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ゆうべの台風どこに居たちょうちょ 風天作者の風天(ふうてん)は、『フーテンの寅さん』こと渥美清氏の俳号である。この句風、どことなく山頭火のようではないか。情景が目に浮かび、思わず頬が緩むのである。寅さんも山頭火も、大いなる愚人であった。その魅力は、人をひき付けて離さない「愚人」ぶりであったといっても過言ではあるまい。「人はみなひそかに愚人を求めている。」評論家 外山滋比古氏は『人間的』でいみじくもそう述べている。さもありなん、かつて我が国では幇間という職業も存在していたわけで、彼の国では、道化師は王様のおかかえであった。みな愚人が大好きなのだ。愛すべき、大いなる愚人 寅さん。1969年8月末日、『男はつらいよ』シリーズの第1作が公開された。 2012年8月30日、寅さんを偲ぶ。
2012.08.30

「盛大な葬式だな。俺たちが死んでも道端に埋められるだけだ」「そのうち町になる」「そしてその上を買い物客が通るのか」今さらショーン・ペンの魅力を熱く語ったところで、説得力には欠けるかもしれないが、少しだけ語らせていただこう。この人物、正しく、役者バカだ。もっとスマートな言い方にすると、職人か。推測するに、きっと芝居以外には趣味らしい趣味もなく、若い時分からこの道をひたすら走って来たに違いない。だから、性格的にもものすごくとんがっている!激しく世間に抵抗することが、カッコイイことだと思っている。思い上がりも甚だしいが、役者としてはこのぐらいのインパクトがなければ、脚光を浴びることもなかったであろう。事実として、ルックスは明らかに地味めで、主役を演じるには今一つの感は拭えない。 だがその分を穴埋めするだけの存在感に恵まれた。天性のものというよりは、後天的なものであろう。そんなショーン・ペンが、この作品ではアイリッシュ・ギャングの仲間に加わって、大暴れする。舞台はニューヨークのウエスト・サイドの無法地帯。そこで青年期をすごしたテリー・ヌーナンは、しばらくボストンにいたのだが、事情があって再び帰って来た。場末の酒場に行くと、幼なじみのジャックが飲んでいて、テリーとの偶然の再会を喜ぶ。 ジャックは、この辺り一帯をしきる、リーダーのフランク・フラネリの実弟で、いわゆるギャングだった。テリーはそれをコネに、フランク一家の仲間として仕事をさせて欲しいと依頼する。さっそくテリーはジャックとともに仕事を任され、アパートの放火、恐喝、借金の取り立てなどをして、縄張りを死守するのだった。ギャング映画というのは、昔から一つのテーマが出来上がっていて、正義は必ず勝つとか、犯罪者の孤独な最期とか、あるいは警察組織の汚職とか、そういうストーリーテリングが一般的だ。そんなありふれた映画商品が成功するには、どれほどの技術や演出が必要とされたことだろう。一本の傑作の背後には、自然とその時代のあり様が反映されているだろうし、それ以前に、役者らの本気の演技が必要とされる。本作「ステート・オブ・グレース」は、数あるギャング映画の中でも、ショーン・ペンという職人俳優の演技によって救われた作品に思える。ボストン警察の潜入捜査官として送り込まれたテリー・ヌーナンが、幼なじみであるジャックの兄が率いるアイリッシュ・ギャングの一味に加わり、後ろめたい気持ちを必死に隠しながら、葛藤し続ける孤独な男を演じている。内容的にはありふれていながら、この圧倒的な存在感を視聴者に植えつけることに成功している。ショーン・ペンの一人勝ち作品だ。1990年(米)、1991年(日)公開【監督】フィル・ジョアノー【出演】ショーン・ペン、ゲイリー・オールドマン、エド・ハリス、ロビン・ライト・ペンまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2012.08.29

「ねぇ、あなたは5000年も眠って結構なご身分ね。私は5年涙に暮れ、妹のこんな姿を見て苦しんでるの。神々は私を守ってはくれないわ。日々、苦悩の中で生きてるのよ。永遠に続く罪の意識と共にね・・・」リュック・ベッソン監督のユニークなのは、『レオン』や『ジャンヌ・ダルク』などのシリアス映画を手掛ける一方で、『アデル』のようなファンタジー作品も作ってしまうところだ。心地良いテンポでストーリーが展開し、コミカルな作風は年齢を問わず、幅広い客層の興味をそそる。この作品の基になったのは、フランスの人気マンガ『アデル・ブラン=セック』シリーズで、それを実写化。こういうパターンはよくあることとはいえ、いかにマンガの影響力が強いかを表している。いまやマンガは世界的に市民権を得て、侮れない地位を築き上げてしまった。そんな中、さすがは美意識の高いフランス映画なだけあって、舞台となる1900年代のパリが美しく鮮やかに再現されていた。主人公アデルが身に着けた衣装も、優雅で品があり、うっとりする。見ていてため息が出てしまうほどだ。1911年、第一次世界大戦前のパリが舞台。博物館に展示されていた恐竜の卵の化石が、孵化してしまったのだ。それは、ジュラ紀を専門とするエスペランデュー教授による仕業だった。孵化したのは太古に絶滅したはずのプテロダクティルスで、大きな翼を広げてパリの空を飛び回り、人々を驚かせた。一方、若く美しい女性ジャーナリストのアデルは、エジプトの王家の谷に来ていた。古代エジプトに伝わるという復活の秘薬を探しに、はるばるパリから渡ったのだ。というのも、アデルの愛する妹は、テニスのプレー中、不慮の事故に遭い、ずっと仮死状態になってしまった。その妹をなんとか救いたいがために、復活の秘薬の謎を解くカギとなる、ラムセス二世の侍医のミイラを持ち出そうとするのだった。主人公アデル役に扮するフランス人女優のルイーズ・ブルゴワンは、透明感のある演技と、チャーミングで気取らない美しさがとても魅力的だった。ハリウッドの特殊効果を駆使したSFとは違い、次から次への目まぐるしい展開とはいかないが、フランスらしい優雅さと、個性豊かな登場人物に思わず顔の筋肉も緩んでしまう。ある意味、ベタなファンタジー作品だが、最後まで安心して楽しめる映画だ。2010年公開 【監督】リュック・ベッソン【出演】ルイーズ・ブルゴワンまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2012.08.26

「権力を手に入れる男と、元娼婦を手に入れアリゾナへ行く男・・・さよなら」「・・・さよなら」日本では、昭和に起こった出来事を懐かしむ意味も込めて、あるいは半ば次世代への継承として、リメイクされたり新たに製作されたりして親しまれている。でもそういう動きは日本に限らず、比較的歴史の浅いアメリカにおいても、50年代を舞台にした作品に現代映画の刻印を感じるものがある。(アメリカには古い歴史がないので、わりと近い昔が古典だったりする。)本作「L.A.コンフィデンシャル」は、おそらくそういう類の作品で、90年代に入って様々なジャンルをやり尽くしたハリウッドが、やっぱり映画はアナログがいいんじゃないかと撮影現場主義に立ち返ったもののように思われる。内容としては、犯罪の根幹に実はとんでもない黒幕が潜んでいるのだ、という社会派サスペンスの仕上がりになっている。1953年のロサンゼルスが舞台。ダウンタウンにあるカフェ、ナイト・アウルという店で、6人もの男女が殺害された・・・ クリーンなイメージで正義をウリにしたいロス市警は、早速、捜査を開始する。女性へのD.V.を決して許さないバド・ホワイト刑事は、事件の核心に近付くにつれ、高級娼婦であるリンにたどりつく。だが、リンの魅力にいつしか翻弄されてしまう。一方、タブロイド誌の記者と結託しつつ、麻薬捜査の手柄をあげていたジャック・ヴィンセンズ刑事は、事件の背景に“白ゆりの館”というハリウッドの女優に似せて整形した娼婦たちを斡旋する、闇の売春組織の存在に気付く。だが、事件はとんでもなく根の深いものであることに気付いていくのだった。ジャック・ヴィンセンズの役に扮したケヴィン・スペイシー。この俳優さんの存在感はすごい!役どころとしては、テレビの刑事ドラマでアドバイザーを担当するという名誉ある麻薬捜査課の刑事なのだが、なんとも憎めない、飄々としたキャラクターなのだ。代表作に「セブン」や「月に囚われた男」などがあるが、前者は犯人役として、後者では声のみの出演として、それぞれ好演している。ラッセル・クロウやガイ・ピアースのまじめで熱のこもった演技もすばらしいが、ケヴィン・スペイシーの一見ゆるく、だけどインパクトのある演技が、ガツンと物を言う作品であった。1997年(米)、1998年(日)公開【監督】カーティス・ハンソン【出演】ラッセル・クロウ、ガイ・ピアース、ケヴィン・スペイシーまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2012.08.23

映画監督のトニー・スコット氏が逝去されました。吟遊映人は、トニー・スコット氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。氏はまさに名伯楽でした。デンゼル・ワシントンの華はトニー・スコット氏が育てたといっても過言ではないでしょう。誠にもって、実に惜しい人がまた一人世を去りました。巨星を失い、今は喪失感でいっぱいの吟遊映人でありました。今宵は、名作「マイ・ボディガード」を見ながらトニー・スコット監督を偲びたいと思います。合掌(-人-)なお、吟遊映人の過去記事は以下の通りです。ご覧いただければ幸いです。マイ・ボディーガードサブウェイ123激突アンストッパブル
2012.08.20

「なぜ洞窟なの?」「洞窟に入ると迷いが消えるんだ。分かるか? 私にとっての教会みたいなものだ。鏡のように自分を見せてくれるんだ」「こんな所で・・・死にたくないよ」この作品は2011年の春に公開されるはずの映画だった。だが内容的に残酷なシーンがあるため、3.11の影響も考慮し、その年の秋に延期されたものだ。世の中には危険を冒してまで冒険に挑もうとするチャレンジャーがいる。それはまるで、夏山に挑む軽装の登山者にも似ている。『サンクタム』は、パプア・ニューギニアの密林地帯にぽっかりと口を開ける、巨大洞窟を探検する物語だ。『アバター』でおなじみのジェームズ・キャメロン監督が製作に加わっているのは、やっぱり3Dカメラシステムを駆使しての作品の向上を図るためのものだろうか?それはともかく、ストーリーがストーリーなだけに仕方ないのだが、ずっと暗い洞窟と水のシーンが繰り返される。孤独な探検家をイメージしてのものだろうが、四方を壁に閉ざされている暗い映像ばかりだと、さすがに視聴者のテンションが下がるのもムリはない。二進も三進も行かない行き詰まり感を拭えないし、先の見えない閉塞感でたまらない心持になってしまう。そんな中、偉大な探検家の父を持つ息子の、複雑な心理描写が上手く表現されていると思った。息子が父に抱いていた懐疑的な心境から、終盤にかけて、父への尊敬の念に変わっていく様子など、なかなか良かったと思う。パプア・ニューギニアの密林地帯にある巨大洞窟エスペリトエサーラの調査が行われていた。メンバーは、リーダーのフランク・マクガイル、出資者でスポンサーのカール、フランクの息子ジョシュ、カールの恋人ヴィクトリア、フランクの盟友ジョージ他数名だった。洞窟内で四苦八苦しながらも、漸く先へと続くトンネルを見つける。だがそこは、“悪魔のくびき”と呼ばれる地点で非常に狭く、水中での作業は困難を極めた。そんな中、フランクはパートナーのジュードとともに潜水を続行するのだった。サスペンス的な盛り上がりを見せるのは、終盤になって気のふれたカールがフランクに襲い掛かるあたりからだろう。それまでは淡々としていて、ドキュメンタリータッチなので、山場はほとんど見られないからだ。それでもリチャード・ロクスバーグの好演により、作品が真面目で落ち着いた輝きを放っていた。神秘的な大自然を前に、人間なんて取るに足らない生きものなのだと、改めて思い知らされる映画だった。2011年公開 【監督】アリスター・グリアソン【出演】リチャード・ロクスバーグ また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2012.08.19

身一つにかかはる世故の盆會かな 飯田蛇笏
2012.08.18

写経して無の字の多き寒さかな 末吉ミヨお盆の期間中、馴染みにしている古刹で写経会がありました。とはいえ、写経会に参加するほど信心深くもなく(汗)、でもよい機会だったので、久々に中村元先生の「般若心経」を紐解きました。改めて眺めてみると、いやはや、末吉さんの句のとおり!そう思うと・・・般若心経も、なんだか楽しそうに見えてきましたよぉ(^^)これぞ徳薄な私目への教化か!そう感じてありがたく読経した次第です、御仏に合掌(^人^)追記:「無の字の多き寒さ」とは誠に言いえて妙なり。一瞬ではありますが猛暑も「無」くなります(^^)vこんな暑さ対策はいかがでしょ。自祝:吟遊映人ブログ900回掲載(^^)
2012.08.17

水ありて蛙天国星の闇 西東三鬼大雨で難儀をしている皆様には恐縮ですが、程よい雨は、今時分の蛙にとってはまさに天国といったところでしょうか。水田が減り、都市では蛙の姿もトンと見かけなくなってしまった昨今、三鬼の一句が新鮮に感じる盆の朝なのでありました。三鬼大明神に、謹んで拍手(^人^)ポン!※幸いにも拙宅の周りでは、まだまだ蛙も健在で、このごろは水田からかえったちびっ子蛙を見受けます。
2012.08.14

老ゆるもの子に従ひて尊けれ信濃の寺に遠く来ませり 島木赤彦賢父母に合掌(-人-)観世音菩薩は、三十三身をもって示現し、もって教化し賜ふものなり。 吟遊映人
2012.08.13

「こうなったら原子炉を遮断できないか?」「核反応の制御は絶対にできません!」「前部原子炉のポンプを交差接続させたらどうだ?」「亀裂部に近付くことは不可能です!」この作品はすでに鑑賞済みで、以前ブログにも紹介したもの(コチラ)だが、福島の原発事故を受けて今一度原子力について考えてみようと、見直してみた。K-19というのは、作品のタイトルにもなっているが、実際のソ連海軍の弾道ミサイルを装備した原子力潜水艦である。作品の冒頭で、K-19の進水式のシーンが出て来るが、この時、艦首にシャンパンの瓶が思い切りぶつけられるが、なんと割れずにはね返ってしまう。(本来は、シャンパンの瓶が割れて祝賀モードとなる)このことからも、同艦は深刻な事故を引き起こすのではと、皆から不吉の前兆として受取られた。(※ウィキペディア参照)このあたりのエピソードは全て実際にあったことで、キャスリン・ビグロー監督はノン・フィクション映画として史実に基づき、再現している。とはいえ、内容は地味で、深刻な題材を取り上げていることもあり、興行的には残念な結果となっている。作中、注目したいのは、K-19において、突然の原子炉の冷却装置に故障が見受けられた場面だ。担当者は半分パニクって、「緊急用マニュアルを!」と叫ぶが、原子炉のメルトダウンも考えられる危機的状況を回避する仕方が、何一つ書かれていない。つまり、放射能の危機と隣り合わせにいながら、その威力、危険性については想像上のものであり、未知の世界だったのだ。無論、過去におけるヒロシマでの大惨事は知っていた。だがしょせん他人事であり、そこから何一つ学んでいなかったのだ!!1961年、アメリカとソ連の冷戦時代のこと。ソ連は原子力潜水艦K-19の処女航海に、艦長としてボストリコフを任命した。副艦長には、搭乗員たちの信頼も厚いポレーニンが就く。途中までは順調に任務を果たしていたのだが、グリーンランド付近の北大西洋上を航行していた時、原子炉冷却装置にトラブルが発生。このままではメルトダウンは避けられない。艦長のボストリコフは、苦渋の決断を余儀なくされる。我々は先人から、人の命より重いものはないのだと教わりながらも、危険と隣り合わせに原発を抱えている。しかもこんなに小さな島国なのに。過去、ヒロシマ・ナガサキの大惨事を経験した唯一の被爆国でありながら、原発に頼らなければ生活が成り立たないという神話に囚われている。福島の事故は、我々に警鐘を鳴らしているのではなかろうか?失われた自然を取り戻すことは難しい。失われた命をよみがえらせることは、絶対にできない。K-19における原子炉担当班は、冷却装置の応急措置を施すために、高濃度放射能区域に立ち入ることとなってしまった。担当者全員が被爆し、一週間以内に死亡したことは言うまでもない。原発を抱えている我々は、この事実を心して受け止めなければならない。「原発やめますか? それとも人間やめますか?」2002年公開【監督】キャスリン・ビグロー【出演】ハリソン・フォード、リーアム・ニーソンまた見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2012.08.12

道づれは胡蝶をたのむ旅路哉 正岡子規
2012.08.08

ひらひらと風に流れて蝶一つ 正岡子規
2012.08.07

昼顔や流浪はわれにゆるされず 鈴木真砂女
2012.08.06

「あなたはロボットなの? 人間はあんなに優しくないわ」「人造人間にハートがあるとは知らなかったぜ」「ロボット? ロボットの二世なのか?」「ロボットが自らを改良して造った新モデルだな?」シリーズ4作目にして驚いたのは、あの死んだはずのリプリーが生きているではないか?!よくよく見ていくと、リプリーはリプリーでもクローンによって再生された新リプリーであることが分かる。さらに、監督はフランス人監督で、そのためかどうかは分からないが日本には友好的(?)で、ウェイランド・ユタニはこの作品において存在しない。前作では、エイリアンを軍事利用のため生物兵器として開発していた凶悪な日系企業という設定だった。そのイメージは強烈で、主人公リプリーVSウェイランド・ユタニ(日系企業)的な図式で描かれていた。4作目では、軍と科学者たちが徹底的な悪役として描かれている。これは、日本人としてスッとした。『エイリアン4』で注目したいのは、遺伝子工学によって誕生した次世代エイリアンが産み落とされて間もなく、母であるエイリアンを殺してしまうシーンだ。この新生エイリアンはリプリーの遺伝子を受け継いでいるため、自分を人間だと思い込んでいるのだ。また、リプリーこそが母であると、甘える様子さえ見せるのだからたまらない。このストーリー展開は、遺伝子くみかえ等の本来あってはならない遺伝子操作を、暗に批判する意図もあるかもしれない。エイリアンの幼生とともに自らの命を絶ったリプリーだが、その200年後、遺伝子工学の発展により、リプリーのクローンが再生された。冥王星の周囲に停泊する宇宙医療船オリガ内で、リプリーのクローン8号が誕生したのだ。その宇宙船オリガでは、軍と科学者たちが、エイリアンを生物兵器として利用するため躍起になって研究が進められていた。そんな中、宇宙貨物船ベティ号が、何やら怪しげな積荷をオリガに運び込む。その積荷は、冷凍睡眠中に誘拐して来た、どこかの宇宙船のクルーで、しかもエイリアンの宿主として利用するために買われたものだったのだ。今現在のところ、この『エイリアン4』で完結しているわけだが、ラストを見るとまだまだ続編ができそうな勢いを感じるし、意味深だ。一方、遺伝子操作によって人間の女性と同じ子宮を得たエイリアンは、出産後に悲劇的な死を迎える。このことにより、従来の凶悪な宇宙生物としてのエイリアンは終焉を迎えたような気もする。とはいえ、前作よりさらにグロテスクでホラー色満載の『エイリアン4』は、猛暑を乗り切るための切り札になること間違いなしだ。1997年(米)、1998年(日)公開【監督】ジャン=ピエール・ジュネ【出演】シガニー・ウィーバー★シリーズ1作目「エイリアン」はコチラから。★シリーズ2作目「エイリアン2」はコチラから。★シリーズ3作目「エイリアン3」はコチラから。また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。See you next time !(^^)
2012.08.05

夕立やふりそこなひて雲のみね 志太野坡
2012.08.04

かたまりし暑さの果や雲の峰 加賀千代女連日の猛暑が続きます。みなさま、熱中症には十分にお気をつけくださいね♪
2012.08.03

【沈まぬ太陽】『前略 阪口様 あなたの長い長い旅路の終わりに、どうか一度アフリカを訪ねてくださいませんか。何一つ遮るもののない悠久の大地では、厳かな大自然の営みが繰り広げられています。それをぜひあなたにも見て頂きたいのです。地平線へ黄金の矢を放つアフリカの太陽は、荘厳な光に満ちています。それが私には不毛の日々を生きざるを得なかった人間の心を慈しみ、明日を約束する沈まぬ太陽に思えるのです』本作が、史上最悪の死者520名を出した日航ジャンボ墜落事故をモデルにした作品であることは、周知の通りだ。だが、配給の角川サイドによると、あくまでもフィクションとのことであるので、まずはそれを念頭に置き、鑑賞してみることにした。原作は山崎豊子の同名小説であるが、この著者も実に息の長い女流作家である。作品の傾向としては、ロシア文学にしばし見受けられる人間の精神、メンタルな部分を精密に描くことで定評がある。また作品中、恩地のセリフにもあるが、“キレイゴト、正論をそのまま鵜呑みにしてはならない”という立場を取っている。(若干、ラディカルな雰囲気が漂う)東大法学部出身で左翼思想に傾倒する恩地は、国民航空の労組の委員長として組合員たちから絶対的な信頼を持たれている。だが、それが裏目に出て、会社側から左遷人事を言い渡され、カラチ、テヘラン、ナイロビと次々に辺境へと追いやられる。一方、労組で副委員長として恩地とともに闘った行天は、時流の波に乗り労組から足を洗い、常務取締役となって会社側に鞍替えする。そんな中、御巣鷹山で国航ジャンボ墜落事故が発生。急遽、恩地は遺族係に回されることになった。吟遊映人の個人的な好みで恐縮だが、作中、内閣総理大臣役として加藤剛が出演している。作品全体の割合からすれば、ほんのチョイ役に過ぎないが、この役者さんが「沈まぬ太陽」という社会派作品を選んで出演したことに、充分過ぎるほど納得がいく。約40年ほど前に、松本清張作品である「砂の器」に出演したが、この時もそのポーカーフェイスを活かし、アクのない淡々とした言い回しには脱帽、見事な演技であった。さらに、国民航空の会長役として石坂浩二も出演。今さらながら、重厚にして品格のある演技に惚れ惚れしてしまった。このように、主役を演じた渡辺謙というハリウッド俳優を抜きにしても、素晴らしい役者陣が脇を固めた社会派作品であり、上映中、10分間の休憩を入れるほどの長編となっている。まだ本作を鑑賞していない方々は、ぜひとも秋の夜長にじっくりと腰を据えてご覧いただきたい大作なのだ。【追記】 蛇足ながら、本作のラストは決してハッピーエンドとはなっていない。(無論、精神的なものではなく、社会的な側面から捉えた場合として)だがそれにより反って、真実に目を向け決して目を逸らすなと言い放つ著者と製作者サイドの意図するものが垣間見える。本来あるべき人間の姿とは何か、社会のあり方とは何かを問うている。2009年公開【原作】山崎豊子【監督】若松節朗【出演】渡辺謙、三浦友和、石坂浩二
2012.08.02

順々にうごき出しけり雲の峰 一茶
2012.08.01
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