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カテゴリ: 陽明学


此〔かく〕の如く人倫日用において篤実に受用ありし故、
やがて大賢に至り給えるとしらせたるものにてあるべく候。
忠は己を尽すなり。我事には誰も心を尽し候。人のためには十分尽さず候。
人我へだてあるは仁ならず候故に、仁に至るの受用にて候。
朋友は、真実無妄の天道を父母としたる兄弟なれば、
其の誠を思いて相交わるを信と申し候。
内外一なるや、一ならざるやと、省〔かえり〕みるにて候。
伝えたる道理を受用せざるは、学者の病〔やまい〕にて候。
師友に問い学びたる所を、日用にこころむるや、受用せざるやと、省み給い候。

  ※1
  『論語』学而〔がくじ〕第一
  「曾子曰く、吾〔わ〕れ日に三つ吾身を省みる。
   人の爲に謀りて忠ならざる乎〔か〕、朋友と交わりて信ならざる乎、
   傳え習わざる乎。」




一 正〔あらかじめ〕スルコト勿〔なか〕レ(※2)はしるしをいそがざるなり。
忘ルルコト勿レはおこたらざるなり。
助長スルコト勿レは才覚を用うべからざるなり。
百姓の農業につとむるごとく、職人の職につとむるごとく、
いそがず、おこたらず、才覚を用いず、常になすべき事をして、自得〔じとく〕を待つにて候。
入徳は、善を行いて積みて徳となる事に候。
経伝を見、弓馬礼楽を学び、自己の非をよくしり、過ちを聞くことを悦び、
五輪〔ごりん〕道〔みち〕ある等の事、みな善を行うにて候。
不義をにくみ、悪を恥ずるものの、吾にあるを、天真と申し候。
これを主人公としてなす事は、皆善にて候。
これをかならず事とすることありと申し候。

  ※2
  『孟子』公孫丑上〔こうそんちゅう〕上
  「必ず事とすること有り。正〔あらかじめ〕すること勿なかれ。
   心に忘るること勿れ。助長すること勿れ。」




一 克己〔こっき〕復礼〔ふくれい〕(※3)は、天理・人欲並び立たず候。
尤も、平人の己・学者の己・賢人の己、高下浅深各別たるべく候。
大方、御書付〔かきつけ〕のごとくにて候。
三月仁ニ違〔たが〕ワズ(※3)の語は、克己の後たるべし。
四時、三月〔さんげつ〕にてうつりぬれば、年中の事なり。
年中たがう事なしといえども、違ワズと候えばいまだ力いり候。
化して聖と成る時は、違ワザルの力もいらず、無心にて天理流行いたし候。

  ※3
  『論語』顔淵〔がんえん〕第十二
  「己に克〔か〕ちて禮に復〔かえ〕るを仁と爲す」

  ※4
  『論語』雍也〔ようや〕第六
  「子曰わく、回也、其の心三月〔さんげつ〕仁に違わず、
   其の餘〔よ〕則ち日に月に至るのみ。」








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Last updated  2019年01月13日 03時52分26秒


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