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今日は楽天グループの東北復興支援についての取り組みをいくつかご報告させていただきます。■【楽天野球団】「がんばろう東北」 第1回・被災地招待事業の実施報告「がんばろう東北」の支援活動の一環として開始した被災地招待事業の第1回目を5月8日(日)に実施しました。4月に選手が被災地に訪問した際に交流を行った「名取市立高館小学校」と「仙台市若林体育館」に避難されている87名の皆さまをご招待いたしました。 両避難所から日本製紙クリネックススタジアム宮城までバスに乗車し埼玉西武ライオンズとの試合を観戦いただきました。試合後には、嶋選手会長・鉄平キャプテンと、先月両避難所を訪問した山崎選手・高須選手の計4選手との交流会も行い、楽しい時間をお過ごしいただきました。 今回の事業は、選手会から「被災地の皆さまを日本製紙クリネックススタジアムにぜひ招待したい」という要望があり実現した楽天イーグルスと選手会の共同企画です。なお今回の事業で発生した費用(貸切バス代・グッズ代・その他)は、被災地招待事業に使っていただきたいとお申し出を受けました神戸市のお客さまからの寄付金を充当させていただいております。 【写真上】観戦の様子 【写真下】選手との交流の一幕 ■【楽天写真館】震災で失った写真を、再度DVD-RまたはCD-ROMに記録してお届けしています フォトECサービス「楽天写真館」にて、「がんばれ東北 応援プロジェクト」と題し、震災により紛失した思い出の写真をDVD-RまたはCD-ROMに記録して、お客様にお届けするサービスを、私たちのささやかな支援として無料で提供しています。【写真】お届けする一式ご利用くださるお客様の写真データを、日ごろより「楽天写真館」のフォトクラウドで安全に保管しているため、お客様の大切な思い出は失われず、そのデータをDVD-RまたはCD-ROMに改めて記録してお届けしています。お客様からもご好評の声をいただいております(下記「お客様からの声」は、いただいたコメントをそのまま掲載させていただいております)。【お客様からの声1】さっそく、フォトブック作成し、先ほど注文しました。震災で被災した人達みんな口にするのは、家やクルマはどうにかなるけど、思い出の写真がなくなったら何よりも悲しいということです。心より深く感謝します。【お客様からの声2】失った写真を思い悲しかったので、このサービスがとても嬉しいです!楽天写真館でプリントしていて良かった!と、心から思ったサービスのお申し出でした。自宅は原発警戒区域にあるため、大地震と大津波から慌てて逃げ出したまま、戻ることができません。(家族は全員無事です。)心残りは、子供のアルバムでした。 ■【楽天市場店舗と共同企画】福島県避難住民約700名の方々に「うな丼」を提供しました出店店舗さんから「被災地の方へ支援を行ないたい」と申し出をいただき、4月28日(木)に総勢29名で福島県あづま総合運動公園へ向かいました。この日は「土用の丑の日」。約700名の方々に「うなぎ丼」の炊き出しを行ないました。開始直後から長蛇の列ができ「うなぎを食べれると思わなかった」「温かいご飯が食べられて嬉しい」など、現地の方から喜びの声を多数いただきました。“元気と笑顔”を少しだけですが提供することができました。 【写真】(左)盛り付けもスタッフが行いました(右)うなぎ丼を待つ方々の行列(下)このようにしてうなぎ丼を配布しました■【楽天たすけ愛】第4弾をお届けしました【楽天たすけ愛】の第4弾として、制限の多い被災地での生活を少しでも健やかに過ごしてもらえるように、ベビー、キッズ、ジュニア向けの「下着セット」を岩手県大船渡市の小学生、幼児の皆さんにお届けしました。【協力店舗】マザウェイズ楽天市場店・下着っこ 【写真】(左)岩手県大船渡市赤崎保育園の皆さん(右)楽天スタッフより大船渡保育園の皆さんに下着セットをお渡ししました(下)ユーザーの皆様の思いが詰まった2,000セットを積んだトラック (今回のお届けに協力をいただきました下着っこ様よりコメントが届きました。)地震発生以来、報道などをを通して被災地で不足しているもの中に「下着」が挙げられていました。下着を販売している店として、何かできないか…。解決策を模索していました。取引先を通して、弊社から救援物資提供を何度か行ってきましたが、被災された方全ての要望を満たすことができず、一企業単体でできることには限界を感じていました。正直なところ、無償提供には限界があります。企業としての役割は商品を提供し続けること。経営が成り立たなくては、それさえもできなくなってしまいます。そんな無力感にさいなまれていたところ、今回の企画のお話をいただきました。この企画はインターネット社会で生まれた、確実で、合理的な支援の方法だと思います。 支援をしたいと思っている方=支援を必要としている方=企業この3者を、楽天という信頼と知名度のある企業がつなげることで、安心して支援でき、確実に物を届けることができるのだと思います。販売開始から完売までのスピードはすさまじいもので、ユーザーのみなさんのすばやい行動とあたたかい気持ちに、感動しました。微力ですが、店舗としてお役に立てたことを社員一同うれしく思っております。「衣・食・住」すべてが満たされて初めて、人は前に進めるのではないでしょうか。支援の仕方は時間とともに変化しますが、まずは、日々の生活で最低限必要なものを、確実に、そして一刻も早く―そう願っています。 ■【楽天物流】楽天物流センターから支援物資を輸送しました RFC(=Rakuten Fulfillment Center)より、宮城県への支援物資輸送を行いました。【第1弾】3月19日(土)~3月21日(月)楽天市場の出店店舗様や楽天トラベル契約施設様などの協力により、オムツやカイロ、ウエットテッシュ、使い捨てのできる下着、マスク、消毒液、簡易携帯トイレなどの生活必需品がダンボール1,300個分として集まりました。楽天イーグルスの選手や、物流事業ほか楽天グループのスタッフ総勢60名が、リレー方式で10トントラックへ次々と運び込みました。【第2弾】4月2日(土)・3日(日)宮城県を通じて被災地で入手困難になっているものを具体的にリクエストしていただきました。楽天市場の出店店舗様などを通じて、靴や干し芋などの保存食、700箱分を提供させていただきました。 【写真】(左)提供いただいたたくさんの支援物資。まだ荷物を仕分ける前の状態です(右)総勢60名がいっせいに運び出しの作業を行いました(下)10トントラックの車体にも「がんばろう東北!」の文字。支援物資と一同の想いを乗せ、片道8時間をかけて宮城県へ向かいました今後も、楽天グループは継続して復興支援に取り組んでまいります。活動の様子は、こちらのサイト⇒ http://corp.rakuten.co.jp/csr/philosophy/にて週次でご報告していく予定です。KOICHI NAKAMURA
2011年05月31日

一昨日OECD(Organization for Economic Co-operation and Development;経済協力開発機構)が発表した、"Better Life Index"、いわゆる幸福度指標が色々なメディアで取り上げられましたね。新聞だと、日経が「日本は家計や雇用、高等教育、健康など多くの指標で平均を上回る位置につけたものの生活への満足度は低く、豊かな暮らしのなかにも不満を抱えながら生活する日本人」と評し、毎日は「加盟34カ国のうち、日本は、殺人事件発生率などが低く「安全」が9.7と高い評価だが、勤務時間が長く、余暇などに使う時間が短いため「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)」は4.1と低い。」などとしています。11指標の平均で総合1位はオーストラリアらしいですが、ページにいくと「あなただけのBetter Life Indexをつくろう」となっていて、自分が大切だと思う項目をレーティングするとそれに呼応した国の表示がされます。面白いので、皆様おためしください。⇒ページはこちらからちなみに私にとって住みやすい国は、どうやらカナダなんだそうで。KOICHI NAKAMURA
2011年05月26日

5月26・27日に開かれるG8(主要国首脳会議)に先立ち、サルコジ大統領の肝入りで開催されるe-G8フォーラムが本日開幕しました。Yesterday's dreams have become realities, and the universe of possibilities grows broader around us every day. (昨日の夢が現実になり、可能性の宇宙は広大に伸張する、そんな毎日を私達は生きています。)という一説で始まる大統領の挨拶はインターネットの重要性を国レベルで認識するもの。今回の取り組みはとても画期的だと思います。今日のトーク・セッションにはうちの三木谷も出演します。日本時間18時半から、こちらのサイトで動画配信の予定です。⇒http://www.eg8forum.com/en/KOICHI NAKAMURA
2011年05月24日

昨日放送された『カンブリア宮殿』、すごかったですね。私がECコンサルタント時代からデスクを並べて仕事した豊田くんの伯父さんの回だというので、録画を観ました。伯父さんというのはケニア・ナッツ・カンパニー創業者の佐藤芳之氏。佐藤さんはケニア初めての日本人留学生。植民地支配から解放されたものの貧困から脱せないケニアの窮乏を見て、1974年に会社を起こします。現地スタッフの習慣や就業姿勢は日本人のそれと甚だしく異なることから、様々なマネジメント上の苦労を重ねた後に、関わる人たちがが幸せになることに重心をおいた会社づくりに行き着きます。(カンパニーという言葉の語源が、共にパンを食べる仲間という意味のラテン語なのだということを、私は初めて知りました。)30年を経て、ケニア最大の食品会社となった同社はネスレやゴディバといった世界企業を顧客にもつまでに成長するのですが、そこで佐藤さんは自分の持てる株式を従業員らにタダ同然で譲渡。外国で仕事をさせてもらった自分が、その役割が終えたら未練なく去るべきだとおっしゃる佐藤さんの美学に、武士道精神を感じたのは私だけでしょうか。そこから68歳にして、今度はルワンダで、アフリカの疫病防止のためトイレの殺菌消臭剤を供給する新たなビジネスを立ち上げます。現地の材料で製造する、環境にやさしい、誰もが購入できる安価な液体。手にした人たちは、臭いのしなくなったトイレの周辺を掃除したり用を足した後に手を洗ったりし出します。ナッツの会社も、消臭剤のビジネスも、そこに関わるアフリカの人たちの笑顔が印象的でした。みな口々に、佐藤さんに対する感謝の気持ちを述べていました。佐藤さんは、左眼を小学生のときに失明。ハンディキャップを負った自分の姿を、植民地支配を受けたアフリカに重ね合わせたそうです。そんなものは気にしなくて良いのだ、より良い明日をつくるのだ、という強い思いをもって突き進んできた佐藤さんの姿は、確かな形で現地社会を、人々を、力づけてきたのでしょう。佐藤さんはナッツの苗木を配ったときにも、それを無償にはしなかったそうです。“「支援」というのは長続きしない。そもそもアフリカの人々を助けてあげるという気持ちがおこがましい。有償にすることで対等な関係が形作られる。お金を払ったほうは、それを無駄にせず元をとろうという気持ちが生まれて活用の方法を考える。”実は佐藤さん南三陸町の出身。カメラは今回の津波で跡形も無くなった実家を訪れた佐藤さんの姿も捉えていました。上の佐藤さんの言葉は本当の意味での復興のあり方を考えるヒントを我々に与えるものだと思います。最後に、エネルギーに満ちた佐藤さんの言葉を二つ、ご紹介します。「サルは遠い昔、二本足で立ち上がった仲間を見てそれに続いた。我々はその子孫なのだから、その気になれば何でもできる。」「人生の可能性は無限大だ。」KOICHI NAKAMURA
2011年05月20日

またまたブログの更新が滞りがちですみません。比較的新しい社内コミュニケーションのツールを使ってみようと、ブログ書く分の時間はそちらに割いていました。仕事に直接関連した話が書けるというのは、かなり書く範囲のストレスから開放されて楽なので、ついついそちらになびき気味。私に限らず、様々なツールを使い分けていらっしゃる方が多いと思います。Facebook、Twitter、Yammer、ブログ、Mixi、etc. 皆さんはどういう媒体がお気に入りでしょうか。私にとっては、言いたいことをしっかり書けるという意味でブログが自分なりの目的を果たすのに最も心強いツールになっています。しかし様々なツールの特性があって、それにより書く文章や中身まで(自分にしかわからないかもしれないけれど)ちょっとした変化があるのは、書いていて面白いものです。昔、ワードプロセッサーが出てきて以降、文体が変わってしまうと、万年筆と原稿用紙を手放さなかった小説家の先生のお話を思い出します。逆に筒井康隆先生などは、ワープロでしかかけない実験的な作品も残されていますね。道具によってその人の思想までが変わるわけではありませんが、描かれる作品のもつ息遣いやニュアンスといったものはやはり影響されると思います。うちの社内ツールは英語限定なので、そもそも全く異なったテイストになるわけですけれど。KOICHI NAKAMURA
2011年05月18日

数学者の藤原正彦先生が書かれたエッセイに、「ビュッフォンの針」を取り上げたこのような内容のものがあります。大きな紙の上に等間隔で平行線を何本も引き、間隔の半分の長さの針を用意して放り投げると、落ちた針は平行線に触れたり触れなかったりする。このとき、どれかの平行線に触れる確率はπ分の一。これが数学のなんとも美しい定理。つまり3.14回落とすと1回だけ針は平行線に触れる。実際にこれを行なうと誤差というものが出るわけで、3回落としたくらいでは全部触れたり、全部触れなかったりすることもあるでしょう。落とす回数を重ねれば重ねるほど精度は増して、π分の一に近づいていきます。ここまでは感覚的に納得できるわけですが、その際の誤差の「縮まり方」にも法則があることをご存知でしたか?私は初めて知りましたが、実験の回数を10倍にする毎に、誤差は√10分の一になるのだそうです。√10は約3.16ですから、3回だけ落とすときと30回落とすときでは、0.32誤差が縮まります。300回、3,000回、30,000回、300,000回・・・・3千億回などと繰り返していくと誤差は限りなく低減し、π分の一に近づいていくわけですね。パーセンテージの話をするときによく「100回やったら○回の確率でこうなる」といった例えをしますけれど、1÷√100=0.1、100回やったくらいでは0.1(=10%)の誤差が残るということになります。「もし100万回やったらね、」という表現でやっと小数点以下のパーセンテージになるわけですが、こんな言い方しなくてはいけなくなったらややこしくて仕方ありませんね。日常生活を送るうえでは世の中便宜的なくらいがちょうどいいかもしれませんが、確率論というのはとても面白いと思います。KOICHI NAKAMURA
2011年05月10日

平泉がいよいよ世界遺産として登録されそうですね。東北復興の一助としてもうれしいニュースです。前回2008年の申請時には結果的に登録見送りとなり、大変残念な思いをしたことをトラベル事業に関わっていた身から昨日のことのように覚えています。正式には6月にパリで開かれる世界遺産委員会で決定されるようですが、「小笠原諸島」も同時に登録の予定で、それが成れば日本の世界遺産は16件。ちなみに中国には世界遺産がいくつあるかご存知でしょうか。その数、40。代表的なものには、万里の長城や、天壇、頤和園、紫禁城など、私も北京周辺のものは大体行きましたけれど、スケールの大きなものが多いと思います。世界遺産登録ランキングナンバーワンは、イタリアの44件だそうです。登録基準は10種のものがあって、第1項は「人類の創造的才能を表現する傑作」。歴史を通じた人類の創造性をいつか世界で巡ることのできる機会があればなあと思います。KOICHI NAKAMURA
2011年05月07日

3日の国連発表によれば、今年の10月31日に世界の人口は70億人に到達するという予測。統計はそこに載るものもあれば載らないものもあるし、正確性がうんぬんという議論はさておき、70億という数字は、地球上に住む私達が新しい世界のあり方を考え共存していかなくてはいけない現実を、象徴的に示しているような気がします。70億という人口は、もちろん今まで人類が経験したことのない数字です。UNFPAのDr. Babatunde Osotimehinが「70億人という世界は、挑戦と好機の両方を意味する」と表現するように、世界を見わたせば経済格差・環境破壊・武力闘争・食糧問題・教育問題等など、簡単には解決できない深刻な事象がたくさんあります。日本が抱える問題もそのひとつです。一方でこの人口の増加は最も人類が栄えた時代という証であり、将来にわたり永続的に発展をするための方策を考えていかなくてはいけません。人口分布の内訳においても大きな変化の兆しが見られるようです。予測によれば西暦2100年にアフリカ地域人口は、世界総人口の35%を占め現在の15%から大きく伸張。世界最大の人口地域アジアに次ぐ位置に迫ってきます。そして、そのとき世界の総人口は101億人になるのだそうです。今より31億人人口の増えた89年後、それが必ず今よりも良い世界であるために、私達が取り組めることはいったい何でしょうか。KOICHI NAKAMURA
2011年05月05日

今回の震災、色々な分野の色々な方たちが復興支援に関わっていらっしゃいます。企業レベルで、個人レベルで、様々な思いがそこにあり、誰かのために動くということは、それ自体が尊いことだと私は思います。しかしどういう形でそれを行なうのが良いのか、方策については個別に評価や改善案が出されているのも事実のようです。『とにかく何かしなくては』という思いに突き動かされることは、素晴らしいことだと思いますし、そのような情熱なくして血の通った貢献もないと考えます。一方で、「何をすべきか」「どういう手法ですべきか」を考え抜いて実行に移すことができると、活動の効果はさらに大きく、大勢の人に喜ばれるものになると思います。これは人生観のようなものにも通じるので色々なご意見があるかと思いますが、私なりの考え方を書くと、こういう具合です。人が生まれて死んでいくまでの間はたかだか何十年。宇宙の大きな営みの中ではとてもちっぽけなものだと感じます。ただし、その自分達ひとりひとりに許された何十年かを通じて、少しだけ世の中が進化向上するように、力足りずとも精一杯もがくのが人生。できることもあれば、できないこともあります。弱い自分と強い自分が混在します。人によっては大きな仕事をするし、こじんまりと過ごす人もいます。より大勢の人を幸せにしたり大きな向上を生んだりすることを企てることができれば、それは大きな志(こころざし)と呼ばれます。自分なりにできることを行なって、より良い社会づくりに役割を果たしていくということが基本形だとすれば、自らの企業活動を通じてそれを行なっていこうという人達が事業家・企業人と呼ばれるのだと思います。ステレオタイプな「企業の利益のため」という言い方がありますが、二者が対立するような構図はもはや漫画の中にしか存在しないのではないかと私は思います。誰かの得が誰かの損というような前時代的な商売は、社会的な支持を得られずサステナビリティに欠ける存在として、淘汰されるはずです。だから例えば復興活動に“企業イメージ向上”や“ブランド認知拡大”などといった、そんなニセモノの、表面的な「企業利益」との合致など必要ないはずだと、私は考えます。根本を履き違えていなければ、何らかの手を差し伸べ共に困難を戦おうという姿勢が自然に示されるべきです。事業・企業は知識や設備・諸リソースの観点から、他の人々が簡単に真似できない専門性とスケーラビリティを持っています。その専門分野・得意分野を活かして、よりダイレクトに社会貢献を行なおうとすれば、最も効果を生む唯一無二の活動になるのではないかというのが、上に書いたことであります。(経済的な理屈でいえば、持っているリソースで本業に即したことを行なうと原価と販管費のコスト分だけ見ることになりますから、利益から捻出する募金よりも享受できる支援の量や質がその分高いということにもなります。)しかし今回最も難しかったことは、災害が起こったときに自分達が最もなして貢献すべきは「どの領域」なのかということを、あらかじめ考え用意しておくことだったのではないでしょうか。やみくもに皆がやっていることに追従するだけでは、本来その企業がもっている良さ・得意分野が十分に活かせず、もったいなことになってしまうわけですが、さりとていざ災害が起こってからそんなことを考え始めていては、動くものも動けません。CSR (Corporate Social Responsibility) という言葉が世界中で叫ばれるようになって暫く、CSRの根本は自分達が何をやる会社であるかを定義することにあると思います。「自分達が何者であるか」という会社のDNAを宣言する作業、といっても良いかもしれません。そこがきちんと定義され、災害時の行動規定がなされていれば、短期間で自分達のとるべきアクションが見えてくるはずです。在宅医療システムを提供している帝人の大八木社長は、震災の当日「在宅医療事業は安全と安心を届けるという理念に立脚する。緊急時にこれが果たせなければ事業は存在理由を失う」と言って人員と医療装置を動員したそうです。Googleが消息情報を提供するための検索システム“パーソン・ファインダー”をリリースしたのは災害発生からわずか2時間後のことでした。“世界的な問題に対しエンジニアリング的な解決策を見出していく”という彼らの宣言はこういう形で具現化されました。山崎製パンが徹夜で工場を稼動させて48万個のパンを届けたとか、日清食品が100万食のカップラーメンを配布したとか、大企業ばかりではありません、床屋さんがはさみを持ってボランティアの散髪に出向くなど、まさにこれらは自らが何者であるか、何をもって社会に貢献しようとしているかが、明確な例だと思います。KOICHI NAKAMURA
2011年05月02日
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