。会では、最後に飲んだのでお料理としてはデザートの黒ゴマアイスのタイミングになってしまったのですが、これがなかなかの好相性で、バニラ+黒ゴマの風味と、このワインが持つシナモン系の風味がよくマッチしていました。なので、ゴマ豆腐なんか案外面白い相性になるんじゃないでしょうか^^他にあわせるなら、やはり肉類でしょうか。決して魚と合わせるワインではありません。ただ、ローストチキンなどの鶏肉から、ゴマダレのしゃぶしゃぶやすき焼きまで、幅広く合わせられそうです。ややメルロー的でもあり、シャルドネと比べると完成度はまだこれからなんだろうなという印象ですが、香りはなかなかのものがあります。私が飲んだものはやや状態に思わしくない部分もあったので、完璧なものですともっとがっしりした印象なのかもしれません。
2008年09月04日
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今回は国産ワインです。先日の国産ワインコンクールには出品されていないようですが、こちらもいいワインです。甲州グリ・ド・グリ。生産者はシャトー・メルシャン。言わずと知れた日本屈指のワイナリーで、アジアでもトップクラスと評されています。日本の土壌を尊重した、日本ならではの味わいを追求しています。グリ・ド・グリは、白ワインながら皮ごと醸し、白ワインということよりも甲州のらしさ、良さを引き出す事を一番に考えて作られています。セパージュは甲州100%。価格は、写真のお店で2280円です。色は、やや灰色がかった甲州の皮の色が出ており、ピンクがかった黄金色といった感じです。05も飲みましたが、ややそれよりは黄色さが増したでしょうか。香りは、このワインらしい、ほのかなバラ、ベッコウアメ、ピンクグレープフルーツといった風味が香ります。また、甲州らしい白い花の風味、カボスやライム、あるいは金柑のような柑橘のニュアンスといった要素も感じられました。さらに、ミネラルもしっかりあり、加えて洋梨やほんのりと桃、メロン、リンゴといったフルーツや蜜ないしハチミツの香りも時間と共により強く感じられるようになりました。味わいは、果実味がしっかりあり、酸味は裏からじわじわ来るタイプです。もちろん、果実味が突出してバランスが悪いということはありませんよ。また、ミネラル感は予想以上に強く、塩気を感じられるほどです。さらに、皮ごと醸しているからか、凝縮感と区別が付かない程度の渋みもあり、やや厚めのミディアムなボディとともに飲み応えを生み出しています。食事にあわせるなら、鮮魚なら刺身やカルパッチョよりはマリネのような味の強いものの方がいいでしょう。また、そもそも鮮魚よりも火の通ったもの、例えば天ぷら(特にエビ)やホタテのソテーといったものの方がよく合うでしょう。天ぷらは、たれもいいですが、ミネラルの豊富な塩で食べるとよりいいでしょう。その他、冷しゃぶをゴマダレで食べるとなかなかよかったですし、やはりといいますか焼き鳥(塩)との相性もバッチリでした。また、生春巻きとの相性も良かったのが印象的で、スパイシーな甘辛いソースとよく合いました。厚みがあり、開けて直ぐはまだまだ硬く、5年以上の熟成も十分見込めるのではないでしょうか。甲州の面白い姿の一つだと思います。特に、開けて4日目くらいになるとハチミツの風味があふれ出してきて、非常に印象的でした。
2008年08月13日
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ちょっと遅いネタになっちゃいますが、今週の頭に08年度の国産ワインコンクールの結果が発表になりました。byson1さんなどブロガーの方も記事にされてらっしゃいますね。結果の方はといいますと、欧州系品種赤ではやはりシャトー・メルシャンの桔梗ヶ原メルロー(ヴィンテージは03)が最優秀でしたね。国内屈指のワインであることはもちろん、世界に出しても十分通用するワインです、が、やはりそれだけのお値段もするわけで…^^;金賞受賞の中では小布施ワイナリーのセパージュ・ヨーロピアン06がかなりお手ごろなのでちょっと試してみたいところです。また、銀賞以下も含め、井筒ワインの健闘も見られます。長野の赤には注目しているので試してみたいですね。欧州系品種白では、ほとんどがシャルドネ種の単一ですね。グリュナーは流石に無いですね^^;で、最優秀に輝いたのがヴィラデストワイナリーというところのシャルドネでした。私は存じ上げないワイナリーでしたが、この機会で知る事ができたのでぜひ飲んでみたいです。また、個人的に今最も気になる日本のワイナリーである熊本ワインのシャルドネ・ナイトハーヴェストが金賞を受賞していますし、kiss kikkaシャルドネが銅賞を受賞しています。やはり侮れませんね。また、シャルドネ以外では、北海道で作られるドイツ系品種がいくつか評価を受けている点も見逃せません。辛口甲州では、最優秀にグレイス甲州07が、銀賞にグレイス甲州茅ヶ岳07が輝いており、中央葡萄酒が存在感を見せています。その他、フジッコワイナリーやメルシャンの勝沼甲州なども上位に来ています。多くの甲州ワインはやはり07ヴィンテージと若く、ところどころ06があるといった程度なのですが(甲州古酒は別として)、大和葡萄酒の等々力甲州とシャトレーゼの鳥居平甲州樽発酵は05ヴィンテージと少し時間の経ったものなので、興味深いところです。また、個人的に目を引いたのは国内改良等品種の赤です。金賞はありませんが、カテゴリー最優秀に輝いたのは何とサッポロワイナリーのプティ・グランポレール 岡山マスカットベリーA樽熟成07。以前、少し試飲した事があったのですが、確かに悪くない印象でした。改めてこれは試さなければいけませんね。他にも、ひるぜんワインの2本が銅賞を受賞しており、岡山もがんばっているようです(^-^)他に、極甘口のカテゴリーの熊本ワインのシャルドネ低温抽出、スパークリングワインのカテゴリーのアルガブランカ・ブリリャンテ等飲んでみたいものがたくさんです><印象的だったのは、国産ワインというとほとんど山梨という状況ではなくなってきている事です。上記の熊本ワインや北海道のワインのほか、岩手のエーデルワイン(オーストリア仕込の技術です)や岡山のワインなど、色々な土地でいいワインが出来てきているようで、日本のワインがますます楽しみになりました。
2008年08月07日
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さてさて、先月のワイン会のワイン、続いては国産赤です。シャトー酒折 マスカット・べりーA樽熟成06。byson1さんも飲まれているワインですね。生産者であるシャトー酒折はポルトガルワインの輸入でもお馴染み?の木下インターナショナルの系列です。本ワインの05ビンテージは、昨年の雑誌「dancyu」の「ガブ飲みワイン特集」でトップで紹介されており、テイスターの方々の評価も非常に高かったようです。06は、05と比べると雨などの影響で難しいビンテージになったようですが…。価格は、写真のお店で1554円で、これが最安値のようです。竹澤さんはいつも安いですね^^色は濃いルビーといったところ。やや紫感もありますが透明度自体は高めです。香りは、ドライストロベリー系のガメイっぽい雰囲気もありますが、革っぽさ、ミネラル、土、微かなキノコ、ベーコンや木といった風味がしっかり感じられ、フルーティ!といった感じではなくややシリアスな雰囲気があります。もちろん、チェリーや少々の黒系ベリーや巨峰っぽさといったフルーツのニュアンスも持っています。グラスや温度、タイミングによってはこちらを強く感じるかもしれません。味わいは、酸が柔らかめで、旨みと共にじんわり感じられます。果実味もしっかりあり、開けて直ぐは酸と比べるとやや前に出ています。ただ、ずしんと重いというものではなくどこかしっとりした雰囲気がある様に感じられました。タンニンも強くなく、ボディはクリアーかつ柔らかなミディアムといったところです。食事にあわせるなら、これぞまさに和食に合う赤ワインでしょう。つまみとして持ち込んだ焼き鳥(タレ)にもよかったですし、照り焼きチキンくらいでもいいでしょう。また、豚の角煮や肉豆腐、肉じゃが(鳥肉もOK)等など甘辛系の優しい味付けの和食にあわせたいところです。それに、魚に関しても鮪や鰹といった赤身魚なら、刺身、タタキ、それにステーキや煮物といったしっかり火の入ったものでも合わせられそうです。洋風のものでも、素材の味を生かしたような、味の濃すぎないものにならあわせられそうで、色々組み合わせたくなるタイプのワインです。これもいい国産ワインです。柔らかいワインですが薄っぺらいということはなく、目の細かさを感じるといった感じです。雰囲気は、byson1さんも記事に書かれていらっしゃるように、ピノ比率の高いパストゥグランに近いものがあるように思います。実は、前のビンテージを飲んでいるのですが、今回は正直かなり印象がアップしました。国産の赤に関しては、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンはありますが、このワインやメルシャンの山梨ベリーAなど、マスカット・べりーAは日本におけるピノ・ノワール的ポジションを担っていきそうな感じですね。
2008年06月03日
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先日のワイン会で飲んだワインもこれで最後です。kisskikkaカベルネ・ソーヴィニヨン。生産者は以前飲んで興味深かった菊鹿シャルドネ樽熟成の熊本ワインです。本ワインはノンヴェンテージで、05年収穫と06年収穫のカベルネ・ソーヴィニヨンを混ぜているそうです。また、樽熟成シリーズの一つ下のブランドになります。ということで、価格は樽熟成シリーズよりお安く1580円です。楽天内では写真のお店のみの取扱いです。色はキレイなガーネット。ややオレンジ感が強く、透明度も高めです。香りは、これぞまさしくカベルネ・ソーヴィニヨンといった感じです。黒胡椒系のスパイス、カラメル、ブラックカラント、カシス、インク、黒ベリー、ブルーベリーといった風味に、土っぽさないしキノコ系の香りといったものを感じます。他の国産のカベルネ・ソーヴィニヨンのワインではなかなか出し切れないカベルネらしさをはっきりと感じる事ができます。味わいは、やはりどっしりフルボディー、とは行かずミディアムでキレイなボディーですが、タンニンは結構強く、開けたては苦味を感じるほどです。これは、グラスに注いで10~20分程度で開いてきます。酸味もありますが、むしろ果実味がしっかりと感じられます。もちろん、ダレた印象などありません。食事にあわせるなら、これはまさに肉に合わせるべきワインです。あまり脂がキツイと流石に負けるでしょうが、牛肉ならフィレステーキやローストビーフ、タタキなどにあわせたいタイプです。あっさりめに料理しておけば鹿やラムでもいけるかもしれません。また、熊本といえば馬肉が有名ですが、馬刺しにあわせると面白いかもしれません。流石は熊本ワイン、カベルネも相当本格的ですね。やや軽さはありますが、それでもこの香りは大したものだと思います。和食にあわせて、というタイプではないでしょう。これの上に、やはりカベルネ・ソーヴィニヨンの樽熟成があるようなので、見つけたらぜひ飲んでみたいです。
2008年04月24日
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さて、ワイン会のワインはここから赤です(といっても、2本だけですが^^;)。ドメイヌ・タケダ アッサンブラージュ05。生産者は国産ワインの老舗タケダワイナリーです。タケダワイナリーは蔵王連峰で、創業1920年以来、良いワインは良い葡萄からをモットーに、15ヘクタールの自家農園を持ち、ワインを造り続けているそうです。本ワインは、葡萄栽培は自然農法栽培、収穫は手摘みとこだわりのワインです。セパージュはメルロー50%、マスカット・ベリーA30%、カベルネ・ソーヴィニヨン、ブラッククイーンがそれぞれ10%づつ。価格は、写真のお店で1848円です。色は深いガーネットで、紫を感じます。結構濃そうな印象です。香りは、最初に感じられるのはスパイス、土、キノコ、ミネラルにクローブや黒ベリーといったボルドー的な雰囲気のものが香ります。時間と共に、割合の多いメルローとベリーAがより出てきて、イチゴキャンディーや意イチゴジャム的な要素も感じられるようになっていきました。味わいは、色合いから受ける印象とは違い、酸が主体です。ミネラルもあり、逆に果実味はあまり強くなく、ドライな印象です。ボディはミディアムライトで、タンニンも優しく、滑らかで飲みやすさがあります。口の中でふわっと柔らかく解けるような感じがあるのはやはり国産らしいですね。酸主体で、優しい味わいですから、やはり和食にあわせたいタイプですね。そうはいってもカベルネやメルローを使ってますから濃いめのもの、焼き鳥(タレ)や、鴨の治部煮、豚の角煮、肉じゃが、肉豆腐辺りの肉を使った甘辛系の料理なんて良さそうです。ただ、あまり濃すぎるとワインが負けてしまうでしょうから要注意です。その他、時期が来れば、おでんや醤油ベースの鍋物にもいいかもしれませんね。国産の赤らしい優しさのあるワインですが、香りは結構しっかりあります。まさに和食の肉料理と合わせたいタイプのワインです。価格的にもそう高いとは感じませんでしたし、デイリーとして食事にあわせて使って面白いと思います。
2008年04月22日
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国産ワイン会、3本目はこのワイン。甲州 生産者別限定醸造 飯島昭三06です。海外輸出も始めた勝沼醸造が醸すワインです。醸造方法は同じにして、葡萄の生産者とその畑別に、言うなればテロワール別に数種類のワインを作っているシリーズのひとつで、本ワインは標高300メートルのところの肥沃な平地で採れた葡萄から作られています。価格は2310円で、楽天内では写真のお店以外での取り扱いは無いようです。色は麦わらないし薄い黄金色。他のよくある甲州ワインと比べてやや濃い色合いです。香りは、樽香が印象的で、加えて洋梨や桃といった要素を比較的はっきりと感じます。また、蜜とまでは行きませんが、蜜入りリンゴ的なこれまたややしっかり感のある甘い香りも。その他、甲州らしいミカンの香りやミネラルも感じます。そして、印象的だったのが枇杷の風味を感じたところですね。味わいは、香りから受ける印象(特に樽香)からすると、ややボディがライトに感じます(ライトよりのミディアム)が、果実味はこれまでに飲んだ2本より強く感じます。もちろん、酸はしっかりあるのですが、存在感的には果実味も負けていません。苦味もほんのりあります。それらが、丸く柔らかいボディと相まって、優しい印象を受けます。食事に合わせるなら、やはり和食がいいとは思いますが、多少しっかりした味わいのものでもいけそうです。鳥肉でも、焼き鳥(塩)やタタキなら合わせられそうですし、鍋物なら豆乳鍋なんかでも良さそうです。また、洋風のものでも、鮭や白身魚、ホタテといった魚介類なら、バターソテーやクリーム煮にしてみてもいいかも。鮮魚なら、白身魚でも脂の乗ったものに合わせる方が面白そう。やはり樽香がありますから、バターを使ったものとは合わせてみたいと感じました。逆に、浅漬けなどではちょっと物足りないように思います。単独でも結構楽しめるかも。勝沼醸造で、樽を使った甲州というとアルガブランカ ピッパを以前飲んだのですが、ちょっと張り切って樽香を付けすぎかな~と感じました。が、こちらは樽のニュアンスを出しつつも、他の要素もしっかり感じられ、結構良かったと思います。会の参加者の方の中には、これが一番好きだという方もいらっしゃいましたし。瓶熟が進むとどう変わるかも気になるところです。
2008年04月18日
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ワイン会で飲んだワイン、2本目は甲州 キュヴェ・デュニ・デュブルデューです。生産者はグレイス甲州の中央葡萄酒です。本ワインは、世界に通じる甲州ワインを作ろうと始まった「甲州ワインプロジェクト」によって生まれたワインです。デュブルデューとは、甲州ワインプロジェクトに協力してくれたボルドー大学のデュブルデュー博士の名前だそう。価格はおおむねどこも2100円ですが、写真のお店は1980円と若干手ごろです。色はこちらも薄い黄色。ただ、透明というほどでは無いように思います。香りは、柚子的なものや、ライム、レモンといった酸の強い柑橘のニュアンスと若干のミネラルが感じられます。また、昨年も飲んだのですが、そのときにはあまり感じなかった梨ないし洋梨、白い花、甲州によくあるミカン的な風味、加えて少々の赤いリンゴといった柔らかさ、甘さを感じさせる風味も感じられました。味わいは、やはりかな~りしっかりした酸味がメインでドライですが、こちらも昨年飲んだときとは少し違い若干柔らかくなっているように感じました。果実味もほんの~~りとですが感じられます。さらに、ミネラル感も昨年より感じやすかった気がします。甲州によく感じられるほのかな苦味はあまりありません。少し柔らかくなったとはいえ、やはり食事に合わせた方が楽しめるタイプかと思います。そして、合わせるなら魚や野菜がいいでしょう。ロバート・パーカー氏は「スシワイン」という表現をされていましたが、ネタを酢で〆たようなお寿司なら案外合うかもしれません。個人的には、白身魚の昆布〆なんかを塩で食べる、あるいはもうカルパッチョのようにして食べたりするとよく合うかなと思います。後は、こちらもキャベツの浅漬けなどフレッシュ感のある漬物なんかつまみにしても面白そうです。あまり強い味わいのものではなく、優しい味わい、素材を生かした味わいのもの、やはり和食のようなものにあわせたほうが楽しめると思います。昨年飲んだときは、強力な酸と柚子系の柑橘香が主体の、ピュアでシャープ、そしてシンプルなワインだという印象でしたが、多少瓶熟していたのか少し柔らかいニュアンスも出てきてとっつきやすくなっていたように思います。単なる瓶ムラかもしれませんが^^;
2008年04月16日
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ここからは、先日のワイン会で飲んだワインの記事です。1本目はフジクレール 甲州シュール・リー。生産者はお豆さんでお馴染みのフジッコ社のフジッコワイナリーです。このワインは、以前に05ビンテージを飲んでいます。その際は、知名度は低いながらシュール・リー製法の甲州の基準にしたいような、いいワインだったと感じました。セパージュはもちろん甲州100%。価格は1575円で、写真のお店を含め楽天内でもいくつかのお店で取扱いがありますね。色は、やはり非常に薄いレモンイエロー。透明に近いような印象です。香りは、やはりシュール・リー製法のワインによく感じられる酵母や白い花を思わせる香りがはっきりと感じられ、加えてライムやレモン的なすっきりした柑橘香が感じられます。また、柑橘的ニュアンスとしてはミカンのようなほんわかした要素も感じられます。さらに、甲州種のワインの中ではミネラルも感じやすい方だと思います。味わいは、しっかりした酸味が主体でその背後にほんのり果実味を感じ、ミネラル感や後口に微かな苦味を感じるという構成は05ビンテージと同じで、バランスはやはりいいと思います。ただ、全体的に05と比べるとやや弱いような印象は受けます。特に、酸味が少し滲みぎみなような気もしました。ボディもライトボディ。とはいえ、食事、中でも和食に合わせるにはやはりこの上ないワインだと思います。あっさりめの鳥料理や鍋物なんかにもいいですし、会でお出しいただいた料理のなかにがんもどきの炊いたものがあったのですが、これとの相性も非常に良かったです。05と比べると少しあっさりしたので、鮮魚にも合わせやすくなったとも思います。また、会でお出しいただいた料理の中に、キャベツを塩昆布で浅漬け風にしたものがあったのですが、これとの相性もとても良かったです。よく話しを聞いてみると、使われていた塩昆布はフジッコのものでした!やはりフジッコ同士相性がいいようですね(^-^)06ビンテージなら食中酒として、05ビンテージなら塩昆布や漬物、お豆さんなんかをつまみにして、みたいな使い分けが出来そうな印象でした。ワイン会で飲んだ4本の甲州のなかでは、これが一番好きだという方もいて、少々薄く感じたとはいえ、やはり完成度は高いと思います。ビンテージ的に山梨あたりの07はなかなかいいようですので、このワインの07ビンテージのリリースも今から楽しみです。
2008年04月15日
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今回は久々の国産ワイン、それも赤です。シャトー・ブリヤン97。生産者は山梨のサドヤ醸造場です。創業は1917年で、その後1936年に甲府市善光寺町に自家農園を開墾し、フランスから苗木を導入して本格的なワイン造りを始めたそうです。また、1989年にフランスでワイン造りのノウハウを試そうと、南仏に「シャトー・レアルドール」という農場を取得する等意欲的です。本ワインについては、山梨の自社農園産の葡萄で作られているそうです。セパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨン100%。価格は、写真のお店で4000円で、楽天内の他店では別ビンテージの取扱いしかないようです。色はキレイなガーネット。透明度も高くルビーといってもいいくらいです。香りは、グラスに注いで直ぐはドライアプリコットや、ドライイチジク、それにやや甘草的な風味といったような要素が感じられ、ピノ・ノワールやグルナッシュのワインのような印象を受けます。時間が経ってくると、微かな腐葉土ないし枯れ葉の香り、スパイス(ただ、黒胡椒のみならずクローブ的なものもあります)、優しい黒系ベリー、干し柿といった風味が表われてきて、カベルネ・ソーヴィニヨンといわれればそうかな~、といった雰囲気になってきます。味わいは、クリアーで軽めのボディが印象的でミディアムライト程度です。また、果実味やタンニンもかなり少なく、ボディやミネラル感と相まってシャープさすら感じる酸味が支配的です。ただ、旨みもじんわりあって「滋味深い」という表現がしっくり来るワインです。単独でもいけますが、それ以上に食事とあわせて活きるタイプです(サドヤ醸造場自体、食事にあうワインを志向しているようです)。ミディアムライトで酸主体の味わいですから、肉でもガッツリしたものはちょっと難しいでしょう。焼き鳥(塩)や鴨のローストないし治部煮、肉じゃが、肉豆腐といった旨み中心のもの、特に和食が、このワインと合わせるには最適だと思います。むしろ、軽く冷やして赤身の魚とあわせても美味しいんじゃないかと思います。値段はなかなかいい値段ですが、面白いワインだとは思います。特に、ブラインドでカベルネ・ソーヴィニヨンと当てるのは難しいでしょうね。薄旨な味わいですので、いろいろな食事にあわせて楽しんでみたいですね。
2008年03月08日
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今回は、昨年のワイン会で飲んでみて気になった熊本のシャルドネです。菊鹿シャルドネ 樽熟成05。生産者である熊本ワインが菊鹿町の生産者に依頼して作ってもらったブドウを使って醸造しているワインで、ステンレス発酵の後オーク樽で1年間ゆっくりと熟成させているそうです。価格は、写真のお店で2100円で、他のお店での扱いは無いようです。色は麦わら色よりは濃く、黄金色よりは若干薄いといったところでしょうか。香りは、ナッツや木、クリーム(メレンゲ)、それにクリないしサツマイモといった濃厚な香りがはっきり感じられ、樽熟したシャルドネ、それもフルーティーでハツラツとしたものではないものだという印象を受けます。さらに、ハチミツ(クリの花のもの)の風味やどっしりしたミネラルも感じます。尤も、時間経過とともにグレープフルーツないしハッサク的な柑橘香や少々のメロン、花梨といった風味も感じられるようになり、2日目の後半には白い花の香りも出ました。味わいは、果実味もほんのりとありますが、酸味のしっかりしたドライな味わいです。その酸はシャープというよりまったり感のあるタイプです。ミネラル感は非常に強く塩気を感じるほどですし、全体的に包み込むような感じでワインのバックボーンを形成しています。また、後口には旨みもしっかり。ボディはミディアムでまろやか系。食事との相性については、魚介類なら白身魚のポワレをクリーム系のソースで食べるのなんかにはよく合いそうです。鮮魚とは難しそうですが赤身といったミネラル感の強いものとなら意外といけます。また、鳥肉とはかなり良さそうです。焼き鳥(塩)やローストチキン、鶏のクリーム煮、あるいは鴨や鳩といったミネラルの強い肉のシンプルなローストなどとはいい相性になりそうです。また、このワインも根菜類との相性が良さそうなワインです。このワインをブラインドで飲んで、熊本のワイン、というか国産のワインと気付く人はほとんど居ないのではないでしょうか。何人かワインの好きな知人にも飲んでもらいましたが「しっかりしたマコン」という感想が多く聞かれました。なかなか手強いタイプのワインで、間違いなくおいしいのですが「美味い」という表現ではなく「旨い」という表現の方がしっくり来ますね。
2008年01月09日
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メルロー飲み比べの2本目は、国産のメルローです。シャトー・メルシャン 長野メルロー05。生産者は皆さんご存知!?のメルシャンのワイナリー、シャトー・メルシャンです。セパージュはもちろんメルロー100&。価格は写真のお店で3129円で、どこも大体同じような値段になっているようです。色はやっぱりガーネットですが、これはほかの2本に比べて透明度が最も高く、エッジも透明です。香りは、ややインクっぽさが感じられ、さらにそこに漢方薬、クッキー的な香ばしさ、シナモン、スパイス、土、チェリー、黒いベリー、若干のカシスといった要素が加わっています。また、やや木のニュアンスも感じられ、時間と共にチョコ系の風味になっていきました。味わいは、ボディのまろやかさが印象的でした。また、このワインも酸味がしっかりありまして、かつそれはこのワインの場合フレッシュな酸です。開けたての果実味はシャトー・サン・ミッシェルのものよりも少ないくらいで、それが時間と共にやはり、しかし控えめに出てきます。余韻にも、漢方薬やクッキー系の風味を感じました。国産ワインですが、これにはやはり牛肉のステーキ(ただし、あまり厚切りにせず、かつ塩コショウで)が合いそうです。また、ミラノやウィーンでされている調理法である揚げ焼きもいいかもしれません。その他、鶏肉(脂の乗ったモモ肉がいいでしょう)の煮込みや豚肉のソテーをバルサミコ酢や赤ワインのソースで食べるのにもいいでしょうね。また、飲み比べ会のつまみで出していただいたブルーチーズとの相性はとてもよかったですし、柿とも意外といけました^^;これは驚きでした。ほかの2本のワインと比べても味わいの点ではほぼ差が無く、香りの点では十分に「選ばれる」だけの個性を感じましたよ。上級の桔梗が原メルロークラスになるとなかなか手が出ませんが、このワインでも十分楽しめるレベルではないでしょうか。国産の赤に関して、マスカット・ベリーAだけでなく欧州系品種ももっと色々飲んでみたいと思える1本でした。
2007年11月22日
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世間ではボージョレ・ヌーヴォー解禁でにぎわっていますね。私は今年はノータッチですが^^;そういえば、今朝のめざましテレビではボージョレの他に甲州の新酒のニュースもやっていました。dancyu12月号のガブ飲みワイン特集にも甲州が取り上げられていましたし、甲州ブームが来そうな予感!?でしょうか^^さて、前置きが長くなりましたが、今回のワインは日本の新酒の赤です。茅が岳周辺の地ワイン07。byson1さんも飲まれていらっしゃるものです。写真ではわかりにくいですが、ラベルには製造者、醸造責任者、栽培管理責任者、収穫地、収穫開始日、ブドウ品種が書かれています。ちなみに、製造者はメルシャンです。セパージュはマスカット・ベリーAとアリカント。価格は1000円程度なのですが、ボトルの容量自体は500mlです。楽天では昨年のものだけが見つかりました。色は鮮やかな赤紫。ボージョレを髣髴とさせるものです。香りは熟した赤ベリーや黒ベリー、食パンのトーストのような風味、少しのイチゴジャム、軽いスパイスが感じられます。また、リンゴアメを髣髴とさせるような香りも感じられ、この辺はマスカット・ベリーAらしさといえそうです。濃厚!というようなものではありませんが、果実の風味はよく出ています。味わいは意外としっかりした酸味が印象的です。それと果実味ですね。渋みもあるにはありますが滑らかで強いものではありません。ボディもミディアムライトな感じで、柔らかかつ滑らかな口当たりです。単独でもすいすい飲めてしまうワインですし、食事にも合わせやすいです。あまり強い味のものには負けすぎてしまうと思いますので、焼き鳥ならタレでは無く塩で大丈夫。ほかにも魚介類なら鰹のたたきや脂の乗ったブリやサーモンの刺身でもいけそう。また、出汁との相性もいいようでおでんとも合っていました。こんにゃくやロールキャベツともいい具合でしたし、中でもウィンナーを入れていたのですが大変いい相性でしたよ。お手軽な味わいに、容量も多くないとあって一人でも十分飲み切れてしまいます。価格もお手軽ですし、案外ボージョレよりいいかもしれませんよ(^-^)
2007年11月15日
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ワイン会4本目はぼんぼん0328さんご推薦の国産の赤です。シャトー・メルシャン 山梨ベリーA04。生産者はもちろんご存知シャトー・メルシャンです。赤ワインに関しては、桔梗が原メルローや城の平カベルネ・ソーヴィニヨンといった欧州系品種で成功していますよね。しかし、本ワインはそういった欧州系品種ではなく、日本独自の品種(といっても海外の品種を交配したものですが)であるマスカット・ベリーAのワインです。価格は2000円程度で、写真のお店では2184円です。色はガーネット。紫がかっていて濃さを感じますが、透明度はあります。香りは、樽がよく効いているようでなめし皮や肉を連想させるような香り、それに微かなカラメル感があります。それに黒胡椒系のスパイスの風味や微かな土も感じられます。開けたてからしばらくはこういった香りが支配的です。時間経過と共に、熟した赤いベリーや若干のアメリカンチェリーが感じられ、更なる時間経過でこの品種らしいイチゴキャンディー的なニュアンスが表われます。味わいは、しっかりした酸味が支配的です。果実味もありますが酸味と比べるとやや控えめ。タンニンは滑らかで、ボディーはさらりとしています。しかし、この品種のワインというと軽く薄いものが多い中、こちらは結構な凝縮感があり樽の香りに負けおらず、良いバランスです。食事にはあわせやすいタイプでしょう。ローストビーフやローストチキン、キノコのバター醤油炒め、それに和風の肉料理、焼き鳥(タレ)であるとか肉豆腐、肉じゃが、鶏肉のうま煮なんかとあわせると面白そうです。写真のお店のページでは、ハムステーキにも良さそうとありましたが、なるほど、という感じ。また、byson1さんにお教えいただいた生姜醤油で食べるという姫路風おでんも良さそうですよ!前述もしましたが、この品種でこれだけの凝縮感が出るというのは大変な驚きでした。流石、メルシャンが気合を入れて作ったワインだけあります^^雰囲気としては、若干濃い目で土系の香りなどがある、たまにボルドーと間違えてしまいそうになるブルゴーニュワインと似ているでしょうか。
2007年10月29日
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ワイン会で飲んだワインの一つです。ルバイヤート 甲州樽貯蔵06。山梨県の丸藤葡萄酒の作るワインです。「日本の食に合うワイン」をテーマに甲州種のワインを、シュール・リー製法で作っており、本ワインはその中でも小樽で熟成を重ねたもので、標準レベルのものより少し高めになっています。価格は写真のお店で2200円。大体このくらいが相場のようですね。色はレモンイエローで、結構濃さがあります。これまで飲んだ甲州のものとはかなり違いますね。やはり樽熟によるのでしょう。香りは、やはりシュール・リーによる酵母や白い花の香りが出ています。樽熟による木や微かにバニラを思わせるような風味もあるにはありますが、シュール・リーの香りを超えるほどではありません。また、酸味を感じさせる柑橘系の香りもあるのですが、こちらは樽の影響を少し受けているのか、まろやかさや甘さのあるミカンといった感じです。あと、ミネラルも少し感じました。味わいは、甲州にしては意外と果実味を感じまして、その中に、なかなか骨太な酸味がバシッとあります。酸味とともに少しのミネラルや旨みも感じるでしょうか。後口には甲州特有の苦味が微かに残ります。ボディーはシュール・リーによるであろうまろやかさを感じます。重さはありませんね。やはり、合わせるなら和食だと思います。通常のシュール・リーよりも味がやや強めなのでさらに合う幅が広そうです。飲んでみて思ったのはやはりおでんが食べたいということですね。時期のせいかもしれませんが^^味的には、関西風の薄めで出汁の味を感じるものが良さそう。また、焼き鳥(塩)も良さそうです。塩にちょっとこだわって、鳥の旨みをバッチリ引き出したいところ。刺身なら、まろやかさがありますから、ブリなどの脂の乗った白身がよさそうです。樽貯蔵ということで、やや強さがありますが今の段階でも十分おいしいです。また、後2、3年経ったらどうなるかも興味深いです。
2007年10月23日
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今回のワインは甲州ワインです。最近話題の生産者、金井醸造のキャネー甲州 万力山06です。前に、万力獅子岩06の記事を書いていますが、そのときに一緒に買っていたものです。こちらは、甲州種のブドウを用いているところは同じですが、皮まで一緒に醸すという醸造法を採っています。価格は1600円ですが、残念ながら楽天での取り扱いは無いようです。色は、皮まで醸していることから薄いピンク色。ほんの少し紫のニュアンスもあるでしょうか。香りは、抜栓してすぐは硫黄っぽいいわゆる還元臭がはっきりあります。ただ、シュール・リーによるであろう白い花や少しのバナナを感じさせる香りは感じられました。グラスに注いでから時間が経つと、ミネラルや吟醸香が表われてきます。さらに、2日目3日目と経つにつれ還元臭が飛んで行き、上記シュール・リーの香りやミネラル、吟醸香を中心に桜の花やアセロラのような香り、微かながら柑橘やリンゴ、桃といった香りも感じられるようになってきました。味わいは、甲州にしては明るい、はつらつ感のある酸味が特徴的。旨みもなかなかあります。また、抜栓1日目は結構果実味も感じられ、味わい的には1日目が一番親しみやすいかもしれません。2日目3日目と経つにつれ酸味が主役に。そして、ミネラル感も表われてきます。食事との組み合わせでは、あまり鮮魚系と相性が良さそうな印象は無かったです。むしろ、火が通っていて出汁系のもの、これからの季節だとおでんなんかいいんじゃないかと思います。また、鶏肉の酢醤油煮や肉じゃが(いずれも味は濃すぎない程度で)なんかにも面白そうです。やはり、和食が欲しくなるタイプのワインだと思います。これはなかなかいいワインといえそうです。世界のワインと比べても、同価格帯の中では選ばれるワインだと思います。個人的には、果実味の程度や還元臭後の香りなんかから万力獅子岩よりもこちらが好みかもしれません。
2007年09月27日
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ワイン会3本目は、ぼんぼん0328さんオススメの金井醸造のワインです。shuz1127さんも飲まれていらっしゃるものですね。キャネー甲州 万力獅子岩06です。金井醸造は、日本における自然派ワインの生産者として最近話題ですよね。ニコラ・ジョリーも来日の際には立ち寄ったとか。2本目のフジクレール 甲州シュール・リーとの飲み比べというつもりで用意しました。価格は1600円程度ですが、楽天での取り扱いは無いようです。さらに、なかなか人気の商品で、かつ生産量も少ないということもあって、ちょっと手に入りにくい状態です。色は、フジッコのものと同じように黄色感はほぼ無ありません。ただ、やや濁っているような感じで、光りの加減によってはそれが淡いピンク色に見えます。香りは、これもシュール・リーなのかな?というような酵母系の香り、あるいは日本酒の吟醸酒的な香りがあります。また、このワインにも結構ミネラル感が感じられました。その他、レモン的な柑橘香がありましたし、リンゴ香も時間とともに出てくるのですが、フジッコのものが爽やかな青リンゴ系であるのに対し、こちらはどちらかと言えば蜜入りリンゴのような印象です。味は辛口。そして、こちらもしっかりした酸味が乗っているのが特徴です。果実味は控えめです。後口には甲州らしい苦味が残りますが、これはフジッコのものよりもはっきり出ているようです。ボディーは軽い!という感じではなく、これもミディアム程度でしょうか。ややしっとりした印象を受けました。優しい味わいですから、やはり食事にはよく合います。会で出していただいた鶏肉のおろし煮にもよく合っていましたし、その他焼き魚など火の通った魚介類にも良さそう。会に参加して下さっていた方からは、「イカにも合いそう」という声も出ていました。なかなか美味しいワインでしたが、惜しむらくは、やはりワイン会なので1日で飲んでしまったことでしょうか。おそらく2日目3日目と落ち着いていくタイプのものでしょう。抜栓してすぐはまだまだ開いていない印象でしたし。金井醸造のワインは、もう一つ「万力山」も持っているので、こちらはじっくり飲んでまた記事にしたいと思います。買ったお店の商品紹介にも「3日くらいは硫黄っぽい香りが落ちつかない」と書いてありましたし…。
2007年08月23日
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ワイン会2本目は甲州です。busuka-sanさんも飲まれているフジクレール 甲州シュール・リーです。お豆さんでお馴染みのフジッコが作るワインです。大きな会社のワインですから大量生産品かと思いきや丁寧に少量生産で作っているのだそうです。セパージュはもちろん甲州100%。値段はどこも1575円のようです。色はほぼ透明。欧州品種の白ワインに良くある黄色っぽさは全くといっていいほどみられません。香りは、やはりシュール・リー製法によるためか酵母や白い花といった香りがはっきり出ています。また、甲州にはイメージが無かったのですが、結構ミネラル感が出ていて、やや土的な香りが感じられました。その他、レモン的な柑橘香や時間経過とともに甲州らしい爽やかなリンゴの香りも感じられるようになりました。味は、酸がしっかりしているのが特徴。甲州らしい苦味も微かにではありますが感じられました。果実味はほんわかある程度で、結構しっかりと辛口でした。ボディは軽い、というほどでもなく白ワインの中ではミディアムといっていいくらいです。余韻も、酵母感と酸味が主役。食事にあわせるなら、やはり和食でしょう。合わないものを探す方が難しいくらいですが、会で出していただいた鶏肉のおろし煮との相性はよく、あっさりめの味付けの鳥料理にはいいようです。また、魚に関して相性良さそうなのですが、刺身などの鮮魚系なら会なんかが良さそうで、それ以上に、魚なら焼いた方がさらにいい相性を見せると思います。香りと辛さが相まって、やや日本酒的な印象も受けました。しかし、この価格帯のワインの中ではなかなかに複雑で、楽しめるワインだと思います。やや控えめではあるかなという気もしますが、その分食中酒としてはかなり優秀だといえるでしょう。やはり、フジッコのお豆さんとのマリアージュを試して見なければいけませんね^^
2007年08月21日
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台風の雨風が物凄い中、またも国産、そして甲州種のワインです。ポルトガルワインの輸入でもお馴染み!?の木下インターナショナルの系列会社、シャトー酒折の甲州 樽発酵06です。フランスはアリエ産の樽で発酵させたものだそうです。価格は1500円~2000円程度で、写真のお店で1869円です。色はほぼ透明。樽を使っていながら黄色のニュアンスがかろうじてあるのかな、という程度。香りは、酸味を感じる柑橘系の香りがはっきり見られます。レモンよりはやや濃い、はっさく的とでもいうべきでしょうか。さらに、白い花やほんのすこ~しの樽のニュアンスもあり、結構複雑。その後、時間経過とともに甲州らしい青リンゴの香りが強くなり、青リンゴ中心で柑橘の香りが要素として加わる、というレベルにまでなりました。味は酸味中心の辛口。そこに、かすかに優しい果実味が感じられます。ボディも軽めですが、シャープというよりも優しく丸く、そして繊細な印象です。ただ、爽やかな香りや味わいに見合ったみずみずしさもあります。余韻は樽や青リンゴっぽいものが少しありますが、あまり長くはありません。食事にあわせるなら白身魚の香草焼きなんて面白いと思います。ただ、ソースで食べるというよりはレモンを搾るタイプの方がいいでしょう。あとは、この手のワインにはやはり鶏肉の塩焼き(焼き鳥含む)にレモン搾って食べるのには美味しいでしょうし、天麩羅を塩で、なんてのやハーブを利かせたオイルパスタにも面白いかも。もちろん、刺身なんかの鮮魚系にも良しです。甲州種のワインらしいワインです。食事にもあわせやすいですし。食事との組み合わせでは、レモンを絞ったものとの話を書きましたが、個人的にはスダチやカボスなんかと合わせるとどうなるのか興味深いところです。価格的に1500円台~1700円くらいまでで見つけられればなかなかにお買い得だと思います。
2007年07月14日
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続けて勝沼醸造のワインを。こちらは辛口のアルガブランカ イセハラの06です。セパージュはやっぱり甲州100%です。品名のイセハラとは山梨県の伊勢原という地名だそうです。農協での一括購入ではなく、契約栽培者からの直接購入を行うことで特定の土地のブドウに限定して作っているそうです。限定生産ものです。価格は2000円程度で、写真のお店では2100円なのですが、残念ながら楽天ではどこも売り切れでした><写真のお店では「入荷待ち」となっていたのでいずれ入るかもしれません。色は、樽熟成はしていないためか薄い黄色(最近こればっかり^^;)。麦わら系という感じです。香りは、やはりソーヴィニヨン・ブランと似た品種だといわれるだけあって、やや青さを感じるグレープフルーツ香がはっきり感じられます。そこに、やや、ミュスカデのワインなどがたまに持っている酵母っぽい香りもふわりと感じられます。また、ゴッタシロシオほどではありませんが、ややみかん的なニュアンスも。味わいは、辛口ではありますが果実味はしっかりあります。酸はこちらもやや控えめで、グレープフルーツ系の苦味があります。ただ、ゴッタシロシオと比べた場合、苦味はもう少しおとなしく、酸ははっきりしているといった感じで、こちらは果実味に対し酸と苦味の共同でバランスを取っている印象です。余韻には青リンゴを感じました。食事との相性はいいワインだと思います。やはり、塩味の焼き鳥など合うと思います。また、ソーヴィニヨン・ブラン系の青い香りのおかげで菜っ葉の漬物とはよく合っていました。なので、青い葉物野菜との相性は色々試してみたくなる感じです。限定生産で数が少ないため手に入りにくいのが難点ですが、国産の甲州ワインがこういう味わいにもなるという資料的価値もあるワインだと思います。和食との相性もいいワインだと言えるでしょう。ただ、ソーヴィニヨン・ブランぽい香りになっている分、複雑なサンセールやパワフルなNZのソーヴィニヨンブランと比べたときに、ずば抜けたインパクトという点ではやや物足りないかも。ブラインドテイスティングで出したら面白いと思いますw
2007年07月10日
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ドイツの次は国産の甘口ワインを。山梨の勝沼醸造のアルガーノゴッタシロシオです。セパージュはもちろん甲州100%。勝沼醸造では、甘口のワインは極甘口以外はほとんど辛口で、甘口はこのゴッタシロシオだけだとか。価格は、楽天では写真のお店だけの扱いのようで、1680円です。色は、薄い黄色ではありますが、その中でもやや黄色が出ていて、麦わらっぽい印象。香りは、柑橘系が主体です。ただ、その柑橘がよくあるグレープフルーツやレモンではなく温州みかんのような感じなのが面白いです。ややミュスカデのようなニュアンスも感じられます。その奥に、少し洋梨っぽさもあるでしょうか。ふわりとした優しい感じです。味わいは、甘口なので当然甘いですw結構しっかりしてますね。酸味に関しては、それほど感じず裏方に回っているといっていいでしょう。甘さとのバランスは、寧ろ苦味が取っているというべきです。グレープフルーツ系の苦味が開けたてからはっきりと感じられます。余韻はリンゴっぽいものがふわりとあります。つまみなのですが、漬物が面白いです。塩味主体のナスや菜っ葉なんかはもちろんですが、ちょっと甘めのタクアンなんかいいです。食事にあわせるなら、魚の甘露煮なんか面白いんじゃないかと思います。他にも、和食で少し甘めの味付けになっているものは、あわせてみる価値はありそうです。ドイツワインと比べると、酸やミネラルの点で明確な違い(こちらは控えめないし感じないです)があり、こちらはやや「暗い」印象を受けます。それだけに、甘口ワインのカテゴリーの中で独自の存在感を持つに至っているともいえると思います。ただ、丸く優しいワインで、誰でも飲みやすくいただけるかなという印象は、このワインにも持ちました。
2007年07月08日
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白続きになりますが、今回は国産ワイン。シャトー・メルシャン シャルドネ&甲州無濾過05です。価格は1500円前後が相場で、写真のお店は1450円です。福島産シャルドネ48%。長野産シャルドネ17%、山梨産甲州35%というセパージュで、無濾過で作られています。しっかり樽を効かせた作りになっていて、香りはナッツやバターのような濃厚な香りが先にたちます。しかし、それだけでなくハーブやグレープフルーツの香りやハチミツのニュアンスもあります。味わいはやはり樽の効いた厚みのある味わいですが、それでいて滑らかでもあり、こってりエレガント系といったところでしょうか。酸味や苦味、甘さもバランスよく、複雑に調和しています。面白いのは、フィニッシュにこってり系とはまた違う、爽やかでみずみずしい味わいがあり、それが違和感なく、ナチュラルに感じられます。甲州のなせる業でしょうか。イメージ的には、カリフォルニアというよりはブルゴーニュのシャルドネで、ムルソー系というよりはモンラッシェ系、といった具合でしょうか。つまみには、国産ワインということで塩ダレの焼き鳥をあわせてみましたが、まあまあよかったと思います。厚みのあるワインなので、魚系よりは鶏肉なんかの方がいいように感じました。ただ、上記のような作りになっているのでバターや生クリームを使った白身魚や鶏肉の料理の方がいい組み合わせのような気もします。美味い国産ワインというとちょっと値段が張るイメージがあったので、この価格でこういったワインが飲めるというのは以外でした。下手な外国産のシャルドネよりコストパフォーマンスは高いと思いますよ。
2007年05月17日
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