《櫻井ジャーナル》

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2024.03.19
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 台湾の​ 邱國正国防相は3月14日、アメリカ陸軍の特殊部隊「グリーンベレー」が台湾の離島に駐留していることを確認した ​という。​ 軍事サイトのSOFREPは3月8日、2023年国防授権法(NDAA)の規定によりアメリカ軍の顧問が金門と澎湖にある台湾陸軍の水陸両用司令部に常駐するようになり、グリーンベレーは台湾の部隊と定期演習の中でUAV「ブラック・ホーネット・ナノ」の使用訓練を実施すると伝えられている ​。金門は中国本土から10キロメートル弱しか離れていない。

 今後、アメリカ軍は第1特殊部隊群第2大隊アルファ中隊の小チームを駐留させる計画で、台湾の第101水陸両用偵察大隊と空挺特殊サービス中隊の基地で継続的な共同訓練任務を担うと同時に軍事顧問として活動するとされているのだが、訓練だけで止まるとは思えない。中国の侵攻に対抗するともされているが、攻撃的な何らかの工作を実行する可能性もある。ジョー・バイデン政権は中国と戦争する準備を整えている。

 繰り返し書いてきたように、​ 自衛隊はアメリカの戦略に基づいて南西諸島にミサイル発射基地を建設してきた。2016年に与那国島、19年には宮古島と奄美大島、そして昨年3月には石垣島だ。その目的をアメリカ国防総省系のシンクタンク「RANDコーポレーション」が詳しく説明している。

 報告書によると、彼らはGBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲する計画を立てている。そうしたミサイルを配備できそうな国は日本だけだと分析されているのだが、日本には「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約がある。そこでASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力することにし、ASCMを南西諸島に建設しつつある自衛隊の施設に配備する計画が作成されたという。

 ところが、​ 2022年10月、「日本政府が、米国製の巡航ミサイル「トマホーク」の購入を米政府に打診している」とする報道があった ​。亜音速で飛行する巡航ミサイルを日本政府は購入する意向で、アメリカ政府も応じる姿勢を示しているというのだ。自力開発が難しいのか、事態の進展が予想外に早いのだろう。

 トマホークは核弾頭を搭載でる亜音速ミサイルで、地上を攻撃する場合の射程距離は1300キロメートルから2500キロメートルという。中国の内陸部にある軍事基地や生産拠点を先制攻撃できる。「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約は無視されていると言えるだろう。

 そして昨年2月、浜田靖一防衛大臣は2023年度に亜音速巡航ミサイル「トマホーク」を一括購入する契約を締結する方針だと語ったが、10月になると木原稔防衛相(当時)はアメリカ国防総省でロイド・オースチン国防長官と会談した際、アメリカ製の巡航ミサイル「トマホーク」の購入時期を1年前倒しすることを決めたという。当初、2026年度から最新型を400機を購入するという計画だったが、25年度から旧来型を最大200機に変更するとされている。

 日本でのミサイル網建設と並行してアメリカ軍は韓国へTHAAD(終末高高度地域防衛)ミサイル・システムの機器を持ち込んだ。2017年4月のことだ。

 2013年2月から韓国の大統領を務めた朴槿恵は中国との関係を重要視してTHAADの配備に難色を示していたのだが、朴大統領がスキャンダルで身動きできなくなり、アメリカはミサイル・システムを搬入できたのである。結局、朴槿恵は失脚した。













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最終更新日  2024.03.19 00:10:10


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