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先日のお寿司とシャンパーニュとシャルドネの会のワイン、ここからはシャルドネのスティルワイン編です。最初は岡山産のこちら。シャルドネ2011。生産者TETTAは岡山県新見市にあるブドウ園です。今はまだ醸造施設は無く、山梨の大和葡萄酒での依託醸造となっています。醸造施設は、27年完成とのことで今から楽しみです。こちらは、先日訪問してきましたので、このシリーズ終わり次第記事にします。価格は、3150円ですが既に岡山でもまず見かけない状態です。色は黄色。薄めではありますが、レモン系のそれよりはしっかり目。香りはミツ、バター、ナッツ、柑橘でもオレンジやオレンジの皮、蒸したサツマイモといったしっかりしたニュアンスが出ています。そこに、ミネラルっぽさやフローラル、リンゴ、グレープフルーツ、蜜柑といったフルーツっぽさが加わります。少々の洋ナシのような雰囲気もあったでしょうか。味わいは旨みしっかり。果実味は香りの印象ほど膨らんでは来ず、繊細でk楽チな印象です。酸は、明るさはあるもののインパクトとしては大人しく、パッと咲いてスッと消えるような感じ。少々のアルコール感も。ボディはミディアムライトで、骨格は感じます。会では、イサキの昆布締めやヤリイカ、赤身のヅケのタイミングで飲みました。イサキとは、濃いニュアンスが出ていることから香りの面での相性はそこまでではありませんでしたが、旨み同士の引き合いは見せてくれました。また、ヤリイカとは、甘みとほのかな果実味の相性のよさをまずまず感じられました。一番良かったのは赤身です。マグロの香りに醤油の雰囲気が軽く加わったヅケと、ワインの濃さのある香りが驚くほど一体感を見せます。また、鉄っぽさを伴う強い旨みとワインのボディや果実味、旨みといった要素がこれまたマッチ。赤身には軽めの赤というイメージがありましたが、しっかり目のシャルドネもバッチリですね。春頃のリリース直後のものを飲んだときは、そっけなくてややモタつく印象でこれは早すぎるといった感じだったのですが、半年近くたって漸くちょっと開いてきたかなといった感じでした。11年は簡単な年ではなかったそうですが、それでも実力を感じさせてくれました。今後の変化も興味深いところですが、手元にはもうありません><にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年09月01日
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先日6日、国産ワインコンクール2013の審査結果発表がありました。やはり、今年もシャトー・メルシャンやマンズワインの強さが光っていますが、欧州系品種赤で金・コストパフォーマンス賞を受賞した新潟・胎内高原ワイナリーのツヴァイゲルトのように今年も新しい顔が上位に見えますね。中でも、国内改良等品種赤のジャンルは驚きでした。金・部門最高・コストパフォーマンスの三賞を獲得したのが山形・朝日町ワインの遅摘みマスカット・ベリーA。山形のワインには注目していましたが、とうとう金賞を獲得したんだなあ、と。ただ、それだけでなく、サッポロワイン岡山ワイナリーのマスカット・ベリーA・バレルセレクトや、能登ワインのクオネス・ヤマ・ソーヴィニョンといったところが金賞を受賞、また広島のせらワインのマスカット・ベリーAが銀賞を受賞、さらに、ひるぜんワインの赤が銅賞を受賞するなど、非常に多彩な産地の顔ぶれとなっています。ベリーAやヤマブドウ系品種は日本に適した品種で、様々な場所で作られており、そのワインも様々なワイナリーで作られていますが、それがこうして国産ワインコンクールで高く評価されるようになってきたと言うのは、日本ワインの進化を感じさせてくれますね。また、品種で言いますと、欧州系品種赤には上記胎内高原ワイナリーのツヴァイゲルトに加え、サッポロワインのものやもう定番ですが岩手エーデルワインのものとツヴァイゲルトが少しづつながら増えてきていることも注目です。やはり、このジャンルの支配的品種はメルローですが、ツヴァイゲルトも、東北以北でないと難しくはあるでしょうが、日本にあった品種なようですし、これからのますますの発展に期待したいところです。加えて、欧州系品種白でも、これまでシャルドネの独壇場だったものが、ケルナーが徐々に増えてきて、さらに、今回はっきりソーヴィニヨン・ブランが、その存在感を増してきたといえそうです。シャトー・メルシャンのマリコヴィンヤードのものは勿論、マンズのソラリス信州ソーヴィニヨン・ブラン、小布施ワイナリーのもの、あづみアップルのものといくつか見られるようになってきています。個人的に、日本の、長野や山梨のソーヴィニヨン・ブランはかなり興味深いところですので、今後を注視していきたいです。今年度も色々発見がありました。公開テイスティングには是非行ってみたかったですが、チケットは既に売り切れていました><来年こそは参加したいところです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年08月12日
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今回は甲州です。和食によく合う夏にも美味しい一本。アルガブランカ・クラレーザ2012。生産者は勝沼醸造。1937年創業の、その名の通り山梨県かったんですね。にあるワイナリーです。元々は近隣の農家が集まって作った共同醸造施設だったようです。現在は山梨を代表する生産者となり、欧州系品種は勿論山梨の個性とも言える甲州に力を入れており、本ワインもその一つですがアルガブランカというブランドを作り、プレミアムなワイン作りを行っています。セパージュは、勿論甲州100%。価格は写真のお店で1700円です。色は薄い黄色ながらも少し灰色、グリ感を感じるものとなっています。香りはまさに甲州。バナナやリンゴといったニュアンスが中心で、そこにミカンやユズといった柑橘っぽさが加わります。さらに、梨、ビワのような雰囲気も感じられました。その他、吟醸酒っぽさないし白い花のような要素も、フルーツ感よりは控え目ですが感じられはしました。味わいは、旨味が思った以上にしっかり出ていました。酸も、しっとり系ですがしなやかで強さのあるものがキッチリ入っています。その酸と互するようなバランスで、ミカン的な暖かみのある果実味が感じられました。また、後口には微かな苦味も。ボディはライト。クリアーさと柔らかさを併せ持つ飲み口のよさがあります。食事とは、今回は徹底的に和食と合わせてみました。イカとワカメの酢味噌あえをつまむと、酢味噌の甘みとワインの果実味が結構引き合い、さらにイカの旨味や塩気、ワカメの香りなどが酢味噌+果実味、香りによる味わいの膨らみのいいアクセントになってくれました。また、アユの塩焼きと合わせると、アユの身以上に内臓部分との相性が良かったです。香りのバナナの白い花っぽさの部分が、内臓の持つ香りの甘さとよく結び付きます。その他、野菜の天ぷらや南瓜の煮物なら、甘みとのマリアージュがありましたし、お鮨ならサーモンやマグロ、エビといった味のしっかりしたネタとの相性が良かったです。まあ、和食との相性は流石の一言です。ここまで言いとは正直思いませんでした。ただ、やはり、刺身のような素材そのものを楽しむものよりも、一手間加えたものの方が相性がいいようです。あと、ちょっと驚いたのが酵母っぽさがフルーツ感よりかなり大人しかった事です。いつもはもう少し存在感あるのですが、やはりビッグヴィンテージである2012年ならではと言うことでしょうか。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年08月06日
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先日の1日日本ワインバーの余り、2本目は長野のピノ・ノワールです。ピノ・ノワール2012。生産者はすみふぁーむは長野県東御市のワイナリー。2009ヴィンテージがファーストという新しいつくり手です。長野のワイン特区にあり、生産量は少なく極めて小さな作り手ながら、ワイナリーとしての認可を得、ピノ・ノワールの他、メルローやシャルドネ、それに甲州といった品種を栽培しています。セパージュは勿論長野産ピノ・ノワール100%。価格は3024円ですが、楽天内では既に完売。色は薄く、ガーネットというほどでは無い程度の茶色感のあるルビーといった感じ。香りはイチゴジャムっぽさを中心に、赤ベリー系統のものが良く出ています。また、ちょっと土っぽいミネラルな雰囲気や茶色いスパイスといった要素も。また、時間と共に、干しブドウやドライアプリコット、少々のコーラっぽさやアンコのようなニュアンス、それにハーブや青っぽさといったものが現われました。味わいは、旨みしっかりの味わいに、渋味やアルコール感のアタックがあります。アタックの印象が落ち着くと、ほんのりとした、やや温かみのある果実味としっとりした酸が出てくるといった感じ。ボディはライトなものですが丸く、ほんわかしています。食事との相性は結構複雑。ローストチキンをつまんでみましたが、そこまで嵌るという感じでもなく。ただ、塩気や旨みが口の印象を変える文字通りのつまみとしては働いてくれました。赤身の刺身とあわせてみますと、個人的に軽めのピノとこの組み合わせは好きなのですが、やはりマリアージュ感はなし。やはり肉系か?と思い、ローストビーフとローストポークを合わせてみましたが、ビーフの方にはやはり力負け感があり、ポークの方とは肉の鉄っぽさも引き立つなかなかの合性となりました。独特な世界観のあるワインです。いわゆるピノ・ノワールのイメージで飲むとちょっと驚くかもしれませんが、じっくり付き合えばその個性を楽しめるかと思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年07月29日
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先日行いました1日日本ワインバー第2弾で余ったワインを持ち帰って飲みましたので、ちょっと個別記事に。今回は、個人的に気に入っているココファームのケルナーです。月を待つ2011。生産者はココファームですが、使用しているのは北海道の余市で作られたブドウです。醸造用ブドウを作られている藤澤さんが手がけたブドウです。北海道では最近、余市などを中心に醸造所を持たないものの、醸造品種を手がけ、ワイナリーに売ったり、いたく醸造したりする農家の方が増えているようで興味深いところです。セパージュは、勿論ケルナー100%。価格は、写真のお店で3000円です。色はこの手の品種らしい薄い黄色。レモネード的色合いです。香りはケルナーの華やかさ全開。開けて直ぐはパッションフルーツやグレープフルーツのニュアンスしっかり。そこに洋梨や白い花や少々のグリーンハーブっぽさといったようなものが加わる感じです。時間と共に、蜜柑や柚子といった和柑橘、アプリコット、柿、ミネラル、それにケルナーらしい硬い緑の葉といったものが現われてきました。味わいは、丸くほんわかした果実味が最初に拡がりますが、その奥からしっとり系ながらもシャープさのある酸が前に出てきます。また、酸の印象が前に出ると共に旨みやミネラルも一緒に出てきますね。また、後口には苦味も少々。ボディはミディアムで、クリアーさがあります。また、開けて直ぐは微発泡しています。1日日本ワインバーの際はチーズがおつまみでしたが、勿論食事にもよく合うタイプ。刺身ですと、やはり白身。鯛とあわせましたが、醤油しっかりつけても問題なし。醤油の香味とはお互い影響を与え合わず、唯一関連性を持ったのは塩気くらいです。鯛の旨みや香り、そしてその塩気とワインのミネラル感や柑橘っぽさが嵌ります。また、時間が経って緑の葉っぱ的ニュアンスが強まってきますと、焼き鳥(塩)やローストポークなど、肉類との相性が良くなる感じ。特に、豚肉の香りとは、スパイス的な感じでいい具合にマッチしました。流石の完成度です。香りもしっかり、味わいのバランスもキレイです。開けたては酸味が前に来てますが。よく冷やしてフレッシュに楽しめますし、時間経過後は結構しっとり付き合えます。同じくココファームの手がける北海道のケルナーとしては、北海ケルナーがありますが、比べますとエキス分やボリュームの点ではもう少し大人しく、アロマティックな印象といったところです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年07月27日
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さて、先日行いました日本ワイン+会のワイン、ここからは赤。今回はワイナリー訪問で買ってきた栃木のワインです。マスカット・ベーリーA。生産者那須ワインへは今年の3月末にお邪魔してきました。ボルドーのピション・ラランド等のワイナリーで勤められた後、シャトー・ベルナドットの立ち上げに関わられたという渡邊氏が現在ワイン作りを引き継いでいる、100年以上の歴史を持つ老舗ワイナリーです。創業当初はマスカット・ベーリーAやナイヤガラといった品種を栽培、現在はボルドー系品種に力を入れています。訪問時に畑を見せていただいた際にも、棚栽培の古木と垣根栽培の若木があったのが印象的でした。価格は、写真のお店では1980円。楽天内にも取扱いがあります。色はしっかり黒さを感じます。基調的にはガーネットでしょうか。エッジにかけてみられました。香りはまさに樽熟ベーリーA。ほのかなフォクシー感に梅ないしプラムっぽさ、ココア、チョコ、黒ベリー、少々のベジタブルといったものを感じます。時間と共に黒系のニュアンスとフォクシー感が混ざりあい甘いニュアンスになる感じで、さらに、赤ベリーやダークチェリーなど赤さを感じるフルーツが出てきました。味わいは円やかで穏やかながらも、割りと温かみのある果実味が中心。酸は、乳酸系の明るいものが果実味の奥からのぞくといった感じ。前に出るわけではありませんがダレさせない仕事はしています。タンニンは滑らかで、渋味もあまり感じず。ボディは柔らかなミディアムライト。会では、鳥肉のモホソースからパエリャの辺りで飲みましたが、やはり鳥肉との相性は素晴らしいですね。鳥肉の塩気を伴う旨みとワインの果実味+酸のバランスが良くかみ合いますし、鳥の脂とワインのボディ、微かなタンニンの相性も良好です。モホソースとも、ワインの果実味と塩気と甘みの対比のマリアージュが見られましたし、香りの面でもまずまず。一方、パエリャとは、やはり貝系との相性は、少々の生臭みが出てしまいあまりよくない感じでした。一方、旨みを吸った米は存外いつまみになりました。樽熟ベーリーAの典型というべきものですが、果実味の出方と酸、樽のニュアンスの強さなどなどバランス感は非常に良く、結構ありそうでない感じになっています。ベーリーAの赤の定番にしたいワインの一つかと思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年07月01日
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まだまだ続く日本ワイン+会のワイン、今回は赤に移る前に飲みましたロゼです。きすきのさくら。生産者は奥出雲ワイナリーです。このワインも、今年のワイナリー訪問時に購入してきたものです。自社農園のカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローを混醸したロゼワインです。毎年桜の季節頃にあわせてリリースされるそうで、限定物になります。因みに、奥出雲ワイナリーのふもとの木次(きすき)町は日本桜名所百選に選ばれた桜の名所だそうです。セパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー。価格は、楽天内で1575円ですが既に完売です。色はピンクです。やや赤みも感じますが、はっきりとピンクです。濃い目の桜色ともいえ、花見の時期には確かに最適でしょうね。香りはやはり赤いフルーツが中心。ラズベリー、クランベリー、チェリーといったものに加え、少々のピンクグレープフルーツっぽさも。また、柑橘では仄かにオレンジっぽさもあったでしょうか。ただ、時間と共に前述の要素の中に微かにですが、カベルネ由来と思われる鉛筆の芯のような雰囲気やもう少し色の濃いフルーツが見て取れました。味わいはやや辛口ということですが、甘いという程ではなくせいぜいフルーティといったくらい。酸味は意外と明るいタイプでフルーティさの中から顔を出します。ボディは意外とクリアーでシュッとした印象を受けるライト。渋味は感じませんが、ミネラル感はフルーティさより目立つ事はありませんが出ています。会では、チキンやパエリャのタイミングで飲みました。チキンとの相性はまあ間違いありません。鶏の旨みとワインのクリアーさやミネラル感が合いますし、そこに塩分が加わる事でフルーティさとの親和性も増します。モホソースの濃さにも消されるということはありませんでした。パエリャはムール貝などのシーフードのものでしたが、どちらかというと白ワインに近いようなタイプなので相性はまずまず。貝やエビの旨み、塩分、ダシを吸った米といったものとワインの酒質、フルーティさといったものが結構調和しました。ミネラル感も、前面には来ませんがいい仕事してました。奥出雲ワイナリーは通常キュヴェのロゼも美味しいですが、こちらもよく出来たワインだと感じます。通常キュヴェより少し白ワイン寄りな感じでしょうか。また、来年の桜の時期にもワイナリーに行ってみたいものです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年06月29日
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さて、先日の日本ワイン+会のワイン、今回はメインテーマだった新潟のアルバリーニョです。アルバリーニョ2010。生産者フェルミエは、新潟のカーブドッチでワイン作りやワイナリー経営を学び、同社の敷地内に2006年に誕生したワイナリーです。アルバリーニョはスペインでは海のワインとして親しまれていますが、新潟の魚介に合わせるワインをということで手がけられたそうで、カベルネ・フランと共に、最初期から栽培されています。価格は5250円くらいですが、楽天内では既に完売です。色はツヤ感もある黄色。スペインのものと比べますと大分濃さがあります。香りは…実は軽いブショネだったのでは?というような古いリンゴ系のニュアンスが出ており、1時間前くらいには抜栓していましたが、グラスに注いで直ぐは他の要素を殆ど感じないという状況でした。ただ、グラスの中で暫く置いていると、徐々に青リンゴやローリエなどのハーブ、そのハーブっぽさに連なる感じでの微かなヨード感、青い柑橘や蜜柑っぽさといったものが感じられはする、といったところには来ました。味わいも、グラスに注いで直ぐはよく言えばバランスがいい、悪く言えば特徴が無い感じで、ただ、その中でも、なめらかで目の詰まった、微かにエキスも感じるミディライトなボディは印象的でした。そして、やはり時間と共に徐々にですが繊細ながらもわりと温かみのある果実味、しっとり旨みを伴う酸といったものが感じられるように。少々の渋味のようなものもありつつ、突出した要素はないといった感じでした。会では、タパス、アヒージョ、鳥肉のモホソースのタイミングで飲みましたが、タパスのときはグラスに注いで直ぐのタイミングでしたので、生ハムとあわせるとちょっと落ち着くかなといった程度。アヒージョの辺りから徐々に良くなってきて、オイルの旨み・コクをまとった小エビとなかなかの相性でした。鳥肉とは、モホソースの旨み、塩気とワインのほのかな果実やヨード感が引き合うところを見せましたが、鳥肉とはそこまででもなしといった感じでした。最初はどうなる事かと思いましたが、時間と共にスペインのアルバリーニョに近づくような感じを受けました。むしろ、後半の伸びはこちらの方があったかもしれません。加えて、酒質に構成力も感じられ、もののよさは感じられました。それだけに、なんとかもう一度試してみたいものです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年06月27日
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先日の日本ワイン+会のワイン、続いてはワイナリーを訪問した際に購入してきた1本です。アブソリュート・エゴ・キレキレ。生産者はヒトミワイナリー。滋賀県東近江にあるワイナリーで、にごりワインで有名です。また、地元で古くから作られていたというデラウェアも大事にしています。本ワインも、デラウェア100%。まだ若い目のデラウェアを使用し、辛口に仕上げています。色は薄い黄色。あまり濃いものではありません。香りは、酵母っぽさも感じますが、ワイナリー訪問時のものより少し落ち着いており、フルーティさが軸となっているでしょうか。デラウェアそのもののニュアンスやパッションフルーツなどの南国フルーツ系ニュアンス、微かなスゥイーティや蜜柑っぽさといったものを感じます。その他、デラのニュアンスの中にあるスパイシーな雰囲気がちょっと際立ってきていた他、うり科の実っぽさも。味わいは。ワイナリー訪問時の試飲で驚いたとおり明るく、強く、キレのある酸がメイン。ただ、試飲時の印象と比べるとちょっとまろやかさが出ているでしょうか。加えて、果実味がほんの~りとですがあり、酸の印象が去った後ふわりとフルーティさを感じさせてくれました。ミネラル感もそこそこ。ボディは、凝縮感、とまではいいませんがそれでもハリと目の詰まった印象を受けるライトです。会では、タパスとサラダのタイミングで飲みましたが、やはりいいつまみになりました。ドライトマトは、甘みが強かったのでちょっとワインの印象が負け気味でしたが、フェタキューブやケッパー、生ハムとは、塩気と酸の相性が良好でした。加えて、それらが反応しあった後ふっと消え果実味をより感じやすくさせてくれたように思います。香りの面では、最も好相性だったのはケッパーでしょうか。独特の、青い木の実的雰囲気と、ワインのウリ科の実っぽさやデラのニュアンスが意外とマッチしました。試飲時印象ですと、飲めない!という方もいらっしゃるかなと思いましたが、つまみがたっぷりあった事と、ワイン自体が少し円やかになっていたことから、皆さん問題なく飲めていたようでした。因みに、これブラインドでやってみましたがデラウェアと当てられた方はいらっしゃりませんでした^^にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年06月23日
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というわけで、ここからは先日の日本ワイン+会のワインです。最初はさっぱり頂ける微発泡のこちら。クレマチス・橙2012。生産者は四恩醸造。山梨県の牧丘にあり、元々はキリスト教系の四恩学園ナザレ幼稚園の農業体験用農園だったところを、ブドウを植えているのでワイナリーにしようということで始まったというワイナリーです。有機無農薬栽培や、醸造において酸化防止剤を控えたつくりといったことを実践されています。セパージュは甲州100%。微発泡でろ過もしていないタイプです。価格は1785円でしたが、楽天内では既に完売。色はオレンジ。ピンクや灰色がかった甲州ブドウを皮ごと醸しているワインです。泡は微発泡ですが結構勢いありました。キメが細かく、少しビール的。香りは、開けて直ぐは酵母、白い花、それに少々のミネラルといった要素が支配的。しかし、時間と共にフルーティさも出てきて、蜜柑や柚子、バナナ、黄桃、軽いリンゴといった要素を感じられるようになりました。ただ、皮ごと醸すタイプですのでバナナ感はやや強めかも知れません。あと、微かな茶色いスパイスっぽさも。味わいは、2012という年の影響なのか、今回はややふくよかさ、円やかさ、果実味といったものを感じました。酸味はそう主張するものではなく、温かみのある果実味を後ろからアクセント的に支えるといったところ。それでも、ボディはライトで、泡の影響もあってかすっきりした印象。旨みも十分です。会では、タパスのタイミングで飲みましたが、基本的にどれもいいつまみになりました。なかでも、ハーブと一緒だったフェタチーズは、ワインのほんのりあるふくよかさとチーズの旨みやコクが合いましたし、香りの面でもハーブとフルーティさが、チーズその物の香りとワインの酵母っぽさがいい感じでした。また、生ハムやサラミとは、旨み同士の相性の良さに加え、肉の塩気とワインの果実味のバランスが非常によく嵌っていました。あと、サラダの瑞々しさがワインのすっきり感に合っていたのも結構面白かったです。最近は毎ヴィンテージのように飲んでいますが、相変わらず美味しいです。微発泡や酵母っぽさ、無濾過の色合いなどなど個性的な要素は多いですが、その奥には穏やかで丁寧な美味しさがあります。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年06月21日
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今回のワインはサッポロワイン岡山ワイナリーが作る岡山産ブドウ100%の赤です。ちょっと特別なものになっています。岡山マスカット・ベリーA樽熟成2010。生産者はサッポロワイン岡山ワイナリーです。言わずと知れた日本ワインの大手生産者であるサッポロワイン。グランポレールシリーズは山梨ワイナリーで、その他廉価なレンジなどはこの岡山ワイナリーで生産しています。一方、ブドウどころである岡山県赤磐市のワイナリーだけあって地元産ブドウを使ったワインの生産も行っており、特に、マスカット・ベリーAを用いたものはグランポレールシリーズにも負けないコストパフォーマンスがある、と個人的には思っています^^こちらは、広島資本のスーパー「フレスタ」と提携し作られたオリジナルのベリーAで、どうやら岡山県内のフレスタでしか購入できないようです。価格は1980円程度でしたが、ちょっと割引価格で買えました^^色は黒さは感じますが透明度もあり、黒っぽいルビーとでも言ったような印象。香りはフルーティさが強く、プルーン、ブルーベリー、ブラックベリー、赤ベリーのコンポート、それにスモモやヤマモモを思わせるような雰囲気がありました。加えて、樽熟由来であろう少々のココアやチョコっぽさ、シナモン、クローヴなどの茶色いスパイス、加えて甘草っぽさや微かなココナッツミルク的ニュアンスといったものも感じられました。定番のフォクシーフレーヴァーの印象は実はあまりなく、それっぽいものが甘いニュアンスと混ざってかちょっとパプリカのような要素を感じた程度です。味わいは香りの印象とは打って変わって酸味主体です。明るく、小さな赤ベリーを思わせるような結構フレッシュな酸がばっちりメインに来ます。果実味は、開けてすぐはきわめて繊細で完全に裏方。時間とともに徐々に膨らんではきますが、それでも酸より前に出るような印象は受けませんでした。タンニンの印象もあまり強くなく、渋みは穏やかで、口当たりも滑らかです。ミネラル感も感じられ、割かししゅっとしたミディアムライトとなっています。単独でも結構飲めてしまいますが、やはり食事とあわせたほうが楽しいタイプでしょう。同じくフレスタで売っていました、チキンカツ、メンチカツ、鳥の蜂蜜焼きといったものとあわせますといい相性でした。チキンカツは塩とレモンで食べましたが、肉のうまみとワインのしゅっとした味わいがよくマッチしますし、油のボリュームに対しては、割と赤ワインらしくボディや渋みで押さえるようなこともしてくれました。この点はメンチカツに対しても同様です。加えて、メンチの肉っぽさに対しても、ワインの果実感の強い香りがよく合います。鳥の蜂蜜焼きとは、旨みの相性に加え、甘みのあるソースとワインの香りの相性がよく、また、大人しかった果実味を少し引き出してくれるようなところもありました。これ、なかなかの発見でした。バレルセレクトですとちょっと濃すぎて時間が必要なところがあり、一方で、プチグランポレールでは大人しすぎるかなという感じでしたが、これは非常にいいところを突いています。味わいのバランスもいいですし、香りもしっかりしており、岡山のベリーAのレベルの高さを感じられます。加えて、このラベルですから、県外のワイン好きな方へのプレゼントなんかにもいいかもしれませんね。岡山にお住まいの方で、近くにフレスタがおありなら、ぜひ一度チェックされてみてはいかがでしょうか。にほんブログ村にほんブログ村
2013年04月28日
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さて、先日の天婦羅と甲州の会のワインもこれで最後。白ばかりもなんですので1本だけ用意させていただいたマスカット・ベリーAの赤です。ベルカント・マスカット・ベリーA樽貯蔵2011。生産者山梨ワインは、そのスタートを1913年にまで遡る歴史あるつくり手。暫くは近隣農家による醸造協同組合だったそうですが、その後有限会社、株式会社と変遷を経ています。現在は勝沼ワイナリークラブに参加しているほか、フランスで修行してこられた4代目、野沢たかひこ氏が社長になられてからはアサンブラージュの会を組織されるなど、高品質なワイン作りに務めています。葡萄栽培においては、減農薬栽培を導入しているようです。価格は、写真のお店(エノテカです。国産扱うのは珍しいですね)で2056円。どこも大体同じような価格のようです。色は濃いルビーといったところ。しっかり赤いですが、そこに暗さ、黒さを感じます。香りはイチゴやイチゴジャムを感じますが、フォクシー感はかなり弱め。ラズベリーやダークチェリーも感じ、赤いフルーツの印象です。また、サクランボのリキュールのような雰囲気も少々。その他、土やキノコ系、樽とそれに関係するであろう少々のオイリーさ、さらに茶色いスパイスやオリエンタルハーブといったようなニュアンスも感じたでしょうか。味わいはミネラル感十分で、酸も乳酸系のそれが旨みを伴いじわっとしっとり感じられる辛口。果実味は穏やかに前記要素の背景として流れている感じですが、それ自体弱いものではありません。タンニンは意外と強く、しっかり渋味を感じます。ボディは柔らかなミディライトで、渋味の割りに滑らかさもありますが、後口の舌触りにやはり少しタンニンを感じます。会では、レンコンの辺りから飲み始めましたが、やはり根菜との相性はいいですね。甘みと果実味の相性、土っぽさと香りの相性はいい感じ。また、タンニンが油を穏やかに霧散させていくのもいいですね。また、思った以上に良かったのがカレー塩+アナゴ。アナゴの味わいにはいけるだろうとは踏んでいましたが、カレー塩のスパイス感にワインの香りのスパイスやハーブ、土系の要素が結構合うのは発見でした。割と樽の存在感はあるので、他に合わせるなら豚の角煮など脂のある肉などが面白そうです。ここのマスカット・ベリーAは以前ロゼのベルアルバを飲みまして、その出来の良さに驚いたのですが、こちらもなかなか良かったです。各要素がしっかりまとまっていますし、香りには華やかさも感じます。これがこのくらいの価格で買えるというのはやはりありがたいところです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年03月11日
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先日行いました天婦羅と甲州の会のワイン、続いては限定もののこちら。甲州アロマティック2011。生産者はシャトレーゼ勝沼ワイナリー。お菓子で有名なシャトレーゼですが、発祥は勝沼だったそうです。そんなシャトレーゼが、地元産業振興のため2000年に畑の購入やワイナリーの建設を0から行い創業したのが本ワイナリーです。このワインは、日川そばの砂礫土壌において栽培された甲州で、収穫時期を変えたり参加を抑えた醸造を行う事で一般的な甲州とはちょっと違った香りを引き出しています。価格は、2300円程度ですが楽天内ではもう取り扱いはなし。限定620本の生産だそうです。写真は、単独のものを撮り忘れています^^;上の写真の左から2番目の黄色いラベルがそれです。色は甲州のワインでイメージする極めて薄い黄色。といいますか、黄色はほぼ感じられず白といっていい程度。香りはアロマティックの名にふさわしい豊かなもので、強いのは柑橘。ハッサク、グレープフルーツ、蜜柑、柚子といった黄色いものだけでなく、カボスやライム的なみどりのそれも感じます。そこに、白桃っぽさや少々のパッションフルーツ等の南国系フルーツっぽさが加わるでしょうか。勿論フルーティなだけでなく、ミネラルや白コショウなどのスパイス、某かのハーブといったものもよく感じられます。味わいはドライでミネラリーです。強靭な酸がインパクトの大半をさらっていきます。柑橘系ですがややしっとりした酸でしょうか。ミネラル感も十分で、ボディはスレンダーでシャープなライトといった印象。しなやかな骨格も感じられます。果実味はほんのりアクセント程度ですが、後口に掛けて旨みはあります。ただ、やはり酸由来のキレのよさを感じました。会では、やはりどれとも良く合いましたが、中でも特に相性のいいものがありました。一番はエビですね。エビの甘みがワインのシビアな味わいに入り込んでいい味わいのバランスが生まれます。また、エビの甘み、殻の味わいというのはどこと無くミネラル感を感じ、ワインの質感や酸の味わいにマッチしました。エビが塩で食べるものだったのも良かったでしょうね。その他、蕗の薹の甘みを伴う苦味ともいいですし、意外とアナゴにもいけます。アナゴの筋肉質な味わいとワインの硬質感との相性がいいようで、カレー塩でも付け過ぎなければいけますし、塩ならさらにいい感じ。また、お店の方が白ワインと食事の相性は酸が大事ということで蜜柑コショウをお出しくださったのですが、やはり香りの相性が抜群によくなりますね。シャトレーゼ勝沼ワイナリーはシャトー・メルシャンの近くにあるので、メルシャン見学後に、ここのソーヴィニヨン・ブランを試飲・調達させていただこうとお邪魔したのですが、こちらの香りにやられてこちらを購入したというものでした。シャトー・メルシャンのきいろ香や蒼龍葡萄酒のシトラスセントに近いタイプではあるでしょうが、酒質やミネラル、香りの柑橘以外の要素の部分などでやはり違いがあります。ちょっとドライすぎるかもしれませんが、伝統産地の方々がこれを飲んでどのような反応を見せるのか気になります。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年03月07日
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さて、ここからは先日の天婦羅と甲州の会のワインです。1本目は人気のこちら。甲州百2011。生産者マルサン葡萄酒を営む若尾果樹園は、300年近く前から葡萄栽培を行っているという日本でも最古参の葡萄園です。といいましても、ワイン作りをはじめたのは先々代の頃からだそうで、生食専門でやっていたそうです。しかし、現在では甲州のみならずシャルドネやプティ・ヴェルドなどの欧州系醸造用品種も手がけています。価格は、写真のお店では1435円。お店によって結構差があるようです。色は結構黄色いです。ツヤも感じるでしょうか。香りは、最初は閉じ気味ですが徐々に出てきます。モモや温州みかん、微かな青い柑橘、軽いバナナ、リンゴ、洋梨、そして甲州葡萄その物といったフルーツを中心に、酵母系のニュアンスや白い花、微かなミネラル、ちょっとグリっぽさを思わせる要素といったものが感じられました。味わいはフルーティ。果実味しっかりで糖を感じるほど。酸は、その甘みの奥に穏やかに存在します。割としっとりしたもの。また、後口に掛けて微かな苦味と十分な旨みがあり、ボディはライトで口当りも柔らかですが飲んだ感が意外にあります。会では、最初から最後まで全部のタネとあわせてみて、相性の悪いものは一つもありませんでした。その中で、特に好印象だったのはレンコンと胡麻しんじょです。やはり、甘みのあるものとの相性はいいようですが、エビの強いそれよりもレンコンの穏やかなそれの方がよりしっくり来る感じです。ホクホクの食感とワインの穏やかな味わいとの親近性も感じられました。胡麻しんじょに関しては、胡麻の香りが意外とワインのしっかりしたフルーティさに嵌る印象。また、しんじょのダシがワインの旨みと引き合いもしました。和食全般と相性良さそうですし、洋でもパテやテリーヌなど試してみたいものは多いです。このワイン確かにいいです。甘みがありキャッチーな印象ではありますが、旨みしっかりですし、ナチュラルながらも完成度の高さを感じます。価格も手頃ですし、デイリー白とはかくあるべし、みたいな1本でした。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年03月05日
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先日のワイン会のワイン、唯一の白ワインは国産のシャルドネです。志太シャルドネ2011。生産者は中伊豆ワイナリーシャトーT.S。シダックスの創業者である志太勤氏が、故郷の伊豆に作ったワイナリーです。地元の産業振興のために始めたそうで、その後シダックスグループの所有となり、ホテルを備えたワインツーリズムにも対応したものとなっています。セパージュはシャルドネ100%ですが、自社畑のものを樽発酵させたものと長野県安曇野の契約農家のものを樽発酵させたものを混ぜているそうです。価格は、写真のお店で3500円。色は薄めもツヤ感のある黄色。香りはナッツやクリーム、それにアカシアのミツっぽいニュアンスといったものが良く出ています。そこに、オレンジや蜜柑といった柑橘、少々のメロン、リンゴ、石灰っぽさといったものが加わります。また、時間と共にグレープフルーツやレモンバームのような雰囲気や洋梨っぽさなんかも感じられるようになりました。味わいは香りのイメージからすると濃厚そうですが、むしろバランス型。果実味のファーストインパクトがある程度ありますが、乳酸系のしっとりした酸が拡がり、さらに旨みも出てきて果実味の突出を防ぎます。そして、各要素が一体となりながらスッと収束していきます。ボディは穏やかなミディアム。ミネラル感からかそれなりのしなやかさはありますが、国産ワイン的な優しさの印象の方が強いです。会では、グラタンバケットやレバーペースト、アボカドサラダと合わせてみました。グラタンバケットとの相性は思ったほどではなく、口を変える程度のものでした。また、アボカドサラダに関しては、そこそこコクの部分の相性は感じました。一方、レバーペーストとはなかなか良く、レバーのまろやかさとワインの柔らかな質感、レバーの鉄っぽさを伴う旨みとワインの旨みが良く引き合います。特に、鉄っぽさの部分ではいい感じでした。そんなわけで、このワイン、魚介よりも白い肉などの方が相性面白そうです。ローストチキンやテリーヌなんか試してみたいところですね。これいいです。3500円ということで競合は厳しいところだとは思いますが、シャルドネとして備わっていてほしい要素は大体あり、その上で日本らしいたおやかさがありますから日本のシャルドネとして他の産地のシャルドネと比べて選ばれるだけの個性があると思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2013年02月03日
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本日は生憎の天気ですが満月。ということで、今年最後の満月ロゼです。ミュゼドゥヴァン・桔梗ヶ原マスカット・ベーリーA・ロゼ。生産者株式会社アルプスは1927年創業。長野県塩尻のワイナリーです。コンコード、ナイヤガラというアメリカ品種の名産地でしたが、生食用ブドウの主流が巨峰などに移っていく中で、アメリカ品種でワインを、それも、高品質なものを作ろうと結成された組合を前身に持ちます。現在は、アメリカ・ワシントン州のブドウや自社畑のブドウなどを用いたワイン造りをおこなっており、ミュゼドゥヴァンシリーズは、自社畑のブドウを用いたシリーズとなっています。ということで、本ワインは桔梗が原産マスカット・ベーリーA100%。価格は、写真のお店で1837円。色は少しガーネット感も感じるピンク。赤さはしっかりあります。香りは、やはりマスカット・ベーリーAらしいイチゴジャムっぽさや軽いイチゴキャンディといったものが感じられます。加えて、リンゴアメや赤ベリー、赤ベリーのタルト、軽いスパイス、ミツっぽさなどもありました。また、熟成によるのか、微かなシェリーっぽさや梅酒のようなニュアンスも感じられました。味わいは、やや甘口といっていいくらいの甘さ。糖をある程度感じるレベルです。酸はこなれているのか穏やかなもので、甘味の後ろに見えます。タンニンは、後口にかけてほんのりと感じられるくらいで、舌触りなどに存在感はありません。旨味や少々のエキス分も感じられ、ボディは透明で繊細なミディアムライトです。食事と合わせてもいいですが、微妙な熟成感を楽しむならそのままの方がいいかもしれません。甘味のあるスタイルですが甘過ぎるようなものではないので、単独でも飲みやすいかと思います。食事に合わせるなら、やはり鶏肉でしょうか。ローストチキン、照り焼き、唐揚げ、チキン南蛮となんでもござれです。また、鴨鍋やちゃんこ鍋と合わせてみますと、やや甘味のある醤油ベースのダシと肉や野菜の旨味の合わさる味わいが、ワインの甘味や香りと結び付く他、旨味をより引き出してもくれました。個人的に、マスカット・ベーリーAはロゼに向いた品種だと感じているのですが、こういった甘口なスタイルもいいですね。こなれてきているため、桔梗が原らしさははっきりとは分かりませんでしたが、スパイスっぼやさなんかは山梨のそれとは少し違うもののようにも感じました。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事を チェック!
2012年12月29日
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最近、シャトー・メルシャンハーベストフェスティバルや日本ワインええやん会等で日本のワインをよく飲んでいますが、今回も日本ワイン、シャトー・メルシャンのものです。甲州きいろ香2008。生産者はシャトー・メルシャン。その前身は明治時代にまでさかのぼる、日本でも屈指の古参ワイナリーです。現在では、山梨のみならず、長野や山形など様々な地域でブドウを栽培し、様々なワインを生産しています。今回のものは山梨の甲州100%。メルシャン自身が確立した、甲州の持つ柑橘香を引き出す独特の製法を用いています。価格は写真のお店で2625円。色はやはり極薄く、一応黄色といった感じ。香りは流石に2008、若い頃とはちょっと違います。柑橘香はみかんっぽい柔らかなもので、梨や洋ナシ、蜜蝋のような甘いニュアンスが出てきています。さらに、ナッツや黄桃、カスタードのような雰囲気も。ミネラルっぽさもありますが、ほどけて柔らかなものになっています。味わいは酸味が軸ではありますが、乳酸系のしっとりした、穏やかなものになっています。果実味は意外としっかりあり、酸に続く要素です。後口にはやや苦味も。ボディはなめらかで、ややハリもある岩清水系な口当たりのライトボディです。食事との相性は、それでもやはりいいです。イカの煮物と合わせれば、イカの旨味とは勿論、生姜と正油ベースの味付けにも果実味がよくマッチ。さらに、香りの相性もよく、特にワタの部分と合わせますと生臭さを消しながら、独特のニュアンスとワインの甘い要素が相まって実に快適。また、マナガツオも同じように煮て合わせるとやはり旨味の相性がバッチリでした。その他、冷しゃぶサラダと合わせると、肉の旨味、さらに脂の部分ともいけますし、サラダの野菜の甘味にも果実味や香りが嵌まります。さらに、お寿司ならエビ、イクラ、カンパチなど味の強いものにもよく合いました。この香りには驚きました。きいろさはもう弱まっていますが、カスタードっぽさなど思わぬ要素が表れ、若い頃とは大分違った印象になっています。フレッシュなものもいいですが、このワインは少々寝かせてもかなり面白い存在かと思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年10月22日
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前回記事にしましたシャトー・メルシャン ハーベストフェスティバル大阪2012。今回は、そこで買ってきました国産リースリングです。大森リースリング2010。生産者は勿論シャトー・メルシャン。日本のワイナリーの中でも最も古い歴史を誇る生産者の一つで、山梨を拠点に、甲州や長野のメルローなどで日本ワインをリードしています。今回のワインは、その名のとおりリースリング100%で、大森とは横手焼きソバで有名な秋田県横手市にある大森という地区のこと。1982年から、契約農家がリースリングの栽培を行っていたそうです。その苦労が実り本2010ヴィンテージが国際ワインコンクールで金賞に輝いたのだとか。価格は、2600円程度のようです。色は極薄い黄色。まあ黄色感はあまり感じません。香りはリンゴや和梨のようなフルーツっぽさが中心で、時間と共にちょっとペトロールな雰囲気も出てきます。その他、柑橘っぽさも強く、特に、柚子や蜜柑、それにスダチなどの日本のそれが良く出ているように感じられました。その他、鉱物的なミネラルやフローラルな雰囲気も少々。味わいはしっとりと明るく、強さのある酸が中心。果実味は基本繊細で、酸の後ろに。ただ、時間と共に少し膨らんで前に出はしました。ミネラル感やエキス分もあり、国産らしい柔らかさはあるものの、芯のしっかりした、しなやかな印象を受けるミディアムライトなボディです。透明感もありますね。今回は、食事にはあわせ、つまみで葡萄を用意したくらいだったのですが、面白かったのがメルローとの相性。哲多ヴィンヤードで収穫されたものを頂く機会があり、それをつまんでみたのですが、ベリー感のある味わいとワインの酸や繊細な果実味がよくマッチしました。その他、このワインはやはり和食には良く合うでしょうね。寿司、天婦羅、刺身と色々いけそうですし、食材としてはやはり魚介、エビカニ類や味の強い白身魚などは面白そうです。タイやヒラメの昆布締めなんてつまんでみたいですね。試飲会場で飲んだ際は、正直底まで印象無かったのですが、開けたてをじっくり飲むと全然違った印象です。香りしっかりで、味わいも良くまとまっており、食事と一緒には勿論、今回のように簡単なつまみだけでも美味しく飲めてしまいます。正直、もう1本買っておけばよかったかな、と^^;日本で最も高品質のリースリング【シャトー・メルシャン】大森リースリ...価格:2,625円(税込、送料別)と思ったら、何と楽天内に取扱いがありました!2625円だそうです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年10月06日
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先日のお寿司とオーストリーと世界の白ワインの会のワインの途中ですが、今日は今月二度目の満月、ブルームーンです。ということで、今回は世界の白は中断して満月ロゼのワインを。ウインワイン ロゼ。生産者は北野呂醸造。山梨県一宮のワイナリーで、瓶詰めまで全て家族経営で行っているそうです。使われている葡萄も、地元一宮のものを中心に、山梨県産のものにこだわっています。セパージュは、甲州とマスカット・ベーリーA。勿論山梨産です。価格は、写真のお店で1407円。ただし、このワインは1800ml、すなわち一升瓶ワインとなっています!色は紅さの強いルビー色。まさに薔薇色です。香りは時間と共にかなりの変化を見せます。開けてすぐは、甲州のニュアンスを強く感じ、白い花や吟醸香、酵母といった要素が良く出ています。そこに、赤い花や少々のチェリーっぽさやイチゴキャンディーといったようなものが加わります。しかし、時間が経つと黄桃を思わせるモモっぽさが非常に強くなり、メインの要素となります(因みに、モモ畑がブドウ畑のそばにあるそうです)。また、バラの花や少々のラズベリー、アセロラ、微かなメロンといったような要素も。味わいも、やはり時間経過で変化を見せます。最初は旨みの強い、ある種日本酒的な辛口。そこに少々の渋味が加わるといったところです。しかし、桃の香りが強まる頃には果実味が膨らみ、ボディもライトからミディアムライトぐらいに印象が変わりました。まろやかさも出てきます。食事との相性は万能に近く、カプレーゼなどをつまむとトマトの甘みや酸味とは変化前変化ごともに合いますし、チーズのコクもいけます。また、酸味のあるものとの相性もよく、ピクルスなどはいいつまみになります。特に、変化前の方が合わせやすいかもしれません。他にも、ソーセージなどの燻製肉的なものともいいですし、香りの変化後は桃その物を合わせても、香り同士は勿論、甘みと果実味の相性も良好でした。これ驚きました。開けてすぐは、軽い味わいでドライさがあり、一升瓶でこの値段らしくガブ飲みできるタイプだな、なんて思っていたのですが、まさかこれほど大きな変化を見せるとは…。黒葡萄白葡萄を混ぜて作るスタイルだからこそなのかもしれませんね。変化後の香りや味わいは、正直750mlでこの値段、あるいはもう数百円高くても、というくらいの印象でした。満月ロゼといいますと、9月は第2回満月ロゼワインバーを開催いたします。詳細はこちら。お時間ありましたら是非遊びに来てください^^にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年08月31日
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今回は国産ワインです。ずっと飲んでみたかったのですが飲めていなかった信濃リースリングのものになります。ソラリス・信濃リースリング2007。生産者はマンズワイン。キッコーマンが手がけるワイナリーです。キッコーマンは1962年からワイン事業に進出、勝沼にワイナリーを作りました。その後長野の小諸にもワイナリーを建設、メルローなどの品種を用いた「ソラリス」シリーズを生産しています。一方、山梨ではソラリスに続く国産葡萄100%のブランドとして「リュナリス」シリーズの生産を行っています。本ワインは、シャルドネとリースリングを交配したオリジナル品種の信濃リースリング100%で出来ています。価格は写真のお店で3675円でしたが既に売り切れ。色は黄金というべき濃さ。ツヤもあります。香りは開けてすぐはミツや黄色い花、リンゴ、それに酵母っぽさや石灰的なミネラルといった要素が感じられました。その後、ベッコウアメや軽いバターっぽさ、それにグレープフルーツや蜜柑、ライムなどの柑橘、乾燥ローズマリー的なハーブっぽさといった要素も現われました。また、更なる時間経過で、焼き芋やスイートポテト、カステラ、パイナップルや干し葡萄といった甘いニュアンスがいくつも顔を見せました。味わいはしっかり甘口。ただ、熟成しているからか甘みは穏やかなもので、フルーティさを感じる程度でしょうか。酸味はしっとりとしていてこちらも穏やか。旨みを伴っています。甘みのインパクトのあとにほんのり酸が来て、最後に苦味がすっと入ります。ボディは軽く柔らかですがエキス分は感じるミディアムライト。チーズやドライフルーツをつまみに単独で、というのも悪くないでしょうが、食事との相性も結構いけます。冬瓜とふかひれのカニだしあんかけなるメニューが、JR岡山駅に最近出来た中国料理のテイクアウトのお店にあったのであわせてみたところ、ダシの旨み、冬瓜のほのかな香りとワインの旨みや香りが合うほか、料理の塩気とワインの甘みの相性も良好でした。その他、鳥のモツ煮とあわせると、ベースの甘辛さとワインの甘きが合うだけでなく、鳥モツの旨み、鉄っぽさとワインが驚きの相性でした。また、春巻きやう巻きなどもいいつまみになり、和食や中華との相性の良さはあるようです。リースリングの交配種はこれまでリースリング・リオン、リースリング・フォルテと飲んできましたが、これら二つは甲州との交配種ということでやはり雰囲気は大分違いますね。この品種は、国産シャルドネのあっさり感(まあ、西日本のものはあまりあっさりしていませんが^^;)を、リースリングの香りや味わいが上手く補完しているといった印象です。なので、甘口スタイルのようなコクや香りの濃さを活かせるスタイルって向いているんでしょうね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年08月07日
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さて、先日の中国料理と日本ワインの会のワインもこれで最後。トリは勿論ひるぜんワインのものです。樽熟成山葡萄・セレクション・コワニエ。生産者ひるぜんワインは、岡山県真庭市の蒜山高原に、平成22年の4月にグランドオープンした新しいワイナリーです。高原に自生していた山葡萄を畑に移し、栽培醸造に適した株を見つけるところからスタートし現在に至ります。山葡萄にこだわり、赤ワインやロゼ、コンフィチュールなどを作っていますが、白葡萄の栽培にも目下挑戦中とのことです。ちなみに、先月訪問してきた時の記事はこちらです。セパージュは、勿論蒜山産山葡萄100%。単独での写真を撮り忘れまして^^;、今回の写真のセンターがそれです。価格は3500円程度で、このボトルはワイナリー限定のもののようです。因みに、中身は同じでボトルが違うものは一般にも出回っており、天満屋岡山本店やヴァン・ルパン倉敷などで購入可能です。色は黒紫ですが、透明度はゼロではなく赤みも少々あります。香りは、確かに山葡萄らしいワイルドな獣系のニュアンスが無いわけではないのですが、かなりマイルドで、ブルーベリーやブラックベリー、それに、微かな赤べりーやチェリー、巨峰っぽさといったフルーティさに溶け込んでいます。その他、野菜ジュース的な複雑なニュアンスや茶色いスパイス、黒コショウといったスパイシーさも。味わいは、こちらも山葡萄らしい明るく強く太い酸がメインではありますが、同じ山葡萄を用いた今様やくずまきワインの蒼と比べると大分マイルド。柔らかなミディアムボディと相まって、比較的すっきりした印象を受けます。果実味も柔らかで、繊細ながらも温かみのあるものが酸の後ろに入ります。タンニンは穏やかで後口にかけて渋味少々。会では、最後の麻婆豆腐のところで飲みました。マーボーの辛味や脂、また、ひき肉の脂や旨みに対して、ワインの酸とタンニンが、爆発的に旨みを引き出す、といったような相性ではありませんが落ち着きとさっぱり感を与えてくれていい相性でした。また、香りの部分でも、山椒や肉の香りをワインのスパイシーさ等が引き立てます。このワインは山葡萄ながら穏やかな世界観があり、日本食との相性の良さも期待できそうです。焼き鳥などもいいでしょうが、鴨の煮物や肉豆腐など肉類を使ったものは全般的に試してみたいところです。値段的には、他にいいワインを結構探せる価格帯ですが、これはこれで面白い1本だったと思います。蒜山高原を訪れた際には、試飲もありますので是非一度お試しいただきたいですね^^にほんブログ村にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年06月28日
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先日の中国料理と日本ワインの会のワイン、ここからは赤。アンサンブル藍茜2008。生産者はシャトー・メルシャン。言わずと知れた、大日本山梨葡萄酒会社を前身に持つ日本最古参のワイナリーです。山梨での甲州やマスカット・ベーリーAの栽培の他、長野でのメルローやシャルドネ、福島でのシャルドネ、秋田でのリースリングなど各地で様々な品種を栽培しています。このワインは、長野産メルロー68%、山梨産マスカット・ベーリーA26%、山梨産ベーリー・アリカントA(こちらも川上系品種のようです)6%というセパージュ。楽天内では残念ながら2008ヴィンテージは完売のようです。写真のものは2009ヴィンテージで、1176円というかなりの手頃さ。色は黒さや紫感の中にガーネットが感じられるといったところ。香りは黒い土、茶色いスパイス、赤い花、ゴボウ、キノコ、軽い杉やバニラといったものに加え、黒ベリーやダークチェリー、少々のラズベリーやイチゴ、それにカシスなどのフルーツ、さらには微かなココアやチョコっぽさといったものが感じられます。味わいは果実味が中心ですが柔らかさ、繊細さのあるもの。そこに、赤べりーっぽい割とフレッシュな酸が加わります。渋味はあまり強くなく、後口にかけて爽やかな印象を与えます。ボディは結構落ち着きが出ており、膨らみよりはスレンダーな印象のミディアム。会では、白身魚の揚げ物や、その次の蕪とホタテの煮物、さらに麻婆豆腐のあたりで飲みましたが、揚げ物やホタテとあわせても喧嘩しないのは面白いところでした。麻婆豆腐とは、肉の旨みに渋味が、麻婆のコクと辛味に酸味が、それぞれなかなかでした。このワインは、和食なら角煮やすき焼き、焼き鳥など色々いけそうですが、フレンチやイタリアンとあわせるのも良さそうです。赤ワインを使った牛肉などの煮込み料理や鴨など、赤身の肉類の料理で、あまり濃すぎないものと試してみたいところです。このワインが1500円前後というのは見事としか言いようがありません。日本を代表するワインの一つといってもいいでしょうね。しかも、結構入手しやすい(大手スーパーなどではたまに見ます)というのもポイント高いです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年06月26日
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中国料理と日本ワインの会のワイン、続いても白。手作りわいん・さちこ。生産者は、当ブログでもよく記事にさせていただいている、大阪の仲村わいん工房さんです。羽曳野市の畑で、メルローやカベルネ・ソーヴィニヨンなどを栽培し今非常に人気のあるつくり手ですが、白は今回が初めてでした。セパージュは、甲州60%、デラウェア10%、そしてリースリング10%という大変に珍しいものになっています。価格は、写真のお店で1980円。色は極薄い黄色。白さの方が強いですね。香りは、以前カタシモワイナリーさんの甲州を飲んだときに感じたような、梅やモモ、蜜柑といったフルーツっぽさが感じられ、そこにデラウェア由来でしょうかマスカットのような葡萄らしいニュアンスが少々加わります。また、リンゴっぽさもあり、香りの後半にかけて微かなオイリーさやハーブっぽさが現われリースリングを感じさせるのが面白いところ。味わいは丸み、ふくよかさを感じさせる口当りと果実味が印象的。この辺は甲州のそれがよく出ているのでしょうか。そこに、一本芯が通るように、明るくハツラツとした酸が入ります。ミネラル感もあり、後口にかけて塩味っぽさや微かな苦味も。ボディはミディアムライトでしなやか系。会では、前菜三種と白身魚の揚げ物と黄ニラの一皿のところで飲みました。前菜とは全般的に相性がいいですが、稚アユとライチでは、特にライチの香りや甘みとワインのフルーティな香りと果実味がよく合いました。また、焼き豚とは塩分の印象を果実味が上手く切り替えてくれる他、旨みの相性も良好。さらに、添えてあったズッキーニのピクルスの酸味や甘みともよく合います。一方、白身魚の揚げ物とは、それぞれの香り、旨みがよく引き合いいい相性。また、黄ニラや花ニラの甘みも果実味と合います。香りの面では、黄ニラの優しいそれとはバッチリ、とまでは行きませんが奥にある青さ同士が軽くマリアージュを見せました。赤の評価の高いワイナリーですが白も秀逸な出来です。優しくおっとりした印象のワインで、日常の食卓にあると楽しい1本ですね。因みに、「さちこ」とはワイン作りを行っている仲村さんの奥様のお名前だそうです^^にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年06月24日
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今回から先日の中国料理と日本ワインの会のワインです。最初は北海道産ナイアガラ。フジノ・ホワイト・ナイアガラ2011。生産者さっぽろ藤野ワイナリーは札幌市郊外のエルクの森という大きな庭園にあるワイナリーだそうです。2009年創業とまだ新しいです。女性オーナーが営んでおられ、なくなってしまわれた弟さんの遺志をついで有機栽培、酸化防止剤を抑えた醸造を実践しています。価格は、写真のお店で1785円。色はレモネード系の薄い黄色ですが、濁りがしっかり。香りは…ザ・ラブルスカ!といった葡萄の香りが満載です。マスカット、フォクシーフレーバー、白コショウ、アンズ、白い花、梨っぽさといったような要素が渾然一体となっています。正直、他の要素の印象はほぼ無い^^;のですが、石灰的ミネラルは少々あったでしょうか。味わいは強い酸が主体。香りの印象からすると甘口かと思いがちですが、しっとりした、強く明るい酸が味わいの印象の大部分を占めます。そこに、ほんのりと果実味や旨みが乗ってきます。優しい口当りのライトなワインではありますが、酸とミネラル感で芯はしっかりした印象。会では、突き出しのウニとジュンサイ、その次の前菜三種のところで飲みましたが、最も相性がよかったのはバンバンジーでしょうか。ゴマのタレの香りとワインの香り、肉の旨みとワインの旨み、さらにタレのコクとワインの酸が、それぞれ引き合うところを見せてくれました。また、少し残して麻婆豆腐にもあわせてみたのですが、実はこれとの相性が一番でした。麻婆豆腐は山葡萄赤や日本酒も合わせましたが、このワインが一番あったかも。麻婆豆腐の油分やコクに酸が爽やかさを加えてくれてよく合う他、山椒のスパイシーさと香りが結構いいです。何より、ひき肉の旨みとワインの旨みの相性がバッチリで、どうもこのワイン、肉との相性がいいようです。優しい、自然なワインですが、それだけではない強い酸としなやかなボディはなかなか好印象でした。食事ともよく合いますし、値段的にも結構コスパ感じます。近くで買えると嬉しい、デイリーに楽しみたい1本でした。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年06月22日
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今夜は満月ですね。しかも、部分月食とのことでしたが、残念ながら見事に曇りでした^^;今回は満月ロゼです!ベルアルバ・マスカット・ベリーAロゼ2010。生産者である山梨ワインはその名のとおり山梨県の勝沼にあるワイナリーです。創業は大正二年で、現在は4代目である野沢たかひこ氏が代表を務めています。野沢氏は、山梨の若手醸造家でつくる「アサンブラージュの会」の代表でもあります。甲州種のワインに力を入れているほか、マスカット・ベーリーAや国際品種など幅広く手がけており、カベルネ・ソーヴィニヨンではかなりの評価を得ています。セパージュはマスカット・ベーリーA100%。価格は、写真のお店で1550円。色はピンクらしいピンクですが、少々オレンジっぽさも出ているでしょうか。香りはイチゴジャムやイチゴキャンディといったこの品種らしいニュアンスが出ていますが、土っぽさやクリーム、ラズベリー、下草といったようなピノ・ノワールを思わせるような雰囲気も。さらに、革っぽさや乾燥ハーブといった要素もあり複雑さを見せます。その他、グレープフルーツやオレンジ、洋梨、りんごといったフルーティさが感じられました。味わいはこの品種らしく果実味主体ですが、それ自体はロゼらしい透明感と繊細さのあるもの。それを、明るさと強さのある酸が背景から支えます。また、タンニンも微かにあり、後口にかけてほんのり渋味を感じました。ボディは、意外と太さ・強さを感じさせるミディアムで、エキス分もあります。香りが豊で、単独でもいいのかもしれませんが、やはりロゼは食事と合わせてなんぼでしょう。よく、ロゼを飲むときは甘酢餡のチキン南蛮を合わせるのですが、こちらもいい具合です。香りが鶏肉や餡と嵌るのはもちろん、酸や果実味が餡の甘さ、肉の旨みとよく合います。その他、スモークサーモンやサーモンのお寿司、マグロといった色の似た魚介とは香りや旨みがやはり合いますし、そこそこの強さもありますので煮豚など豚肉類と合わせても負けません。香りの要素の豊かさや酒質の強さには驚きました。味わいもまとまっており、ロゼワインだけでなく白赤合わせても、1500円のワインとしてはかなり優秀な部類に入るのではないでしょうか。このワイナリーのワインはこれがはじめてですが、他の銘柄にも俄然興味が湧きました。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年06月04日
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さて、先日のスペシャル国産ワイン会のワインもこれで最後です。大トリは大阪のメルローです。大阪メルロー2001。生産者仲村わいん工房は、大阪府羽曳野市(今話題のダルビッシュ投手の出身地です^^)に畑を持っています。先代が、なんと70歳のときにお一人で始められたそうで、現在は、二代目の方が引き継がれ、やはりほぼお一人で栽培、醸造さらにはラベル貼りまで手掛けられています。メルローやカベルネ・ソーヴィニヨンの他、白系では甲州やリースリングも栽培されているようです。このワインは、二代目が引き継がれて直ぐの頃、収穫したメルローを選果に選果を重ねて作ったという特別キュヴェで、現在は恐らくもう手に入らないかと思います。現在販売中の大阪メルロー2004とはラベルデザインも異なります。色は濃いガーネットで、黒さもまだまだあります。ただ、エッジにはレンガっぽさも。香りは、開けて直ぐからトリュフやバルサミコ、黒い土、黒ベリー、ダークチェリー、赤い花といったような要素が感じられ、他の国産メルローとは明らかに違う気配を感じさせます。さらに、時間と共に茶色いスパイスや軽いチョコ、下草っぽさないし乾燥ハーブ系のニュアンス、微かな鉄サビっぽさやジビエっぽさといったものも現れました。味わいは、果実味が軸で、そこに繊細ながらも明るい酸がアクセント的にピッと入ります。タンニンは、果実味の印象に隠れ気味ですが、後口にかけてほんのり渋味を見せます。また、口当たりにも微かに感じられたでしょうか。ボディは紛れもなくフルボディですが、丸く優しく落ち着いた印象を受けます。会では、最後にラムのローストとともに飲みましたが、流石の相性です。ラムの脂や旨味を、ワインの果実味やタンニンが引き出し、香りは両者の一体感を強めてくれます。また、添えられていたローズマリーの香りもいい仕事してました。このワインの完成度なら、つまみはパン程度にしてワインのみを楽しむのも十二分にありでしょう。食事に合わせるなら、やはり今回のようなラムなど赤身肉でしょう。牛肉やジビエなどを、熟成させてシンプルなローストで頂くのが最善かと思います。このワインは凄いです。一万円クラスのワインですが、同価格帯のどこのメルローにもひけを取らないものはあると思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年05月03日
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先日のスペシャル国産ワイン会のワイン、ここからは赤ワインです。今回は北海道のピノ・ノワール。ヨイチノボリ・キュムラ・ピノ・ノワール2009。ドメーヌ・タカヒコは、北海道余市町登地区の生産者です。長野の小布施ワイナリーをされている曽我氏の弟である貴彦氏が営んでいます。ピノ・ノワール種を中心に、余市のブドウの素晴らしさを感じ始められたそうで、醸造施設はまだ無く、ブドウも100%自社産とは行かないようですが、余市のブドウの魅力を発信しようと、「タカヒコ・ソガ」の名前で幾つかのワインをリリースしています。因みに、このワインもタカヒコ・ソガブランドとなります。価格は3885円ですが既に売り切れ。新しい2010年ものも楽天内では完売のようです。色は明るいルビー…ですがはっきりと濁りがあります。香りは、最初の段階ではイチゴキャンディっぽさや茹で小豆、それに少々のドライトマトといったものが感じられ、マスカット・ベーリーAのようです。その後、徐々にドライベリーや赤ベリー、土っぽさといったものが感じられるようになりました。また、さらなる時間経過で、タイムやローズマリーの乾燥ハーブ、さくらんぼ、キノコ、下草、クリームっぽさ、さらには少々の上等な桐箪笥のようなニュアンスも出てきました。味わいは極めて繊細。果実味の印象はほぼ無く、明るく強い酸がメインです。渋味は後口にかけて軽く残り、強い旨味とのバランスを取っています。ボディは透明感のあるライトで、塩気や収斂味、ミネラル感のおかげでシャープな印象を受けます。会では、鴨と大根のラグー、オレンジ風味のフジッリのタイミングで飲みました。オレンジにはやや押し負ける部分が有りましたが、鴨の旨味やパスタの食感とはいい相性でした。やはり、鴨はピノ・ノワールのいい相棒なようです。そんなわけで、他に合わせるなら、やはり鴨など鳥肉でしょうね。それも、鴨鍋やつくねなどの和食系との相性が良さそうです。或いは、よりシンプルに焼き鳥やローストなどの調理法もいいかもしれません。タイトな印象で、北の産地を思わせるワインでした。また、香りの複雑は、世界中のピノ・ノワールの中でもかなりブルゴーニュ的だったように思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年05月01日
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先日のスペシャル国産ワイン会のワイン、今回もシャルドネです。こちらは愛知産のもの。ドゥエ・ステッレ・f・2010。生産者は愛知県豊田市にあるアズッカ・エ・アズッコ。ワインとは無関係な須崎夫妻が、イタリアワインにはまり、現地に(トスカーナとシチリアだそうです)行って栽培や醸造を学び、その後地元ではじめられたワイナリーです。イタリアでワインを学ばれた方らしく、シャルドネなどの他、トレビアーノヤサンジョヴェーゼといったイタリア系品種も栽培されています。因みに、こちらもまだ醸造については自社で出来ず、ワイン作りを学ばれた城戸ワイナリーと、多治見修道院に委託しているそうです。セパージュはもちろんシャルドネ100%です。醸造法は伝統的なフランススタイルだそうで、それが名前の「f」の由来のひとつだとか。購入はワイナリーのサイトにて3675円。色はしっかり黄色。にごりも感じます。香りは焼いたオレンジや火打石のようなニュアンスが強く出ており、他には無い印象。そこに、少々のナッツっぽさやグレープフルーツ、レモン、フレッシュオレンジといった黄色い柑橘の要素が加わります。その他、完熟りんごや石灰、乾燥ハーブといったものも。味わいの印象は、一言で言うと「太い」です。果実味メインで、これが南方系の出方をしています。そこに、乳酸系の酸がはっきり出てきますし、強い旨みも伴っていてインパクト大。ボディも、エキス分、凝縮感、ミネラル感のある硬質なフルボディです。会ではライ麦のパッパルデッレ春キャベツのソースのタイミングで飲みましたが、パスタに使われている紫芋の甘みとワインの果実味がよく合いました。また、ライ麦の素朴なニュアンスがワインの旨みや香りとディープなマッチングを見せます。このワインなら、鳥肉や豚肉のテリーヌなど白い肉との相性が面白そうです。鳥なら、チキンだけでなく、ジビエ系も面白いでしょうね。その他、カニやえびなどの甲殻類や貝類といった味の強い魚介にもよさそうです。なんとなく、立地的に東日本、山梨や長野のワインに近いのかと思っていたのですが、果実味の出方やボディの質感はだいぶ違う感じです。かといって、九州のそれともまたちょっと違い、個性的な味わいや香りを楽しめました。南仏やイタリア南部など、強いて言えば南欧的な世界観かもしれません。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事を チェック!
2012年04月29日
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今回はスペシャル国産ワイン会のワインです。地元岡山のものです。シャルドネ2009。生産者は岡山県新見市哲多にあります、株式会社TETTAです。哲多の土壌には石灰質が多く、ブルゴーニュのようであることが判明し平成4年に哲多ヴィンヤードとして始まったプロジェクトです。その後、平成21年に現在の株式会社TETTAが事業を引き継ぎ、22年には小売免許を取得して現在に至ります。優れた土壌、さらには雨が少なく盆地で寒暖の差も激しい土地柄とあって、ブドウ栽培には好適地となっている哲多で、シャルドネ、メルロー、マスカット・ベーリーA、さらには食用のニューピオーネや安芸クイーンといったぶどうを栽培しています。価格は3150円ですが、岡山県内でも2009はもう手に入らない感じです。因みに、醸造施設はまだない(平成27年完成予定だとか)ため、現在は山梨の大和葡萄酒に委託しています。色青みのやや感じられる薄めの黄色。それでもシャルドネ感はよく出ています。香りは、ナッツ、バター、クリーム、バニラといった、典型的なそれをメインに感じますが、そこまで派手ではなく穏やかに利かせています。そこに、みかんやグレープフルーツ、さらにはライムやカボスといった黄色や緑の柑橘っぽさが加わってきます。また、緑の柑橘からつながる感じで、タイムやローズマリーなどのハーブっぽさも微かに出ているでしょうか。その他、りんごや洋ナシ、軽い蜜っぽさ、白い花系のニュアンスといったよくある要素も控えめではありますが出ています。味わいもこれまた穏やかで繊細なもの。果実味が軸ですが、国産らしいやわらかさのあるもので抑えが利いています。そこに、しっとり系ですが結構明るさのある酸が入って印象に張りを与えます。ボディはやさしく柔らかなミディアムライトですが、口当たりには芯の部分にしなやかさを感じさせミネラル感も軽くあります。会では、森林鳥とりんごのテリーヌのところで飲みましたが、鳥の旨みと肉の質感が、ワインの果実味や口当たりになかなかの相性。また、ソースに使われているライムとワインの柑橘のニュアンスはやはり合います。テリーヌにはりんごやブドウも使われており、面白いマリアージュが口の中のあちこちで楽しめました。その他、このワインに合わせるなら、肉類もいいでしょうが、瀬戸内の魚介、鰆のたたきやシャコ、ウニなどを試したいところです。鯛の浜焼きなんてのも面白いかもしれません。抑えの利いた穏やかなワインですが、果実味や酸など、メリハリの利くべきところは利いています。3000円で飲めるシャルドネとしてはかなりの競争力を感じました。現在もいいですし、今後も楽しみなワインなのは間違いありません。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事を チェック!
2012年04月27日
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今回は満月ではありませんがロゼワインです。おなじみ四恩醸造さんのもの。クレマチス・ロゼ2011。生産者四恩醸造さんは山梨市牧丘のワイナリー。四恩学園ナザレ幼稚園の農業体験施設の延長として、勝沼醸造に居た小林氏をヴィニュロンとして迎えてはじまりました。自然派な作りもされていますが、今回のロゼは瓶内発酵後亜硫酸を加えたそうです。また、小林氏曰く、今年は還元臭が出たとのこと。セパージュは巨峰100%。価格は1785円ですが、楽天内には既にありません。色はオレンジ系ピンクで、例の如くオリが沢山出ていてにごっています。泡は、キメは大きめですが穏やかさはあります。ただ、ペティヤンよりははっきりスパークリングな印象。香りは、個人的には還元臭の印象は殆どありませんでした。スパークリング的な酵母っぽさ、軽い蜜といったニュアンスにスイカやイチゴと言った赤いフルーツや、ドライクランベリーなどの赤いドライフルーツ、それに葡萄の茎の部分のような植物系の香りが出ています。また、スパイスやちょっとアルトビールを思わせるような甘さ・香ばしさを感じるニュアンスも。味わいはほの甘さのあるもので、そこに軽い渋味がアクセントを加えます。また、後口にかけて旨みは強め。酸は、あまり表に出ることは無く、それらの要素の背景として穏やかに横たわっています。ボディはライトですが、エキス分はそれなりにあります。口当りの印象自体は丸く優しいものです。よく冷やして飲むと、それこそビールのような感覚でスイスイ飲めてしまいます。共働学舎のさくらチーズをつまみましたが、桜の花、葉っぱの香りとワインの酵母っぽさや赤いフルーツのニュアンスが良くあっていました。また、面白かったのがアジの干物との相性で、なかなかワインには合わせにくい食材なイメージですが、旨みの相性は勿論、酵母っぽさやスパイス、植物系の香りが干物の香りにマッチします。他の干物にも色々試したくなりました。その他、鰹のたたきやサーモンのお寿司などは脂感などが当然の如く合います。和食系との相性がいいのは間違いないのですが、中でも、干物やらお造りやら、居酒屋メニューとの相性が面白そうです。まさに日常で楽しむ日本のテーブルワインといったところです。ラベルもしゃれてますし、飲食店でこれがあると嬉しいですね。ロゼワインといいますと、来月6日開催の満月ロゼワインバーもよろしくお願いいたします^^にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年04月21日
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今回もミニワイン会でお寿司と共に頂いたワインです。しっかりしたつくりの甲州です。キスヴィン甲州2009。生産者はシャトー酒折。山梨県の酒折地区にある、ワインインポーターの木下インターナショナルが手がけるワイナリーです。キスヴィンは、そんなシャトー酒折が栽培家の池川仁さんや研究者など垣根を越えて集まった人々と共に手がける、日本の環境に適した醸造用葡萄栽培を模索するプロジェクトです。セパージュは甲州100%。価格は写真のお店で3530円。色は濃い黄色。ツヤも感じます。よくある甲州とは全く違う感じですね。香りは甲州らしい酵母や麹っぽさ、白い花のニュアンスを中心に、軽い蜜っぽさや蜜蝋といった要素を感じます。その他、印象的だったのはフルーツの要素で、マンゴーや洋梨っぽさ、アプリコットといった甲州に感じた記憶のないニュアンスがあったことです。勿論、リンゴや温州みかん、カボスっぽさといったらしいフルーツ香も。味わいも、果実味のインパクトが非常に印象的でした。あまり甲州で感じたことのない、トーンの低いものが味わいのメインの要素です。そこに、穏やかながら明るい酸がピッと入ってきますね。ボディは、軽くエキス分も感じますが、柔らかで優しいミディアムライト。口当りの優しさはやはり日本のワインだなと。会では、クエの昆布〆やモッツァレラのヅケ、タチウオの塩焼きといったものとあわせてみたところ、香りの相性はまあ普通と言ったところ。しかし、後口で旨みを引張る感じはかなりありました。昆布〆系とは特に余韻で相乗効果が出るようで、握りでもそういったものとは良く合います。また、ウニやイクラ、エビといったものとの相性もよく、酵母系の香りとネタの香りの相性はなかなかのものでしたし、シャリの旨み、甘みと果実味の相性も良好です。紛れもなく甲州なんですが、香りの濃厚なフルーティさや果実味の出方などは、他の銘柄とは一線を画す個性があります。キスヴィンプロジェクトは始まったばかりですが、今後も注目して行きたいと感じさせるだけのものはありました。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年04月01日
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今回は国産ワインです。人気の四恩醸造さんの微発泡橙色ワインです。クレマチス・橙2011。四恩醸造さんのワインは当ブログでもよく記事にさせていただいています。山梨県の塩山地区にある、学校法人四恩学園を母体とするワイナリーです。運営は、小林剛士氏が一人で行っており、栽培・醸造の全てを手がけます(葡萄に関しては近隣からの買い葡萄もあるそうですが)。自然な農法を行っている他、醸造も天然酵母を用いているそうです。セパージュは、甲州100%。価格は1785円で、写真のお店含め、どこも同じなようです。色はその名のとおり夕焼けのような橙色。甲州の果皮の色素が出ているためこのような色合いになります。また、オリたっぷりで底の方はにごりも。香りは、シナモン的な茶色いスパイス少々に、酵母、白い花、バナナ、それに、熟した温州みかん的なニュアンスといったものが一体となって最初の印象を持っていきます。また、その奥には洋梨やリンゴ、黄桃、微かなピオーネや柚子、青梅のような様々なフルーティさが見えます。味わいは、リリース直後だからか果実味をはっきり感じます。蜜柑系のしっとりした、フルーティなものです。酸は乳酸系ですが明るさがあり、果実味の裏から発泡とともに爽やかさを演出します。後口には旨みや甲州らしい微かな苦味も。ボディはライトで、エキス分は微かにありますが基本的に柔らかで優しいです。食事との相性は、テーブルワイン作りを志向するワイナリーだけあって抜群。魚介系では、海鮮丼と合わせると赤身やサーモンの旨みをよく引張る他、子持ち昆布がいいつまみになったりしました。昆布の旨みとも相性がいいほか、魚卵と一緒でも臭みはゼロです。また、牡蠣と鮭の豆乳味噌煮と合わせると、豆乳+味噌のまろやかさがワインの柔らかさと、牡蠣や鮭から出た旨みがワインのコクとマッチ。また、肉系では、チキン南蛮と合わせると、鶏肉の旨みとよく合う他、甘酢ダレとワインの果実味が一体感を見せるのが面白かったですね。一方、豚肉ジャガと合わせると、肉のコクとワインの旨みや渋味が「ワインと肉」らしいマリアージュ。砂糖を使うおかげで果実味との相性も良しです。野菜系では、菜の花の五穀胡麻和えや筑前煮、サツマイモ&タラの芽の天ぷらと言ったものとあわせましたがどれもいいつまみになりました。特に、サツマイモ天の甘みはいいですね。発泡感と味わいのバランスのおかげで非常に爽やか、なおかつ食事との相性は万能と、流石のワインです。前回のカザル・ガルシアもいいですが、こちらもやはり日本のデイリーワインとしては満点な1本でしょう。ただ、香りの要素の多さや旨みの出方など、それだけではないところも見せてくれるのは嬉しいところです。国産ワインといえば、4月22日に国産ワインの会をやります!詳細はこちらです!にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年03月14日
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今回は国産の甘口白。北海道産のドイツ系品種で作られたものです。グランポレール北海道ケルナー遅摘み2008。生産者はサッポロワインです。こちらもグランポレールシリーズですので、醸造は山梨の勝沼ワイナリーで行われています。使用されているケルナーは、今、日本のワイン用ブドウの産地として非常に注目度の高まっている北海道は余市のもの。サッポロワインは1984年から余市でケルナーを栽培しているそうで、現在は6軒の協働契約栽培農家があるそうです。価格は、写真のお店では1449円ですが、ヴィンテージの表記がありません。色は薄く、白っぽいといえるレベル。ほんのり黄色もあるでしょうか。香りは甘みのあるタイプだけあって蜜っぽさや甘さのある白い花、それにフルーツケーキといったような要素がよく出ています。また、ちょっとマジパンのような砂糖系のニュアンスも。加えて、ミネラルや蜜蝋のような複雑なものや、シルヴァーナーなどに時折見られるウリっぽい雰囲気も感じられました。味わいは甘口ですから当然甘いです^^。残糖を感じます。酸味は、小さなベリー系フルーツを思わせるようなハツラツとしたもので、甘みより前には来ませんがバランスはよく取っていると思います。ボディはミディアムライトで、少々のエキス分やミネラルは感じられました。これはまあ、単独でも十分楽しめるワインだと思います。スイスイ飲めますし、白カビ系のクリーミーなチーズはいいつまみになりました。同じ北海道産の共働学舎のチーズでもあれば最適でしょうね。もちろん、食事に合わないわけではなく、甘みのあるタレの焼き鳥や照り焼きチキンと合わせるとタレの甘みと肉の旨みが、ワインの甘みとミネラル感になかなかいい具合でしたし、コールドミートや野菜入りソーセージなんてのもいけます。結構香りの複雑さもあり、酸味もしっかりで、(やや)甘口白としてはよく出来ているように感じました。昔よくあったような、甘いだけでぼやんとしたようなワインではありません。やはり気温の低い北海道で、ドイツ系品種というのもいいんでしょうね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年03月04日
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今回は、先日ワイン食堂Baccoさんで頂いた滋賀県産赤ワインです。身土不二・竜王雪野山地区ベリーA2010。生産者はヒトミワイナリー。滋賀県東近江市にある、にごりワイン専門メーカーです。アパレルをやっていた図師禮三氏が、1984年に60歳を機にはじめ、1990年に正式オープンしたそうです。無濾過無清澄のにごりワインに力を入れていますが、こちらは濁りではありません。セパージュはマスカット・ベーリーA100%です。2009年から契約農家で作ってもらい始めたそうで、こちらは竜王川守雪野山地区のものです。色は鮮やか。ルビーに近いガーネットと言ったところでしょうか。香りはこの品種らしいイチゴ、イチゴジャムっぽさを感じます。フォクシーフレーバーも出ていますが、ちょっと青い葉野菜っぽい雰囲気かも。そこに土っぽさや軽いトマトっぽさも加わるので割と複雑。フルーツとしては、他にラズベリーやブルーベリーなどベリーのニュアンスが出ます。加えて、ミネラルや砂糖漬けっぽさも。味わいはミネラリーで、明るい酸が印象的。酒質・エキス分はそう強くありませんが、ミネラルの背骨がきっちりあるのは好印象です。果実味は、繊細は繊細ですが、要素としてはメインでフルーティさもある程度感じられます。ボディはライトで、タンニンは穏やか。お店では、パッパルテッレとあわせてみました。肉の旨みに負けるかなと思いましたが、そんなことは全く無く、むしろミネラル感が旨みをよく引張りいいマリアージュでした。また、使われていた豚肉の食感がワインの質感によくマッチします。流石に、牛肉の赤ワイン煮などの濃厚なものとは合わないでしょうが、ライトながらミネラル、果実味がある程度ありますので肉料理も問題無しでしょう。サラミやハムなどのコールドミートから、ローストチキン、鴨などなど色々試してみたいところです。特に、和食系の食べ方との相性には興味があります。日本らしい柔らかさ、はんなり感はありますが、芯のしっかりしたワインです。滋賀のベーリーAは初めてですが、結構面白そうな産地ですね。しかし、こういったワインを、しかもピノグラスで(お店のお勧めでしたが、ベーリーAをこのグラスで飲んだのは初めてです。結構いいですね)いただけるとは、ワイン食堂Baccoさん恐るべしです^^にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年02月29日
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今回は2000円弱の国産赤。あっさり系です。グランポレール長野メルロー&カベルネ2007。生産者はサッポロワインです。サッポロワインは、現在山梨と岡山にワイナリーを持っていますが、グランポレールは山梨ワイナリーで作られているシリーズです。長野には、1975年、北信地区に古里ぶどう園を開園したそうで、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネといった品種を栽培し、高い評価を得ています。セパージュは、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン。価格は、写真のお店で1890円。色はルビーといっていいくらい赤いもので、透明度も高いです。香りはクローヴを筆頭とした茶色いスパイスをしっかり感じ、そこに土っぽさが加わります。フルーツのニュアンスもきっちりありますが、国産らしくこの手のセパージュながらラズベリーやクランベリーといった赤ベリーやチェリーっぽさが主体です。ブラックカラントも、ほのか~にですがあったでしょうか。また、国産メルローらしい茹で小豆っぽさも。味わいはシャープさのある酸がメイン。果実味は極めて繊細で、酸の背景となっていますね。ボディは柔らかく、ミディアムライトな物ですがミネラル感はそれなりに感じ、酸と相まって明るい印象です。タンニンは大人しめ。これは、単独で云々よりも食事に合わせたいタイプでしょう。すっきり系赤ですので魚とも合います。鰹のたたきには、鰹の鉄っぽさや旨みとワインの旨みが引き合う他、果実味をちょっと目立たせてくれました。また、寒ブリの刺身とあわせると、脂のコクとワインのタンニンやミネラルが嵌ります。鳥肉とも相性はよく、焼き鳥(タレ)やモモの照り焼きなどは、鳥の旨みだけでなく、タレの甘みや香りとワインの香りが合いもしました。あと、鴨鍋とあわせると鴨の味わいとワインのほのかなタンニンやミネラルが合うだけでなく、ダシにも悪くありませんでした。割と典型的な日本のこの手の品種の個性が出ており、価格面を考えると、同系統の国産赤の基準となりうるような1本だと思います。ただ、もう少し廉価でも収斂味やコクを感じるものもあるのも事実かなと。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年02月25日
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今回は国産の白。ちょっと変わった交配品種の1本です。ジャパンプレミアム・リースリング・フォルテ2009。生産者はサントリー登美の丘ワイナリーです。1909年に小山新助氏によって始められた登美の丘の葡萄園が荒れてしまった後、サントリー創業者の鳥井信治郎氏と川上善兵衛氏と善兵衛氏の娘婿英夫氏が1936年に再興し現在に至ります。本ワインを含めたジャパンプレミアムシリーズは、2009年に開園100年を記念し、日本独自の味わいを追及しようとはじまった新ブランドです。セパージュはリースリング・フォルテ100%。リースリングと甲州三尺を掛け合わせた品種で、サントリーによって作られました。価格は、写真のお店で1533円。色は極薄い青みのある黄色。ほんのりとしたものです。香りは酵母や吟醸香、白い花っぽさといった甲州のニュアンスが最初のインパクトとして出ます。そこにリンゴや柚子、蜜柑、微かなマスカットといったフルーツ香やミネラルが加わります。また、時間と共に少々ですが蜜っぽさやカリン、洋梨、クリームといったものも感じられるようになりました。味わいはしっとり系ながら明るさと強さのある酸が印象的。果実味は仄かなもので、酸に主役を譲ります。ミネラル感もありますが、口当りは柔らかなもので、軽やかさもあります。ボディもライトボディですね。これは単独でよりは食事と共に飲むほうがいいタイプですね。鮮魚系との相性はよく、お寿司とあわせましたがどれとも喧嘩せず、イカやタコとは旨みや甘みがよく引き合いました。また、おでんとあわせますと、ダシを吸いつつも香りや甘みの残った大根とはダシ、甘みとワインの果実味、旨み、ミネラル感が上手く繋がりました。また、こんにゃくは食感や香りがワインの酸やミネラル感にマッチします。あと、鳥肉ともやはり合うようで、胸肉を使ったポトフ風の煮物と合わせたところ、ワインの味わいがいい調味料になりました。リースリングと甲州三尺の交配種といえば、岩手でよく作られているリースリング・リオンもそうですが、香りの出方などは結構差があったように思います。こちらの方が甲州寄りなかんじでしょうか。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年02月17日
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今回もメルシャンのワインです。ちょっといいレンジの赤。長野カベルネ・ソーヴィニヨン2009。山梨を拠点とするシャトー・メルシャンですが、長野の葡萄を用いたワインも手がけています。本ワインは、シャルドネで大きな成功を収めた北信地区のカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローを用いています。シャルドネで成功した後、契約農家の方が黒葡萄も作ってみたいと考えるようになり、一方でメルシャンとしても城の平以外の地で黒葡萄を成功させたいという思いがあり、それが一致して栽培に至ったそうです。セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン92%、メルロー8%。色は赤みのあるガーネットでやや暗め。赤褐色といったところでしょうか。香りはクローブやシナモンといった茶系スパイスの印象が最初に来ます。そこに、ブラックカラントやゴボウなどの根菜、黒コショウ、キノコ、土っぽさ(黒い土よりは腐葉土系)といったニュアンスが加わってきます。また、時間と共に、ブルーベリーや赤ベリーのジャムといったフルーティさも出てきました。味わいは乳酸系のしっとりした酸と後口にかけての旨み、渋味が特徴的でしょうか。果実味はそれら、特に酸の後ろの要素と言ったところ。ただ、全てに共通するのは非常に繊細さ、大人しさがあるところです。中でも、果実味は仄かな感じ。ボディはミディアムで滑らかですが、目の細かい印象は受けます。バランスの良さ、落ち着きのあるワインですので、単独でも割と楽しめると思います。食事にあわせるなら、カベルネ主体のワインですからやはり肉料理ですね。牛肉のすき焼きには肉の脂や旨み、割り下のコクがワインのタンニンや果実味に合います。生卵はつけないほうがいいようです。また、タタキにもいけます。和牛でしたが、まろやかな脂とワインの繊細さが嵌りました。酢醤油をつけるスタイルでしたが、あまり多くつけなければ気にはなりません。国産らしい繊細さ、大人しさのあるワインですが、完成度の高さは間違いありません。濃さ、凝縮感を求めると退屈に感じられるかもしれませんが、優しいワインが好みなら同価格帯の中ではいいチョイスになると思います。繊細さのおかげで食事との相性は広そうで、今回は肉だけでしたが、マグロやブリなどの味の濃い魚とのマリアージュも興味をそそります。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年01月26日
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実はこのワインも年末年始に飲んだワインです^^;やっぱり御節に合わせました。グランポレール山梨甲州樽発酵2009。生産者はサッポロワイン山梨ワイナリーです。サッポロビールの創業100周年事業として、1976年にワイン作りをはじめたそうです。ビール醸造の技術を生かした、発酵から貯蔵に至るまでを定温で管理するというクールドワイナリーを日本で始めて導入しました。現在はデイリーレンジを岡山で、上級レンジを山梨で作っています。価格は、写真のお店では2100円ですが、ヴィンテージは選べないそうです。色は黄色というには抵抗があるくらいの薄さ。もう白でいいと思います。香りは甲州らしい吟醸系の酵母っぽさや梨、オシロイバナのような白い花的なニュアンス、それに蜜柑やカボスなど柑橘の要素と言ったものが感じられます。また、樽熟しているためナッツや木っぽさ、それに微かなホイップクリームといったものも。その他、ミネラルや微かな蜜っぽさも感じられました。味わいはしっとりした印象ながらインパクトのある酸がメインで、そこに後口の旨みや繊細でほのかな蜜柑系の果実味が加わってきます。ボディはライトで、落ち着き、まとまりを感じます。一方ミネラル感は穏やかで、柔らかさがあります。これは単独で飲んではもったいないという類のワインでしょう。やはり食事にあわせてなんぼです。おせち料理との相性は、どれとも全般的に良好。田作りや数の子、カマボコといった魚介系でも臭みなどまるで出ません。また、イクラの乗った大根のなますとあわせても、なますの酸味やイクラの味わいと喧嘩することなく、むしろ樽っぽさや果実味がなますの酸味や軽い甘みと、香りと旨みがイクラの香りや塩分とそれぞれよくマッチします。その他、ちゃんこ鍋とあわせると、具の鳥肉やゴマをかけた野菜と旨みの部分で引き合う他、お寿司にもいけ、カニやエビの甘み、ブリの旨みとワインの樽香を中心とした香りやそれに連なる果実味が嵌ります。非常に食事とあわせやすい、万能なワインです。が、かといってただ喧嘩しないというだけでなく、樽由来の香りや味わいの各要素が、合わせる食事によって色々なマリアージュを見せてくれます。これもまた、日本のテーブルワインにふさわしい1本といえそうですね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年01月22日
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今回は正月に飲んだ国産の白です。シトラスセント甲州2011。生産者は蒼龍ワインです。1899年創業の老舗で、スーパーなどで見かける無添加ワインなどを手掛けている生産者です。一方で技術的な研鑽も怠らず様々なワインを提供しています。本ワインは、甲州葡萄の柑橘香を生かすべく、ボルドー液を使わず栽培した自社畑の葡萄を用いています。価格は、写真のお店で1680円。色は薄い黄色。やはり相当薄く、白といっていいほど。香りは、その名のとおり柑橘のニュアンスが強く、柚子や蜜柑、グレープフルーツ、ハッサク、軽い酢橘のような雰囲気が出ています。その他、ミネラルや酵母、リンゴ、梨といった甲州らしさも感じられました。味わいは太さと強さを感じる酸がメイン。ミネラル感もあり、ミディアムライトなボディと共に硬質な印象を与えます。果実味は極めて繊細で脇役程度ですが、徐々に膨らみは出てきます。しかし、酸の前に出る事はありません。食事との相性は良好で、おせち料理では昆布巻きやカマボコ、それになますや叩きゴボウと言ったものがいいつまみになりました。明るい酸が料理の甘みや酸味に合う他、旨みの引き立てもしてくれますね。また、寿司や刺身とも合います。イカやエビの甘みと果実味がよかったですし、ブリやハマチの脂っぽさには酸味がいいサッパリ感を与えてくれました。さらに、マグロの赤身に対しては、鉄分とミネラル感、旨みと酸がこれまたいい相性です。生魚系と甲州というのは、実はそれほど相性がよくないように思っていたのですが、このワインはそれを見事に裏切ってくれました。甲州にも様々なスタイルのものがありますので、先入観を持たず色々な可能性を探ってみないといけませんね。しかし、新酒という事だそうですがしっかりした見事なワインでした。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年01月14日
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先日のメルロー飲み比べ会のワイン、ここからがメルローです。これを飲みたかったので今回の会をやったようなものです。メルロー2008。岡山の北西部、新見市哲多の地には、表層に軽く土があり、その地下はずっと石灰土壌が続くという日本でもそう無い、ワイン用葡萄作りに適した土壌が存在します。哲多ヴィンヤードは、その土壌で実際にワイン用葡萄の栽培を行っている生産者です。メルローの他、シャルドネやマスカット・ベーリーAが既に商品化されています。醸造施設はまだなく、現在は山梨の大和葡萄酒に委託して行われています。生産本数は僅かに920本。価格は3150円です。色はガーネット。やはり赤みや透明度は感じます。香りは、開けてすぐはプラムやブラックベリー、軽いアプリコットのようなフルーツっぽさがあります。加えて、土っぽさやキノコ、茹で小豆などが感じられます。時間と共に、その土っぽさやなどが強まってきて、さらには黒豆や落ち葉、ミネラル、軽いチョコといったニュアンスが現れてきました。味わいは、タンニンの印象が強く、渋みを感じるほか口当たりにも少し。しかし、口当たりはあくまでスレンダーで滑らかなもので、ボディもミディアム程度です。果実味は赤ベリーのそれを思わせる明るいもので、酸はしっとり系のそれが下支えしています。会では、ブルーチーズやさんまの缶詰め粒マスタード味といったものと相性良好。ブルーチーズとは、タンニンや香りがチーズの青カビの辛さや香りとマッチします。また、さんまとは脂とタンニン、塩気や旨みと果実味が噛み合いました。樽のニュアンスや味わいを考えると、炭火焼きの焼鳥(タレ)なんかには面白そうです。赤身肉にも悪くないでしょうが、こってりした煮込みなどよりは、牛肉のたたきやすき焼き辺りが良さそうかなと。あとは、岡山産のイノシシ等の野禽、吉井川の鰻といった地元食材とはぜひ合わせたいですね。ボディの軽さは、日本のメルローの中でもおとなしい方かなとは思いますが、国産ワインを飲み慣れて来るとそこまで気にはならないかも。ミネラル感もそこそこありますし。これを二、三年寝かせてどうなるかも興味深いですし、畑の木の樹齢が進むとどうなるかも楽しみです。にほんブログ村
2012年01月08日
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先日のメルロー飲み比べ会のワイン、続いては甲州の白ワインです。甲州ヴェルディーニョ2010。生産者マルスワイナリーは鹿児島の焼酎メーカーである本坊酒造が山梨で手がけるワイナリーです。温泉で有名な山梨県石和の地を拠点に、穂坂や白根といった土地の葡萄を用いてワインを造っています。買い葡萄によることが多いですが、2000年には「穂坂日之城農場」を拓きプレミアムなワインに挑戦しています。セパージュは甲州100%。フリーランジュースを低温発酵させています。価格は楽天では写真のお店の1344円が最安値のようです。また、岡山の天満屋ハピーマートのワインコーナーで1445円で買えたりします。色は薄い黄色。といいましても、黄色の印象はほぼなく、白といってもいいくらい。香りは、開けてすぐは酵母やミネラル、カリン、ビワの実や葉、それにみかんっぽさや微かなスミレ?といったものがよく感じられます。また、時間経過とともに梨やりんご、洋ナシ、それに少々の蜜っぽさといった甘さを感じるニュアンスも出てくるようになりました。味わいは、甲州らしいトーンの高い元気な酸がメインで、そこに繊細でやわらかい果実味が背景として加わります。ミネラル感はほんのりあり、岩清水系のクリアーな印象のライトボディですが、芯は感じます。硬質なそれではなくしなやかさのあるものです。また、開けてすぐは微発泡を感じました。会では、シャンパーニュと同じようなタイミングで飲みました。参加者の方がお持ちくださったカニご飯には、カニの香りや味わい、ご飯のほのかな旨みに明るい酸がよく合います。また、他の方が北海道産のイクラをお持ちくださっていて、それをカニご飯にかけて頂くと、イクラの塩気やコクが加わりワインの果実味やミネラルとの関係がさらによくなりました。このワインは以前から時々飲んでいて、上記以外では鰆やビンチョウマグロの刺身などにもよく合いましたし、海老のボイルやおでん、菜の花のリゾットなど結構何でもござれなワインです。スーパーで簡単に手に入り、なおかつ値段もそこまでではなく、普段の食事との相性が非常にいいと、大変に使い勝手のいいワインです。何度も飲んでいますが、スーパーのワインコーナーなのに回転がかなり速そうなのは、やはり人気があるということなのでしょうね。ちなみに、抜栓3日目くらいでも十分おいしく飲めます。果実感はむしろ開けたてよりちょっと増しているくらいです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2012年01月06日
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今回は国産ワイン赤。山梨のマスカット・ベーリーAです。ソレイユ・ルージュ・クサカベンヌ2010。作り手の旭洋酒は、元々は近隣農家の共同醸造所だったものを、中央葡萄酒に勤務されていた鈴木夫妻が独立し、引き受ける事になったというワイナリーです。自社畑、契約農家の葡萄を用い、自然派なつくりをしたりもしています。本ワインは、ワイナリー裏手の契約農家である手島宏之氏の栽培した葡萄を使用しています。価格は、写真のお店で2100円。色は赤紫ですが、まだ若く黒さを感じます。無濾過なのも関係しているでしょうね。透明度は余りありません。香りはらしいフォクシーフレーヴァーを感じますが時間と共にほかの要素に溶け込んで生きます。その、ほかの要素としてはブラックベリー、イチゴ、ラズベリーといったベリー系フルーツやそのジャムが少々、軽いチョコっぽさやココア、茶色いスパイス、微かなオイルっぽさといったものが感じられます。また、翌日くらいになりますと、なめし革や下草っぽさも現われた他、赤ベリーのニュアンスが強くなりました。味わいは果実味が非常に大人しいのが印象的。以前飲んだ前のヴィンテージと比べますと軽くなった印象はぬぐえません。酸もやさしい、じんわりとしたものですが、こちらは決して弱弱しいものではありません。旨みはしっかりあり、ドライでライトなワインです。渋味はそこそこあり、後口にかけて細かい渋味が印象を〆ます。ドライな分食事には合わせやすいです。鳥肉との相性はよく、照り焼きチキンとあわせますとソースの甘みとワインの香りが、肉の脂や旨みとワインのタンニンと旨みがよくマッチしました。また、から揚げもいいつまみになります。また、味噌味とも相性がいいようで、鳥とキノコの吹き寄せとあわせますとキノコの香り、鳥の旨み、味噌の旨みと香りがよくマリアージュしました。その他、豚肉にもよく、豚バラの炒め物なんかにもいけますし、おでんならこんにゃくがはまります。魚介では、脂の乗ったブリの刺身に意外と良く合いました。前のヴィンテージと比べますと、生産本数が結構増えたようで、その辺が果実味に影響したのかもしれませんね。ただ、香りは素晴らしいですし、空き瓶から1週間近くいい香りがしましたので、ワイン自体はやはりいいものなのだなと。食事との相性は素晴らしいですし、食事の塩分や旨みとあわせることで果実味をより感じやすくなりますので、このワインはやはり食中に飲んでなんぼという感じです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2011年11月25日
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今回も国産ワイン。今回は長野のメルローです。メルロー・オーディネル2007。ソガ・ペール・エ・フィスは長野県の小布施ワイナリーが手がけるブランドです。ドメーヌ・ソガが自社畑葡萄を使ったブランドであるのに対し、こちらは近隣農家からの買い葡萄を使っています。価格もドメーヌ・ソガよりは若干お手ごろ。セパージュは、メルローという名前ですがカベルネ・ソーヴィニヨンも使われています。日本では、75%以上使っている品種は品種名をラベルに表記できます(数種類用いている場合は、合わせて75%以上になっている種類)。価格は写真のお店で2205円ですが、既に売り切れ。色はガーネット。エッジはルビーで透明度もそれなりにあります。香りは茶色いスパイスや黒コショウと言ったスパイス(この辺はカベルネから来るのでしょうか、)黒ベリー、プラム、時間と共に出てくる赤ベリー、それらベリーのドライフルーツといったフルーツっぽさ、さらには土や根菜、微かな下草、小豆っぽさ、赤い花といったニュアンスも感じられました。味わいは小さな赤い果実を思わせるフレッシュな酸が印象的。最初の印象から最後まで存在感があります。果実味は繊細で、酸に寄り添う印象。タンニンはそう強くありませんが、渋味はあり、爽やかな印象。ボディはミディアムで、エキス分も少々感じます。単独でも結構飲めますが、やはり食事にはよく合います。肉じゃがや焼き鳥(タレ)と合わせてみましたがいいですね。どちらも醤油ベースの甘辛味ですがワインの果実味や酸に合います。そこに加わる鳥や牛の旨みとも勿論相性抜群です。また、レンコンやゴボウの金平にも、香りの部分が結構よく、根菜類との相性も期待できそうです。調理法も、今回は和風のものばかりでしたが、フレンチやイタリアンにも是非試したいところです。各方面から評価の高い生産者ですが、評判に違わぬワインでした。また、自然派なつくりをしているからかは分かりませんが、ムラを指摘される事もあり、実際ドメーヌ・ソガの方はちょっとイマイチなものも飲んだことがあるのですが、このペール・エ・フィスのほうは結構安定していい印象があります。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2011年11月17日
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今回は国産の白です。お手頃なやや甘口。シャトー酒折 デラウエア2010。生産者シャトー酒折は、ポルトガルワインの輸入などを行っているインポーターの木下インターナショナルです。甲州やマスカット・ベーリーAといった国産品種を中心にワイン作りを行っており、高い評価を得ています。また、栽培家の池川仁氏や多くの方々と協力し、キスヴィンというプロジェクトを進めています。価格は、写真のお店で1213円。色は薄い黄色。レモンやグレープフルーツ果汁系ですね。香りはフルーティさ一杯です。パイナップルやバナナ、少々のマンゴーと言った南国のそれを中心に、青リンゴや、柑橘なら蜜柑や少々のレモン、それにマスカット系の葡萄そのものの香りも感じました。さらに、少々のドライフルーツっぽさも。味わいも香りの印象に似合った甘みのあるものです。また、しっとり系ながら強い酸が甘みの後ろにあり、ジューシーな印象。後口にはほんのり苦味も。ボディはライトで、あまり硬質感はなく、口当りもいたって柔らかです。単独でもすいすい飲めますし、白カビチーズがあるといいつまみになります。ただ、やや甘口でも食事には勿論合います。イカやエビの握りは、ネタの甘みもいいですし、シャリに砂糖をある程度使っていれば相性はさらによくなります。似たような感じで、関西風のバラちらしなんかにもいいでしょうね。また、クリーム系の料理にも相性がいいようで、カニクリームコロッケとあわせるとクリームのコクとワインの甘さがいい連続性を見せてくれました。かなり手頃なワインで、味わいも甘みがあってとっつきやすいタイプで、冷やしてカジュアルに楽しめますが、一方で食事との相性は面白いですし、酸味と甘みと口当りのバランスは非常に完成度が高いという印象です。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2011年11月15日
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最近注目度が飛躍的に高まっている日本ワイン。私も普段飲むワインの中では比率が高まっていますし、日本ワインを使ったワイン会もよくさせていただいています。現在では、山本博氏を会長とし、日本ワインを愛する会という会まで出来、日本ワインの普及に努めています。そして、この日本ワインを愛する会が、日本ワインの正しい知識を啓蒙し一層の浸透と拡販を図るという目的の下、今年、第1回の日本ワイン検定を先日10月30日に実施しました。私も、今興味を強めている日本ワインについてもっとしっかり知り、その知識をテストしてみたいなということで受験してみる事にしました。検定は3級、2級、両級併願の3パターンの受験方法があり、2級に合格すると来年の1級に合格できるそうで、時間と費用の節約のために^^;2級のみの受験としました。また、検定前にセミナーもありましたが、セミナー・検定共に受けられるのは東京のみで、セミナーは日程が合わず参加できませんでした。セミナーでは検定の出題範囲を結構絞ったようで、この辺は第1回とはいえ地方受検者にもう少し配慮して欲しかったな、と。ただ、出題範囲は出願時に購入できる180ページほどのテキストのみですから、そこまで広いというものでもありませんが…^^;テキストです。装丁のデザインが凝ってます。また、各地のワイナリー情報もあり結構資料として役立ちます。2級検定はマークシートによる知識問題+テイスティング。試験時間は知識問題1時間、テイスティング10分で、問題数は全50問。知識問題48題、テイスティング2題でした。出来の方は…知識問題は、あまり細かいことを問われなかったのと、統計や各ワイナリーの説明など出そうだなと重点的に勉強していたところが出てくれた事があり手ごたえをある程度つかめました。テイスティングは、品種を当てるだけで、出題も甲州とマスカット・ベーリーAという基本的なものだったのですが…甲州は問題なかったもののMBAの方はフォクシーフレーヴァーを感じきれずメルローと勘違い><どうなるかはまだ分かりませんが、7割取れば合格という事で、結果発表を楽しみに待ちたいと思います。検定後は、こちらの方が楽しみだったわけですが^^;、恵比寿で知人の方と食事。ビストロエビスさんにお邪魔しました。カウンターのみの小ぢんまりとした、しかし暖かみのあるお店でした。お料理も、素材の美味さを存分に引き出したナチュラルなフレンチで非常に良かったです。また、翌日は1日オフで、谷根千をぶらぶらしたり、猫の町として有名な谷中界隈。噂のねんねこ屋さんはお休みでしたが結構な数の猫に会えました。表参道駅すぐ側にある、カフェ・ラントマンさんでオーストリーワインと鹿肉の煮込みを頂いたり、ウィーンにあるカフェ・ラントマンの日本店です。様々なアレンジ珈琲やケーキ、オーストリア料理、それにオーストリアワインがあります。グラスワインも充実。六本木にある、自然派ワイン界の重鎮であるワインバー祥瑞さんにお邪魔したりしました。お料理のワンポーションが相当な量!しかし、これがまた非常に美味しく、かつ出てくるワインにことごとく合うのです^^ガッツリ食べてガブガブ飲む、というビオワインの楽しさを再認識させてもらえました。次はもっとお腹を空かせて行きます^^久々の東京でしたが充実しました。もし日本ワイン検定2級に合格できれば、1級は来年の10月だそうです。もし受けられることになったら、もうちょっと時間作って山梨か栃木辺りに足を伸ばしてみたいものです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2011年11月01日
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さて、先日の西日本のワインの会のワインもこれで最後です。今回は九州のカベルネ・ソーヴィニヨン。菊鹿カベルネ樽熟成2009。熊本ワインは、山形の高畠ワインを手がける本坊酒造が1999年に始めたワイナリーです。14件の契約農家の作る100%熊本産のブドウでワイン作りを行っており、シャルドネで高い評価を得ています。価格は2520円ですが、楽天内では既に完売のようです。色は濃い赤紫で、黒っぽさもあり透明度は低いです。エッジはルビー系でまだ若さがあります。香りはフルーティさが強く、カシスや黒ベリー、完熟赤ベリーやそのジャム、プラムといったものをよく感じました。そこに軽いカラメルや微かな珈琲、ロースト香といったものが加わります。また、茶色いスパイスも。この品種によく見られる黒コショウっぽいニュアンスもありはするのですが、ボルドーのものなどと比べますと大人しい印象。味わいは果実味主体。香りに似合ったフルーティなそれがしっかり感じられます。酸は乳酸系で繊細さがあり、果実味を裏から支えています。ボディは柔らかさ、丸さがありますが、重さがミディアムややフル寄り位はあります。会では、やはり生ハムやサラミといった肉類との相性がいいですね。肉の旨み、塩気がワインの果実味や香りとよくマッチします。また、チーズは白カビやセミハードとまずまずで、果実味をまろやかにしてくれよりマイルドな味わいを楽しめました。このワインならやはり赤身肉とあわせるのがいいでしょうね。牛肉のタタキや、熊本らしく馬刺しもいいかもしれません。その他、鹿やイノシシといったジビエ毛糸も面白そうで、国産のものをシンプルに調理してあわせてみたいところ。熊本ワインらしいしっかりした味わいのワインです。シャルドネほどではありませんが南のコクを感じられました。これも、他地域、得に山梨のものなどと飲み比べてみても面白いでしょうね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2011年10月30日
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先日の西日本のワインの会のワイン、ここからは赤です。最初は岡山産ワイン。グランポレール岡山マスカット・ベーリーAバレルセレクト2008。生産者サッポロワイン岡山ワイナリーは、1974年創業。サッポロワインの岡山工場として、国産ブドウのワインから輸入果汁を使った手軽なワインまでを生産しています。また、赤磐市はブドウ作りに適した気候であることから、自社畑や契約栽培畑を有してもいます。セパージュは赤磐産マスカット・ベーリーA100%。価格は2500円程度でしたが、本ヴィンテージは既に売り切れ。色は赤紫ですが、黒々とした感じではなく少しこなれた印象。エッジにはルビーも見えました。香りはらしいイチゴキャンディーや巨峰的なニュアンスを感じますが、土っぽさや茶色いスパイスのニュアンスなどと上手く融合しておりそこまで飛びぬけた印象はありません。その他、軽いスミレやブルーベリー、赤ベリーやそのジャム、人参主体の野菜ジュースっぽさといったようなものも感じられました。味わいは落ち着いたきれいな果実味が主体です。こなれた影響もあるのでしょうが、繊細さ、大人しさを感じます。酸味はそれに寄り添う感じで、乳酸系のものが控えめに出ています。ボディはミディアムライトで、ミネラル感も感じる比較的パリッとした口当りでした。会では、白カビのチーズや生ハム、サラミがいいつまみになりました。白カビチーズのまろやかさがワインの果実味似よくマッチする他、サラミや生ハムの肉由来の香りとベーリーAの香りが結構嵌っていました。肉の旨みや塩分とワインの果実味もいいですね。このワインは個人的には結構単独でもいいかななんて思いましたが、食事に合わせるならトマトとシーフードのパスタやカジキマグロのソテーなんて面白そうです。また、焼き鳥(タレ)やブリ大根など脂の乗った青魚や赤身魚の煮付けなどの和食との相性は間違いなさそうです。昔はマスカット・ベーリーAのフォクシーフレーバーって苦手だったんですが、最近はそうでもなくなって、この品種のワインがかなり好きになりました。日本らしいたおやかさと過不足のない感じが癒し系です。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2011年10月28日
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西日本ワインの会のワイン、続いては京都の白ワインです。丹波鳥居野ピノ・ブラン2008。生産者丹波ワインは1979年に、黒井哲夫氏と山崎高明氏の二人によって設立されました。京料理に合う繊細なワインを作ることを目的としています。カベルネやシャルドネは勿論、ピノ・ノワールやデラウェアなど、様々な品種を手がけており、その数なんと40種類にものぼるそうです。本ワインに使用されているピノ・ブランも、日本ではあまり見ない品種ですね。価格は、奢侈のお店で2940円。色はほぼ白といっていいくらいの、極めて淡い黄色です。香りは香ばしさが強く、樽っぽさやバター、それに栗っぽいニュアンスがよく出ていました。そこに、日本酒的な酵母っぽさや軽いキノコ、フローラル、ベッコウアメといったような要素が加わります。また、時間と共に軽い蜜柑的な柑橘や梨っぽさも出てきたでしょうか。味わいはやはり繊細。果実味、酸共に穏やかで、3年経っていることもあるのでしょうが、極めて大人しくこなれた印象。シュール・リー由来のような旨みは結構ありますね。ボディはライトで、まろやかさがあり、柔らかに拡がります。あまり収斂味、エキス分といったものは感じません。会では、やはりコンテの旨みがいいつまみになりました。また、サラダのルッコラなどの甘みが、ワインの旨みや果実味に結構嵌りました。以外だったのが、ドライフルーツのアプリコットとの相性で、ドライフルーツの甘みが勝りはしますが、ワインの酸や旨み、それに香ばしさ中心の香りがよくマッチしました。その他ですと、やはりこのワインは和食に合わせたいワインですね。野菜の煮物、しんじょを使った椀物、白身魚の天婦羅(塩)、あるいはばら寿司などと是非試したいところです。非常に大人しい、ある種日本のワインらしいワインだなという印象です。その一方で、ドライフルーツとよく合ったりして、結構芯はしっかりしているのかなとも感じました。にほんブログ村
2011年10月26日
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ここからは西日本のワイン会のワインです。1本目は大阪の伝統ある甲州。合名山堅下甲州2010。生産者はカタシモワインフード。1914年創業の、大阪府柏原市のワイナリーです。柏原では江戸時代から葡萄栽培が行われてきたそうで、カタシモ本ブドウとも呼ばれる、この地で長く作られてきた甲州種の「堅下甲州」を筆頭にマスカット・ベーリーAやシャルドネ、デラウェアといった品種を、低農薬栽培で手がけています。セパージュは、その堅下甲州100%。価格は、写真のお店で1995円。色はツヤも感じる黄色。甲州という品種からイメージする色合いとは随分違っています。香りは、梅、モモ、蜜柑といったフルーツや少々のミネラル、微かな蜜っぽさないし蜜入りリンゴのようなちょっと濃さのあるニュアンスといったものを感じます。また、時間と共に酵母っぽさも現われてきますが、日本酒的なそれというよりは、むしろシャンパーニュに近いような香ばしさを感じるものでした。味わいはライトなワインではあるのですが、エキス分や凝縮感を感じる口当りでびっくり。酸味も、あまりキンキンしたものではなく、やや厚みのある、旨みの乗ったそれです。果実味は酸味よりやや前に出るくらいでいいバランス。色合いやエキス分に似合った存在感のある果実味です。会では、おつまみプレートのコンテチーズやサラダの生で食べられるマッシュルームといったものと合わせてみましたが、結構いけます。コンテの旨みやまろやかさと、ワインの旨みや果実味、エキス分が合いますし、マッシュルームの旨みにもこれまたいけます。また、生ハムやサラミとも、塩分と肉の旨みがワインの酸味や果実味となかなか。脂のあるサラミでも結構いけるのが面白かったですね。山梨の甲州とは随分雰囲気の違う、まさに西日本の甲州だなという感じです。度数も13度あり、なかなかしっかりした白という印象を持てるかと思います。食事との相性も幅広そうで、和食は勿論、フレンチやイタリアン系の魚料理や白い肉などともあわせてみたいところですね。にほんブログ村
2011年10月24日
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今回は比較的手にしやすい価格ながら味、香りともにしっかり目の国産赤です。カベルネ・ベリーA穂坂収穫2009。生産者シャトー・マルスは先日記事にしました五郎丸の熊本ワインも手掛ける本坊酒造が営む山梨のワイナリーです。創業は1960年で、ワイナリーは笛吹市にあります。穂坂、石和、白根地区の葡萄を中心に、カベルネ・ソーヴィニヨンや甲州などのワインを作っています。セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨンとマスカット・ベリーA。価格は写真のお店で1449円。色は濃く、黒いです。一応ガーネット系でしょうか。エッジには紫も。香りは黒胡椒や茶色いスパイス、黒ベリー、ベリーのジャムや軽いターリーさといったカベルネ由来のニュアンスに、樽の香ばしさが加わります。その後、赤ベリーや軽い柿っぽさ、キノコ、赤い花といった要素が表れてきて、最終的にはベリーAらしいイチゴっぽさも出てきました。味わいは、しっかりした赤ベリー風の明るい酸味を中心に、タンニンの渋みや果実味が加わります。ただ、果実味はどちらかというと酸味や渋みの背景的な出方で、円やかさ、優しさがあるのは山梨の赤らしいですね。ボディはミディアムフルで、コクはありつつも、やはり柔らかいものとなっています。香りがしっかりしており、割りと単独でもいけそうです。ただ、そこまで複雑なワインでもありませんのでグラス向きでしょうか。食事には勿論合わせやすいです。照り焼きチキンステーキや鶏肉ジャガ、ローストビーフ、ハンバーグと、赤ワインらしく肉類にはよく合います。ワインの味わいのバランスのお陰で、牛から鳥まで幅広くいけるのが嬉しいですね。また、照り焼きソースなど醤油系の味にも合いますし、筑前煮の根菜とも相性良好でした。非常に良くできたワインです。カベルネ・ソーヴィニヨンらしさをそれなりに楽しめる一方で、マスカット・ベリーAの柔らかさが加わり日本の食卓に最適なバランスとなっています。価格的にはジェネリックボルドーやスペイン、南半球とライバルは多いですが、選択肢としては悪くないと思いますね。にほんブログ村
2011年09月18日
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