Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

2024年06月05日
XML
カテゴリ: 霊魂論



ゲーテの自然科学論序説並びに精神科学(人智学)の基礎(GA1)
第10章 ゲーテのアイデアというその光の下での認識と行為1-5 佐々木義之訳
4.認識の限界と仮説の形成について
 今日では、認識の限界についてよく語られます。存在する現実を説明するための私たちの能力はある程度のところまでしか到達できず、私たちはそこで立ち止まらなければならないと言われます。私たちは、この問題は正しく問いかけられない限り正しく答えられないと考えます。正しい問いかけをすることで、間違いの大軍から逃れることができるというのはよくあることです。私たちが、説明すべき対象は所与のものであるという事実について考えてみるならば、所与のもの自体が私たちを制限することはあり得ないということが明確になるでしょう。それは説明や理解を要求する以前に、与えられた現実という世界の内部で、私たちに対して自らを開示しなければなりません。所与のものの領域の外に留まるものであれば、それが何であれ、説明を要求することはありません。何らかの限界が生じるのは、与えられた現実に直面するとき、私たちがそれを検証するための手段を欠いているときだけです。説明する必要が生じるのは、私たちの思考が私たちに提示するものの水平線上に、私たちがそれによって与えられたものを規定したいと願う方法、私たちがそれに与えたいと願う説明が現われるからに他なりません。私たちにとって、説明、つまり説明されるべきものの本質が未知であるということが説明を要求するのではないのです。そのようなことは全くなく、私たちの心にそれが現われるということがそれを要求するのです。説明を要求する事物と私たちの説明手段の両方が入手可能なのです。私たちに必要なのは両方の結びつきを確立するということです。説明とは未知のものを求めることではなく、二つの既知のものの関連を明確にすることです。私たちが既に知っているのではない何かの意味で与えられたものを説明するということは決して起こり得ません。これは、基本的には、説明には限界がない、ということを意味しています。とはいえ、知識には限界があるという理論を正当化するように見えるものが確かにあります。何らかの外的な現実が存在するということに気づきながらも、私たちの観察の範囲からは取り除かれている、ということがあるかも知れません。私たちはその痕跡、その影響を感じ取り、その存在を推定します。その意味では、私たちは認識の限界について語ることができます。けれども、この場合、達成できないのは、それは説明の原則を提供することになる、というような種類のものではありません。むしろ、それは何か知覚可能なものではあるけれども、まだ知覚されていないようなものです。私の知覚にとってのそのような障害は認識に対する根本的な限界を構成するものではなく、偶発的、外的なものであり、克服可能なものです。今日は疑うだけの何かが、明日は完全な経験になっているかも知れません。けれども、ひとつの原則にとっては、通常は空間的あるいは時間的なものである外的な障害は何もありません。それは私に内的に与えられます。私がそれを自分で観察しない限り、私の他の事物についての認識を通しては、その存在を推定することはできません。ここで仮説理論が問題になってきます。仮説とは、その仮定が真実であるかどうかを直接にではなく、ただその結果を通してのみ知る、ということです。私たちは、直接的には経験できないような基本的要因を前提にするときにのみ、説明される一連の顕現を見ることになります。そのような仮説は原則の推定にまで拡張できるでしょうか。それは明らかに不可能です。何故なら、内的な原則を経験することなく推定するというのは矛盾だからです。仮説によって仮定できるのは、私がまだ知覚していないものであって、もし、外的な障害が取り除かれたならば知覚することになるものだけです。「仮説は確かに知覚されない何かを仮定することができますが、可能性としては知覚できるものでなければなりません。」ですから、私たちはあらゆる仮説を、将来の経験を通して、検証できなければなりません。仮説が正当化されるのは、それが仮説的であることを越えていく可能性があるときだけです。「中心的な科学的原則」に関する仮説に価値はありません。ある事物が既に知られた具体的原則を通して説明され得ないとき、それは説明不可能であり、説明を求めることもありません。
参考画:ゲーテとシラーの棺




人気ブログランキングへ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2024年06月05日 06時08分48秒
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

cap-hiro

cap-hiro

カテゴリ

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: