森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.01.12
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従来、「不安、恐怖、違和感、不快感は」1つとして考えられていました。私はこれを2つに分けて考えています。

一つは「生の欲望」に対して、制御機能として必要不可欠な「不安、恐怖、違和感、不快感」です。
もうひとつは「かくあるべし」の強い人が、現実、現状、事実と食い違いを感じるときに発生してくる「不安、恐怖、違和感、不快感」です。
この二つを分けて考えることによって「不安、恐怖、違和感、不快感」の正体と対応策がよく理解できます。

1つ目のほうですが、人間が生きていく上に置いて不安、恐怖、違和感、不快感は必要不可欠なものと考えます。
我々が危機に瀕したとき、恐怖を感じるのは当然であり、恐怖は一種の危険信号です。生命の安全という点から考えると、できるだけ敏感な方がよいのです。我々神経質者は優れたレーダーを生まれながら備え付けているということになります。

大原健士郎先生が生活の発見誌に書いた記事を紹介します。
躁病の患者です。彼は病気になると発明妄想に支配される。会社を休んで自室に閉じこもり、貯金をごっそりおろして、発明に凝りだすのである。「俺は日本の発明王エジソンだ」などと言い出す。
そして私の所へ来て、すばらしい発明をしたという。聴いてみると、冬寒いときに勉強していて便意をもようしたとき、トイレに行かなくても、その場で用がたせる電動式便器であるという。それは部屋が臭いじゃないかというと、そこまでは考えてなかったという。

躁病の人は「不安、恐怖、違和感、不快感」が正常に働かなくなります。だからこうゆう笑い話のようなことが起きるのです。

2つ目の「不安、恐怖、違和感、不快感」は思想の矛盾を解消しようとしてでてきます。不可能なことに挑戦することです。それは無限大に増悪してきます。そして日常生活にまで浸食して身動きをとれなくしてきます。そうなると神経症の固着といってよいと思います。

みなさん、「かくあるべし」が全くない状態を想像してみてください。すると、事実との食い違いがなくなりますから、不安、恐怖、違和感、不快感も存在しなくなります。動物や幼児はそうゆう世界の中で生きています。

森田理論学習の大きな目標の一つは「かくあるべし」に振り回されない事実本位の生活態度を身につけることだといえます。
そのためには今まで字も同じですし「不安、恐怖、違和感、不快感」を十把ひとからげに同一のものとして考えていたのを2つに分けてみましょう。そうすると次の段階へ進むことができるようになります。





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Last updated  2013.01.12 11:01:53
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