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NHK教育番組『大科学実験』が再放送で流れていました。クリーンエネルギーとしても最近再注目されている太陽光を利用して、料理をしてみようという実験。手のひらサイズの鏡を5枚ほど集めたときの焦点温度は、60℃程度と番組の中ではなっていました。それを120枚集めると100℃を超えます。下方からフライパンの底に反射光を集め、「太陽光風味あつあつステーキ」を作ろうと試みるのですが、この温度では5分経ってもステーキ肉は生焼けの状態。そこで、一気に鏡の数を増やし、500枚にします。そうすると焦点は300℃を超え、紙をかざすと即座に火が燃え始めるような温度になり、フライパンはじゅうじゅうと音を立てはじめます。これでいける、と思ったら、雲が出てきてみるみる100℃以下に。時間が経過すると焦点がずれるので、鏡の角度を調整しなくてはならなかったり、なかなか大変です。最後はまた太陽が顔を出し、美味しそうなステーキが出来上がったのですが、一皿の料理を作るエネルギー量を賄うことの難しさを感じさせる番組でした。虫眼鏡を使ってデザートに焦げ目をつける方は割合スムーズに行きましたから、利用するエネルギー源とそれを効率的に活かす道具の両方が必要ということでしょう。また諸条件が変わると出力コンディションが一気に変わってしまうので、いかに“安定的に”それを供給するかという工夫が求められます。ステーキを焼く実験から今後のエネルギー政策に思いを馳せる視聴者が多くいるだろうことは、番組制作者の意図の範疇だったでしょうか。大科学実験について⇒ http://www.nhk.or.jp/daijikken/KOICHI NAKAMURA
2011年04月30日

最近自分の日本語力の至らなさに気づき、辞書を引く機会が多くなりました。そうしたら三省堂Web Dictionary に“日常語の語源”という面白いコンテンツがあることを発見。刑事のことをなぜ「デカ」と呼ぶのかとか、「あばたもえくぼ」のあばたはサンスクリット語から来ているとか、 なかなか面白い“事情”がそこに書いてあります。たとえば、物事のやり方が手慣れていて見事なさまを「堂に入る」と言いますね。上手になると、どうして堂に入っちゃうんでしょう。これはもともと『論語』にその由来があるのだとこのページには解説してあります。『論語』にある「堂に昇り室に入る」から出たことば。「堂」は中国の建物で表の客間、「室」はその奥座敷。つまり「堂に入る」とは、堂に昇りそして奥の部屋に入る意で、学術や技芸などを、その道の奥まで極めたことをいう。 原文は、「由也升堂矣、未入於室也」という一節です。日本語読みすると、「由や、堂に升(のぼ)れり。いまだ室に入(い)らざるのみ」ですね。孔子は、弟子の子路の楽器の腕前をみて、これでもうちの門下生だろうかという意味の冗談を言います。ところがこの言葉を真に受けた他の弟子達は子路のことを尊敬しなくなりました。そこで孔子はこれを省みて、「子路は貴人の住む宮殿(堂)に参上して演奏するくらいの腕前はあるのだ、ただ奥座敷(室)に入るところまではいっていないという程度のものだ」と説明をしたのだそうです。単に文化の深いつながりを感じるだけでなく、孔子が「ちょっと言い過ぎたかな」と思っている風で面白い言葉だと思いませんか。⇒ 三省堂Web Dictionary “日常語の語源”KOICHI NAKAMURA
2011年04月22日

新日鉄の三村会長が日経新聞社のインタビューで答えていた言葉は、組織づくりの考え方を明確に示すものだと思いました。(特集“大震災 日本を立て直す”より)記者:「トップは有事にリーダーシップをどう発揮すべきですか。」三村会長:「危機になってリーダーが力を発揮するというのはとんでもない。平常時にどんなリーダーであったかが危機のときにはっきりするということだ。」(後略)どんなリーダーが、どんな考え方でどんな組織をつくって来たかが有事の際に明らかになるということですね。自律的に現場のスタッフが動けることの重要性が、今回の震災を経てあらためて叫ばれています。KOICHI NAKAMURA
2011年04月21日

節電のために個人や企業が果たすべき役割を考えなくてはいけない時節。楽天グループはひとりあたり電力消費を、昨年比△40%を目指すとして取り組みを始めました。インターネットでサービスを提供する企業は、供給側の電力消費とユーザー側の電力消費の両方を念頭においておかなくてはいけません。ネットで買い物するときにどれくらいの電力消費が行なわれるのか、気になりませんか?色々な条件があって正確に測定するのは難しいのですが、各種電気製品の消費電力を比較したサイトなどを見ると、実はPCの電力消費はそんなに大きくないことがわかります。(1)1,000ワット以上(2)500ワット以上、1,000ワット未満(3)100ワット以上、500ワット未満(4)100ワット未満の4段階で電気製品を分類すると、ノートPCは(4)のカテゴリに入ります。デスクトップPCのほうが2~3倍電力を食うようですが、いずれにしても電車に乗って出かけて百貨店に行くよりは、ずいぶんネットショッピングは電力抑制に貢献すると思われます。マイクロソフトが、インターネットブラウザによっても消費電力が異なるというレポートを出しました。IE 9、Firefox 4、Chrome 10、Opera 11、Safari 5 の各ブラウザを比較したところ、IE 9の消費電力が最も少ないということです。これは計測の手法などにも各種の意見が出そうですけれど、海外からもエネルギー問題に意識が高まっていることのひとつの事例だと思います。レポート記事はこちら⇒http://blogs.msdn.com/b/ie/archive/2011/03/28/browser-power-consumption-leading-the-industry-with-internet-explorer-9.aspx
2011年04月19日

井上ひさし著 『日本語教室』10年ほど前の上智大学での講演をまとめた本です。井上ひさしさんの本を読んだのは高校生のとき以来ですが、非常に興味深い内容でひと息に読み通してしまいました。“言葉は道具ではない。第二、第三言語は道具かもしれないが、母語は精神そのものである。”と説く本書は、日本語の成り立ちや世界での立ち位置を含めた大きな構造的視点でわたしたちの言葉を見つめなおす機会を与えてくれると思います。私自身は、やまとことばや正しい日本語を継承していくことの重要性が、最も気づかされるところでした。縄文期から使われていた言葉に漢語やカタカナ語が入り混じって、現代日本語は成り立っているんですね。本書の実験を引き合いに出せば、かずの数え方ひとつにしても、「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち、きゅう、じゅう」と順にいきますが、これを逆に数えると、「じゅう、きゅう、はち、なな、ろく、ご、よん、さん、に、いち」となるのが普通。実は「四」を「し」と読むのは漢語、「よん」と読むのがやまとことば、「七」を「しち」と読むのは漢語、「なな」と読むのがやまとことばなのだそうです。毎日のように無意識に使っている言葉についてこういう解説をされると、うーむと唸りたくなります。それから、逆説的ですが、英語や他言語の習得についての骨太な意見がこの『日本語教室』に書いてあります。「日本語をきちんと話せない人に英語はきちんと話せない」などとはよく耳にする言葉ですが、この本の表現を引用すると、“結局は、その母語以内でしか別の言葉は習得できません。ここのところは言い方がちょっと難しいのですが、母語より大きい外国語は覚えられないということです。つまり、英語をちゃんと書いたり話したりするためには、英語より大きな母語が必要なのです。だから、外国語が上手になるためには、日本語をしっかり--たくさん言葉を覚えるということではなくて、日本語の構造、大事なところを自然にきちっと身に付けていなければなりません。”ということになります。この講演が行なわれて暫く「グローバライゼーション」や「英語公用化」が企業人に迫られる現在、根本から言葉というものの大切さを考えさせられます。KOICHI NAKAMURA
2011年04月14日

とうとう昨日COOら4人が引責辞任ということになったルノーのスパイ事件。昨年夏に、「電気自動車の開発技術に関する情報漏洩があった」として内部告発から調査を開始した同社は、嫌疑をかけられた幹部3人を解雇、今年1月にフランス当局に産業スパイ罪の告訴を行なっていました。ところが当局調査が進むにつれ、社内手続きのずさんさが指摘されるようになり、挙句の果てに疑惑はすべて架空のでっち上げだったことが判明。今回4名の責任者が辞任ということになったわけです。当初解雇された3名のうちには勤続31年の古幹部も含まれ、社内抗争の存在が取り沙汰されたり、でっちあげを仕組んだ側の収賄問題が指摘されるなど、歴史ある欧州自動車最大手のルノー社における内部のほころびが明らかになった事件でもありました。私は当然ながら何が真実であるのか、報道以上のことは知りません。あとから眺めると、素人目にも「そんなこと有り得るの?」というような滑稽な話にも映ります。しかしこのルノーの事件をそのまま受け取るなら、まるで漫画のような事の顛末は、事の大小を問わなければ実はどんな企業でも起こりえることではないでしょうか。企業人であれば他人事と笑ってばかりはいられないと感じます。もしこの事件に“仕組んだ方”と“仕組まれた方”がいるとしたら、“仕組んだ方”は様々な計画を練ってそれを実行しようとするでしょう。逆に“仕組まれた方”は寝耳に水のこともあるでしょうし、全く事実と異なることが主張され会社がそれに沿って動こうとしている場合、ひょっとしたらそんな全てに嫌気が差したり、馬鹿馬鹿しいと感じて総合的に進退の判断をするかもしれません。会社はよくよくそういう可能性を考えて、慎重にしかし迅速に判断を行なわなければなりません。情報の経路が最も重要で、誰か偏った側の人間の言うことを鵜呑みにしたり先入観で事実を捻じ曲げたりすることのないように、自分の目で現地を確かめたり、様々な手段で事実を複合的に確認するなど「当然のこと」が当然に行なわれることが求められます。経営者は多忙ですから、限られた機会と時間で判断をすることが求められます。よほど心掛けておかないと悪意の第三者の口車に乗り、本当に大切なものを失なってしまう可能性があると思います。当初解雇された3人は当初「対決姿勢」と報道されましたが、様々な憶測記事とネットやメディアの反応が進むにつれ全く根拠のない事実がそこまで膨れ上がると、普通の感覚の人間であればそこに抗弁を行なう気持ちにさえならなくても不思議ではありません。実際、漏洩先が中国のある企業であるとされたことから、ずいぶん大きく中国のメディアでも本件は報道されたのですが、そういう全てを“仕組まれた方”はどんな気分で眺めていたでしょうか。このお粗末なスパイでっち上げ事件は、ルノーという企業のガバナンスに大きな影響を及ぼすと私は思います。古参の幹部が辞めるから、といった狭い話ではなく、13万人の従業員が「そういう判断で、そういう扱いをされる可能性があるんだ」と思うことで、どれほど彼らの士気は下がることでしょう。ガバナンスと情報収集、そして判断のあり方を考えさせられる事件だと思います。3月10日付の米フィナンシャル・タイムズのコラムには、Mr Ghosn says he is an exceptional manager and can run two companies at opposite ends of the globe at the same time. But this latest farce-like, hugely embarrassing and potentially tragic episode seems to show he can’t. Perhaps Mr Ghosn should think seriously about giving up one or other of his jobs, devoting either his entire time to Renault in its moment of need or to Nissan.((ルノーCEOである)ゴーン氏は、自らのことを例外的な経営者で、地球の反対側にある二つの会社を同時に運営できると言っている。しかし今回の茶番のような、そして非常にみっともなく潜在的に悲劇的な出来事は、彼にその能力がないことを示しているのではないか。おそらくゴーン氏は片方の仕事をギブ・アップし、今それを必要とするルノーかニッサンのどちらかに自身のすべてを打ち込むことを、真剣に考えるべきである。)と手厳しいコメントが掲載されています。KOICHI NAKAMURA
2011年04月12日

("Solar power plant built in Tibet" from China Daily)中国国内での報道によれば、中国は太陽光発電の数値目標を大幅に引き上げるかもしれないということです。2015年に5ギガワット、という目標発電量を上方修正し10ギガワットにするというもの。2010年は1ギガワットであったといいますから5年で現在の10倍まで持っていくということになります。原子力発電を代替するプランのひとつとして検討に入ったものだと思いますが、日本における一連の事故からほぼ半月で施策打ち出しから具体数値の設定。このスピード感には世界が学ぶべきものがあるのではないでしょうか。あまり知られていないかもしれませんが、中国は世界でも有数のクリーンエネルギー大国になろうとしています。昨年度のクリーンエネルギー投資額は544億ドルにのぼり、世界一。2009年に比べると39%の増加となっています。現段階のクリーンエネルギーの中では風力発電が主流で、すでに年間17ギガワットの発電能力を実装しているそうです。これも2020年に150ギガワットにまで拡張するとレポートされています。広大で変化に富む地勢と潤沢な労働力がそれを可能にしているという点で日本と事情は違いますが、国を越えて重要なことは方向性を決定するビジョンと政策であると思います。KOICHI NAKAMURA
2011年04月01日
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