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昭和天皇を一人の人間として描いたこの映画、日本では上映が不可能かもしれないといわれていたそうです。ほとんど日本人俳優が主なので日本映画のように見えますが、実はロシアの映画なんですね。ですからどうしても日本人の私たちからすると、違和感のある部分が多い内容となりますが、映画自体は良く出来ていました。昭和天皇が亡くなられてから早くも20年がたとうとしています。早いような、長いようなそんな年月ですが、昭和天皇は、昭和という激動の時代、何を考えどのように生きてこられたのでしょうか。多くの苦悩と孤独のうちにあった昭和天皇を、一人の人間として描こうとしたこの映画は、海外からはきっとこのように見られて感じられているということが理解できます。私たちからすると違和感を感じる「ラスト・サムライ」「SAYURI」などと共通の「外国人の目から見て描かれた日本」の感覚なのです。このアレクサンドル・ソクーロフ監督は、ロシア人ということですが、外国人であるという立場でなければ、描けない映画といえるでしょう。でも私たち日本人が昭和天皇のこと、皇室のことをよく知っているかというと、これもまた、知っているとも言えません。私自身が皇室とは何か、第二次世界大戦とは何かというその真実をまだ解らないまま見ているので、見終わった後に複雑な心境になってしまいました。さて皆様はどのような感想をもたれるのでしょう。監督 アレクサンドル・ソクーロフ出演 イッセー尾形 桃井かおり 佐野史郎
2007.06.28
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山田洋次監督、藤沢周平原作の三部作 たそがれ清兵衛、隠し剣鬼の爪、武士の一分、のトップを切った作品なんですね。山田監督初の時代劇ということで、注目された一作、アカデミー賞の候補にもなった作品です。幕末、真田広之扮する井口清兵衛は、海坂藩の平侍、妻に死なれ、二人の幼い娘を抱え、痴呆の母親の世話をするために、夕方になると、同僚の誘いにも乗らずにまっすぐに家に帰る。そんな清兵衛を同僚はたそがれ清兵衛と呼んでいた。貧しいながら、可愛い娘たちのため、日々の暮らしを営み、娘たちが育つのを見守ることを喜びとしていた。清兵衛は、身なりが薄汚れていても気にもせずにいたのだが、藩主に注意をされ、本家の叔父には嫁を取れと脅される。しかし清兵衛の胸には、昔から好きだった幼馴染の朋江がいた。朋江は、酒乱の夫と離縁し、家に戻っていたのだった。朋江も清兵衛の二人の娘たちを可愛がり、面倒を見てくれていた。あるとき朋江の夫が酒を飲んで朋江の家で暴れたときに、朋江を助けるために、夫と果し合いをすることになった。清兵衛は剣の達人に教えを受けていたのだった。その剣の腕を見込まれ、ご家老からの理不尽な命令が下された・・・時代考証に一年を費やしたということです。やたらと華やかな町人ものや遊郭の話と違い、質素な藩の侍たちの衣装や武家の妻たちの衣装は、華やかさが一つもないのですが、その中にも慎ましやかな朋江の着物はとても粋で、素敵です。粋は、侍たちの文化から出てきたものだと田中優子さんが書かれていましたが、そうなのかもしれませんね。武家の娘らしい装いは、現代にも通じ、とてもお洒落です。粋な着物を学ぼうと思ったら、やはり侍物の映画を研究すべきですね。なかなかグッと来る結末、ぜひ皆様ご覧になってみてください。衣装は時代劇の第一人者、黒沢和子さんです。監督 山田洋次出演 真田広之 宮沢リエ 田中泯 丹波哲郎 岸恵子
2007.06.25
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なかなか可愛いらしいサムライ物映画です。「誰も知らない」の監督是枝裕和さんの時代物。どんな映画になったかというと、ほのぼのとして、優しく楽しい映画となりました。父親の敵を討つため、松本から江戸に出てきた青木宗左衛門(岡田准一)は、貧乏長屋に住み、敵を探していたが、なかなか見つからないでいた。時は赤穂浪士の討ち入りの前、生類憐みの令が発せられていた。里からの送金も途絶えがちの宗左は、読み書きを教える寺子屋を初め、生計をたてはじめる。様々な人間模様、武士も町人も庶民も、子供も大人も助け合い寄り添って生きていた。笑いと悲しみ、人への深い思いやり、すべての人たちが温かく優しい。そんなサムライ映画が出来上がりました。宮沢りえ扮する子持ちの美しい未亡人おさえ。おさえの着物姿は、とても清楚で、渋くて素敵です。衣装は黒沢和子さん。あの黒澤監督の娘さんなんですね。「座頭市」や「海はみていた」の衣装を担当しています。なかなか男物の着物はとてもうらぶれて雰囲気がありますが、女ものの着物はさわやかで、ちょっと粋なんです。もと遊女のお良の着物姿は艶があって美しいです!なかなか味わいのあるいい映画でした。新しいサムライ映画、ぜひご覧ください。監督 是枝裕和出演 岡田准一 宮沢りえ 古田新太 浅野忠信衣装 黒澤和子
2007.06.22
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群ようこが映画のために書き下ろしたというストーリーで、監督は「やっぱり猫が好き2005」などの荻上直子監督です。シネスイッチで、かなりのヒットを飛ばしたこの作品、DVDもかなりヒットしているようで、在庫が少なかったです。テレビでの知名度もあるんでしょうね。女性たちに人気なのかもしれませんね。フィンランドのヘルシンキにある、かもめ食堂は日本女性のサチエが始めた食堂。そこにやってくるわけありの中年女性ミドリとマサコが繰り広げるほのぼのとしたちょっと不思議なストーリー。かもめ食堂は、初めは誰も近寄らないカフェでしたが、ある日始めて日本かぶれの学生トンミが初めて入ってきました。彼にガッチャマンの歌詞を訊かれたけれど、思い出せなかったサチエは、街を歩いていて偶然カフェで出会った日本人のミドリに思い切ってガッチャマンの歌詞を訊きました。ミドリはすらすらとその歌詞を書いてくれました。なぜ、フィンランドに来たかを訊いたら、目をつぶって指差したところがフィンランドだったと答えるミドリを見て、サチエは、かもめ食堂を手伝ってくれるように誘ってみたのです。慣れないながらも、一生懸命手伝うミドリ、そんなとき、空港で荷物がなくなってしまった、マサコが、かもめ食堂の前を通りかかり、お店に入ってきました。毎日かばんを探すマサコは必ずかもめ食堂に寄って行くようになり、いつしか一緒に手伝うようになるのです。まずはおいしい手作りシナモンロールを作り始め、そして、日本の洋食、おにぎりなど、一生懸命作る三人。いつしか大勢の人が集まる食堂となっていくのです。個性豊かな3人が、かもし出す独特の雰囲気。とってもセンスのいい服やキッチン。フィンランドののんびりした街並みや自然、なんとも言えず、おおらかな、何気ない映画です。独特の雰囲気が人気の秘訣でしょうか。それとも、女性たちの自立というテーマがあるのでしょうか。この映画の人気の秘訣はきっと女性たちだと思いますが、外国でのんびりと食堂を営むという、女性たちの漠然とした夢をまさに映画にした、そんな印象でした。皆様もぜひ一度ごらんになってみてください。どんな印象を持ちますか?監督 荻上直子出演 小林聡美 片桐はいり もたいまさこ マルック・ベルトラ原作 群ようこ
2007.06.18
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木村拓也主演で話題となった山田洋二監督のこの映画、なかなかの出来栄えです。キムタク渾身の演技ですね。また、相手役の壇れいも、非常に密度の濃い演技をしています。地下鉄の駅のポスターを見てからというもの、見るのが楽しみでした。下級武士で毒見役の三村新之丞(木村拓也)は、美しい妻加世(壇れい)と慎ましいながらも幸せに暮らしていたが、あるとき、役目のお毒見で、貝の毒にあたり失明をしてしまう。失明した三村の行く末を案じ、力になりたいと、番頭島田の罠とも知らずに、一人島田の家に会いに行った加世は、島田に手篭めにされてしまう。そのことを知った三村は加世を離縁し、目が見えないながらも剣術を習い始める。加世欲しさに嘘を言ってだました島田に三村は果し合いを挑む。甲斐甲斐しい新妻の加世が、とてもけなげで美しく可愛いく、心に響いてきます。壇れいは、宝塚の出身だそうですが、舞台で演技している人はやはり迫力がちがいますね。着ている着物は質素でありながら、はっとするような美しさがあります。格子柄の着物や、絣調の普段の着物も初々しさがあり好感がもてます。またおせっかいな叔母役の桃井かおりの小紋の着物も、なかなか渋くて素敵です。センスのいい、新鮮な味わいの着物たちは、私たちの普段着の着こなしに役に立ちそうです。ぜひじっくりみてくださいね。キムタクのファンの方も、また時代劇のファンの方にも楽しめる、娯楽作品です。山田監督、藤沢周平の時代劇三部作、は「たそがれ清兵衛」「隠し剣鬼の爪」そして「武士の一分」で完成だそうです。どの作品もとてもシンプルでよかったです。監督 山田洋二 原作 藤沢周平出演 木村拓也 壇れい 緒方拳 桃井かおり
2007.06.16
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遊女asomeあこがれの江戸文学者 田中優子さんの着物のエッセイです。一年間にわたり雑誌に掲載されたものをまとめたものですが、非常に趣のある着物の本が出来上がりました。田中さんは、アジアの布に造詣が深く、布を表現されるときの田中さんのその布をいつくしむ気持ちがとてもよく伝わってきて、心にしっくりと来るのです。布には女たちの生活そのものが刻み込まれています。私もアジアの布が大好きなのですが、一枚の布には喜びや愛が織り込まれ、その豊かな美しい表情は、触っていても見ていても本当にいいものです。アジアの布を着物にしていらっしゃる田中さん、ほんとうに素敵な着物たちばかりです。また江戸時代の浮世絵や古い着物の写真がとても素敵です。知的な味わい、そして見た目も美しく、かなり実用的な着物の知恵も教えてもらえる、非常に貴重な本です。こんな着物の本がもっとあればいいのにと思います。一月の謡初から十二月の一陽来復にいたる、十二ヶ月のタイトルもとても味わいのある日本語です。情緒も知性も大満足の一冊です。どうぞ皆様ぜひお読みになってみてくださいね。
2007.06.11
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中沢新一さんの新刊、ついついamazonからのお知らせメールがきて、買ってしまいました。新刊が出るとつい、欲しくなってしまいます。このミクロコスモスは、ここ数年間、中沢氏が様々書き綴った文章を拾い集めたものです。一つ一つはとても短い文章で完結されている世界なのですが、その世界から見えてくる壮大な宇宙を示してみたいという編集者の意図は、なかなか素敵です。レコードのようにA面とB面という雰囲気で公的な文章、私的な文章と分けて編集してあるのが嬉しいですね。一つ一つの作品はとても短いものもあり、ちょっと長いものもありで、読みやすいです。様々なテーマについて書かれているのですが、読み進めていくうちに、中沢新一という人の背景にある大きな宇宙が立ち現れてくるのです。宗教、芸術、社会学、人類学、哲学、幅広い膨大な知識、しかしその核にあるものは一貫しているのです。「自分はこの世界ではないところに根拠をもっている」という感覚、余所者であるという強烈な感覚と、その「未出現のものを表すために自分の人生がある」と言い切ってしまえる中沢氏の潔い語り。そのさわやかな氏の人生観に似合った、シンプルで、すっきりした本の装丁も素敵です。あっという間に読んでしまったこの本ですが、中沢新一という人の全容を感じ取るためにはぜひお勧めの本です。
2007.06.08
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昔からみたいと思っていた映画ですが、やっと見ることができました。瞽女とは目の見えない芸人で、親方とともに、生涯を神に仕えて芸のみに生きていれば、芸能集団のような形で、一緒に回って生活をしていく。一方、はなれ瞽女とは、男と交わってしまった女たちのことをいう。男を知った瞽女は、追放されてしまうので、一人で旅をしながら三味線を弾き、歌い、暮らしていく。そんなはなれ瞽女のおりんは、あるとき、平太郎という大男に出会う。平太郎はおりんには指一本ふれず一緒に旅をして、優しくおりんの世話をする。平太郎は下駄を直すことができたので、下駄屋をしながら、二人は旅を続ける。当然二人の間に愛が生まれるが、どんなにおりんが抱いてくれと頼んでも、平太郎は抱くことを拒んだ。平太郎は実は、憲兵に追われていたのだった。悲しい運命の二人、世間から追われている二人の間に生まれた真実の愛、美しい日本海と山々の自然、おりんの着物は、貧しい身の上でありながらも、芸人なので、なかなか美しい着物姿です。庶民の着物の組み合わせはともてセンスよく、着物を見ているのも楽しいですよ。三味線の音は、日本の自然の風景と溶け込むように流れ、またその歌声がなんとも言えず、いいのです。目の見えない子供が、芸を身につけることで生きていく、芸人が回ってくるのを楽しみにしていた庶民、100年前には、日本では、まだまだこのような風景が繰り広げられていたのでしょう。女性の悲しい歴史ということもありますが、庶民の着物の感覚などを感じることが出来る映画でもあります。監督 篠田正浩出演 岩下志麻 原田芳雄 奈良岡朋子 樹木希林 小林薫
2007.06.06
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匂いの書第二弾です。この作者の鈴木さんは、匂いに魅せられた方なんでしょうね。思春期の鮮明な匂いによるエロティックなの経験が基となり、香水の会社に就職し、匂いを仕事にしてこられた方のエロスと匂いへの探求の書です。匂いの魅力は、そのエロティシズムにあるのです。彼はなぜ、香水がこれほどまでに世界で作られてきたのかということを深く考えていくと、生物としての本能ということだけではなく、人間の頭で作り出したエロスというものが根底にあるのではないかということを考察していきます。人フェロモンが果たして、ほんとうにエロティックなのか?ということを深く考えていくのです。香水のこと、そして人間のエロスの構造、嗅覚という原始的な人間の能力について、とにかくとても面白く読ませていただきました。鈴木さんもライアル・ワトソン氏の『匂いの記憶』を当然読まれていて、ヤコブソン器官についても触れています。しかし、鈴木さんはあくまで香水と深く仕事で携わってきて、その媚薬と呼ばれた香水についての洞察が非常に深いので、なるほどと頭で捉える人間特有のエロスというものの考察が、興味深かったです。10代のとき、初めて恋人が着ていたシャツを貸してもらって、羽織って帰ったことがありました。そのシャツから恋人の匂いがして、数日離れていたのに、いつも彼がそばにいるようで、胸がどきどきして自分でも驚いたことがありました。実は恋と匂いは強烈な関係があるということを皆さんも経験されているのではないでしょうか。遊女asomeは図らずもそんなことを思い出してしまいましたけれど、匂いという強烈な、言葉にできない感覚、脳科学もかなり研究が進んできて、嗅覚と脳の関係など、今後この分野どのように解明されていくのかがとても楽しみです。
2007.06.04
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近松門左衛門の「大経師昔暦」を基にかかれた川口松太郎の「おさん茂兵衛」からヒントを得て作られた作品だそうです。溝口健二監督の心中ものですが、当時の絶世の美男、長谷川一夫と、香川京子がとても美しいです。香川京子は商家の若い後妻役ですが、まるで武家の妻のような気気品があり、着物や髪型などが、とても新鮮です。浮世絵に出てくるようなちょっと変形した髪はなるほどと、なんども見てしまいました。白黒の画面なんですが、豪華な着物が目に浮かぶようです。一番の番頭だった茂兵衛はひそかに後家であるおさんを好いていたが、江戸時代では、不義密通は磔となってしまう、重罪。物語は、成り行き上、二人の道行きとなってしまうのだが、実は本当に茂兵衛はおさんを愛していて、その愛におさんも目覚めてしまうという、物語。最後は至福のうちに二人は縛られ、町中を引き回されていても、後ろ手に手を握り合い、今までにない晴れやかな、表情をしているのです。愛のために死ぬということは、究極の結末なのかもしれませんね。着物の着付けも非常に美しいです。溝口健二全集に入っているDVDです。Tutayaのコーナーにあると思いますので、ぜひ探してみてください。監督 溝口健二出演 長谷川一夫 香川京子 南田洋子1954年 大映
2007.06.03
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