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スケキヨ氏の Tactical Life より引用

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2016年04月21日

そのうえ釈尊の作法と大唐の狂者の作法とは
ちがいたる所おおく候えば、おなじく狂者とは申しがたく存じ候いかが。

師の曰く、ことばと作法とにて吟味評判するは
心盲〔しんもう〕の凡夫のわざにて、いとあさましきまよいなり。
国のちがい、作法、ことばになずむ心のくらさにては、
中々道の得心、儒道仏道の差別〔しゃべつ〕を弁〔わきまえ〕らるる事は成るべからず。
先ずあとに泥〔なづま〕ずして心をよく観察する理〔ことわり〕をあきらめるべし。
国所〔くにところ〕、世界の差別いろいろ様々ありといえ共、
本来みな大虚神道のうちに開闢〔かいびゃく〕したる国土なれば、
神道は十方〔じっぽう〕世界みなひとつなり。
しかるによりて国隔〔へだ〕たりぬればことば風俗はかわるといえども、
その心のくらいは本来同一体の神道なるによりて、
唐土も天竺も我が朝〔ちょう〕も、
またその外あるとあらゆる国土のうち、毛頭ちがうことなし。
かくあるゆえに本心の眼〔まなこ〕あきらかなる哲人は、
所によりて品かわる迹〔あと〕をすてて、
何国〔いづく〕もかわらず同一体なる心をもて評判するなり。
惣じて聖人も賢人も狂者も狷者〔けんしゃ〕も
一心にての見性成道〔けんしょうじょうどう〕なれば、
その心をよく観察してその位〔くらい〕を定むるなり。
荘子と釈迦・達磨と、ことば・作法はちがいたれ共、
その心の見性成道はおなじくらいになるによって、
狂者と云い、仏と云い、名はちがいぬれども、見性成道の心の位はひとつなり。
天竺にて仏如来とあがめて貴〔たっと〕ぶ人の心の位は、
大唐にて狂者となづくる、中行より下の人の心の位なり。
難波のあし（葦）は伊勢のはまおぎ（浜荻）※といえる諺の意〔こころ〕なりと得心すべし。

　※難波で葦と呼ぶ草を伊勢では浜荻と呼ぶ。

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