東京琉球館で6月14日(金曜日)の午後7時から「米中経済戦争と世界新秩序」について考えてみたいと思います。予約制とのことですので、興味のある方は事前に下記まで連絡してください。
東京琉球館
住所:東京都豊島区駒込2-17-8
電話:03-5974-1333
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アメリカやイギリスを中心とするアングロ・サクソン系の5カ国の情報機関、いわゆるファイブ・アイズ(FVEY)は衛星通信の始まった1970年代から電子的な情報活動に力を入れています。その中心がアメリカのNSAとイギリスのGCHQです。
このグループはイスラエルの8200部隊とも連携、通信の傍受をはじめとする監視システムを整備し、バックドア(裏口)を組み込んだシステムを世界規模で売ってきました。各国の政策を事前に知り、資金の流れを調べ、個人情報を集め、有力者の弱みを握ろうというわけです。言うまでもなく、インターネットやコンピュータの分野で大きな影響力を持っているアメリカ系企業はそうした情報機関と緊密な関係にあります。
こうした情報活動は1970年代から問題になっているのですが、その流れは止まりませんでした。個人的な経験ですが、日本ではマスコミだけでなく、リベラル派、左翼、右翼、市民活動家といった人びともその問題に触れたがりませんでした。一瞬、話題になっても表面的な話で終わり、すぐに忘れてしまうようです。唯一の例外が山川暁夫さんでした。
こうした電子的な情報活動はアメリカやイギリスの独擅場でしたが、中国の技術力が向上したことで情況は大きく変化しています。そこで2018年7月、ファイブ・アイズのトップたちがカナダ東部のノバスコシアに集まり、カナダのジャスティン・トルドー首相を交えて会談しています。これは本ブログでも書いてきました。
その会議から5カ月後、バンクーバーの空港でカナダ当局が中国の大手通信機器メーカー、ファーウェイ・テクノロジーズのCFO(最高財務責任者)である孟晩舟が逮捕されます。
21世紀に入って再独立したロシアをアメリカの支配層は力尽くで潰そうしますが、それが裏目に出ます。EUに向いていたロシアの目は中国へ向けられ、中国はアメリカを警戒するようになり、ロシアと中国を接近させてしまったのです。さらにアメリカ軍の弱さとロシア軍の強さがわかり、ロシア政府の巧妙な政策でアメリカの影響力は急速に低下しはじめました。
ロシアと中国はすでに戦略的な同盟関係にありますが、そこに韓国や朝鮮も参加しそうです。アメリカに従属していると言われるEUもロシアとの関係を切ろうとはしていません。日本にも動揺があるようです。
そこでアメリカ支配層は恫喝で従わせようとしますが、その脅しが相手国の利益を大きく損なう事態を招いてしまいます。そしてアメリカの求心力はますます弱まることになりました。
アメリカの支配システムを支える重要な柱のひとつはドル体制ですが、そのドルが基軸通貨の地位から陥落しそうなこともアメリカの支配層を慌てさせているはずです。ドル体制を揺るがしている震源地もロシアと中国。ドナルド・トランプ政権は中国に的を絞ったようですが、中国とロシアが離反することはないでしょう。
中国とアメリカが衝突した背景にはアメリカが望む世界新秩序とロシアと中国を中心とするグループが目指している世界新秩序が見えます。世界は歴史の分岐点に立っていると言っても言い過ぎではないでしょう。6月14日にはそうしたことについて考えてみたいと思います。