江戸川と利根川とを約8.5kmで結ぶ運河が開削されたのは明治23年。その後、関東水運の動脈として、約50年間運河は活躍した。運河全盛期頃の河岸地域は、商店、回漕店、舟大工などが住む一大商店街を形成していた。大正2年には、道程約17kmの 運河霊場八十八箇 所 があったと言う。
四国霊場八十八箇所巡りは、当時比較的裕福な人々で流行していたが、田舎庶民にとっては叶わぬ夢であった。「本家」になぞられて「分家」なる新八十八箇所が各地に誕生したと言う。東葛飾地域の数ある八十八箇所巡りのひとつが利根運河沿いにもあった。平成8年には 大 師堂 が再建され、遍路会が毎年行なわれている。
現在の利根運河は、小河川として流域の雨水を江戸川に排水している。その運河水辺公園には、水位を計測する塔が立っている。これまでの 増水時の最高水位 は、YP+9.36mと掲示してある。塔のミニバルコニまで来たそうだ。平成13年9月11日の15号台風の置き土産。この日は、米国の同時テロと重なる。
政界で少し前、話題になったのは、四国お遍路の 54番札所「延命寺 (今治市)」。彼の人は、一刻も早く「 同行二人 」の編笠姿で、原発事故の厄払い巡礼に出発してほしい。運河霊場新八十八箇所での54番札所は、野田市下三ケ尾地区の道端に在る。祠のなかの大師様は、行き交う人々を見守っている。
写真-1 利根運河を江戸川側から観る
写真-2 利根運河大師堂に納められた17体の大師像
写真-3 運河水辺公園の水位観測塔。YP+9.36mまでの水位が観測されている。
写真-4 利根運河の水位記録看板
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