堤防の穴に開いた害から身を守ること・・が転じて信仰になった神社が大田区羽田にある。神社の神使にキツネ ( ) を配する 穴守稲荷神社 である。親子の狐像が参拝者を出迎える。江戸後期に羽田村沿岸の干潟を干拓して、新田開発する過程で作られた比較的新しい神社。いっとき全国に 200 社があったという。
環八通りを通す穴守橋から西 300 mの住宅街に建つ穴守稲荷神社。神社の奥乃宮には、 御神砂 の「あなもり砂」と小袋が置かれ、持ち帰りできる。小生もスプーン大さじ一杯分を頂き、自宅の玄関に蒔いた。ちなみに海老取川に架かる穴守橋を渡った東詰は、羽田空港 1 丁目である。
穴守稲荷神社は、終戦直後GHQの命令で、住民約 3000 人と共に現在の場所へ移築された。「 羽田たいへん記」 の芝居で取り上げられた大鳥居が、 15 年前 ( 新滑走路建設に伴う ) にようやく、海老取川河口に移設された。 2007 年頃まで柵に囲まれた存在だったが、今は自由に大鳥居をくぐれるようになった。
その鳥居は「 平和の大鳥居」 と命名され、東京湾およびその先の世界を見守っている。ほぼ東向きに建っているので、東京都における初日の出を観る名所ともなっている。更にその場所から羽田空港を離発着する飛行機も眺めることができる。
写真 -1 親子の狛狐が見張る穴守稲荷神社。創建が文化元年 (1818 年 ) 干拓事業の守り神。
写真 -2 朱色の鳥居列の奥に奥乃宮があり、招福の砂を頂ける。
写真 -3 海老取川に架かる穴守橋を観る。モノレールが「穴」に潜る地点。
写真 -4 海老取川河口左岸に建つ平和の大鳥居。
写真 -5 御神砂の入った箱と小袋。商売繁昌、病気平癒などに利く。
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