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2017年03月02日
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カテゴリ: 陽明学


文才なきものはみなまでまなぶ事およびがたし。
其の内一、二巻学びて道をしるべき所は何〔いず〕れぞや。

答えて云う、本来易経一部をおしひろめたる十三経なれば、
易経をよく学びたるがよし。
然れども、易経は簡奥玄妙〔かんおうげんみょう〕にして
尋常〔よのつね〕の人の取り入りなりがたければ、
孝経、大学、中庸をよき先覚にしたがいて学びたらば、
人の明暗によりて遅速ありというとも、
志〔こころざし〕専らにしてつとめ油断なければ、必ず真〔しん〕をなすべし。
三書を学びて余力あらば、其の力と隙〔ひま〕にしたがいて
語(論語)・孟(孟子)を学ぶべし。
扨〔さて〕また余力あらば十三経を皆学ぶべし。
十三経をみな学ばねば得道〔とくどう〕ならずと思うもまた大なる誤りなり。
いかむとすれば、十三教そなわらざる時に成徳〔せいとく〕の人卓散〔たくさん〕なり。
十三経を備わりて后〔のち〕却って得道の人すくなし。
孝経、学〔がく〕、庸〔よう〕の外にはいらぬと思うもあやまりなり。
いかんとなれば、時に趣〔おもむ〕く教え已〔や〕む事を得ざる勢いにして、
皆聖賢の遊ばしたる書なれば、無用の書にあらず。
学ぶところの書物、数の多少に心をとどむべからず。
ただ一向〔ひたすら〕に聖人となるべきを、志を励まし迷いをわきまえ、
自己心裏〔じこしんり〕の明徳を明らかにする益を求むべし。
聖軽・賢伝をきくに、明徳を明らかにする三益あり。
触発一つなり。栽培二つなり。印証〔いんしょう〕三つなり。
此の三益はみな自己の憤りによって得る所なり。
平生、体察〔たいさつ〕の功を用いずにして憤りなくば、
二六時中、手に巻〔まき〕をすてずとも、其の得〔う〕る益あるべからず。
若〔も〕し此の益なくば、書を読みても、よまざるにおと(劣)れり。





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Last updated  2017年03月04日 23時56分29秒


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