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2023.02.09
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 ロシアからドイツへ天然ガスを運ぶために建設されたパイプライン、「ノード・ストリーム(NS1)とノード・ストリーム2(NS2)が爆破されたのは昨年9月26日のことである。​ この工作を実行したのはアメリカ海軍のダイバーだとする記事を調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは発表した ​。

 ジョー・バイデンは大統領に就任した2021年1月からロシアに対して経済戦争を仕掛け、軍事的な挑発を繰り返した。バイデンは戦争を推進してきた過去のある好戦的な人物だが、彼が副大統領を務めたバラク・オバマ政権の政策を引き継いだとも言える。

 バイデン大統領はその年の後半にジェイク・サリバン国家安全保障補佐官を中心とする対ロシア工作のためのチームを編成した。その中には統合参謀本部、CIA、国務省、そして財務省の代表が参加、12月にはどのような工作を実行するか話し合っているという。2022年初頭にはCIAがサリバンのチームに対し、パイプライン爆破を具申している。

 その年の1月27日にビクトリア・ヌランド国務次官は、ロシアがウクライナを侵略したらノード・ストリーム2を止めると発言、2月7日にはバイデン大統領がノード・ストリーム2を終わらせると主張、記者に実行を約束した。







 爆破計画の拠点として選ばれたのはノルウェー。イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長の母国だ。ハーシュによると、3月にはサリバンのチームに属すメンバーがノルウェーの情報機関に接触、爆弾を仕掛けるために最適な場所を聞き、ボルンホルム島の近くに決まった。







 プラスチック爆弾のC4が使われたが、仕掛けるためにはロシアを欺くためにカムフラージュが必要。そこで利用されたのが​ NATO軍の軍事演習「BALTOPS22」 ​だ。その際にボーンホルム島の近くで無人の機雷処理用の潜航艇を使った訓練が行われた。







 当然のことながら、爆破されるとパイプライン内の圧力が低下する。その事実をロシアのガスプロムは異常をアラームで知るのだが、詳しい状況は理解できなかった。

 ​ そのアラームが鳴った1分後、イギリスの首相だったリズ・トラスはiPhoneでアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官へ「やった」というテキストのメッセージを送っている ​。この情報は10月30日に報じられたが、その前日、ロシア国防省はこれらのパイプラインを破壊したのはイギリス海軍だと発表、トラスはその4日前に辞任している。

 トラスのメールは傍受されていた可能性が高いが、その事実をうかわせる出来事が10月18日にあった。​ イギリスのベン・ウォレス国防相がアメリカを秘密裏に訪問 ​したのだ。アメリカでは国務省や情報機関の高官のほか、ロイド・オースチン国防長官やマーク・ミリー統合参謀本部議長と会談、ジェイク・サリバン国家安全保障補佐官と会ったというが、その際、なぜ電話でなく直接会いに行ったのかが話題になったのである。通信のセキュリティーに不安があったので直接会いに行ったと疑う人もいたが、それが事実だったようだ。

 トラスがメールを送った話が事実なら、イギリス政府もパイプライン爆破に関係していたことになる。アメリカ海軍、イギリス海軍、そしてノルウェーの合同作戦ということも考えられるだろう。

 ウクライナの内戦はオバマ政権が2014年2月、ネオ・ナチを利用したクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒したところから始まる。「新バルバロッサ作戦」の一環としてNATOをウクライナまで拡大させようとしたこともあるが、ウクライナを植民地化することでEUとロシアを結びつけているパイプラインを抑える目的もあった。ポーランドもロシアからEUへの天然ガス輸送を妨害している。それを回避するためのノード・ストリームだった。

 それにもかかわらず、ドイツの首相だったアンゲラ・メルケルやフランス大統領だったフランソワ・オランドは2014年から8年間、ウクライナの戦力増強に協力している。ふたりともミンスク合意はウクライナの戦力を増強するための時間稼ぎに過ぎなかったと語っているのだ。アメリカやNATOは簡単にロシアを屈服させられると思っていたのだろうか?

 アメリカが仕掛けた経済戦争でロシアはダメージを受けず、EUは経済活動が麻痺、社会が崩壊しそうだ。軍事的には生産力の差が出てロシアの勝利は決定的で、ネオコンなど欧米の好戦派はパニック状態だ。

 アメリカの時代は終わったと判断したのか、友好国だったはずのサウジアラビアやトルコもロシアへ接近、​ イスラエルのナフタリ・ベネット前首相はウクライナでの停戦交渉をアメリカ/NATOが壊したことを明らかにした ​。

 ベネットの仲介でウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー政権とロシアのウラジミル・プーチン政権が交渉していたが、その山場だった昨年3月5日、​ ウクライナ側の交渉団メンバーだったデニス・キリーエフはウクライナの情報機関SBUのメンバーに射殺された ​。クーデターの直後からSBUは事実上、CIAの下部機関だ。






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最終更新日  2023.02.09 13:06:14


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